定年 世界の定年

定年

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/07 07:44 UTC 版)

世界の定年

アメリカ

アメリカ合衆国では、40歳以上の労働者に対する年齢を理由とした雇用関係、雇用条件、賃金、配置、役職などのあらゆる就職差別は連邦法によって禁じられている。一部の職種では例外的に認められているものもあるが、その多くは軍人警察官など政府関係の現場職である。アメリカの民間企業では、年齢を理由とした解雇である定年退職や、年齢を理由とした賃金・役職・配置の降格である再雇用制度などはなく、労働者本人の希望による退職や能力的な理由による解雇でない限り生涯にわたって働き続けることができる。また年齢を基準とする求人差別を防ぐため、就職活動用の履歴書に応募者の年齢や生年月日の記入を求められることはなく、正式に採用が決まるまでは企業側が応募者に年齢や生年月日を尋ねることも法律で禁止されており、その目的も就労資格や税務上の確認に限られる。

その他

中国共産党中央政治局には委員の68歳定年制があり、党大会時の年齢が基準となる。現在の中国政界で中国共産党政治局常務委員でない者が国家の最高幹部になることはまずあり得ないので、実質的に最高指導者の定年制となっている(ただし、後に中国共産党総書記である習近平が68歳を迎えるにあたって引退しておらず、緩和されている)。1997年に定年制が導入される以前は、毛沢東朱徳葉剣英など、80代の政治局常務委員の例も珍しくなかった。古代中国において官僚の定年は70歳であったことから、科挙における最初の試験「郷試」では70歳以上の受験者は合格点に達しなくとも合格扱いとし、名誉称号として「挙人」を与えていた。

ブータン国王は2008年に制定された憲法によって、65歳になった時点で退位することとなっている[4]

国際オリンピック委員会(IOC)の委員には、80歳の定年制がある。


注釈

  1. ^ 現在の厚生年金において、いわゆる「特別支給の老齢厚生年金」の支給開始年齢が男女で異なっているのは、過去に男女別定年が一般的であったことの名残である。
  2. ^ 平均寿命は、男75.23歳、女80.93歳。
  3. ^ 平均寿命は、男76.57歳、女82.98歳。
  4. ^ 平均寿命は、男77.16歳、女84.01歳。
  5. ^ 平均寿命は、男77.72歳、女84.60歳。
  6. ^ 平均寿命は、男78.64歳、女85.59歳。
  7. ^ 平均寿命は、男79.00歳、女85.81歳。
  8. ^ かつて大島部屋の親方であった旭國斗雄は2012年4月24日に親方としての停年を迎えたが、部屋の後継予定者であった旭天鵬勝が引退せずに現役続行を希望したため、大島部屋に所属していた力士たちは旭天鵬を含めて全員が友綱部屋へ移籍し、大島部屋は閉鎖されることになった。
  9. ^ 非任期制自衛官は誕生日
  10. ^ かつての日本相撲協会ではこれを「廃業」と呼び、親方として協会に残る場合だけを「引退」と呼んでいたが、現在はどちらも「引退」で統一されている。
  11. ^ 例外もあり、バーン・ガニアは58歳でAWA世界ヘビー級王座を保持したまま引退している。引退の4か月前に行われたジャイアント馬場(当時44歳)との防衛戦は、プロレス大賞の年間最高試合に選ばれた。なお、馬場も現役生活が長かったプロレスラーの一人であり、彼は61歳で死去するまで現役を続けていた。
  12. ^ 2016年までの将棋界における順位戦の最年長出場記録は丸田祐三の76歳11か月であったが、2017年に加藤が記録を更新した。なお、丸田は77歳の誕生日を迎えた翌日、加藤は77歳5か月でそれぞれ現役を引退している。
  13. ^ 2018年11月、在職中に死去。

出典

  1. ^ Working Better with Age (Report). OECD. (2019). doi:10.1787/c4d4f66a-en. 
  2. ^ 大辞泉
  3. ^ 【ダイバーシティ進化論】定年、海外にはない国も-年齢の物差し はずそうOECD東京センター所長 村上由美子)、『日本経済新聞』朝刊2019年2月11日(女性面)2019年2月14日閲覧。
  4. ^ ブータン第四代国王の定年制について”. ブータン王国名誉総領事館. 2018-08-25日閲覧。
  5. ^ 重役含め定年制の実施を発表『東京日日新聞』昭和11年4月18日(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p700-701 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  6. ^ 校長先生ビラ配り 退職年齢の延長訴え『朝日新聞』1968年3月3日朝刊 12版 15面
  7. ^ 退職制度について”. 航空自衛隊. 2022年5月22日閲覧。
  8. ^ 「男女の差別は不当 解雇した会社側敗訴」『朝日新聞』昭和44年(1969年)7月2日朝刊、12版、15面
  9. ^ 日本人の平均寿命、女性2年ぶり世界一 男性は5位 - 『日本経済新聞』(2013年7月25日)
  10. ^ 雇用流動化へ「40歳定年を」 政府が長期ビジョン(『日本経済新聞』2012年7月7日記事)
  11. ^ フロンティア分科会報告書
  12. ^ 突然浮上した「40歳定年制」に賛否両論 安易なリストラ助長も(『産経新聞』2012年8月2日記事)
  13. ^ OECD Economic Surveys: Japan 2019, OECD, (2019), doi:10.1787/fd63f374-en 
  14. ^ 改正高齢者雇用法が成立=65歳まで継続義務付け”. 時事通信 (2012年8月29日). 2012年12月24日閲覧。
  15. ^ 「65歳まで継続」で労使に溝 企業「若年層雇えぬ」”. 『日本経済新聞』 (2012年3月13日). 2012年12月24日閲覧。
  16. ^ 定年者の再雇用拡大、3割が「非正規削減」で対応”. 『日本経済新聞』 (2012年12月12日). 2012年12月24日閲覧。
  17. ^ まだまだやれる!シニア活躍広がる 人手不足…定年後の再雇用 年齢上限撤廃相次ぐ - 『日本経済新聞』(2017年6月13日)
  18. ^ 「定年は自分で決める」80代まで現役も、アベノミクス600兆円の鍵 - Bloomberg(2016年7月12日)
  19. ^ 人手不足時代の到来(上)〜その背景とマクロ的帰結〜 - 富士通総研(2014年8月18日)
  20. ^ 定年を40歳に、協会がJBCへ要望決定
  21. ^ 大竹秀典が渡米 ドグボエの統一戦プラン粉砕なるか
  22. ^ “60歳まで戦った元世界王者、ソウル・マンビー死去”. Boxing News. (2019年12月20日). https://boxingnews.jp/news/71774/ 2020年1月4日閲覧。 
  23. ^ “大橋 秀行さん 新春インタビュー 元WBA・WBC世界ミニマム級王者日本プロボクシング協会会長「世間への知名度、さらに高めたい」”. タウンニュース. (2014年1月1日). https://www.townnews.co.jp/0115/2014/01/01/219111.html 2021年2月25日閲覧。 
  24. ^ 【39】騎手に「定年」はありません
  25. ^ 早期退職募集制度について(内閣人事局)
  26. ^ 自民:参院選の1次公認候補予定者56人を決定”. 毎日新聞 (2018年7月20日). 2019年6月26日閲覧。
  27. ^ 社団法人日本ホッケー協会 公認審判員規程






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