日立国際電気とは? わかりやすく解説

国際電気

(日立国際電気 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/03 05:44 UTC 版)

株式会社国際電気
KOKUSAI DENKI Electric Inc.
種類 株式会社
市場情報
東証1部 6756
1961年9月1日 - 2018年3月9日
大証1部(廃止) 6756
1996年2月15日上場
本社所在地 日本
105-8039
東京都港区西新橋二丁目15番12号
設立 1949年昭和24年)11月17日
(国際電気株式会社)
業種 電気機器
法人番号 2010001098064
事業内容 情報通信システム、電力・産業システム及びデジタルメディア・民生機器関連製品の製造及び販売・サービス
代表者 佐久間嘉一郎
(取締役兼代表執行役社長)
資本金 10億円
売上高
  • 318億5,500万円
(2024年12月期)[1]
営業利益
  • △22億3,800万円
(2024年12月期)[1]
経常利益
  • △8億円
(2024年12月期)[1]
純利益
  • △6億7,700万円
(2024年12月期)[1]
純資産
  • 536億3,900万円
(2024年12月期)[1]
総資産
  • 919億1,700万円
(2024年12月期)[1]
従業員数 単独:1,383名
(2024年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主
主要子会社 (株)HYSエンジニアリングサービス
外部リンク https://www.kokusaidenki.co.jp/
特記事項:
  • 連結は国際財務報告基準のため、売上高は売上収益、純資産は親会社株主に帰属する持分を記載。
  • 筆頭株主のHVJホールディングス株式会社は日清紡ホールディングスの完全子会社。
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株式会社国際電気(こくさいでんき、: KOKUSAI DENKI Electric Inc.)は、日本の電気機器メーカー。

同社は、日立グループ内にて無線通信機器や放送・映像機器の製造販売を手がけていた、国際電気・日立電子・八木アンテナの3社が、2000年10月1日付で、旧国際電気を存続会社として合併して誕生した(八木アンテナはその後同社の100%子会社として分社化)。2023年12月27日より日清紡ホールディングスの連結子会社となった[2]

旧国際電気は、国際無線電信・国際無線電話・国際海底線電話の設備建設保守を業務とする特殊会社として国策により設立された、国際電気通信の狛江工場を源流とする。

主な事業内容

主に無線通信システム、放送映像システムが主力。かつては音声タイプの携帯電話ポケットベルも製造していた(旧国際電気にて)。現在でもNTTドコモ向けなどに、FOMA通信モジュール(UM02-KO)などを製造している。

  • 無線通信システム
    移動体通信用インフラ、防災行政無線システム、交通・運輸向け無線システム、構内無線システム、消防無線システム、各種無線機器、ワイヤレスブロードバンド、無線パケット通信機、航空管制用無線電話装置、航空機・船舶搭載機器
  • 情報処理システム
    証券・金融ソリューションシステム、株価通報システム、マルチメディア情報表示システム
  • 放送システム
    ファイルベース映像報道編集・記録・送出システム、伝送・送信システム、中大電力送信機、受信システム、放送カメラ、エリアワンセグシステム、家庭用テレビ受信機器、共同受信用機器、CATV用設備・機器
  • 監視システム・画像処理
    広域ネットワーク監視システム、プラント監視システム、セキュリティー監視システム、産業用カメラ

※子会社取り扱い事業を含む

過去の事業

かつて営んでいた成膜プロセスソリューション事業は、2018年6月1日より株式会社KOKUSAI ELECTRICが継承している。

  • 事業内容
    • 半導体製造装置
      バッチサーマルプロセス装置、バッチ高温アニール装置、バッチEpi-SiGe・Epi-Si装置、200mmウェーハ対応バッチサーマルプロセス装置、シリコンエピタキシャル成長装置、枚葉プラズマ窒化・酸化装置、枚葉アッシング装置
  • 事業所(工場)
    • 富山事業所(富山県富山市、半導体製造装置)- 富山八尾中核工業団地に立地。
  • 主なグループ会社
    • 国際電気セミコンダクターサービス(富山県富山市)- 半導体製造装置の保守サービスほか。
    • Kokusai Electric Korea Co., Ltd.(韓国)- 韓国半導体メーカー向け製造装置の製造、販売、保守、据付を手がける。

沿革

前述したように日立グループの同業3社が合併して成立した会社である。

旧・国際電気

無線通信機器や情報処理装置、そして半導体製造システムを手がけていた。

旧・日立電子

無線通信機器や放送・映像機器を手がけていた。

  • 1948年(昭和23年)- 芝電気株式会社設立。商標は「シバデン」。
  • 1955年(昭和30年)- 昭和電子株式会社を設立。
  • 1956年(昭和31年)- テレビカメラの国産化に成功。
  • 1958年(昭和33年)
    • アナログコンピュータがベルギー万博でグランプリを受賞。
    • 東京都北多摩郡小平町(現・小平市)に小金井工場を新設。
    • 国産初の放送用VTRを完成。
  • 1961年(昭和36年)
    • 芝電気が東証・大証2部に上場。
    • 昭和電子が日立電子株式会社に社名変更。
  • 1964年(昭和39年)- 東京オリンピックにVTR独占供給、カメラ、中継機も活躍。
  • 1967年(昭和42年)- 芝電気の製造会社として東北シバデン株式会社を設立[注釈 1]
  • 1973年(昭和48年)- 芝電気を存続会社として日立電子が合併し、新生・日立電子が発足。
  • 1975年(昭和50年)- 山梨県北巨摩郡小淵沢町(現・北杜市)に小淵沢工場を開設(2001年12月閉鎖)。
  • 1978年(昭和53年)- 家庭用ビデオカメラ(発売元は日立家電販売)を開発[注釈 2][5]

旧・八木アンテナ

八木式アンテナの発明者である八木秀次博士が設立した。

合併後

  • 2000年(平成12年)10月1日 - 国際電気を存続会社として、日立電子・八木アンテナが合併。株式会社日立国際電気に社名変更。
  • 2001年(平成13年)
    • アキタ電子(現・日立ソリューションズ・テクノロジー)の持ち株全てを日立製作所に売却し、電子部品事業より撤退。
    • 小淵沢事業所を閉鎖。
    • 仙台事業所を分社化し、東北電子エンジニアリングを設立。
  • 2002年(平成14年)- 富士吉田事業所を閉鎖。
  • 2003年(平成15年)- 千歳事業所および八木記念情報通信システム研究所を閉鎖。
  • 2004年(平成16年)- 八木アンテナ事業部を分社化。
  • 2006年(平成18年)
    • 本社を秋葉原UDXビルに移転。
    • 富山工場に生産棟を新設。
    • 小金井工場に事務・設計棟を新設。
  • 2009年(平成21年)3月 - 日立製作所が株式公開買付け(TOB)を実施。その結果、出資比率が約52%に達し、同社の子会社となる。
  • 2010年(平成22年)- 東北電子エンジニアリングを吸収合併し、仙台分工場を設立。
  • 2013年(平成25年)
    • 4月 - 仙台分工場を子会社である五洋電子に移管。事業集約により八木アンテナなど一部子会社が消滅。
    • 10月 - 小金井工場の生産棟を改築。旧・国際電気の主力工場であった羽村工場を閉鎖し、その機能を小金井工場に集約。旧・八木アンテナ大宮工場の機能も同工場に集約[6]。小金井工場を東京事業所へ改称。
  • 2016年(平成28年)10月 - 本社を東京都港区西新橋の日立愛宕別館に移転。
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)
    • 3月9日 - 東京証券取引所上場廃止
    • 3月14日 - 株式併合を行い、株主が日立製作所及びHKEホールディングスのみとなる[12]
    • 5月31日 - 日立製作所の保有全株式を自己株式として取得[13]。子会社の日立国際八木ソリューションズが、国際電気テクノサービスおよびエッチエスサービスを吸収合併し、株式会社HYSエンジニアリングサービスに商号変更[14]
    • 6月1日 - 成膜プロセスソリューション事業をHKEホールディングスに吸収分割。同社は株式会社KOKUSAI ELECTRICに商号変更[13][15]
    • 6月4日 - KOKUSAI ELECTRICが保有する当社株式を、日立製作所へ20%、日本産業パートナーズ傘下のHVJホールディングスへ20%、それぞれ譲渡する予定[13]
  • 2019年(令和元年)7月 - 半導体製造装置メーカーの米・アプライド・マテリアルズがKOKUSAI ELECTRICの買収を発表。しかし、その後中国の規制当局から承認を得られず、2021年3月に契約を解除[16]。KKRは解約手数料として1億5400万ドルを受け取った模様[17]
  • 2020年(令和2年)2月 - KOKUSAI ELECTRICが保有全株式をHVJホールディングスに譲渡[18]
  • 2023年(令和5年)
    • 5月31日 - 日本産業パートナーズ傘下のHVJホールディングスが保有している当社株式の全てを、同年7月31日付で日清紡ホールディングスに譲渡し、同社グループ入りする予定であると発表[19][20]
    • 7月28日 - 上記日清紡ホールディングスへの株式譲渡について、公正取引委員会における企業結合審査に要する時間を考慮し、当初予定の7月31日から延期すると発表[21]
    • 12月27日 - 上記の株式譲渡が完了(日清紡ホールディングスがHVJホールディングスの全株式を取得)し、日清紡ホールディングスの連結子会社となる[2]
  • 2024年(令和6年)12月27日 - 株式会社国際電気: KOKUSAI DENKI Electric Inc.)に商号変更[2]

事業所

  • 本社(東京都港区)- 主として企画・営業部門が存在。
  • 東京事業所(東京都小平市、通信・情報システム、放送・映像システム、特機システム)- 旧日立電子の主力工場であった。

主なグループ会社

  • HYSエンジニアリングサービス東京都小平市)- 通信・放送・映像・情報機器/システムの保守・修理・運用支援・設置工事、計測機器の保守・修理、アンテナの設計・開発・販売など。
    • 日立国際電気サービス・八木アンテナ・日立国際電気エンジニアリングの3社が2013年4月1日をもって合併・統合[6]した日立国際八木ソリューションズが、2018年5月31日をもって国際電気テクノサービスとエッチエスサービスを吸収合併し、商号変更。
  • 五洋電子(秋田県潟上市、宮城県柴田郡柴田町)- 映像・無線ネットワーク部門の生産を担っている。
  • Hitachi Kokusai Linear Equipamentos Eletrônicos S/A(ブラジル)- 南米における地上デジタル放送機器事業を手がける。

他、北米・欧州・アジア各地にグループ会社が存在している。

過去存在したグループ会社

  • 国際電気テクノサービス(東京都小平市)- 保険、商事、ビルメンテナンス、技術、情報、人材派遣、物流サービス事業。
  • エッチエスサービス(東京都新宿区)- 電気工事、各種無線機、ビデオ機器の設計、製造、販売、据付工事、保守。

脚注

注釈

  1. ^ のちに日立電子仙台工場→日立国際電気仙台事業所→東北電子エンジニアリング→日立国際電気仙台分工場を経て、現・五洋電子仙台工場。
  2. ^ ただし、1980年発売の国産初の固体化カメラは日立製作所の製品。

出典

  1. ^ a b c d e f 株式会社国際電気 第101期決算公告
  2. ^ a b c (開示事項の経過)株式会社日立国際電気の株式取得手続き完了に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)日清紡ホールディングス株式会社、2023年12月27日https://www.nisshinbo.co.jp/nish/news/pdf/news20231227_1.pdf 
  3. ^ 狛江市市民活動情報・生活情報誌わっこ、狛江市生活活性化
  4. ^ 沿革 - 日立国際電気 会社情報
  5. ^ トランジスタ技術 2005年2月号 P116”. 2018年5月13日閲覧。
  6. ^ a b グループ会社の再編について - 日立国際電気 ニュースリリース
  7. ^ HKEホールディングス合同会社による当社株式に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
  8. ^ HKEホールディングス合同会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
  9. ^ Elliott again ups Hitachi Kokusai stake, KKR raises offer price Reuters 2017年10月12日
  10. ^ HKEホールディングス合同会社による当社株券に対する公開買付けの結果並びに主要株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
  11. ^ KKR、株式会社日立国際電気の公開買付けを完了 | KKR”. www.kkr.com. 2022年11月6日閲覧。
  12. ^ 株式併合及び定款の一部変更に関する臨時株主総会開催のお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
  13. ^ a b c 上場廃止後の経営体制に関するお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
  14. ^ 映像・通信ソリューション事業のグループ会社の再編について - 日立国際電気 ニュースリリース
  15. ^ 映像・通信技術と放送技術とを強みとした新たな体制で営業を開始 - 日立国際電気 お知らせ
  16. ^ 旧日立系の買収破談 中国承認せず―米アプライド:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2021年3月30日閲覧。
  17. ^ Applied MaterialsによるKOKUSAI ELECTRICの買収、中国の承認得られず - 化学業界の話題”. blog.knak.jp. 2022年11月6日閲覧。
  18. ^ 株式会社KOKUSAI ELECTRIC. “新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)” (PDF). 株式会社日本取引所グループ. 2023年9月23日閲覧。
  19. ^ 日清紡HD、日立国際電気を子会社に 通信事業を強化”. 日本経済新聞 (2023年5月31日). 2023年6月2日閲覧。
  20. ^ 日清紡HDが日立国際を子会社化 DX強化、370億円投じ”. 電波新聞 (2023年5月31日). 2023年6月2日閲覧。
  21. ^ 主要株主の株式譲渡実行日の延期に関するお知らせ”. 日立国際電気株式会社. 2023年8月26日閲覧。

関連項目

外部リンク


日立国際電気(旧:国際電気)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/06/13 02:56 UTC 版)

nTTドコモの主な携帯電話端末納入メーカー」の記事における「日立国際電気(旧:国際電気)」の解説

略称「KO携帯電話普及比較早い時期ドコモby端末として発売していたが、カラー液晶iモード主流になり始め、KO210i(同社唯一のデジタルムーバブランド)を最後に一般ユーザー向け携帯電話事業からは撤退2002年1月からは業務用組込機器主として自動販売機運用管理システム等)向けのDoPa Mobile Ark 9601KOやFOMAユビキタスモジュール(UM01-KO、UM02-KO)を製造販売している。

※この「日立国際電気(旧:国際電気)」の解説は、「nTTドコモの主な携帯電話端末納入メーカー」の解説の一部です。
「日立国際電気(旧:国際電気)」を含む「nTTドコモの主な携帯電話端末納入メーカー」の記事については、「nTTドコモの主な携帯電話端末納入メーカー」の概要を参照ください。

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