スーダン 地方行政区分

スーダン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 22:06 UTC 版)

地方行政区分

スーダンの地図(英語)

18の州がある。()内は主要都市。

主要都市

主要都市は、首都ハルツームの他、オムドゥルマンアル・ハルツーム・バフリポートスーダンがある。ハルツーム、オムドゥルマン、アル・ハルツーム・バフリはナイル川をはさんで隣接しており、三つ子都市とも呼ばれ、スーダン最大の都市圏を形成している。

地理

スーダンの衛星写真。北部の乾燥にくらべ、南部はやや湿潤であることがはっきりわかる

国土の大部分は広大な平原で、ほぼ中央をナイル川とその支流が縦貫する。北部はヌビア砂漠、南部はステップ気候であり、サヘル地帯が広がっている。

北部は乾燥した砂漠気候であり年間降水量は100mm以下である。わずかにナイル川や紅海沿岸に少数の人々が住むに過ぎない。紅海沿岸は起伏が多く、平野はあまり発達していないが、湾入も少なく良港はほとんどない。

中部は乾季には乾燥するが、雨季にはまとまった降水量があり、特に白ナイル川以東のゲジラ地区などは肥沃な農業地帯となっている。南部のコルドファンや西部のダルフールでも事情は同じで、雨季には農耕も行われ、さらに雨を受けて広大な草原となった土地を牧草地として、盛んに牧畜がおこなわれる。

西部のダルフール地域にあるマッラ山地や中央部のヌバ山地など、いくつかの山地が孤立して存在している。最高地点はマッラ山地のデリバ・カルデラ (標高3042m)。南にいくにしたがって雨量が増え、ステップ気候となっていく。

なお、北部の砂漠と紅海沿岸は一年中、日中の気温が40を超す炎熱の地である。

デリバ・カルデラ

水系

水系は、ほぼすべてがナイル川へと流入する。中央を縦貫する白ナイル川を基軸としている。ナイル川の流量は南スーダン最北部のスッドにて激減しているが、これが増大するのは、青ナイル川を合わせる首都ハルツーム以北である。

青ナイルは乾季には雨量が減少するものの、雨季にはエチオピア高原に降った大量の雨を運んでくるため流量が極度に増大し、かつては下流のエジプトで定期的に洪水を引き起こしていた。

その後、北のアトバラで、やはりエチオピア高原から流れてきたアトバラ川を合わせた後、エジプト領内へと流れ下っていく[29]

経済

IMFの推計によると、2013年のスーダンのGDPは667億ドルであり、アフリカ全体では7位に位置する。一方、一人当たりのGDPは1,941ドルと、世界平均の20%を下回る水準にある[1]。1990年代までは、長引く内戦経済制裁などで、経済は完全に破綻状態であり、2019年現在スーダンは平和基金会が発表している「世界失敗国家ランキング」8位の国である。

他方で、石油資源ではMelut Basin(Adar/Yale油田)やMuglad Basinヘグリグ(Heglig)油田、ユニティ(Unity)油田、Abu Gabra油田)やBlue Nile Riftが大きく世界の注目を浴び、アメリカの経済制裁が加えられた期間に石油メジャーの間隙を突く形で、1990年代後半から中国政府のバックアップを受けた中国系企業が進出した。数万人規模の中国人労働者がスーダンに派遣され、石油プラント、石油パイプライン(Greater Nile Oil Pipeline, PetroDar Pipeline)が建設された。

Greater Nile Oil Pipelineは全長1,600kmで、ユニティ油田 - ヘグリグ油田 - ハルツーム(Khartoum Crude Oil refinery) - ポートスーダン(紅海に面する港)を繋いでいる。Muglad Basinから産出する石油は"Nile Blend"と呼ばれている。後に、Thar Jath油田からHegligまで172kmパイプラインが延伸された。

PetroDar Pipelineは全長1,380kmで、Palogue油田 - Adar/Yale油田 - Fula油田 - ポートスーダン(紅海に面する港、Port Sudan Crude Oil Refinery)を繋いでいる。Melud Basinから産出する石油は"Dar Blend"と呼ばれている。これら油田の大部分と南北合計の原油確認埋蔵量の約80%が南スーダンに帰属するため、政府は南スーダンに対し高額の原油通過量を要求し、独立後の火種となっている。

同様にレアメタルの埋蔵量も注目を集めている。そのほか、メロウェダムに象徴される大規模な水力発電所及びダム、鉄道(老朽化したポートスーダンからハルツーム間)の建設も中国系企業が受注するなど、極めて濃厚な協力の下、徐々に経済が立ち直る兆しが見られる。以上の理由から、特に東部では経済が急成長しており、首都ハルツームでは総工費40億円を掛けて63塔もの高層ビルの建築が進行中[いつ?]である。しかし、石油資源などが豊富な地域は南部スーダン地域であり、スーダンの支援国である中国は南スーダンにも国連平和維持部隊を派兵して油田権益を確保している[30]

農業

東部に限れば、「アフリカのパン篭」とも言われる肥沃なナイル川周辺の農地を使っての小麦トウモロコシ栽培が盛んである。とくに、ハルツームより南の白ナイル川と青ナイル川に挟まれた三角地帯では、1925年イギリス植民地政府によってゲジラ計画がおこなわれ、大規模灌漑によって小麦や綿花の大穀倉地帯となった[31]

1993年の内戦時に大規模な飢饉英語版が、1998年により大規模の飢饉英語版が発生したことから一時期は低迷状態にあったが、最近はトルコサウジアラビアなどの周辺諸国の企業による農業投資が盛んである。とりわけ湾岸アラブ諸国は、国土の大半が農業に不向きな砂漠のため食料供給地としてのスーダンに着目している。2008年の農業投資契約数は33件で07年度の3倍である[32]。スーダン政府は、投資企業に土地を安く提供、関税免除などの特典で、投資国を引き付けようとしている。


注釈

  1. ^ イギリス・エジプト二元管理協定のもと、事実上イギリスの植民地となった。
  2. ^ ユニティ州ヌバ山地から戦闘を逃れてきた南部系住民2万人を収容している。
  3. ^ カドゥ諸語英語版は、ジョーゼフ・グリーンバーグの説でニジェール・コンゴ語族コルドファン語派に分類されたが、その後政治的な思惑もありナイル・サハラ語族とする説が浮上したものの分類に関する態度は政治的な緊張から保留されたままである。

出典

  1. ^ a b c d e World Economic Outlook Database, October 2014” (英語). IMF (2014年10月). 2014年10月25日閲覧。
  2. ^ 「新書アフリカ史」第8版(宮本正興・松田素二編)、2003年2月20日(講談社現代新書)p149-158
  3. ^ 「スーダンで反クーデター 再びヌメイリ議長」『中國新聞』昭和46年7月23日夕刊 1面
  4. ^ "Sudan: Breaking the Abyei Deadlock" (PDF, 456 KiB) , International Crisis Group, 12 October 2007, p. 2
  5. ^ 片山正人「現代アフリカ・クーデター全史」叢文社 2005年 ISBN 4-7947-0523-9 p333
  6. ^ 『新版アフリカを知る事典』p540(小田英郎川田順造伊谷純一郎田中二郎米山俊直監修、平凡社、2010年11月25日新版第1刷
  7. ^ “スーダンのデモ隊、軍事評議会との歴史的合意に歓喜”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年7月6日). https://www.afpbb.com/articles/-/3233929 2019年10月10日閲覧。 
  8. ^ “スーダンで暫定憲法に調印、8か月の混乱に終止符 喜びの声 夜更けまで”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年8月18日). https://www.afpbb.com/articles/-/3240276 2019年10月10日閲覧。 
  9. ^ “スーダンで文民多数の統治機構発足 首相就任”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年8月22日). https://www.afpbb.com/articles/-/3240858 2019年10月10日閲覧。 
  10. ^ “Sudan's Opposition Alliance Chooses Prime Minister”. ボイス・オブ・アメリカ. (2019年8月16日). https://www.voanews.com/africa/sudans-opposition-alliance-chooses-prime-minister 2019年10月10日閲覧。 
  11. ^ “アフリカ連合がスーダンの加盟資格を停止”. TRT 日本語. トルコ国営放送. (2019年6月7日). https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2019/06/07/ahurikalian-he-gasudannojia-meng-zi-ge-woting-zhi-1214464 2019年6月9日閲覧。 
  12. ^ スーダン、AUに復帰=組閣受け資格停止解除”. 時事通信社. 2019年9月10日閲覧。
  13. ^ スーダン首相、新内閣の陣容発表 民政移管へ大きく前進”. AFP (2019年9月6日). 2020年5月14日閲覧。
  14. ^ “四半世紀ぶり首相復活=大統領側近バクリ氏が就任-スーダン”. 時事通信. (2017年3月5日). http://www.jiji.com/jc/article?k=2017030500201&g=int 2017年3月12日閲覧。 
  15. ^ スーダン、女子割礼を違法に 長期政権崩壊で権利向上”. 東京新聞 (2020年7月12日). 2020年7月13日閲覧。
  16. ^ 米国がスーダンのテロ支援国家リスト指定を解除”. JETRO (2020年12月20日). 2020年12月30日閲覧。
  17. ^ Duncan Clarke『Africa: Crude Continent: The Struggle for Africa's Oil Prize』210頁
  18. ^ english@peopledaily.com.cn. “People's Daily Online -- Chinese peace-keeping force formed for Sudan mission”. english.peopledaily.com.cn. 2018年9月6日閲覧。
  19. ^ “中国資本の新大統領府が完成、スーダン”. AFPBB. (2014年9月21日). http://www.afpbb.com/articles/-/3025905 2018年7月18日閲覧。 
  20. ^ スーダン大統領訪ロ=プーチン氏と会談AFP時事(2017年11月24日)2018年1月16日閲覧
  21. ^ “スーダンもイランと断交 UAEは外交格下げ、周辺国に影響拡大”. ロイター (ロイター). (2016年1月4日). http://jp.reuters.com/article/saudi-iran-sudan-idJPKBN0UI1DB20160104 2016年1月4日閲覧。 
  22. ^ 紅海の島巡り対立/トルコが開発権 サウジなど反発『毎日新聞』朝刊2017年1月16日
  23. ^ エチオピア人約2.5万人、戦闘逃れスーダンに流入”. AFP (2020年11月16日). 2020年11月22日閲覧。
  24. ^ 外務省 スーダン基礎データ
  25. ^ 外務省 スーダン基礎データ
  26. ^ Arms Transfers Database”. ストックホルム国際平和研究所. 2018年6月27日閲覧。
  27. ^ Archived copy”. 2009年11月5日閲覧。
  28. ^ http://sankei.jp.msn.com/world/china/090521/chn0905211836009-n1.htm
  29. ^ 「朝倉世界地理講座 アフリカI」初版所収「ナイル川の自然形態」春山成子、2007年4月10日(朝倉書店)p197
  30. ^ 中国、南スーダンで存在感 病院、レストラン、油田も…2017年9月28日産経ニュース
  31. ^ 吉田昌夫『世界現代史14 アフリカ現代II』山川出版社、1990年2月第2版。p.106-108
  32. ^ NHK-BS1きょうの世界」2008年10月21日放送回より。
  33. ^ Riding the Nile train: could lifting US sanctions get Sudan's railway on track?
  34. ^ Religion in Sudan according to the CIA World Factbook”. Cia.gov. 2010年12月23日閲覧。
  35. ^ “キリスト教徒、迫害でスーダンから脱国 南部スーダン独立後、迫害深刻に”. クリスチャントゥデイ. (2013年1月10日). http://www.christiantoday.co.jp/article/5671.html 2013年1月10日閲覧。 





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