ロックウェル硬さとは? わかりやすく解説

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ロックウェル‐かたさ【ロックウェル硬さ】


ロックウェル硬さ

rockwell hardness
ダイヤモンド圧子又は鋼球圧子用いて、まず初荷重を加え次に試験荷重加え、再び初荷重に戻したとき、前後2回の初荷重における圧子進入深さの差hから硬さHR)の定義式HRa-bh算出される値。 ここに、a及びbは、ロックウェル硬さのスケールごとに定められ固有の値である(JIS Z 2245)。
参考1.JISでは、初荷重98.07Nのときロックウェル硬さ、29.42Nのときロックウェルスーパーフィシャル硬さという。
2.伸銅品JISでは、JIS H 3300でスーパーフィシャル硬さ適用されている。

ロックウェル硬さ

材料表面鋼球圧子押し込んだ時にできるくぼみの深さから算出する硬さ指標材料表面に、規定直径圧子のよって基準荷重加えた時にできる くぼみの深さ基準値とする。

ロックウェル硬さ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 06:10 UTC 版)

ロックウェル硬さの試験機。

ロックウェル硬さ(ロックウェルかたさ、: Rockwell hardness)は、工業材料の硬さを表す尺度の一つであり、押込み硬さの一種である。記号HR。実際に使われる際は、HRAやHRCなど使用したスケール名をつけて記述する。スケールについては後述する。

概要

ロックウェル硬さ試験法はアメリカ合衆国のヒュー・M・ロックウェル(Hugh M. Rockwell、1890年 – 1957年)とスタンリー・P・ロックウェル(Stanley P. Rockwell、1886年 – 1940年)により1914年7月15日に特許が申請された。

それまでの硬さの試験にはブリネル硬さが使われていたが、ブリネル硬さは式の計算に時間がかかり計算に知識も必要なため、もっと簡単に計算するために考え出されたものであった。

国際標準化機構では ISO 6508-1 で金属の、ISO 2039-2 でプラスチックのロックウェル試験が、日本産業規格では JIS Z 2245 でロックウェル試験が規定されている[1]

試験機の操作が簡単な上、くぼみの大きさはコンマ数mmと小さいため、熱処理工場などで部品の表面の硬さを評価する場合等によく用いられる。

ロックウェル硬さは金属のスケールだけでなく、樹脂用のスケールもある。HRR50以下は、ロックウェル硬さによる計測が適切でなくデュロメータ硬さを選択することが望ましい。異なるスケールで計測した値を比較するには換算表・換算式にあてはめる必要がある。

歴史

1908年ウィーン工科大学教授のポール・ラドウィックは著書『: Die Kegelprobe』(Ludwik 1908)の中で、深さ方向の硬度測定法を考案した。当時の深さ方向の硬度測定法は、バックラッシュや表面の欠陥など、システムの機械的誤差を差し引いて測定するものであった。スウェーデンで発明されたブリネル硬さ試験は、それより前の1900年に開発されたが、時間がかかり、焼き入れ鋼には使えないなどの欠点があった。

アメリカ・コネチカット州のヒュー・M・ロックウェル(1890年 - 1957年)とスタンリー・P・ロックウェル(1886年 - 1940年)は、差動式硬度計「ロックウェル硬さ試験機」を共同で発明した。1914年7月15日に特許を申請した。この試験機は、鉄製ベアリングの軌道面に施された熱処理の効果を迅速に判定することだった。その後、1919年2月11日に出願が認められ、米国特許1,294,171号を取得した。発明当時、ヒューとスタンリーは、コネチカット州ブリストルのニュー・デパーチャー・マニュファクチャリング社に勤務していた。ニュー・デパーチャー社は、1916年にユナイテッド・モーターズ社の傘下に入り、その後まもなくゼネラル・モーターズ社の傘下に入った大手ボールベアリングメーカーである。

コネチカット州の会社を辞めた後、ニューヨーク州シラキュースにいたスタンリー・ロックウェルは、1919年9月11日にオリジナルの発明の改良を申請し、1924年11月18日に承認された。1919年9月11日に出願し、1924年11月18日に認可され、米国特許1,516,207[2]を取得したロックウェルはコネチカット州ウェストハートフォードに移り、1921年にさらに改良を加えた。スタンリーは、1920年にウィルソン・マウレン社の計器メーカーであるチャールズ・H・ウィルソンと協力して、自分の発明を商品化し、標準化された試験機を開発した。スタンリーは、1923年頃に熱処理会社であるスタンレー・P・ロックウェル社を設立し、現在もコネチカット州ハートフォードに存在している。後にウィルソン・メカニカル・インストゥルメント・カンパニーとなった会社は、長年にわたって所有者が変わり、1993年にインストロン社に買収された。

試験方法

圧子とアンビル
ロックウェル硬さの原理。(鋼球圧子の場合)

ロックウェル硬さは、まず試験面(基準面)に基本荷重F0 をかける。次に試験荷重F1 を足したF0 + F1 の力を加え、塑性変形させる。その負荷を基準荷重F0 に戻し、この時の基準面からの永久窪みの深さを読み取る。ビッカース硬さブリネル硬さと違い、深さを読むだけなので簡便かつ素早く行えるのが特徴である。

通常のロックウェル硬さは、圧子の種類は先端半径0.2 mmかつ先端角120度のダイヤモンド円錐と1/16インチの鋼球を使う方法があり、さらに試験荷重F1 は60 kgf・100 kgf・150 kgfとの3種類、合計6種類が使われる。基本荷重F0 はどれも10 kgfが使われる。

ロックウェル硬さの計算式は以下である。

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