「やすらぎの郷 La Strada」の入居者と関係者
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「やすらぎの刻〜道」の記事における「「やすらぎの郷 La Strada」の入居者と関係者」の解説
菊村栄(きくむら さかえ) / 菊村栄太郎(きくむら えいたろう) 演 - 石坂浩二 昭和14年10月7日生まれ。国民的ドラマを何本も生み出したシナリオライター。過去には紫綬褒章も授与されている。あるきっかけから、どこにも発表する当てのない新たなシナリオ『道』を書き始める。喫煙者。232話にて、本名が「菊村栄太郎」であることが判明し、「菊村栄」の名はシナリオライターとしてのペンネームであることが示唆されている。 律子の認知症の介護を行っていたが、仕事との両立は難しく、事実上の断筆状態だった頃に入居の話が舞い込んできていたが、一旦白紙となっていた。律子の死後に再び入居話があって現在に至る。 郷内では入居者や職員から「先生」と呼ばれることが多く、名倉夫妻から信頼されているためか、頼み事や騒動に巻き込まれることが多い。 自分が保管していた古いシナリオの中に、かつて10年ほど前に脚本を手掛けるもボツになった終戦記念日の大型ドラマスペシャル『機(はた)の音』を見つけたことから、過去の情熱と落胆や怒りを覚えた当時の出来事を思い出す。 新コンシェルジュのエリの母とは顔見知りであり、個人的に連絡先を交換したり2人きりで律子らの墓参に出掛けたりと、アザミとの出会い以来の舞い上がりぶりを見せてしまう(夢の中では、律子と摂子から下心を見抜かれていた)。 マロが流した噂話で郷内が持ちきりだった頃には、名倉理事長からマヤとともに呼び出されてみどりから噂の調査を厳命される。また、初期の前立腺がんの疑いまで告げられ、名倉理事長からの薦めもあって前立腺の手術を決意する。周囲には「旅行に出る」と偽ったが、その頃にめったに郷を訪れない息子夫婦が訪問してきたことに加え、段ボールの片づけを行っていたところも見られ、「生前整理」だと誤解されたまま入院となる。手術後、同じ病院に同じ病気の手術のために入院していた知人であるメイクアップアーティストの八木と再会。自分の病状をネタに好き勝手言われたことへの、ちょっとした復讐のつもりで八木を巻き込んだ「いたずら」を実行するが、これが郷内で予想以上の広がりを見せて騒然とする。 乃木坂テレビの60周年記念番組への出演の是非を名倉理事長から相談された際には柳専務の言動に立腹する。 前立腺の件に加え、さくらに誘われた人形展を見てからは「こんなテンポで書いていては大変だ(終わらない)」と焦り出し、再び創作と向き合う。 193話にて、『道』の原稿を紛失してしまう。郷内を探し回って顔面蒼白となり、「とうとう認知症になってしまった」と落ち込んでヤケ酒まで飲んでしまう。そして、194話でマロが原稿を持っていたことが判明する。 向井爽吉の件を名倉理事長から相談された際には、久しぶりに律子の死に思いを馳せ、自らが介護に疲れ果てていたために律子を疎ましく思っていたことも思い出し、涙を流す。また、爽吉が、自分と同じくどこに出す宛てもないシナリオを書き続けていたことを知る。 マロの生前葬ではマヤと弔辞を担当。「マロのいいところを何か書くべきではないか」との点で苦慮する。この頃に名倉理事長から呼び出され、前立腺の薬を変えることに加え、マロの身体がボロボロであることやモルヒネを打ち始めていることなどを聞かされる。さらに普段は交流のない長男夫婦からも呼び出され、前立腺の悪化を覚悟するも、実はそれが誕生祝いであり、しかも曾孫の誕生も知らされる。それは生前葬の2日前であった(曾孫の誕生には驚いていたが、長男夫婦に一筆書いており、律子からの「和解できて良かった」との問いかけにも素直に応じており、相当嬉しかった様子である)。生前葬当日には、弔辞を部屋の机上に置き忘れるミスをしてしまうものの、見事に役目を果たす。そして再び『道』の執筆を始める。 マロの生前葬後にはマロを何度か見舞い、そこで秀次と会い、めぐみの病状を聞かされるばかりか、2人で考えたシナリオを聞かされて閉口してしまう。また、さくらとは「カサブランカ」で会い、このときの会話により、母との過去を思い出す。 その後、「カサブランカ」で飲んでいたところでエリからマヤの自殺未遂騒動の一報を聞く。マヤの退院後は所在が分かっておらずに心配していたが、再びマロを見舞った際に居場所を教えられて冴子と会いに行く。特にマヤのことは責めず、豪華客船で海外を旅行していることになっている旨を伝え、冴子の案に賛同する。 マヤの自殺未遂騒動が収まった頃、急な秀次の訪問を受け、めぐみのためのシナリオを書いてほしいとの訴えに根負けし、出だしだけでもと思って口を出してしまったがため、郷内で「めぐみのためにシナリオを書いてあげている」との話になってしまい、ついで、マロからもシナリオを書いてほしいと言われてしまう。このような出来事が続き、ふと「ここから消えてしまいたい」と思い、ホッピーにだけ「北欧に行く」と連絡先を告げ、実際には山梨の山あいへと向かう。そこで、突然、警察から無銭宿泊を繰り返している疑いをかけられるも、警察の思い違いであることが分かって胸を撫で下ろす。その頃、ニタニという男性と出会い、彼の故郷だという限界集落(栄曰く「死んだ村」)を創作の取材を兼ねて訪れる。旅館に戻ると携帯にホッピーから連絡があり、マロが危篤であることを知らされ、急いで郷へ戻るも、彼の死に立ち会うことは出来なかった。郷では大納言に続いて「最後の友人」を亡くしてしまったことになり、その想いのまま、『道』の創作に向き合う。 247話冒頭でついに2500枚の『道』の原稿を完成させるも、念のために取っておいたコピーが郷内に出回ってしまい、大変なショックを受け、怒りに任せて籠城を決め込む。 117話での姫が栄のコテージに現れたシーンで「最初は姫に当てて書こうと思ったが、生前に一度も書いてやらなかった律子のために『道』を書いた」という趣旨の栄のセリフがあったが、このような設定になったのは、姫を演じる八千草がヒロイン役を降板したことを反映したためである。 白川冴子(しらかわ さえこ) / 小倉信子(おぐら のぶこ) 演 - 浅丘ルリ子 往年の大女優。愛称は「お嬢」。「白川冴子」の名は女優としてデビューしてから名乗っている芸名で、本名は「小倉信子」。10代で芸能界に入ったために金銭感覚などの世間の常識には疎いが、生来のカンの鋭さは、度々、栄を驚かせる。 前作よりもマヤと対立する場面は減っており、むしろ一緒に行動していることが多い。 10年ほど前、満蒙開拓団に参加した末に過酷な目に遭いながらもなんとか生き延びて日本へと戻ってきた姉妹と直接会ったのが縁で、湾岸テレビが翌年の終戦記念日に放送する予定の大型ドラマスペシャル『機の音』の企画が立ち上がり、彼女が主演を務めるという方向で話がまとまって行く。しかし、「白川冴子と水谷マヤでは若者の認知度が低く視聴率がとれない」とのテレビ局の判断により、企画そのものがボツになる。後日、ボツになった理由を聞かされた際には激しく動揺し、落ち込んでいた。 マロの84歳を祝う誕生日会をサプライズで行ったが、仕込んでいた美女に興奮しすぎたマロが卒倒してしまい、名倉夫妻からは厳しく灸を据えられた。 大納言の死に対する秀次の言動を「失礼だ」と評する一方、自身は「貸していたお金があるんだった」などと発言していた。一方、「カサブランカ」では「私たちもまもなくそっちへ行くから」と涙しながら死を悼んでいた。 化粧をしていないすっぴんの顔は誰にも見せない主義であり、郷中に緊急地震速報が流れた際も慌てて化粧をしてから避難するほどであった。 大河ドラマの主演である竹芝柳介のスキャンダルが世間を騒がせていた頃、指名手配中の柳介を匿っていたことが分かる。しかも、柳介が実の孫であることまでが判明し、騒動が次々起こる。 郷内で極秘に働き始めた柳介のことは密かに支援している(そのときに小遣いのつもりで渡した紙幣を巡り、郷では騒動が起きることになる)。 前立腺手術から郷に戻った栄の「いたずら」の対象の1人となってしまい、マヤとともに栄のコテージを訪ねて顔を見ると驚き、「死ぬ前の顔色だ」と言って涙ぐむ。「いたずら」の事実を知ったあとは栄とは口を聞かなかった。 マロの生前葬に関しては悪口だらけの弔辞を読むことを提案し、マロが希望するBGMのリストにはマヤと散々ツッコミを入れていた。聖歌隊オーディション後には、白鳥・玉子とともにパート分けを行っていた。 マロの生前葬後はヨガとインストラクターに夢中であり、しかも、それまであまり仲の良くなかった怜子の一派と親しくなる。マヤの自殺未遂騒動発覚時には相当慌てた様子を見せたが、栄には「(自分を)マヤと一緒にしないでほしい。自分だったら相手を自殺させてやるんだから」と発言していた。稲垣の結婚報道に関しては冷静に見ており、怒りが収まらない怜子を宥めていた。玉子から冴子の所在を尋ねられた際には「豪華客船で旅行に行っている」と、咄嗟にごまかす。栄がマロからマヤの居場所を聞き出すと、栄とともに退院したマヤを見舞う。このときには厳しくマヤを責めず、昔には戻れないことを諭し、他の入居者にバレないよう、実際に外国へ行ったことにして帰国を装うことを提案する。 マロの告別式後には声を震わせながら「生前葬をやっておいて良かった」と発言した。 『道』のコピーを六郎に渡していたことが分かるも、本人は呑気に栄に一服を勧めた。のちにマヤとカサブランカに謝罪にやって来る。 水谷マヤ(みずたに マヤ)/ 水沢マサコ(みずさわ マサコ) 演 - 加賀まりこ 1941年5月11日生まれ。16歳でデビューし、数々の作品で活躍してきた大女優で、後述の怜子によるとその中の1つは『月曜日のユカちゃん』。若い頃に贅沢をしてきたため、現在は何もない暮らしを好んでおり「生活の無駄はすべて捨てる」という思想に凝っている(部屋にあった調度品を処分してしまった)。137話にて2度の流産を経験していたことが判明する。本名は「水沢マサコ」。 前作に比べると、冴子とモメる場面は少なく、一緒に行動していることが多い(気が合わない新入居者がいるせいもあるが)。 10年ほど前、冴子と共に湾岸テレビの大型ドラマスペシャル『機の音』に重要な役で出演することが決まっていたが、「白川冴子と水谷マヤでは若者の認知度が低く視聴率がとれない」とのテレビ局の判断により、企画そのものがボツになる。後日、理由を聞かされた際にはショックを受けていた。 冴子とともにマロの84歳の誕生日会をサプライズで行ったが、マロが卒倒してしまったため、名倉夫妻から厳しく咎められる。 大納言が亡くなった際には秀次の言動に対しては「変な人」と評していたが、自身は「不謹慎だけど」と言いながらも「やすらぎの郷」の入居待ちの状況についての話題を冴子らに提供する。一方、「カサブランカ」では大納言に対して献杯することで死を悼んでいた。 新入居者が判明し始めると「下品な郷になっちゃう」などと嘆き、入居者への好き嫌いを言い始めるが、六郎や白鳥から過去に自分たちに対して失言があり、郷への入居が嫌だったと抗議を受ける(が、マヤ本人はそのことはすっかり忘れていた)。 新入居者が次々にやって来るが、連日にわたって怜子から一方的に長話を朝方までされてしまい、貴重な睡眠時間を奪われてしまう。年上への敬意を示さずに失礼な発言を繰り返すさとみには、戒めのために「井深凉子(後述)の幽霊が現れた」とお化け騒動を引き起こす。 栄の前立腺がんの手術前に段ボールを整理していた様子を見た際には「生前整理」だと誤解してしまい、話が大きくなってしまう。手術から退院した栄の「いたずら」には冴子らと同様に引っ掛かってしまい、事実を知ると憤慨。しばらく栄とは口も聞かなかった。 ある日、突然「自叙伝を出版する」などと栄に明かす。しかも「本名で書く」と意気込んでおり、栄や冴子から止められるも聞く耳を持たなかった。 マロの生前葬に関しては、悪口だらけの弔辞を読む冴子の案にノリ気であり、マロが希望するBGMのリストにも冴子と散々ツッコミを入れていた。弔辞については栄とともに考えることになり、「マロのいいところ」という点で、またツッコミを入れていたが、生前葬本番までには無事に完成させる。ところが、この弔辞が新たな火種となってしまう。 マロの生前葬後は冴子とヨガ教室に通っていたが、冴子が怜子らと親しくなってしまい、1人ぼっちになる。冴子からは「インストラクターには興味はない」とされていたが、保安部の千倉から稲垣の車に傷をつけるところを目撃され、犯行は認めたものの、その後にタクシーに乗って行方をくらましていた。のちに睡眠薬を大量に飲んで病院へ搬送され、横浜本牧署から郷へと連絡が入る。一緒にいたとされる相手が稲垣であり、郷では自殺未遂として箝口令が敷かれる。マヤが発見された部屋の名義はマヤの本名で契約されていたことも分かり、冴子らを慌てさせる。数日後に退院はしたものの、理事長らも居場所を掴めずにいたが、マロが居場所を知っており、栄と冴子に訪問される。騒動の発覚が怖くて郷へ戻れずにいたが、2人の優しさに触れて涙を流し、冴子の案に乗って何事もなく郷へと戻る。 冴子に『道』の原稿を渡したことを疑われるも、自身は「知らない」と発言したが、のちにカサブランカに謝罪にやって来た。 高井秀次(たかい ひでじ) 演 - 藤竜也 通称「(高井の)秀さん」。任侠映画で一世を風靡した伝説の大スター。寡黙で男も惚れる男。栄からは信用されており、時折核心をつくことを述べる一方、栄曰く「トンチンカンなことも述べる」。美大出身で、現在は入居者の顔に刻まれたシワを描くことに余生を捧げていた。 『機の音』の中国ロケに先駆けてのロケーションハンティングの日程が決まったと財前から栄が告げられた当時は中国の映画に出演するために北京に滞在しており、様子をメールで知らせていた。 大納言が亡くなる数ヵ月前から肖像画を描かせてもらっており、亡くなった直後にも描いていた。 館内機器の誤作動による緊急地震速報の誤報騒ぎでは、1人だけ車で逃げたのではないかと栄らから疑われた。 竹芝柳介の一件で栄と説得にあたり、柳介の甘えに対して強烈なビンタを浴びせて「簡単に男の美学を語るな」と叱責する。 新入居者のめぐみとは懇意であり、彼女の初期認知症の可能性も肯定的に受け止めている。 乃木坂テレビ60周年記念番組にはめぐみを想って出演を決めるが、豊臣軍団の振る舞いに我慢ができず、番組内で大暴れしてしまう。 めぐみに付き合って古寺巡礼をするうちに交際に発展し「自分は今まで本当に女性を愛したことがなかった」ことに気が付く。 めぐみの症状が悪化しても一緒に過ごしていたが、めぐみが「財布を盗られた」などと騒ぎ出し、ついには首を絞められるに至る。めぐみが強制的に隔離されたことに怒り、「暴力に訴える」と中里・野村に抵抗するが、簡単にねじ伏せられてしまう。このことに納得いかず、2人に果たし合いを挑み、大イベントにされてしまう。その果たし合いが八百長であることにも気付いていたようであった(栄にその旨を語ったときには、心なしか、目が潤んでいた様子だった)。 マロの生前葬後、病棟で会った栄にはめぐみの病状を「面白い」と語り、昭和30年代を彷徨っていることを告げる。なお、めぐみからは、もはや市川雷蔵 (8代目)と認識されていて「雷さん」と呼ばれており、めぐみとともに考えたシナリオを栄に書いてほしいと提案したが逃げられてしまった。 マヤの自殺未遂騒動が収束した頃、一睡もせずに栄のコテージを訪問し、シナリオの書き方を教えてほしいと言い出す。このときに栄に見せたシナリオは梵字のようで読みにくく、何を書いているのか判別できないもので、コーヒーを所望するも、気を抜くと寝てしまうほど心身ともにボロボロで疲れきっていた。栄に「めぐみに夢を見させてあげたい」と語っていたが、突然荒っぽい口調になり、ついには泣き出しながら栄に「シナリオを書いてください」と懇願する。栄にアドバイスを乞い、起承転結について説明させたあたりで寝てしまうが、どうやら作戦だったようで、「めぐみのためにシナリオを書いてあげている」との噂話を耳にして抗議した栄には「めぐみに早く死ねというのか」「仕事を途中で投げ出すのか」と言ってシナリオを押し付けた。 マロの告別式後には「(マロが)めぐみに挨拶に来た」と言い出す。 栄の籠城事件の際には白鳥らと栄の救出を行い、「まず腹に入れるように」と橋本が持って来た朝食を勧める。栄の言い分には同情的だったが、犯人のことは許してやってほしいと願い出る。 真野六郎(まの ろくろう) 演 - ミッキー・カーチス 通称「マロ」。個性派俳優として人気を博し、過去の出演作品である映画『毒舌王子』でブレイクした。賭博行為で何度も逮捕された過去を持ち、自他共に認める不良老人。女優陣のスキャンダル事情に詳しく、大の噂好き。周囲からは呆れられる言動が多いが、意外な知識を有していたり、栄の心を動かす一言を言ったりする。曰く「未だに現役」とのこと。かつて、コンシェルジュの松岡伸子との大恋愛を実らせたが、過去に妻と離婚するといった数々の問題を抱えていたことから、周囲が予想した通り、交際1年半で破局した。現在は「バツ2.5」を自称している。「トッピンパラリのプゥ」がお気に入り。 6話にて84歳の誕生日を迎えた。そのサプライズとして冴子とマヤが準備していた美女に興奮しすぎて倒れてしまい、郷の住人やスタッフを慌てさせた。 7話にて、自分の生まれた年がちょうど昭和10年であることから、「自分の今の歳に10を足すだけで今が昭和で何年なのかがすぐに分かる」という特技を明かした。 大納言の見舞いには頻繁に行っているらしく、栄に大納言の様子をたびたび伝える。大納言の死に対しては「根深い人だった」と人柄を表現していたが、「カサブランカ」では大納言の名台詞である「いかにも」を引き合いに出して死を悼んでいた。 地震騒ぎに際しては避難先で栄らが津波を気にして海を注視する中、自身は落下物を恐れてテーブルの下に避難していた。 修が新入居に決まったことは快く思っておらず、露骨に嫌な顔をしていた(この理由は、のちに修の口から栄に語られる)。 思いつきで「郷内の噂が出回る速さを確認する」などと称して「名倉みどりは加納英吉の娘ではなく愛人である」との作り話を流し、みどりを怒らせてしまうも、「ねぇ」の一言でさらに怒らせてしまう。 程なく、懲りずに六郎と「マヤや冴子の派閥(主流派)と怜子の一派(新興勢力)のどちらにつくべきなのか」などと噂話をしていた。 栄の前立腺がんの手術前に息子夫婦が訪ねてきたところを偶然に目撃してしまい、「最期の挨拶」だと勘違いしてしまい、またまた郷内を噂話が駆け巡る。 「名倉紙幣」が使用された賭博問題では、「造幣局」なるところで大量の生産を行い、連夜に渡って「興行主」を自称し、さとみとともに場を仕切っていた(名倉理事長から紙幣の増刷を止めるように言われるも「郷内の老人たちの元気のため」「認知症の予防」などとあれこれ理由をつけて逃れていた)。が、名倉理事長の作戦により、ニセの警察官らが「家宅捜索」に押し入られ、さらに「事情聴取」までされ、こってり絞られた模様。 秀次の「果たし合い」の件を知り、再び「興行主」を気取ってイベントを仕掛けていた頃はエリをナンパしていたらしく、栄から呆れられる。が、その裏では密かに膵臓ガンが進行していた。 202話で栄らに生前葬を行う予定であることを伝える。さらに準備会では、葬儀委員長に自ら立候補し始め、マヤと冴子から「仏様の立場でこの場にいるのはおかしい」とツッコまれた。栄には、カサブランカにて、生前葬の最後には再びニセの紙幣を使って賭博をするのはどうかと提案し、呆れられてしまう。 生前葬本番では修からの「献歌」があると知ると一瞬驚いた様子だったが、修とは笑顔で会話をし、満足した様子だった(異例であるが死者役のマロ本人が最後に挨拶を行った)。なお、栄に提案していたニセの紙幣は香典に使われたが、怜子が盗み出したことでひと騒動あった。生前葬後、マヤの弔辞をめぐっては、またまたひと騒動あったらしい。病棟への出入りを繰り返し、元気は元気であるが、栄と六郎が見舞った際には半分寝ているような状態だった。 マヤの自殺未遂騒動後に栄が病室を訪ねたところ、なぜかそのことを知っており、栄を驚かせる。その話はマヤ本人から聞いたとのことで居場所も知っていた。また、遺書を書いた旨も打ち明ける。めぐみのシナリオの件も当然のように知っており「『黄昏 (1952年の映画)』をリメイクしたい。シナリオを書いてほしい」と言い出し、ベッドに寝ながらも「早死にさせるつもりか」と冗談めかして発言する。 栄が郷を離れて山梨にいる間に危篤に陥り、234話にて死去。修によると最期の言葉は「来たか、ピンゾロ」であり、告別式のBGMは『川の流れのように』であった。栄は死に立ち会うことが叶わず、罪悪感を覚えることとなった。 『道』のコピーが郷内に出回っていた件が収束した頃に遺言が発見される。 白鳥洋介(しらとり ようすけ) 演 - 上條恒彦 有名なトランペッター兼作曲家。栄が脚本を書いたドラマの曲を作曲した縁で親交がある。 アメリカでスタジオを開いていたが、妻を亡くして気力を失い、そのまま帰国して郷に入居した。 地震騒ぎが収まった直後「最初は北朝鮮のJアラートだと思った」と語ったところで揺れを感じ、それを指摘したことで本当に地震が起こったのでは、と冴子に思われていた。 宗匠からは「ハクチョウさん」と呼ばれている(姓名の「白鳥」に由来)。 郷への入居は早めに決まっていたらしいが、マヤとの一件があって入居を渋っていたらしい。 栄の前立腺手術後の「いたずら」は、冴子やマヤと同様に真に受けてしまった。 マロの生前葬の準備会には、マロに代わって急遽参加する。栄から歌の編曲を依頼され、さらに歌唱指導までもを依頼され、当初は断固拒否するも、最終的には引き受ける。が、マロからの口出しの多さに怒ってしまい、歌唱指導を降りると言い始める(怒りは相当だったようで、マロを「あの野郎」などと言っていた)。マヤと冴子の計らいで「マロは参加させない」との条件のもとでオーディションは続けられた。 ヨガ教室については「どうせ、みどりさんの趣味でしょ」と半分呆れており、「ピチピチの美女がインストラクターだったら参加する」と発言し、宗匠からセクハラになってしまうとツッコまれていた。 栄の籠城の一件では秀次や進藤らと救出に一役買い、奈々と一馬が原稿を持ち出した犯人ではないと伝える。 原田剛(はらだ つよし) 演 - 伊吹吾郎 大部屋出身の元アクション俳優。代表作は『格斗王竜』。高井秀次のジム仲間。 乃木坂テレビ60周年記念番組に出演した際には豊臣軍団の無礼な態度に怒り、秀次らと大暴れする。 さらに、秀次とスタッフとの「決闘」にも参加、八百長に加担する。 マロの生前葬の聖歌隊のオーディションに参加していたが、マロから歌声に「うがいしているみたい」とダメ出しをされて「この野郎!」と怒ってしまう。 那須十三郎(なす じゅうざぶろう) 演 - 倉田保昭 元殺陣師。代表作は『夕陽のカンフー』。格闘術に精通している。 秀次や原田とはジム仲間。テレビ収録で騒動を起こしたり、決闘に参加したりしている(原田の項参照)。 中井竜介(なかい りゅうすけ) 演 - 中村龍史 コミックバンド「ファンキー・ドッグ」の元メンバー。新入居者である修とは顔見知り。 チン平 演 - 大門伍朗 ラジオドラマなどで活躍した音効マン。オネエ口調でスキンヘッド。 庄太郎 演 - 鶴田忍 元・テレビの小道具職人。マンションのB棟に住んでいる。マロの注文で、丁半博打に用いるための偽一万円札「名倉紙幣」を製作する。 ポチ 演 - 南雲祐介 庄太郎と共に「名倉紙幣」を製作する。 三角寛次 演 - 山谷初男 96話から登場。マンションの62号室に入居している。 宗匠の句会に参加しており、俳号は「史葉(しよう)」(評価はまずまずといったところ)。なお、「ミヨちゃん」シリーズなる連作がある模様。 堺田俵介 演 - 毒蝮三太夫 167話から登場。前作よりも耳が遠くなっている様子。 マロの生前葬の聖歌隊のオーディションに参加するも、前述の耳の遠さのために会話にならずに引き取りを願われた。 岩倉正臣(いわくら まさおみ) 演 - 山本圭 通称は「大納言」。70年代、時代劇“大納言シリーズ”が当たり、「いかにも」が流行語にもなったスター。郷内では、栄、マロとよく釣りをしている仲だったが、ある日、新聞を読みながら歩いている最中にうっかり転んで骨折したのを機にすっかり衰え、現在は病院棟に移って車椅子生活を送っている(日時や曜日を思い出すのにも一苦労している状態)。 のちに癌を患っていることが判明、さらに癌が骨にまで転移しているとのことでモルヒネを打たれながら延命措置を施されている。 34話にて、栄やマロ、マヤや冴子などの親しかった住人らに見守られながら、最期には流行語になった「いかにも」の名台詞を口にし、静かに息を引き取った。 亡くなって以降も栄の夢に登場する。 菊村律子(きくむら りつこ) 演 - 風吹ジュン 栄の亡き妻。元舞台女優。晩年は認知症を発症し、金婚式を前に他界した。 本作では認知症を患う前の現役女優だった時点において、夫を「栄ちゃん」と呼んでいる。 たびたび栄の夢や回想にて現れる。栄がエリに対して舞い上がっていた際にも夢に登場し、灸を据えた。 栄のコテージの自室には遺影として若い時の律子の写真が飾られており、横には位牌もある(そこに記された戒名は「芳優院妙淑日律大姉」)。 200話では、向井爽吉の件で悩む栄の前に幻影として現れ、栄の自分の死に対する判断に感謝している旨を述べる。 206話には栄の夢に登場。栄が長男夫婦から誕生日を祝われて和解できたことを喜んでいた。
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