広告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 01:07 UTC 版)
広告の産業規模
- 第二次世界大戦中の広告費
大日本帝国では1942年に『広告税法』が施行されており、新聞、雑誌、書籍など出版物による広告には10%の広告税が課されていた。その他、立看板、掛看板、幟、旗、建植看板、野立看板、額面広告、チラシにもそれぞれ税率が定められていたので、広告費は当時の広告税の税収額から推測できる。ただし宗教法人や大蔵大臣から『公事に関する団体』の指定を受けた大政翼賛会など非課税とされていた団体もある[11]。また国外では樺太、関東州、朝鮮、台湾にそれぞれ広告税法が施行されていた。
これらの法律は1946年、連合国軍占領下の日本で廃止された。
- 現代日本の広告費
日本の広告費は、経済産業省の特定サービス産業動態統計や、電通の発表資料でみることができる。
2004年の広告費は、特定サービス産業動態統計では5兆4,684億円、電通資料では5兆8,571億円となっており、概ね5兆円後半程度と思われる(特定サービス産業動態統計は額ベースで全国の7割超の事業所をカバー。電通資料は自社取引に推計を加えたものとなっている。双方のカバー率及び推計に違いがあるため、値には差がある。一般的にニュース等で広告費として取り上げられるのは電通資料の値)。傾向として、主要四媒体広告(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)はテレビ以外は低迷、その他の広告では、インターネット広告(サーチエンジン連動型広告)が大きく伸び、2019年ついにテレビ広告を抜いたことがあげられる。
GoogleやFacebook等のSNSが、個人商店や小規模の事業にとって簡単に広告可能なメディアとなり、いわゆる「日本の広告費」の範囲外となる部分が大きく認識されるようになってきた。Googleに限ってみても、親会社アルファベットの売り上げには中華人民共和国での活動がないから、世界のGDP比で考えても1兆円前後の売り上げをGoogleは日本で上げていることになる。これは上記のインターネット広告推計値の「外数」であると考えるべきこととなる。
企業によっては年間1,000億円以上の広告宣伝費を支出しており、特に自動車メーカー、トイレタリー、大規模小売業チェーン、医薬品などの広告宣伝費は大きい[12]。
- ^ Hong Liu, Chinese Business: Landscapes and Strategies (2013), p. 15.
- ^ 第2版,世界大百科事典内言及, 日本大百科全書(ニッポニカ),百科事典マイペディア,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,マーケティング用語集,精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,ブランド用語集,世界大百科事典. “広告とは”. コトバンク. 2022年6月3日閲覧。
- ^ a b 小林太三郎著「現代広告入門」第2版、ダイヤモンド社、昭和58年、10-12ページ
- ^ a b 後藤将之『マス・メディア論』<有斐閣コンパクト> 有斐閣 1999年 ISBN 4641076219 pp.196-199.
- ^ 水野, 由多加「[研究ノート 近現代文芸の中の広告(1) : 明治期以降の文学作品中の言説渉猟]」『関西大学社会学部紀要』第46巻第1号、2014年10月31日、27–55頁。
- ^ 水野, 由多加「[研究ノート 近現代文芸の中の広告(2) : 明治期以降の文学作品中の言説渉猟]」『関西大学社会学部紀要』第47巻第1号、2015年10月31日、53–83頁。
- ^ 水野, 由多加「[研究ノート 近現代文芸の中の広告(3) : 明治期以降の文学作品中の言説渉猟]」『関西大学社会学部紀要』第48巻第1号、2016年11月15日、113–138頁。
- ^ 清水公一 (2018). 『広告の理論と戦略』第18版、第2刷. 創成社、39ページ
- ^ Behal, Vikas; Sareen, Sania (2014). "GUERILLA MARKETING: A LOW COST MARKETING STRATEGY". International Journal of Management Research and Business Strategy. 3 – via Google Scholar.
- ^ 『インフラ広報の世界 INFRA.PR BRAND BOOK』株式会社Kプロビジョン、2023年04月14日、20頁。
- ^ 『大藏省令第149号廣告税法施行規則ニ依リ結社指定』、官報。1942年。
- ^ 東洋経済オンライン 広告市場は09年度も大幅減少に! メディアは火だるま(1)
- ^ 国際連合. “ディビッド・ケイ「表現の自由」国連特別報告者 訪日報告書』(A/HRC/35/22/Add.1)”. 外務省. 2018年7月27日閲覧。 “日本の5大民放組織が,それぞれ主流全国日刊紙と繋がっている。これは,情報市場への参加者数を制限している。”
- ^ 清水公一、木村有宏、新川三郎(2014)「屋外広告指標推定システムの構築」『日経広告研究所報』276号、日経広告研究所、38-45ページ。
- ^ a b 清水公一(2018)『広告の理論と戦略』第18版、第2刷、創成社、187-190ページ。
- ^ a b 電通広告事典プロジェクトチーム「電通広告事典」2008 電通
- ^ https://ci.nii.ac.jp/naid/120006368708/ 水野由多加(2017)「ネーミングライツ(命名権)についての断章」『関西大学社会学部紀要』49(1), 205-217. https://ci.nii.ac.jp/naid/120006624697 同(2018)「ネーミングライツ(命名権)についての断章(続)」『関西大学社会学部紀要』50(1), 61-74.
- ^ 水野由多加「ネーミングは広告である : ネーミングライツの意義と公共性」『都市問題』第114巻第1号、2023年1月1日、54–63頁、doi:10.32286/00027809。
- ^ [1]
- ^ 水野由多加「〈論文〉商業現象に見出される「広告とは言及されない広告」―現象理解のタテ糸あるいは補助線としての広告研究―」『商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies』第64巻第2号、2017年12月31日、45–85頁。
- ^ 産経新聞の例・産経新聞媒体資料インターネット版より
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