リンド・ヴルムの住人
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「モンスター娘のお医者さん」の記事における「リンド・ヴルムの住人」の解説
ティサリア・スキュテイアー 声 - ブリドカットセーラ恵美 種族 - ケンタウロス 下半身が馬のようなケンタウロス族の少女。名門スキュテイアー一族の令嬢でスキュテイアー運送の跡取り。 豊かな金髪を団子状にまとめた髪型、ターコイズを思わせる瞳、下半身の黒い毛並み、人馬の平均より大きな胸を持ち、身だしなみへの配慮やよく響く声から舞台俳優のような印象を与える。 父はエフタル、母はキンメリア。 侍女のケイ、ローナを連れているお嬢様であり、リンド・ヴルム大闘技場第三階位の闘士でもある。武芸の一族としての名誉を大切にしたいと考えており、殿堂入りを果たして闘技場の碑に永遠に刻まれることが目標。 頭の回転が悪いわけではないが、計算や数式が苦手。くすぐったがり。怖がりで、墓場街には極力近づこうとしない。身の回りのことは従者に任せているので、一人では料理も掃除も野営の準備もできないが、特に気にはしていない。 誇り高く、正義感も強い。何事にも正々堂々が信条で、有事の際は一軍の将のような貫禄で場を収めてみせる。心優しく、侍女であるケイやローナを心配する一面も持つ。 サーフェやアラーニャと違い、酒は嗜まず、3人で酒場にいても人参ジュースを飲んでいた。 今まで大きな病気も怪我もしたことのない健康体。ただ、原始的な恐怖心から装蹄を拒否していたため蹄が伸びすぎてスランプに陥っていたが、グレンからやや強引に蹄鉄を履かされたおかげで復調する。その後は順調に戦績を重ね、昇位試験にも合格し、一流とされる第二階位に昇格した。 屈強な男性より、利発で教養のある相手が好みで、グレンに対して好意を寄せている。一時はグレンがサーフェを一番に想っていることを慮って身を引こうとしていたが、条例改正を受け、サーフェから出奔前に婚姻届を渡されていたことを逆手に取り、第2夫人に立候補する。 著者によれば当初はメインヒロインの予定であり、サーフェンティットのライバル的な位置付けにする考えでいたが最終的にヒロインの一人に落ち着いたという。 ケイ・アルテ 声 - ファイルーズあい 種族 - ケンタウロス ティサリアの侍女。 戦災孤児で、ローナとともにスキュテイアー一族に引き取られ、一族の執事として仕える養父に育てられる。 普段は猫をかぶっているが、本性は結構やんちゃで活発。はつらつとしていて、性格はあっさりしている。その上、どこか達観している。凛々しく精悍、中性的な雰囲気で、女性に人気の出そうな女性という印象を受ける。 ティサリアほどではないが、人間基準なら十分豊満な胸を持つ。 剣を常に持ち歩いている。闘士としては第四階位で、後に第三階位に昇格する。 ハーピーの里に行く途中で地震に驚き、球節部を捻挫してしまう。 ローナ・アルテ 声 - M・A・O 種族 - ケンタウロス ティサリアの侍女。ケイの義妹。 ケイと共にスキュテイアー一族に引き取られた戦災孤児。義姉が不在となると過酷だった孤児時代を思い出してしまうため、ケイと一緒に仕事などしていないと落ち着かないらしく、そのことで精神が滅入ることがある。 料理が得意。 性格はおっとりしていて、どこか神秘的な雰囲気だが、淑女な印象に反して悪戯心に溢れている。頭は回るが神経質な部分があり、多方面へ気を配り世話を焼く女従にふさわしい気質を持つが、気苦労が絶えない場面も多い。 グレンのことはティサリアの婿にとてもお似合いで、2人で商会を背負っていくのに相応しい人物だと思っている。そのため、何事も正々堂々の主を心配し、既成事実を作ってしまおうとグレンに色仕掛けを迫ったこともある。 弓矢を常に持ち歩いている。闘士としては第四階位。直接戦闘の技量は姉より劣るが、第六感というべき感覚に優れ、殺気や気配に敏感。蹄の足音を立てずに移動する術を身につけている。 ハーピーの里への道中で姉が負傷したことがきっかけで、商会の未来への懸念から気が散って仕事が手につかなくなってしまう。だがグレンの提案で視野を狭くする目隠し、ハミ、懲罰用のベルトで過敏な心を『閉じ込める』ことで落ち着きを取り戻す。 ルララ・ハイネ 声 - 藤井ゆきよ、Shaylee(歌唱) 種族 - マーメイド リンド・ヴルム北西地区にある水中都市、『メロウ水路街』に住む褐色肌で人魚族の少女。 とても涼しげでよく通る声をしていて、はきはきと喋る。ショートカットと八重歯に、健康的な褐色の肌、金と白を基調に黒のラインが走る下半身を持つ。現代ではほとんど使われていない魔族の古代語を歌として発音できる。 誰とでも分け隔てなく接するため、同年代のイリィやメメと友達になっている。 思春期でお年頃な歌姫。一人称はボク。5人姉弟の長女。弟妹の名前は、シド、レミー、ファン、ソウラ。末妹のソウラ以外は奉公先を見つけて働き始めたので、一家の生活水準は大きく上がっている。 戦後に家族でリンド・ヴルムに引っ越してきたが、父親が事業に失敗し水路街での生活に馴染めず新しい女を作って海へ逃げ帰ったため、母親とともに一家の稼ぎ頭として貧乏な家庭を支えている。母親は深海出身なので肌が弱く、末妹のソラウも母親に体質が似ている。自身も元々は白い肌をしているが、浅瀬に棲んでいた父に似てすぐ日焼けする体質。 海で暮らしていた当時は死体などの漂流物を見かけていたため、後述する苦無の切り落とされた腕を見たりしても一切物怖じしない。 元は水路街で歌を歌って銅貨を稼いでおり、1日の半分以上を陸上で活動していたために喉やエラに炎症を起こしていた。そのために喉の弁の切り替えに失敗して溺れかけたことがあるが、グレンに救助され、その後は保湿剤や薬飴で治療を受けている。スカディから直接に勧誘され、月給制で水路街の中央広場の噴水公園でパフォーマンスをしている。 グレンの治療を受けた後のとあるハプニングのせいもあり、彼に対し好意だけではない複雑な感情を抱いている。条約であと2年は結婚できないが、グレンの嫁探し騒動の時には告白をしている。かなり意思が固いので、サーフェも容認している状態。 水路街からの支持で人間領への大使候補となったが、連日の猛暑で日焼けがひどく、陸上移動もある旅は推奨できないというドクターストップで、辞退することになる。 アラーニャ・タランテラ・アラクニダ 声 - 嶋村侑 種族 - アラクネ 下半身がクモの種族であるアラクネ族の女性。大陸中に支店を展開する『荒絹縫製』、そのリンド・ヴルム支店の服飾デザイナー。ラドン花街の近くに住んでいる。京都弁。 美しく切り揃えたストレートの黒髪に、深みのある赤い瞳、落ち着いた表情と挙措が特徴的。人間領極東でしか見られないキモノのような奇抜な服装をしている。人間領東部の訛りが強い大陸公用語で話す。 サーフェの呑み仲間で、ギンジョウという東の酒を好む。グレンとはハーピーの里付近の森で出会う。 優秀なデザイナーで、デザインの参考になるのなら森の中でも現れる。しかしながら、性格は享楽的で他人にちょっかいをかけることも多々ある。 アラクネ族特有の糸を使いこなし、糸でトラップを作ったり、糸を操って神出鬼没に飛びまわる。 母親は近づく男を籠絡し、自分の手を汚さず盗みをさせていた。多くの男と情を交わしていたため、父親が誰かは自分でも分からない。傍若無人で強欲だった母親を浅ましく思う反面、自身の略奪癖も歯止めが効かず葛藤することがある。気難しく気分屋だが、仕事熱心で愛想もいい。 盗み癖から他人の男性に手を出すが、すぐに捨ててしまうため恋愛経験はなかった。そのため酷いことをした自分に対し苦手意識を持ちながらも普通に接するグレンを意識し始めるが、当初は彼に対して抱いた感情が何なのか解らなかった。条例改正後は、愛人でも構わないと言って、グレンの第3夫人へ志願する。略奪癖をこじらせてはいたが、実は正真正銘の生娘で、キスはグレンが初めての相手。 スカディの手術の際は、針と糸を巧みに扱う腕を買われ縫合担当を依頼される。専門ではないと一度は断ったものの説得に折れ、本業を一時休業して練習を積み、執刀医の一人として手術台の前に立った。 かつて自分を捨てた母を探して人間領を旅していたことがある。そのため、東国風の味付けをした料理が得意で、サーフェが『眠り病』で倒れた時はグレンの食事の面倒を見に通っていた。 グレンとの結婚の挨拶にヘィアンに行ったとき、母が組織した盗賊団の残党『黒後家党』の問題からリトバイト家から婚約を拒まれる。自身もサーフェとグレンの仲を壊したくないと愛人という立場に甘んじようとしたが、グレンの「何があってもずっと一緒だ」という言葉を信じることを決め、盗賊団捕縛後に接触してきた母の誘いを拒んでリンド・ヴルムに帰る。 著者によれば「いかにも恋路に横やりをいれそうなキャラクター」を考えた結果、誕生したのがアラーニャだったという。 メメ・ルドン 声 - 岡咲美保 種族 - サイクロプス 大きな一つ目が特徴のサイクロプス族の少女。15歳。 サイクロプスの職人が働く『キュクロ工房』で唯一の女性。 かなり左寄りな眉にコンプレックスがあるため、前髪を伸ばして目まで隠し、常に下を向いて歩く癖がある。後ろ髪は三つ編みを作って複雑にまとめている。身嗜みにも気を遣い、左耳には自作のピアスをつけている。年齢に比して胸は大きめ。周囲には秘密だが、私服として『荒絹縫製』にゴスロリ服を注文している。 工房の親方からも目をかけられるほど優秀だが、自虐的かつ後ろ向きな性格で、仕事を任されても二言目にはだいたい「無理」と言い放つ。人付き合いも苦手で対人恐怖症ぎみだが、道具の納品であちこち回っていたため顔は広い。その性格は致命的に客商売が向いていない。以前は診療所への配達、納品を担当していたため、グレンたちとも面識がある。警邏隊の隊員にも顔がきくが、声の大きいスィウは苦手。 目薬を指すのが非常に苦手。 幼いころから職人の仕事に興味津々で才能があったため、職人の父親から知り合いであるキュクロ工房の親方に預けられる。馬車といった大きなものよりも、ガラスや金細工といった少女が憧れる細工に興味関心が強い。後にメロウガラスの免許を取得する。 スカディの手術の際には、手術針の制作を親方から指示され、針金を使うという発想の転換で十分なものを完成させた。 毒水事件の後から工房の分店を任され、間も無く不審者が店の周囲に現れたことへの恐怖と仕事の重圧から不眠症を患うが、原因を作ったプラムとは和解した。 工房の紅一点ということで人間領への大使候補となったが、選ばれたら緊張で死ぬと辞退した。 エフタル・スキュテイアー 種族 - ケンタウロス スキュテイアー商会の代表。ティサリアの父。リンド・ヴルム議会の一員でもある。年齢は50歳を超えたばかり。妻とは10歳以上歳が離れている。 口ひげを蓄えた厳格そうな面構えで、ケンタウロスの中でも一際背が高く筋骨隆々。上半身にはいくつもの刀傷がある歴戦の戦士。 元は傭兵なので今も朝の鍛錬を欠かさない。屋敷で住み込みで働くのは、自身が実力を認めた強者ばかり。 長く続いた戦争が終わった時、多くの者に見限られながらも一族の長としてケンタウロスの輸送能力を流通に活かして一族の名を広めるという決断を行い、結果的にリンド・ヴルムになくてはならない大商会の当主として成功を収めた。 同族を率いるお墨付きをメルドラク家から貰った一家なので、メルドラク卿には頭が上がらない。 非力な人間でありながら知性によってリンド・ヴルムでいくつもの事件を解決したグレンのことを認めており、収穫祭を開催に導いたことで正式に娘との婚約を許可した。 キンメリア・スキュテイアー 種族 - ケンタウロス エフタルの妻で、ティサリアの母。そろそろ40歳だが、日々の鍛錬の成果かかなり若々しい。得物はハルバード。 ケンタウロス族の名門からスキュテイアーに嫁いできた。若い頃はかなりじゃじゃ馬で、自分より強い相手としか結婚しないと豪語していた。一人娘とは似た者親子であり、強さを求める性格だけでなく、墓場街が苦手なところも一致している。 孫の顔が見たくて、娘に結婚を急かしている。一方、ひ弱な人間が娘と付き合うことには否定的で、娘と模擬剣が折れるまで一騎打ちの大喧嘩をすることになる。 マローネ・ゴルガル 種族 - リザードフォーク リンド・ヴルム大闘技場第三階位の闘士。異名は『翠緑の風』。 ティサリアの昇格試験最後の相手。 フランク 種族 - ゾンビ デッドリッチ墓場街ではなく、壁の内側に住んでいる珍しいゾンビ。穏やかで紳士的な男性。定期的に防腐剤が必要で、診療所の常連である。 モーリー・ヴァニタス(2代目) 種族 - ショゴス デッドリッチ墓場街の支配人。前任の支配人だったスケルトンの骨格にゲル状の身体をくっ付けた姿をしている。捕獲作戦後の服装は体組織から作り出した修道服で、大きなスコップを持つ。 群体であるためか、一人称は「我々」。分析が得意で、確率論を交えた非常に独特な言い回しをする。ある人物を真似たレクイエムを歌うことも出来る。 無表情でも性格は結構お茶目でユーモアがあり、知性と学習能力は高い一方、今の世界への理解が少なく、道徳や倫理感という点では子供以下のため、栄養補給を求める習性に従い、栄養豊富なスカディの肉体に寄生、彼女を無自覚に命の危険に追いやっていたが、手術によって摘出されたことで、自分の行いが間違いだと学習し、瓶詰めされ保管されていた中央病院から脱走、栄養分を得るためにどうするべきかを学ぶため、警邏隊の目から逃れて街に潜伏し、情報を収集していた。その際に複数の分裂体を作り出したのがドッペルゲンガーと呼ばれ、ひと騒動起こすこととなった。 ティサリアの昇格祝いの裏で行われた捕獲作戦で分裂した個体と合体を果たし、スカディからも許され、その後栄養を得るためには街の一員として職務を果たすのが最良だと学習し、名前も前支配人のスケルトンの物を襲名した。 管理者不在で荒れていた墓場街のイメージ刷新のため、アンデッドが暇を持て余して悪さをしないよう彼らに仕事を与え、「明るく楽しいお化け屋敷!」をコンセプトに墓場街を独特の観光地として発展させようと精力的に活動、以後基本的に墓場街から出るつもりはないが、バロメッツ騒動で『眠り病』が大発生した時は、議会からの要請で眠らないアンデッド族の陣頭指揮を執り、倒れた人々を救助した。 住民を観察した結果、複数の女性魔族と親しいグレンとの関係を良好にすればリンド・ヴルムでの生活が快適になるという結論に達し、グレンの愛人志望者を標榜している。 モーリー・ヴァニタス(初代) 種族 - スケルトン デッドリッチ・ホテルの先代支配人。スカディから墓場街の管理も任され、住人に秩序を守らせるよう活動しており、墓場街からの勝手な出入りについては特に厳しく取り締まっていた。また、高いエンバーミングの技術を持ち、戦死者の死体を保管し、時に住人に提供する役目も担っていた。 生前は冷たい印象の美女だが、ぎょろりと大きな目と豊満な胸が特徴だった模様。自称「セクシーなシスター」であったが、淫蕩すぎる肉体から悪魔の使いと難癖をつけられて、魔女狩りのついでに理不尽に処刑されている。その過去や死者を統括する職責に反して性格は非常に軽い。 接客も観光客への対応もうまいことやっていて、ホテルも評判だったが、先日、魂が未練を失い昇天(ジョウブツ)、その後、死者の国から2代目の無意識に働きかけて収穫祭を開いてもらい、期間限定で現世に復活、スカディに対しグレンに気を配るよう忠告する。 プラム・メルドラク 種族 - 吸血鬼 吸血鬼の中でも特に権威を持ち、リンド・ヴルムで議席を持つ多くの魔族の後ろ盾になっている名家・メルドラク家の娘。輝く金髪と褐色肌の少女。昔ながらの吸血鬼のイメージを大切にする保守的な両親に反感を持つが、父親からは溺愛されている。 娯楽に飢えており、お洒落なアクセサリーが好きで、デザイナーとして著名なアラーニャや、同年代の女子なのに職人として店を任されているメメを尊敬している。プラムの実が好物。同年代の、特に異性の血の匂いが好みで、動物の血液は体質的に受け付けない。格好悪いと思われたくないがために、外面を取り繕う性格で、クールな仮面を被り着飾っているが、素の性格は弱気で、メメほどではないが人付き合いが苦手。 高価な色眼鏡をかけてフードを被っていたせいで不審者だと思われていたが、事情を話して和解する。尖ったアクセサリーをつけたために翼膜が傷つき、これを治すためにグレンの血液を欲して診療所に忍び込んだ。 父親のごり押しで人間領への大使候補になり、何の苦労もなく美しい羽を持つイリィへの嫉妬から喧嘩になるが、嵐の日に命を救われたことをきっかけに和解。投票の結果が同票だったので、2人とも大使に選ばれた。 エーリス 声 - 鈴木愛奈 種族 - ワーキャット 闘技場でティサリアと戦った。
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