未来技術遺産
選ばれたのは1910年から97年にかけて製造された製品。日本に現存する最古の特別高圧変圧器(所有者:東芝)、戦艦に搭載されたボイラー(呉市)、世界最大の出力を誇ったモールス信号通信施設(刈谷市)、日本初の大型舶用ディーゼル実験機関(船の科学館)、戦後初めて設置された火力発電用タービン(東京電力)、超LSIの量産に道を開いた露光装置(ニコン)などで、いずれも、わが国の産業発展に多大な貢献をしました。
また、私たちの生活にかかわる身近な製品も選ばれました。世界初の無線電話機(日本郵政)、日本初のナイロン紡糸機(東レ)、乾電池普及前に使われていた湿電池(パナソニック)、自動販売機普及のきっかけとなった噴水型飲料用自販機(ホシザキ電機)、世界初のオール・トランジスタ電子式卓上計算機「コンペット」(シャープ)、電卓を一気に普及させた「カシオミニ」(カシオ)、VHS方式の家庭用ビデオ1号機(日本ビクター)など、私たちの生活に大きな影響を与えた製品が並んでいます。
同博物館によると、選定基準は①国際的に見て日本の科学技術発展の独自性を示すもの②国民生活の発展、新たな生活様式の創出に顕著な役割を果たしたもの③日本経済の発展と国際的地位の向上に顕著な功績のあったもの④失敗事例から科学技術の継承を図る上で重要な教育的価値のあるもの―など。選定されると、所有者に登録証を交付、同博物館のウェブサイトで公開されます。今後、年1回、50件程度を登録していくとしています。
(掲載日:2008/10/27)
未来技術遺産
【英】Essential Historical Materials for Science and Technology
未来技術遺産とは、国立科学博物館により指定登録されて「重要科学技術史資料」の通称・愛称である。2008年に制定され、毎年十数点の製品が登録されている。
未来技術遺産は、同時代の先端技術を駆使して開発され日本の生活や文化ひいては産業発展に顕著な影響を与えた製品、あるいは、科学技術史資料として次世代に継承していくべき製品を主な対象として指定される。製品の制作年や産業ジャンルは特に限定されず、19世紀の製品から21世紀の製品まで、業務用製品から民生品まで、幅広く指定されている。
未来技術遺産の第一号は1910年に製作された特別高圧油入変圧器である。同時にカシオの電卓(「カシオミニ」)、VHS方式の家庭用ビデオ、H-IIロケット(7号機)なども登録されている。以降、酒の自動販売機、ポケットベル、塗り板見本衝立、ウォークマンの第1号機、セメダイン、パンチカード、携帯電話(ショルダーホン)、量産型カラーテレビ複数種類、PC-9801、八木・宇田アンテナ、蚊取線香なども未来技術遺産に登録されている。
参照リンク
重要科学技術史資料一覧 - 国立科学博物館
重要科学技術史資料
未来技術遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/05 23:19 UTC 版)
同社が製作した アームストロング型ビッカース硬度計VK型(1941年)、ビッカース微小硬度計MVK-50型(1954年)、基準ロックウェル硬さ試験機(1969年)は、国立科学博物館産業技術資料情報センターの定める「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に、「ものづくりの裾野を支えた硬度計」として2010年度に登録された。これらは現在、同事業を引き継いだ株式会社ミツトヨが所有している。
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