グランジ
「グランジ」とは、ロック音楽のジャンルの一種のことを意味する表現。
「グランジ」の基本的な意味
「グランジ(grunge)」とは、「オルタナティブ・ロック」と呼ばれるロック音楽のジャンルの1つだ。シンプルでテンポの早いリズムに、リフを主体としたサウンドが特徴である。そのため、パンクロックとハードロックが融合したものとして語られる場合がある。だが「グランジ」に明確な定義があるわけではない。例えば、グランジ・ロックの代表的なバンド「ニルヴァーナ」のデイヴ・グロール(David Eric Grohl)は「ラウドなギターとラウドなドラムと絶叫ヴォーカル」の組合せを「グランジ」と定義している。グランジの代表的なアーティストには次のようなものが挙げられる。アメリカのシアトル近郊出身のバンドが多い。
・アリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)
・グリーン・リヴァー(Green River)
・ニルヴァーナ(Nirvana)
・パール・ジャム(Pearl Jam)
・サウンドガーデン(Soundgarden)
グランジにおけるアルバムアートワークは、全体的に退廃的なデザインが好まれた。なお、画像素材に使われる文字・オブジェクト・テクスチャなどに傷を付けたり、絵柄をかすれさせたりする加工を「グランジ(加工)」と呼ぶ。この言葉もまた、音楽ジャンルの「グランジ」から派生したものと考えられている。
「グランジ」の語源・由来
「グランジ」の語源は、「汚れた」「薄汚い」「みすぼらしい」といった意味を持つ形容詞「grungy(グランジー)」である。「grungy」が名詞化し「grunge(グランジ)」となった。「グランジ」と言う言葉が音楽ジャンルの名前として用いられるようになった由来には複数の説がある。由来にまつわる主な説は「グランジを演奏するバンドの服装がぼろぼろ(グランジ)であったという説」「50年代のロカビリー・バンドを指して使われていた「グランジ」が、ノイジーなギターサウンドを持ったバンドに再び使われるようになったという説」の2つがよく知られている。ただし、どちらも由来としての確証があるわけではない。「グランジファッション」とは
「グランジファッション」とは、グランジ・ロックの影響から生まれたファッションで、1980年代後半から1990年代前半にかけて流行した。当時、爆発的成功を収めたバンド「ニルヴァーナ」に感化された若者たちの服装が、ストリートファッション化したものと考えられている。色あせていたりダメージがある古着を使った着こなしが当時の「グランジファッション」の特徴である。トップスには、色落ちしたネルシャツやTシャツ・カーディガンなどを重ね着し、穴のあいたジーンズと履きつぶしたスニーカーを合わせるのが、「グランジファッション」の主流のスタイルであった。90年代後半からは「グランジファッション」の捉えられ方が変化していく。ダメージ加工やビンテージ加工を施したアイテムを重ね着するスタイルや、きれいめな着こなしも「グランジファッション」と呼ばれるようになっていった。それにともない、メンズファッションとして捉えられがちだった「グランジファッション」は、レディースにも広がりを見せるようになった。
「グランジ(お笑いトリオ)」とは
「グランジ(お笑いトリオ)」は、吉本興業東京本社に所属するコメディアンのトリオである。メンバーは、ボケ役とリーダーを担当する「遠山大輔(とおやまだいすけ)」、ボケ役担当の「五明拓弥(ごめいたくや)」、ツッコミ役を担当する「大(だい)」の3人。2001年5月に初結成するが、すぐに解散。同年8月に遠山と大の2人で再結成するが、3年半の活動の後に解散する。2005年5月に、五明を加えて3回目の結成をした。DVDで「グランジ BEST NETA LIVE 2013.8.24 LUMINE the YOSHIMOTO」を発表している。コントのコンテスト大会「キングオブコント(主催・運営:TBSテレビ)」において、2016年に準決勝まで進出した。「グランジ」の使い方・例文
「グランジ」は主に音楽ジャンルを語る際に使われる言葉である。例文としては次のようなものが挙げられる。・彼のバンドのジャンルはグランジだ。
・グランジに合うギターとアンプの組み合わせがある。
・グランジのバンドはニルヴァーナとパールジャムくらいしか知らない。
ファッションスタイルとしてのグランジは次のような使い方をされる。
・彼女はグランジな服装を好む。
・パンクスタイルよりもグランジは現代的だ。
グランジ【grunge】
グランジ
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グランジ grunge | |
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様式的起源 |
オルタナティヴ・ロック パンク・ロック ハードコア・パンク ヘヴィメタル インディー・ロック |
文化的起源 |
1980年代中期 ワシントン州 |
使用楽器 |
ボーカル ギター ベース ドラム |
派生ジャンル | ポスト・グランジ |
ローカルシーン | |
シアトル | |
関連項目 | |
ジェネレーションX |
グランジ (grunge) とは、ロック音楽のジャンルのひとつ。
概要
「汚れた」、「薄汚い」という意味の形容詞 "grungy" が名詞化した "grunge" が語源。1989年頃からアメリカ・シアトルを中心に興った潮流であり、オルタナティヴ・ロックの一つである。ニルヴァーナやパール・ジャム、サウンドガーデン、ダイナソーJr.、マッドハニー、といったバンドがアルバム・チャートで成功を収めたことで、それまでヘヴィメタルが多かった当時のアメリカのロック・シーンを革新し、ダメージジーンズとスニーカー、ネルシャツやTシャツといったスタイルでロックミュージックのファッションにも影響を及ぼし、当時の若者に大きなムーブメントを起こた。
1996年以降、更なるムーブメントにより数年で衰退してしまうが、この頃結成されたバンドの多くが、それ以降も評価の高いアルバムを発表したりするなどし、趣向や要素は変化しつつも、音楽としては存続している。
歴史

グランジのルーツは、1970年代後半のパンク・ロックや1970年代のハードロック、ヘヴィメタルなどに源流がある。
1991年にニルヴァーナの『ネヴァーマインド』、パール・ジャムの『テン』、そしてサウンドガーデンの『バッドモーターフィンガー』が発表されたことで、グランジはロックの潮流を変えた[1]。ニルヴァーナの先輩格にあたるソニック・ユースは同年を「Year Punk Broke」と呼び、後に同名の音楽ビデオを発表している[2]。
グランジ・ムーヴメントのピークは1994年にニルヴァーナのカート・コバーンが自殺したことによって過ぎるが、その後もパール・ジャムやスマッシング・パンプキンズなどといった人気バンドが活動を続ける一方、彼らのフォロワーバンドがポスト・グランジとして出現。
影響
グランジに影響を与えたバンドにザ・ソニックス[3]、ザ・ストゥージズ[4]、MC5[4]、セックス・ピストルズ[5]、ジーザス&メリーチェイン[6]などがいる。1990年代を迎えた頃、ニール・ヤングはグランジの隆盛と共にシーンの最先端で活躍した[7]。
グランジの勃興を受けて、グランジ・バンドのみならず、それを包括したオルタナティヴ・ロックと呼ばれるジャンル全体が改めて評価されるに至った。
ソニック・ユースはその最たる例であり、ニルヴァーナは彼らからの後押しを強く受けていた[8]。また、ベーシストのキム・ゴードンは「グランジのゴッドマザー」とも称されている[9]。2009年にはマイケル・ラヴィンの写真集『グランジ』が出版され、フロントマンのサーストン・ムーアがシアトルのシーンなどについての文章を寄せている[10]。
ジェーンズ・アディクションはオルタナティヴ・ロックムーヴメントの隆盛に一役買い[11]、「先グランジ期の草分け」とされた[12]。
スマッシング・パンプキンズはグランジ/オルタナティヴ・ロックの流れにいるバンドとされており[13]、1991年のファースト・アルバム『ギッシュ』は当時のグランジ・ブームとも相まって注目された[14]。スマッシング・パンプキンズはアルバム『ギッシュ』『サイアミーズ・ドリーム』によってグランジを再発明したとされ[15]、グランジに括り切らない幅広い音楽性を見せ、ムーヴメントの中でも根強い人気を誇った。
そのほかの代表的なグランジのアイコンにはダイナソーJr.、マッドハニー、そしてピクシーズらがいる[16]。
また、グランジの影響は海を渡ってイギリスのロックシーンにも伝わっており、ティーンエイジ・ファンクラブも活動初期はポップなグランジを演奏していた[17]。ちなみに、彼らはカート・コバーンがリスペクトしていたバンドとしても知られている[18]。
特徴
グランジの音楽的な最大の特徴は、パンク・ロックのような簡素で性急なビートと、ハード・ロックのようなリフ主体の楽曲構造とが融合されていることである。また、いわゆる「静と動」のディストーションによるギターサウンドも語られる。一方、『ビジネスウィーク』はグランジを「パンクのDIY哲学とブラック・サバスの暗いギター・リフとの結婚」と評している[19]。
一部のバンドは楽曲やアートワークに退廃的な雰囲気を内包しており、これらも1980年代のUSインディーロックからの直接の影響が覗える。また、オルタナティヴ・ロック全体に共通する傾向ではあるが、80年代にヒットチャートをにぎわせていた、産業ロックやヘヴィメタル、エレクトロ・ダンスなどに比べると、歌詞は格段にシリアスな趣となっているが、意味不明とか言い回しが複雑なだけで中身が無いと指摘される歌詞が多く、イギリスのオルタナティヴ・ロックバンドブラーはこの点を揶揄する目的でソング2を1997年に発表した。
ニルヴァーナのドラマーであったデイヴ・グロールは、グランジを「ラウドなギターとラウドなドラムと絶叫ヴォーカル」と定義した上で、その種の音楽は2013年現在まで一度も廃れたことがないと発言している[20]。ベーシストのクリス・ノヴォセリックは、グランジを「伝統的なヘヴィー・ロックとパンクの融合」であるとしたうえで、ブラック・フラッグの『My War』がグランジに影響を与えたと指摘している[21]。
主なバンドの一覧



※太字以外のものは英語版ページ。
シアトル近郊
- セヴン・イヤー・ビッチ 7 Year Bitch
- アリス・イン・チェインズ Alice in Chains
- ブラッド・サーカス Blood Circus
- グリーン・リヴァー Green River
- グラントラック Gruntruck
- ハンマーボックス Hammerbox
- ラヴ・バッテリー Love Battery
- マッド・シーズン Mad Season
- マルファンクシャン Malfunkshun
- モノ・メン Mono Men
- マザー・ラヴ・ボーン Mother Love Bone
- マッドハニー Mudhoney
- マイ・シスターズ・マシーン My Sister's Machine
- ニルヴァーナ Nirvana
- パール・ジャム Pearl Jam
- スクリーミング・トゥリーズ Screaming Trees
- スキン・ヤード Skin Yard
- サウンドガーデン Soundgarden
- タッド Tad
- テンプル・オブ・ザ・ドッグ Temple of the Dog
- トゥルーリー Truly
- ユーメン The U-Men
- ウィラード Willard
その他地域
- ホール Hole
- L7
- シルヴァーチェアー Silverchair
- ストーン・テンプル・パイロッツ Stone Temple Pilots
- スマッシング・パンプキンズ The Smashing Pumpkins
- ベース・ドラム・オブ・デス Bass Drum of Death
- トーディーズ Toadies
- ベイブズ・イン・トイランド Babes in Toyland
- ハム (バンド) Hum
- フェイリュア Failure
- ドライオブライフ DRY OF LIFE
- al.ni.co
関連バンド
- グランジ・ムーヴメントの発生前後である1980年代中期から1990年代中期にかけて活躍し、媒体によってはグランジと扱われるオルタナティヴ・ロックバンド。
- ダイナソーJr. Dinosaur Jr.
- ジェーンズ・アディクション Jane's Addiction
- レモンヘッズ The Lemonheads
- ピクシーズ Pixies
- ポウジーズ The Posies
- メルヴィンズ Melvins
- ソニック・ユース Sonic Youth
- ティーンエイジ・ファンクラブ Teenage Fanclub
ポスト・グランジ・バンド
関連項目
- グランジ・ファッション - 音楽のグランジと同時期に現れたファッションム−ブメント。
- ウェストコースト・ロック
- サブ・ポップ - ニルヴァーナをはじめ、グランジ・バンドが多く在籍していたことで知られている[22]。
脚注
出典
- ^ “Man in the Box by Alice in Chains”. ローリング・ストーン. 2013年9月22日閲覧。
- ^ https://www.imdb.com/title/tt0103595/
- ^ 元祖ガレージ・パンク・レジェンド=ザ・ソニックス、40年振り新作TOWER RECORDS ONLINE 2011年2月28日
- ^ a b ストゥージズ vs MC5〜デトロイトの伝説が紙ジャケ化MUSICSHELF 2009年12月16日
- ^ あのピストルズも再結成ライヴAll About 2007年9月27日
- ^ ジーザス・アンド・メリー・チェイン 『サイコ・キャンディ』花の絵 2011年10月3日
- ^ ニール・ヤング『ル・ノイズ』(Reprise / Warner)COOKIE SCENE
- ^ labels, Championed. “Nirvana - Artist Profile”. Anthony Carew, About.com Guide. 2013年9月20日閲覧。
- ^ O'Dair, Barbara (1997年11月27日). “Kim Gordon: The Godmother of Grunge on Feminism in Rock”. ローリング・ストーン. 2013年9月10日閲覧。
- ^ Breihan, Tom (2009年9月18日). “Sonic Youth's Thurston Moore Writes Text for Photo Book About Grunge”. ピッチフォーク・メディア. 2013年9月10日閲覧。
- ^ EMI Records Japan
- ^ Segal, David (2001年8月22日). “Feeding Addiction to 'Jane Says'”. ロサンゼルス・タイムズ . 2013年9月10日閲覧。
- ^ GrindHouse Feautured Artist - GYM CLASS HEROESGrindHouse
- ^ Look Back 90s:90年代グランジ/オルタナティヴの雄、スマッシング・パンプキンズOOPS! ウープス 2011年12月21日
- ^ Calvert, John (2011年12月6日). “Smashing Pumpkins - Siamese Dream (Reissue)”. The Quietus. 2013年9月11日閲覧。
- ^ Tewksbury, Drew (2013年3月1日). “Wavves Preview New Album at Sonos Studio”. ハリウッド・リポーター. 2013年9月10日閲覧。
- ^ Murray, Noel (2010年6月8日). “Teenage Fanclub: Shadows”. The A.V. Club. ジ・オニオン. 2013年9月10日閲覧。
- ^ Gibbard, '80s, (2010年7月12日). “Q&A: Teenage Fanclub”. FILTER Magazine. 2013年9月19日閲覧。
- ^ Kamp, David (2011年9月1日). “Everybody Loves Our Town and the Birth of Grunge”. ビジネスウィーク. 2013年9月10日閲覧。
- ^ デイヴ・グロール、ファンとの質疑応答でグランジは死んだことなどないと語る ro69.jp 2013年2月13日
- ^ Novoselic, Krist (2010年3月19日). “Revisiting Black Flag's My War And a Certain Show in Walla Walla”. Seattle Weekly. 2013年9月11日閲覧。
- ^ Hann, Michael (2013年7月4日). “Sub Pop: 25 years of underground rock”. ガーディアン. 2013年9月10日閲覧。
参考文献
- 第28回 ─ GRUNGE - TOWER RECORDS ONLINE
- Grunge Signficant Albums,Artists and Songs - ALLMusic
- 宮嵜広司の「明るい洋楽」 Rolling Stone読者が選ぶ「最高のグランジ・アルバム10枚」 - RO69(アールオーロック) 2012年11月17日
外部リンク
Grunge
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 09:23 UTC 版)
「グランジ (曖昧さ回避)」の記事における「Grunge」の解説
グランジ - ロック音楽。 ポスト・グランジ。 グランジ・ファッション。 グランジ (お笑いトリオ)。
※この「Grunge」の解説は、「グランジ (曖昧さ回避)」の解説の一部です。
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