(1-4)心不相応行法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 15:38 UTC 版)
(しんふそうおうぎょうほう、梵: citta-viprayukta-saṃskāra dharma、チッタヴィプラユクタ・サンスカーラ・ダルマ)(14) - 心に伴わないもの。 得(とく)(梵: prāpti、プラープティ) - ダルマを獲得させる原理。すべての有情数の法と必ず倶生する。 非得(ひとく)(梵: aprāpti、アプラープティ), 凡夫性(ぼんぶしょう) - 聖道の非得。 - いずれかのダルマの分離の原理。 同分(どうぶん)(梵: sabhāgatā、サバーガター) - 法の同類性。生きものの同類性。有情の各類に共通な同類性。それぞれの人にはすべて人として共通の、それぞれの牛にはすべて牛として共通の同類性がある(有差別同分)。また、すべての有情には有情としての共通性がある(無差別同分)。衆同分ともいう。 無想定(むそうじょう)(梵: asaṃjñisamāpatti、アサンジュニサマーパッティ) - 心の活動作用を止息させる瞑想。無意識にまで至るほどな極度の精神集中。無想天に生まれることを真の解脱と誤解してそれを求める者が修する。 無想(むそう)(梵: āsaṃjñika、アーサンジュニカ) - 無想定を修することによって達する境地。無想天に生まれた者の獲得する無意識な状態。無想果(むそうか)とも呼ぶ。 滅尽定(めつじんじょう)(梵: nirodhasamāpatti、ニローダサマーパッティ) - 心のはたらきがすべて尽きてしまった瞑想。心のはたらきが消滅した状態にある精神集中。聖者が寂静の境地を楽しもうとして修する。 命根(みょうこん)(梵: jīvita-indriya、ジーヴィタ・インドリヤ) - 生命持続の力。生命機能。体温と心のはたらきとを維持する生命力を法の一要素として見たもの。 生(しょう、せい)(梵: jāti、ジャーティ) - 生起。四相(しそう)の一要素。どんな有為法にも必ずあい伴う。説一切有部では、すべての有為法の上にある特殊な法の存在を考えて、心不相応行法の中に数える 。 住(じゅう)(梵: sthiti、スティティ) - 存続。生起した状態を保つこと。四相の一要素。 異(い)(梵: jarā、ジャラー) - 変化。状態が変異すること。四相の一要素。 滅(めつ)(梵: anityatā、アニティヤター) - 消滅。四相の一要素。 名身(みょうしん)(梵: nāmakāya、ナーマカーヤ) - 名称の集まり。文すなわち音節、句すなわち文章に対して、名辞を意味する。名ともいう。本項以下の名・句・心の三つによって、言葉のはたらきが、それによって認識が、成立すると考えられている。。 句身(くしん)(梵: padakāya、パダカーヤ) - 文章の集まり。名すなわち名辞、文すなわち音節に対して、まとまった意味を表しうる文章を意味する。 文身(もんしん)(梵: vyañjanakāya、ヴィヤンジャナカーヤ) - 字母の集まり。名すなわち名辞、句すなわち文章に対して、音節を意味する。
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