片仮名 字体の由来

片仮名

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 19:26 UTC 版)

字体の由来

中田祝夫は、下の表で見られるような従来の字源についての説明を批判している。それは、従来の説ではまず現在の活字のような楷書体の漢字から片仮名の字源を想定し、各々の片仮名の字源を探ろうとするがそれは誤りであり、片仮名が生まれたころの時代を含めた近代以前には、漢字は実際には行書体や草書体で記される場合がほとんどで、そんな中でいわば平仮名のように、楷書体ではない崩した字体をさらに省略するなどして出来たのが片仮名であったとしている。

  • 」については「」の草体の変形、ならびに平仮名」の変形とする説がある。
  • 」については「箇」の異体字である「」の変形とする説がある。
  • 」については「」の草体、「」の草体、または「」の一部とする諸説がある。
  • 」については「」の旁を採ったとする説がある。
  • 」については「」の最初の2画を採ったとする説も以前からある。
  • 」「」は、現在歴史的仮名遣においてのみ用いられる。
  • 」は「」の草体を変形させたものである。
  • 」については「」の草体の一部を採ったとする説もある。
  • 」については「輪」の意の記号「」を「()」と2画で書いたところから生まれたとする説がある。
  • 」については漢字でなく撥音を表す記号()の変形とする説もある。

一覧

2021年(令和3年)現在、日本語で主に使われているものは以下の通りである。

ワ行 ラ行 ヤ行 マ行 ハ行 ナ行 タ行 サ行 カ行 ア行
ア段
() イ段
ウ段
() エ段
オ段
撥音
拗音 促音 拗音
半濁音 濁音 長音


1900年(明治33年)ごろ、日本語で主に使われていたものは以下の通りである。

ワ行 ラ行 ヤ行 マ行 ハ行 ナ行 タ行 サ行 カ行 ア行
ア段
イ段
ウ段
エ段
オ段
ナリ トモ トキ シテ コト イフ 撥音
拗音 促音
半濁音 濁音 長音 畳音 畳音

異体字

片仮名には、平仮名における変体仮名と同じく異体字が存在する。

片仮名 片仮名異体 解説 使用例
「甫」からの転化か[7][8] 菅家の点図[9][7]
[口/丨] 「保」の省字[7] 卜部家に伝わる経点の図[9][7]
「和」の省字[8] 日本紀の点[9][7]
菅家の点図[9][7]
⿶儿丨 卜部家に伝わる経点の図[9][7]
[ネ-丶] 卜部家に伝わる経点の図[9][7]
「武」の省字[8]
𠄎 「乃」の省字[7] 卜部家に伝わる経点の図[9][7]
「万󠄂」の省字[7] 菅家の点図、
卜部家に伝わる点図[9][7]
「㔫」(「左」の俗字)の省字[8] 菅家の点図、
卜部家に伝わる点図[9][7]
[7] 「民」の省字[7] 菅家の点図、
卜部家に伝わる点図[9][7]
「爲」の省字[7] 菅家の点図[9][7]
菅家の点図[9][7]
𠃋[10]

これらの片仮名の異体字は、Unicodeには現在のところ採用されていない。コンピュータ上では似たような漢字などで代用できる場合もあるが、その方法(1文字での代用)によって全てを表示することはできない。

筆順

以下の画像に、片仮名の書き順と発音を示す。

"片仮名の書き順" - YouTube


注釈

  1. ^ 古くは南北朝から室町時代にかけての人物明魏(花山院長親)の著『倭片仮字反切義解』の序文に、「…天平勝宝年中に到りて、右丞相吉備真備公、我が邦に通用する所の仮字(仮名)四十五字を取り、偏旁点画を省きて片仮字(片仮名)を作る」とあり、1940年代の一部の書物においても片仮名の起源は諸説あるとし、片仮名は漢字の一部から吉備真備が工夫して創作したのではないかとの記載が見られる。

出典

  1. ^ 『国語学大系』第四巻(厚生閣、1938年)および『新しき図案文字の描き方 初心者の為に』(国民書院、1940年)「片仮名の起源」(10頁)[1]参照。
  2. ^ 正倉院文書 御野国大宝二年戸籍(702年)、石神遺跡出土木簡(665年)における「牟」字の「ム」表記など。
  3. ^ 『三省堂大辞林』「平仮名」の項
  4. ^ 『三省堂大辞林』「片仮名」の項
  5. ^ 小松英雄 『徒然草抜書』〈『講談社学術文庫』947〉 講談社、1990年 ※第二章「うしのつの文字」
  6. ^ J・C・ヘボン 『和英語林集成』〈『講談社学術文庫』477〉 松村明解説 1989年 巻頭・付表
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 國語學大系 P.166-171 福井久蔵 1940年
  8. ^ a b c d 國語學大系 P.100 福井久蔵 1940年
  9. ^ a b c d e f g h i j k l 新井白石同文通考 中之三
  10. ^ 國語史: 文字篇 P.248 山田孝雄 1937年


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