心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 07:33 UTC 版)
心と脳と身体
近年[いつ?]の神経科学者らは、心の状態は脳の物理的状態と密接な関連がある、と考えている。たとえば脳内の各部位と機能との関連(例:ブローカ野、視覚野)、神経伝達物質と気分との関連(例:ドーパミン、エンドルフィン)などが次々と発表されている。
ただし最近では、アントニオ・ダマシオらによって、脳だけで説明しようとする理論では不十分なところがあり、脳に加えて身体まで含めた総体のダイナミックな相互作用が意識や心という現象を作り出しているとすべきだ、と指摘されるようになっている[8]。
唯脳論を超える近年の諸見解
- ロジャー・ペンローズ スチュアート・ハメロフ
- ケンブリッジ大学の数学者ロジャー・ペンローズとアリゾナ大学のスチュワート・ハメロフは、意識は何らかの量子過程から生じてくると推測している。ペンローズらの「Orch OR 理論」によれば、意識はニューロンを単位として生じてくるのではなく、微小管と呼ばれる量子過程が起こりやすい構造から生じる。この理論に対しては、現在では懐疑的に考えられているが生物学上の様々な現象が量子論を応用することで説明可能な点から少しずつ立証されていて20年前から唱えられてきたこの説を根本的に否定できた人はいないとハメロフは主張している[9]。
- 臨死体験の関連性について以下のように推測している。「脳で生まれる意識は宇宙世界で生まれる素粒子より小さい物質であり、重力・空間・時間にとわれない性質を持つため、通常は脳に納まっている」が「体験者の心臓が止まると、意識は脳から出て拡散する。そこで体験者が蘇生した場合は意識は脳に戻り、体験者が蘇生しなければ意識情報は宇宙に在り続ける」あるいは「別の生命体と結び付いて生まれ変わるのかもしれない。」と述べている[9]。
注釈
- ^ 他人の心情や身の上などに心を配ることやその気持ちを指すこと
- ^ 翻訳としては、アリストテレス著、桑子敏雄訳『心とは何か』 講談社学術文庫、1999年 ISBN 978-4061593633 など。
- ^ 発音を正しく表記するにはeの上に横棒を書く
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『新カトリック大事典 第2巻』研究社、2002年。
- ^ 『申命記』 4:9
- ^ 『ヨシュア記』14:7
- ^ 『ローマ人への手紙』10:9-10
- ^ 『エゼキエル書』 36:25-26
- ^ 並川孝儀『スッタニパータ ―仏教最古の世界』岩波書店、ISBN 4000282859
- ^ 中村元『ブッダのことば―スッタニパータ』岩波文庫、1958、ISBN 4003330110
- ^ アントニオ・ダマシオ『生存する脳―心と脳と身体の神秘』講談社、2000。など
- ^ a b モーガン・フリーマン 時空を超えて 第2回「死後の世界はあるのか?」
- ^ ダニエル・ゴールマン『EQ こころの知能指数』講談社、1998
- ^ http://www-formal.stanford.edu/jmc/whatisai/whatisai.html
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