神と仏
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「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の記事における「神と仏」の解説
大昔にこの世のありとあらゆる天地を創造、それを手伝った者達が作中では挙げられる。自然を支配する力を持っており、妖怪より格上の存在。伝承では仏などの類が神として扱われている者達も登場する。また、聖域を荒らされたことに怒り、聖域に住む無関係の人間の大人を生贄として神隠しにした後で、犯人である人間を祟りで死に至らしめたタイタンボウのような劇中で直接姿を現さない神も存在する。 迦楼羅(カルラ) 声 - 柴田秀勝(第2作)、内海賢二(第3作)、河合義雄(第4作)、野田圭一(第6作) 千手観音を護った二十八部衆の一人である異境の神。伝承ではインド神話の神鳥ガルダが仏教に取り込まれ護法善神となり、八部衆後に二十八部衆の一員となったのが迦楼羅と言われており、翼が生え頭部の背後に光背を付けた鳥のように尖った口の鳥人の容姿をしている。 『牛鬼』の回に登場し、八万年程前ある島へ牛鬼を退治に現れて牛鬼の本体である生きた気体を牛鬼岩に封じた。自身が吹く横笛の音(アニメではシリーズによって音色が異なる)で牛鬼を火口まで誘導することができ、牛鬼を火口へ落とした後分離した本体(牛鬼の本体である生きた気体は誰にも目視できないが、迦楼羅は目視できるのかもしくは気配を感じたのかは不明)を透かさず袋(もしくは風呂敷)で包み封じる。普段は島の鎮守の社に祀られており、よほどの大事が起きない限り千年でも二千年でもじっとしているが人間の力ではどうにもならないことが起きた時、社の前で人間が一心に祈り手を合わせた時に現れ力を貸す。復活した牛鬼を倒し鬼太郎を救うために、目玉おやじ(アニメ第3作では子泣き爺、第6作では島民の少年・恭輔〈きょうすけ、声 - 津田美波〉の祖父〈声 - 田中亮一〉)が迦楼羅の社へ島民を誘い、集まり祈りを捧げると現れ、牛鬼を火口(アニメ第4作、妖怪千物語では海)に誘導して落とし鬼太郎から分離した本体を再封印し(原作では島民に穴を掘らせ、その穴に牛鬼を閉じ込め石で蓋をして塚を作るというやり方)自身の素性と牛鬼の秘密を明かした後、「もう誰も牛鬼岩(何人たりとも触れてはならないという昔からの印)に近づくことも手を触れることもあってはならぬぞ」と人間に無知と思い上がりに釘を打ち社へ戻って行った。 アニメ第2作15話では黄土色の肌で登場。口は尖っておらず人間と差ほど変わらない顔付きをしている。 アニメ第3作42話では赤い肌で登場。燃え盛る巨大な炎が人の形となって現れるという登場をしている。 アニメ第4作6話では半透明な姿で登場。本作以降は飛びながら横笛を吹く。袋や風呂敷は使わず牛鬼の本体を札に封じる。目玉おやじの親心に打たれ、鬼太郎達を海から引き上げた。 アニメ第5作14話ではほとんどの人間が社に祈ろうともしなかったため人間に愛想を尽かしたが、鬼太郎が牛鬼を道連れに自分から火口の中へ落ちた後鬼太郎の身を案じる目玉おやじ、自分の身代わりになった鬼太郎を何とか助けたいというねずみ男、誤って落ちそうになり鬼太郎の死を無駄にしたくないためねずみ男を助け出そうとするネコ娘の姿に心を打たれ、透明な姿で鬼太郎を助けた。鬼太郎は助けられた時の記憶が無く迦楼羅のことは知らなかったが、「良い父と仲間を持ったな」という声は聞いていた。また、目玉おやじには迦楼羅の存在が見えて感謝していた。 アニメ第6作22話では緑の肌に強調された尖った口が特徴で目が赤い。横笛を吹き始めると嵐が一瞬で収まる。 『最新版』では、武器(髪の毛、ちゃんちゃんこ、下駄)を敵に奪われた鬼太郎に、海の幽霊族の遺産である霊類のヨロイ(髑髏の兜、逆三角形の盾、鍔が霊界スコープになっている剣)を貸した。 『妖怪千物語』では、神社の裏にある洞窟の奥の注連縄がかけられた岩戸に住む。目玉おやじたちの祈りで姿を現すが、人間が驕り高ぶり牛鬼を復活させたことから自分にはもう助ける義理は無いと頑なに拒否し、周りの重力を変え重くし押し潰される前にさっさと立ち去るよう忠告した。しかし、目玉おやじの必死の頼みと子を想う親心に心を打たれ牛鬼を海に誘導して落とし鬼太郎から分離した本体を袋に回収し、目玉おやじに「子を想うお前の親心こそが神の心であった」と告げ、牛鬼岩に袋を封印すると元の洞窟へ戻った。 大日如来(だいにちにょらい) 真言密教の教主である仏であり、密教の本尊。一切の諸仏菩薩の本地。 『死神大戦記』では、太陽系を支配する宇宙神としても登場し、全知全能で不死身の存在である。自身や秘宝である太陽にエネルギーを送り、この世に光を送る神秘の鏡「ユニコンの鏡」の護衛としてユニコンや、側近に多数の仏を従えている。かつて天国の天使長であったサタンが自分の地位である宇宙神の座を奪おうと反乱を起こしたため地獄へ追放した。現在で復活したサタンに「ユニコンの鏡」を奪われ太陽が消滅する太陽消失事件を起こされてしまうが、鬼太郎一行の活躍によって無事鏡が戻り、失われていた太陽の輝きを復活させた。口から巨大な息を吹いて瓢箪に閉じ込められたサタン達を今度は宇宙の彼方に追放した。 弥勒菩薩(みろくぼさつ) 仏教において、釈迦牟尼仏の次に現われる未来仏であり、大乗仏教では菩薩の一尊。 作中では、「ユニコンの鏡」を巡って起こる宇宙戦争が解決されるたびに、解決した八百万の神々を大日如来のもとへ送り届けてきた仏として登場。鬼太郎一行を襲ったサタンの術を破り、さらに鏡を取り戻した鬼太郎と水木しげるを神として迎えた。 釈迦(しゃか) 紀元前5世紀前後の北インドに実在した人物で、仏教の開祖。 作中では生前人間から極楽の住人になった存在として登場し、天使長であったサタンとも縁があったようにも描かれる。弥勒菩薩に導かれて極楽へやってきた鬼太郎達を、大日如来のもとへ送った。 地蔵菩薩(じぞうぼさつ) 地蔵(じぞう)と略称される、六道の衆生を見守る菩薩。閻魔大王の本地仏でもある。 初登場は『蓮華王国』。奈良時代でダイバダッタの転生した蜃が鑑真の即身成仏を妨害しているため、力になれる者を求め昭和時代に現れ鬼太郎に依頼した。 アニメ初登場は第3作110話、三途の川に現れる。鬼太郎抹殺に失敗して逃げる奪衣婆を消し、サラメーヤの鳩を遣わした。閻魔からの連絡が途絶えているため鬼太郎に調査を依頼する。 第5作89話ではいそがしを退治した後に、哲也・まゆ兄妹が壊れた祠に傘を差し掛けた石地蔵が井戸仙人の「石を動かす薬」をかけられて動き出し、鬼太郎や妖怪横丁の住民達と共に兄妹の母の入院先へ向かい、鬼太郎たちが提供した霊力を使って彼女の意識を回復させるのに協力する。無事に役目を果たし、「この世もまだまだ捨てたものではないですな」と言って石像に戻った。 十二支(じゅうにし) 宇宙で巨大な円形の文字盤・クロノス(時)を回している十二柱の動物神。 風の神(かぜのかみ)/ 風神(ふうじん) 声 - 田中和実(第3作) 袋を持った風を司る鬼神の妖怪。原作には未登場。 アニメでは第3作第14話初登場。さざえ鬼達の住む海を汚した工場を、排煙を逆流させ懲らしめた。その後も何回か風力で鬼太郎達を支援する。 第4作では第16話初登場。雷神(電気妖怪かみなりとは別の存在)とのコンビで風雨を起こし、巨大化した白うねりとあかなめの汚れを洗い流した。劇場版『ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター』では野球チームに参加。打席では球を風で飛ばして反則アウト。 第5作では第25話登場。運動会では障害物役を務めた。 雷神 第4作第16話で初登場。風神と共に、砂かけ婆の要請に応えて、(人間の技術では落とせない)汚れを発生させた白うねりと、白うねりを抑えていたあかなめを洗った。白うねりとあかなめを庇うねずみ男の涙、それを見た鬼太郎の祈りに雷神と風神が応えて、白うねりとあかなめは救われた。 山神(やまがみ) 声 - 北村弘一(第3作) 山に宿る神の総称。 『豆腐小僧』に登場した山神は、東京郊外の山の神で、部下の豆腐小僧が自然を破壊する人間に怒り豆腐カビをばら撒いたことで鬼太郎と戦いになったため、止めに入り和解させた。お詫びの印として「カビ落とし」という腹の中をきれいにする特製豆腐を鬼太郎やねこ娘たちにご馳走している。 アニメ登場は第3作106話で、本作では山で最も古い木の中に住んでいたが、山と体がシンクロしているため、人間が自然を破壊したことで体を壊し寝込みがちになってしまう。その昔、とうふ小僧にカビを発生させる粉を手渡していた。とうふ小僧が森林を次々伐採していく人間に怒り豆腐カビをばら撒いたため、山神は止めに入り、鬼太郎たちが森林伐採の元凶である山を乱開発していた社長を懲らしめた 古代の神々 『こそこそ岩』に登場する数万年前地上に降り立ち、魔物達を破った神々。現在はすでに地上を去っているが、いずれ復活し地上を支配しようという魔物達の企みを予見し、魔物達が利用しようとしていた魔物達の眠りを覚ます青い血を持った少女・木村さゆり(きむら さゆり)の血の中に魔物を狂わせる物質を入れ、さらにその遺伝子に自分たちの分身を宿らせていた。そうして先手を打ち、血に含まれていた心を狂わせる物質で、魔物達を仲間同士で争わせ自滅させ、分身も役目を終えて消え去った。血を奪われた為に一度は死亡したさゆりも神が降らせたと思われる血の雨を吸収し、再び生き返った。 スィームルグ 「鬼太郎のベトナム戦記」で活躍した霊鳥でトルコ出身。ベトナム戦争時に空中戦力として鬼太郎に招集された。小柄だが、子泣き爺が石化した状態で背に乗っても空を飛べるほど力が強い。偵察に使われた事もあるが、嘴攻撃(かみ砕き)や糞攻撃などで、敵の航空戦力の減少や戦闘車両の無力化などの戦果を上げている。 ユムチャック アニメ第2作第44話「雨神ユムチャック」、アニメ第3作第83話「雨神ユムチャック伝説」に登場。古代メキシコに栄えたマヤ文明を支配していた雨の神。ユカタン半島のチチェン・イッツアという遺跡の街の中央に泉が湧いている。さらにその泉の源にもう一つの秘密の隠された泉がありそこに住んでいると言われている。 アニメ第2作では、エリート研究者の菅原と内田が、マヤ文明の遺産が隠されているという雨神ユムチャックの泉を探している所から始まる。最初は莫大な財宝と名誉が目当てであり、ねずみ男と手を組み鬼太郎を言葉巧みに騙して協力させメキシコに調査へ向かう。チチェン・イッツアのある飲み屋で菅原はカルメンという美少女と出会い一目惚れしてしまう。その場所で、ユムチャックの話を聞き出そうとしたがどこの家でも門前払いされ追い出されてしまう。菅原は、カルメンから直接話を聞き「悲しかったからです」という答えを聞き、夜の儀式で運ばれるカルメンを見て彼女が生贄にされるという悲しい真実を知り苦悩するが、最後は彼女と運命を共にすることを決意する。しかし、もう一方の内田は、すっかり欲望の虜となり協力者であったねずみ男を裏切り殴り倒す。遺跡に入った鬼太郎を尾行し、鬼太郎は遺跡の仕掛けで壁の石像の口が開き入口を見つける。そこで、鬼太郎はカルメンと出会い助けようとしたが、「これはマヤの掟なのです」「日照りで作物が萎れると、雨神を慰めるために16歳の娘と宝を捧げるのです」と断られるが、鬼太郎は迷信だとしてなおも助けようとしたが、結果的に「神でも妖怪でも構いません、私はユムチャックを信じます」と運命を受け入れ「ユムチャック様、どうか御召しを」と唱え泉の底に沈んでいく。その後、裏切られたことで怒ったねずみ男が鬼太郎を内田と間違えて取り押さえてしまい、さらに口を滑らせて当初の宝目当ての計画がバレてしまう。一方同じ頃、内田は宝目当てで菅原はカルメンを探すために泉へ潜り、とうとう雨神ユムチャックの永遠の国(別世界)に入り込む。そこで菅原はカルメンと再会し二人とも喜び合い抱き合う。内田は醜くも宝を見つけ狂喜する。その後、菅原は「金も名誉も必要なしさ。永遠の命と永遠の愛、それだけで十分満足してるんだ」と内田と別れカルメンと共にユムチャックの国に残ることを決める。内田は、宝を持って「マヤ文化発見の名誉まで独り占めか、ありがたい。礼を言うぜ」と言い残し去って行った。しかし、その光景に菅原から「礼を言うのは僕の方だよ。僕に欲の醜さを教えたのは内田、君なのだから」と皮肉られる。その後、内田は宝を盗み出したことでユムチャックの怒りを買い落石や渦潮、津波などの攻撃を喰らい、宝を落とし鬼太郎に助けられてもなお宝を持って行こうとしたため最終的に欲の為に命を落とすという自業自得な最期を遂げた。その後ユムチャックがカルメンの祈りを聞き入れたのか、遺跡近辺の町には久しぶりの雨が降り始めた。 第3作では大昔、小笠原諸島の一島・魔矢ヶ島(まやがしま)を訪れたユムチャックはそこに住んでいた雨降り小僧を日本の雨神と認識し、理想郷の番人に任命し門の鍵となる金の笛を託す。本編の時代ではその笛をカルメン(声 - 富沢美智恵)という女性が継承し、妹アルメラ(声 - 荘真由美)と暮らしていた。悪徳考古学者・内田(声 - 塩沢兼人)はアルメラを人質にカルメンを脅し、理想郷の門を開けさせ笛を奪って侵入する。内田は財宝を手にし、笛を抑えればユムチャックも来ないと雨降り小僧を唆し味方につけるが、笛を再度吹かせないと出られないと知って島に神託を送り、カルメンを生贄として呼ぼうとする。アルメラの手紙で呼ばれた鬼太郎によって生贄の儀式は中止されるが、雨降り小僧は彼らとカルメンを理想郷に引きずり込み、鬼太郎を攻撃するが敗北。内田はカルメンを人質に、鬼太郎たちを残して自分だけ外界に戻ろうとするが、カルメンがユムチャックを呼ぶ曲を吹いたため、現れたユムチャックの放つ激流に呑まれ、財宝を手放さず溺れる最期を迎えた。怒れるユムチャックは理想郷と外界を完全隔絶することにし、カルメンは彼を慰めるため残る決意を伝え鬼太郎たちを帰す。帰還後アルメラに顛末を伝えた鬼太郎父子は「理想郷は与えてもらうのではなく自分たちで築くものだと思うんだ。地上を理想郷にできた時にカルメンさんたちもきっと帰って来る」と語った。 原作は鬼太郎の登場しない短編『雨神ユムチャック』。 第5作でも、スタッフブログによれば「100話以降も続いていれば登場させる予定だった」との事。[要出典] 貧乏神(びんぼうがみ) 声 - 宮内幸平(第2作)、青野武(第3作)、龍田直樹(第6作)/ 演 - 藤井隆 住み着いた家を貧乏にする神。アニメ第2作では普通の人間のような姿で、第3作以降は杖を突きボロボロの服を着た顔の長い老人という水木の妖怪画の姿で登場している。 鬼太郎外作品「サラリーマン死神」の「枯葉」を原作としたアニメ第2作42話で初登場。日本経済が豊かになってやりにくいため死神と組む。自動車会社・シンシン工業で新製品紹介と称して公開殺人めいたショーを行い、倒産に追い込んで失業者や自殺者を出そうとした。止めに来た鬼太郎もそのショーに使った車・「ゆりかごから墓場まで」で火葬するが、復活した彼に追い詰められ、自分達が「ゆりかごから墓場まで」に閉じ込められて警察に突き出された。 第3作では「笠地蔵」を原作とした12話に登場。貧しいが気の優しい老夫婦の家に住み着いており、彼らに直接危害を加えたわけではないが住むこと自体が迷惑となるため、座敷童子や鬼太郎達に「悪事で儲けている奴の所に行け」と言われて追い出され、最終的にねずみ男を気に入って取り憑く。「猫娘とねずみ男」を原作とした55話でも、猫娘達に呼ばれてインチキ宗教で儲けたねずみ男の家にやって来る。 第6作では87話登場。過去作と違い、ぶっきらぼうだが善良な性格。綾の両親が経営する喫茶店に住み着いていたが、まなに導かれた綾に見つかって追い出されてしまう。しかし、その後も石橋家の様子を窺っており、座敷童子が暴走しかけた際に再び姿を現し、かつて綾の両親があくどい商売で多くの人を苦しめた為に石橋家に取り憑き、彼らに同じことを繰り返させないように長い間見張っていたことを語る。鬼太郎達と共に座敷童子を諫め、綾の両親が改心したのを見届けた後は、彼らから金を強請ろうとしたヤクザたちの元に厄介になろうとこっそりと付き纏っていた。 鬼太郎作品でも原作「野球狂の巻」では墓の下高校の経理担当として登場。実写劇場版第1作では、「墓の下倶楽部」の従業員として登場している。
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