サスペンションとは? わかりやすく解説

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suspention

別表記:サスペンション

「suspention」の意味・「suspention」とは

「suspention」は、英語で一時的な停止中断意味する単語である。具体的には、何らかの活動機能一時的に止められる状況を指す。例えば、学校での授業一時的に中断される場合や、企業事業一時的に停止する場合などに用いられる

「suspention」の発音・読み方

「suspention」の発音は、IPA表記では/sʌˈspɛnʃən/となる。IPAカタカナ読みでは「サス・ペン・ション」となり、日本人発音するカタカナ英語では「サスペンション」と読む。この単語発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。

「suspention」の定義を英語で解説

「suspention」は英語で"The act of suspending, or the state of being suspended"と定義される。これは「中断する行為、または中断されている状態」という意味になる。例えば、"The suspension of the game was due to the heavy rain."という文では、「試合の中断大雨よるものだった」という意味になる。

「suspention」の類語

「suspention」の類語としては、「interruption」、「pause」、「break」などがある。これらの単語同様に何らかの活動機能一時的に止められる状況を指す。

「suspention」に関連する用語・表現

「suspention」に関連する用語としては、「suspend」がある。これは「suspention」の動詞形で、何かを一時的に停止するという意味を持つ。また、suspension bridge」は「吊り橋」意味する表現で、「suspention」が含まれている。

「suspention」の例文

1. The suspension of the project was due to lack of funds.(プロジェクト中断資金不足よるものだった)
2. The suspension of the game was due to the heavy rain.(試合の中断大雨よるものだった)
3. The suspension of the operation was a difficult decision.(手術中断難し決断だった)
4. The suspension of the service was temporary.(サービスの中断一時的なものだった)
5. The suspension of the meeting was unexpected.(会議中断予期せぬのだった
6. The suspension of the train was due to the accident.(電車の運行中断事故よるものだった)
7. The suspension of the concert was a disappointment.(コンサート中断失望だった)
8. The suspension of the research was a setback.(研究の中断後退だった)
9. The suspension of the campaign was a surprise.(キャンペーン中断驚きだった)
10. The suspension of the investigation was a relief.(調査中断安堵だった)

suspension

別表記:サスペンション

「suspension」とは、中止中断一時停止のことを意味する英語表現である。

「suspension」とは・「suspension」の意味

「suspension」は、主に「(行為出来事一時的な)中止停止」や「(資格の)停止」、「どっちつかずの状態・宙ぶらりんの状態」、「吊るすこと」を意味する名詞である。これらの意味合いから「(自動車・列車などの)車体懸架装置」や「(時計の)振り子掛かっている装置」を表す語としても用いられる
また、化学用語として、「懸濁(けんだく)」、「懸濁液」、「懸濁物質」を指す場合もある。なお、「懸濁液」とは固体微粒子分散した液体中のことを指し液体中に浮遊した固体粒子を「懸濁物質」という。
医療的場面においては「(液体・気体中の)浮遊物」や「(細胞などの)浮遊液」を示す語として用いられることがある

「suspension」の発音・読み方

「suspension」の発音記号は「səspénʃən」である。「サスペンション」とカタカナ表記されることが多いが、実際に発音する場合は「サスペンシャン」のように、「-sion(ʃən)」の部分は唇をやや丸めた状態で、「ア」と「オ」の中間のような音を発声するイメージとなる。

「suspension」の語源・由来

「suspension」はラテン語の「suspensio」に由来する。「suspensio」は、「ぶら下げる」や「一時的に止める」という意味を表す「suspendo」に「tio(〜こと)」を合わせた語で、「ぶら下げること」「一時停止すること」という意味を表す。

「suspension」を含む英熟語・英語表現

「in suspension」とは


何かが浮遊している状態を表す際に用いられる。例を挙げると「dust particles in suspension in the air空中浮遊するほこり)」といった表現になる。

「suspension」に関連する用語の解説

「cell suspension」とは


細胞懸濁液」を意味する。「細胞懸濁液」とは、細胞撹拌され培養液の中で増殖させる細胞培養一種である。

「suspension bridge」とは


「吊り橋」意味する使用される材質によっては「rope bridge」と表記することもある。

「air suspension」とは


空気ばね用いた懸架装置のことを意味する。主に自動車鉄道車両などの部品として使用される

「suspension of judgment」とは


日本語で「判断中止判断停止)」と表記される哲学用語である。物事対す主観的な判断一切停止する態度指し、主に古代ギリシャヘレニズム期)の哲学フッサール現象学において用いられる語である。

「suspension」の使い方・例文

「suspension」は、主に出来事や行為の停止」や「中断」を意味する表現として用いられる。例を挙げると「suspension of arms停戦)」「a boy under the ban of suspension(停学処分受けている少年)」「His suspension from tournament play will begin immediately彼のトーナメント試合出場停止処分即刻始まるだろう)」といった表現になる。
「Another parking ticket will result in the suspension of your licenseもう 1 回駐車違反切符切られる許可証効力停止になるよ)」のような形で「(効力の)停止」という意味合い用いられることもある。

また、保留」という意味合い用いられることもある。例を挙げると「suspension of sentence(刑・判決の)宣告猶予」といった表現になる。

自動車など用いられる懸架装置(サスペンション)」を指して使用されることも多い。例を挙げると、「damage the suspension of a car(車のサスペンションを損傷する)」「Your car is uncomfortable because the suspension is old(君の車はサスペンションが古いので乗り心地が悪い)」「fully independent suspension(完全独立サスペンション)」といった表現になる。

「suspension」の類語

中止」を意味するstop」や「break」、「停止」を意味するhalt」、「stall」、「保留」を意味するreservation」が主な類語として挙げられる

なお、「suspension」は「浮遊している状態」を表す語としても用いられるが、「suspension」は主に「(物理的なものが)浮遊している状態」を意味し、「(精神的心理的に浮遊している状態」を表す場合は「suspense」を用いる。「suspense」は「不安」「気がかり」という意味を持ち、「サスペンスドラマ」や「サスペンス映画」は、「鑑賞者をはらはらさせる作品」という意味合い用いられている。

サスペンション【suspension】

読み方:さすぺんしょん

自動車電車で、車体その上に載せて車輪からの振動緩衝させる装置懸架装置

懸濁液。英語のサスペンションと、ドイツ語のズスペンジオンとが混ざったサスペンジョンという呼称もよく使われる


サスペンション

【別称】ショックアブゾーバー
本来は、タイヤ車体つないでいるパーツのこと(いわゆるサスペンダーサス)を指すが、一般的には地面段差などがまねく衝撃吸収し、快適ライディングを担うパーツという意味で使われることが多い。 前はフロントフォーク後ろはリヤサスペンションと呼ばれる。名前は違えそれぞれの仕組み似たようなもの。リヤサスペンションの場合スプリング外側か見えるのでイメージしやすいだろうフロントフォーク内にもスプリング入っていて、衝撃吸収する。だが、スプリングだけでは衝撃を受ける長時間跳ね続けてしまうので(ホッピング想像してほしい)、減衰装置使って伸縮し続けようとする力を小さくするのだ。 外から見るとただのパイプバネだが、内部はかなり複雑な仕組みをしているパーツなので、ある程度年月経った販売店で点検をしてもらおう
サスペンション


関連用語フロントフォーク ツインショック モノショック

サスペンション

さすぺんしょん

微粒子分散媒中に極めて安定分散して存在し、全く沈降ないよう見える状態のこと②サスペンションを形成させるための添加剤のこと。

サスペンション


サスペンション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 02:09 UTC 版)

サスペンション: Suspension)または懸架装置(けんかそうち)は、主に車両において、路面の凹凸を車体に伝えない緩衝装置としての機能と、車輪車軸の位置決め、車輪を路面に対して押さえつける機能を持つことで、乗り心地や操縦安定性などを向上させる機構。

通常、乗り心地に関係する「緩衝」機能と「減衰」機能は、それぞれ「ばね」と「ダンパー」という別の部品が受け持っているが、これらを含めてサスペンションと呼ぶことも多く、また、機械類における防振機構(インシュレーター)のことを指す場合もある。

自動車のサスペンション

コイルオーバーの例

黎明期以来さまざまな方式のサスペンションが考案され実用化されているが、一般的な自動車のサスペンションは、基本的構成として車軸の位置決めを行うサスペンションアーム、車重を支えて衝撃を吸収するスプリング、スプリングの振動を減衰するショックアブソーバー(ダンパー)で構成される。欧米ではスプリングとショックアブソーバーが一体となった部品をコイルオーバー (: Coilover) と称することもある。

乗用車(特にフロント)では、低コストなストラット式サスペンション(マクファーソン・ストラット式)が最も多く用いられている。乗り心地の向上やタイヤの接地条件やクルマの姿勢(ロールセンターやアンチダイブ、アンチスクワットなど)を細かく制御する目的で、ジオメトリー自由度の大きいダブルウィッシュボーン式や、さらなる安定性を得るためにマルチリンク式なども多く用いられている。

サスペンションの特性は同じ方式でも一様ではなく、使われる部品の固さや寸法に大きく依存する。一般に「サスペンションが硬い」と表現されるものは、車重に比してばね定数が高い場合やダンパーの減衰力が高い場合が多い。サスペンションが柔らかい方が路面の凹凸による衝撃を吸収しやすく、乗り心地を重視する乗用車ではサスペンションが柔らかくされる傾向にあり、スポーツカーやレーシングカーなどの自動車では旋回時や加減速時の車体挙動を抑えるためにサスペンションは硬くされる傾向がある。俗に「サスペンションがへたる」と表現される現象は、ほとんどの場合はショックアブソーバーの減衰力が低下したり、サスペンションアームの軸部に用いられているブッシュの弾力性が失われたりすることで発生する。

方式

懸架方式は大きく分けて車軸懸架リジッドアクスル・サスペンション)、独立懸架(インディペンデント・サスペンション)、可撓梁式(トーションビーム式サスペンション)に分類される。単純な緩衝機能に留まらず、外力に対して車両の姿勢を積極的に制御し、安定させるシステムとしてアクティブサスペンションセミアクティブサスペンションがある。それに対し、旧来の懸架装置はパッシブサスペンションと呼ばれるようになった。

車軸懸架方式

I形ビームのリーフリジッド式

車軸懸架方式は左右の車輪を車軸(アクスル)で連結したサスペンション形式で、馬車時代から続く長い歴史を持つ。Rigid Axle Suspensionの和訳から「固定車軸」懸架方式と呼ばれる事があるが、「フレームや車体に固定された車軸」ではなく「左右の車輪の位置関係を固定する車軸」の意味である。

特に駆動輪に用いる場合は、ドライブシャフトがアクスルハウジング(アクスルチューブ)に覆われており、ドライブシャフトに角度を持たせるための軸継手を必要としないため、構造が簡単で耐久性が高い。左右の車輪が常に同軸上に保たれているため、車体がロールした際の対地キャンバーの変化が少ない。ホイールトラベル(ストローク)を大きく設計しやすいため、起伏の大きな路面状況での車輪の接地を保ちやすい。駆動輪の場合でもデファレンシャルが車軸上(ばね下)にあるため、その振動・騒音が車室内に伝わりにくい。

反面、ばね下重量が重くなる傾向にあり、速度が高くなると路面追従性や乗り心地が悪くなる。またロールセンターが高くなりがちで、旋回による車体のローリングが大きいなどの短所がある。

大型自動車商用車クロスカントリー車での採用例が多く、特にそれらの駆動輪で用いられる。かつては一般的な乗用車でも、特に後輪に多く用いられ続けたが、多くは後輪駆動から前輪駆動へと切り替わる際に別方式とされ、後輪駆動のままの車種でも順次下記の独立懸架方式に置き換わっている。

車軸懸架方式を細分化すると次のように分類される。

独立懸架方式

ストラット式サスペンション

独立懸架とはIndependent Suspentionの和訳で、左右の車輪が独立して動作するサスペンション形式である。固定車軸方式に比べ、車軸を持たない事でばね下重量が軽いために乗り心地や路面追従性に優れ、また車軸の揺動空間が不要なためにフレームや車室の床を低くすることができる。特に駆動輪に用いる場合にはデファレンシャルやドライブシャフトが車軸に加わるために上記の長所がより顕著になり、さらにデファレンシャルがエンジンの直下に配置される車種ではエンジン搭載位置も低くすることができる。またリンク機構を用いているために、ストローク時のジオメトリーを操縦安定性が向上するように設計することが可能である。一方で、部品点数が多く、製造費用整備費用が高くなりやすい。またサスペンションアームの寸法の制約により、ストロークが短くなる傾向にある。さらに駆動輪に用いる場合、ばね上の車体に取り付ける事になるデファレンシャルの振動・騒音が車室内に伝わりやすくなる。

スポーツカーレーシングカーに留まらず、現在では、一般的な乗用車や中型以下の貨物車のほか、観光バス高速バスなど一部の中・大型バスでもフロントサスペンションに独立懸架が採用されている。乗用車では、FF、FRとも上級車や高級車はリア・サスペンションにも独立懸架が多く用いられ、後輪固定車軸車との差別化のため、インディペンデント・リア・サスペンション (Independent Rear Suspention:後輪独立懸架) の頭文字をとった「IRS」を商標に取り入れたりカタログで強調していた時期もあった。

独立懸架方式を細分化すると次のような方式に分けられる。

トーションビーム懸架方式

トーションビーム式サスペンションは、左右の車輪がねじれ(トーション)を許容する(ビーム)で結ばれている構造で、独立懸架ほどではないが、車軸懸架よりも左右の車輪に自由度が与えられている。前輪駆動車(FF車)の後輪やトレーラーなどに採用されている。特に、FFが多いコンパクトカー軽自動車の後輪用では主流となっている。

トーションビーム式を細分化すると次のような方式に分けられる。

  • アクスルビーム式
  • ピボットビーム式
  • カップルドビーム式

車軸以外のサスペンション

キャブオーバー型の大型貨物自動車のなかには、車軸のサスペンション以外にフレームキャビンの間に緩衝装置を設けるキャブサスペンションを持つ物が多い。日本製トラックでは1981年昭和56年)に日野自動車製の車両で初めて導入された[1]。キャブサスペンションはコイルばねや空気ばね懸濁液方式などが用いられており、車軸のサスペンションの耐荷重性能強化と乗り心地の向上という相反する要素を両立するために採用されている。エンジン出力や積載量の割にホイールベースが短い牽引自動車トラクターでは、キャブピッチングを抑えることができる。

トラック、バス四輪駆動車、建設機械農業機械などでは、運転席が緩衝装置で支持されているサスペンションシートが採用されている物もある。ドライバーの任意でばねのプリロードを調整でき、不要な場合はロック(固定)できる。

戦車のサスペンション

キャタピラで走行する車両は主に建機・農機の他、戦車など戦闘車両がある。キャタピラ走行装置はサスペンションを付加すると部品点数が激増しコストや整備性の点から建機や農機では速度を妥協してサスペンションは一般に備えない。戦車も開発された当時はほとんど農業トラクターと同様の構造でサスペンションは存在しないか、ないに等しい状況であったが、特に不整地での機動性向上の要求から各種のサスペンションが考案・実用化された。歴史上存在する戦車に取り入れられたサスペンションとして、リーフスプリング、コイルスプリング、クリスティー式、トーションバー式、油気圧式などがある。キャタピラ走行装置は履帯の環の一端についてエンジントルクを伝達する動輪、動輪の反対側につく誘導輪、動輪と誘導輪の間に配列され荷重を分散させる転輪で構成される。低速の建機や農機では動輪・誘導輪も接地して荷重を受け持つものが多いが、戦闘車両では動輪にサスペンションをつけると構造が複雑化することや、障害物を乗り越えるために動輪・誘導輪は高位置に設けて接地させず、サスペンションは転輪にのみ装備される。

また近年では足回り以外にも、戦闘車両が爆発物によるゲリラ攻撃を受ける機会が激増し、車体は耐えても乗員が衝撃で死傷するリスクを低減するため、座席に緩衝機能を備えることがトレンドになっている。

オートバイのサスペンション

オートバイのサスペンション(ドゥカティ・ムルティストラーダの後輪側サスペンションユニット)

オートバイに使われるサスペンションは、そのほとんどの形式ではスプリングショックアブソーバー(ダンパー)が一体のサスペンションユニット(クッションユニット)となっている。自動車と比べると、オートバイではサスペンションスプリングの伸縮による車体のピッチングが大きく、これによる操縦特性への影響が大きい。オートバイでは前輪側と後輪側で異なるサスペンション形式を採用する場合がほとんどである。

前輪

オートバイの前輪側サスペンションは、後輪側よりも早い時期から取り入れられていた。歴史的にはガーダーフォークアールズフォークなどの形式も広く用いられていたが、現在は多くの車種でテレスコピックフォークと呼ばれる形式が採用されている。テレスコピックフォークは、単純な構造で部品点数を少なく作ることができるが、フォークに対して直角方向の荷重に弱いほか、制動時などにフォークのストロークが大きくなる(前のめりになる)とキャスター角の変化が大きくなる短所を持つ。こうした短所を克服するために、ボトムリンク式テレレバー式などの形式も採用されている。

後輪

初期のオートバイには後輪側に緩衝装置が無い車種も多く、代わりにサドルにばねが付けられていたものも多かった。こうした車両の構造はリジッドフレームと呼ばれている。現在では、ほとんどの車種でスイングアーム式が採用されているが、かつてはプランジャー式やハブクッション式といった形式も存在した。

鉄道車両のサスペンション

鉄道車両でも軌条(レール)への追従性、車両の安定性、乗り心地や静粛性の向上を目的としてサスペンションが組み込まれているが、自動車とは異なり、舵取り装置が不要で、前後どちらの向きにも同じ速度運転されることから、自動車とは構造が異なる。ゴムタイヤ方式や超低床電車などを除くと、左右の車輪は車軸と一体の輪軸を採用していて、各軸の軸受けに懸架装置がないと軌道の狂いに対応できず、速度を上げた場合や輪重の不均等が起こった際には脱線につながる。トロッコなどで懸架装置の無いものが見られるが、この場合は左右輪が独立して回転できるようにして車輪がレールへ乗り上げることを防いでいる。

鉄道の黎明期には機関車以外の客車貨車二軸車であり、車軸の支持方式は台枠に固定された軸箱守(ペデスタル)を位置決めに用い、緩衝に重ね板ばねを用いていた。これは現在でも二軸貨車などに用いられている。その後、車両の大型化と高速化が進むと固定車軸では対応できなくなり、ボギー台車が生まれた。また空気ばね台車の開発・研究の成果として、レールに対する車輪の追従性は軸箱を支持する軸ばねが担い、乗り心地に関しては台車と車体の間に備わる枕ばねが受け持つことが明らかにされたため、旅客車両では優等車から一般車に至るまで枕ばねに空気ばねを採用することが一般化した[注釈 2]。さらに新幹線では高速走行時の車両の安定化を図るため、JR西日本500系車両ではアクティブサスペンションを取り入れて、300 km/hでの運行を実現した。

自転車のサスペンション

自転車においては、起伏の激しい路面を走るマウンテンバイクダウンヒル競技用のダウンヒルバイク(en:Downhill bike)にサスペンションを装備するモデルが多く、一部のクロスバイクでも装備されている。前後輪ともにサスペンションをもつフレーム構成をフルサスペンション、前輪のみにもつものをハードテイルと呼ぶ。特に高速で起伏の激しい斜面を下るダウンヒルバイクではサスペンションストロークを大きくとったフルサスペンションである場合が多い。一方、サスペンション機構を付加することで車体重量が増え、構成部品にかかる費用が増加することから、安価な軽快車や、軽量性が求められるロードレーサーなどではサスペンションを装備しないものが専らである。

家具のサスペンション

主に事務用の椅子において、人の身体が触れる部分の表層にクッション性と通気性を兼ね備える目的で弾性樹脂でできた網目状の布を用いるものがある。こうした布をサスペンションファブリックと呼び、この布を用いた椅子はSFチェアやメッシュチェアの名で呼ばれる。SFチェアの多くは、もしくは高強度樹脂成形した剛性の高いフレームにサスペンションファブリックを張った、簡素な構造を持つ。

建築物のサスペンション

建築物の外装材の一種であるカーテンウォールは幅2 m内外、高さ4 - 5 m程度の大判のガラスが用いられる。このガラスには風圧に耐え、人や物が衝突して容易に破損しない耐衝撃性が求められるため、20 mm程度の厚みになり、1枚当たりのガラス重量は数百キログラムになる。一般的なガラス窓ではガラスの重量はサッシ下辺で支えられるが、カーテンウォール用の大判ガラスの重量をサッシ下辺のみで支持することは施工性や費用面で容易ではないため、ガラス上端を吊り金物で挟み、上部構造体のスラブに固定してガラスの重量を分担することで問題を解決している。こうした建築工法をサスペンション工法と呼ぶ。

脚注

注釈

  1. ^ セントラルアーム式サスペンションなどの様に各社の独自呼称とされている場合がある。
  2. ^ 空気ばねを採用すると乗客の多寡にかかわらず一定の床高を実現可能なため、ラッシュ時の床の沈み込みを防止する不必要に固い枕ばねを用いる必要が無くなり、また乗り心地も改善されるメリットがあった。このことは空気ばね台車の初期費用の高額さを補って余りあるものだったため大手私鉄を中心に採用が進んだ。

出典

  1. ^ トラック豆知識2”. 栃木日野自動車株式会社. 2005年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月20日閲覧。

関連項目

外部リンク


「サスペンション」の例文・使い方・用例・文例

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