tuberculosis
「tuberculosis」とは、「結核」や「肺結核」といった結核菌に感染することによって主に肺に起きる細菌性感染症のことを意味する英語表現である。
「tuberculosis」とは・「tuberculosis」の意味
「tuberculosis」とは、「結核」や「肺結核」を意味する表現である。結核とは、結核菌に感染することによって発症する細菌性感染症のことである。通常は肺に症状が出やすいが、場合によっては、他の臓器に影響があることも少なくはない。感染ルートは主に活動性結核の状態にある患者によって、汚染された空気による空気感染である。結核の感染は活動性の結核に罹患している患者からであるケースがほとんどであり、空気感染が主であるため、適切な予防措置を行っていれば、患者に接触しても感染はしないとされている。結核に初感染すると、数週間のうちに肺付近のリンパ節に移動し、そこに留まることが多い。この状態を休眠型(潜在性)といい、症状もなく、他者への感染も起こさない状態であるが、小児や免疫機能が低下している人では、この段階であっても肺炎や肺外結核を引き起こす可能性がある。次の潜伏感染期では、体内に細菌は存在しているが、休眠状態になっている状態である、多くの感染者がこの状態で止まるが、感染者の10%程度が、次の活動性結核の状態に移行する。活動性結核では、休眠していた細菌が増殖しはじめ、症状が出やすくなり、他者への感染の恐れが出てくる。
主な症状として、咳や倦怠感、食欲不振などの症状が多いが、症状がないという人も少なくない。最も見られる症状は咳だが、結核の特徴として、感染してから発症まで時間がかかるため、風邪や喘息など、ほかの疾患が原因であると考えてしまうことが多い。結核の咳は黄色や緑色の痰が混じることや、出血が見られることもある。寝汗も結核の特徴的な症状の1つであるが、必ずしも出るわけではなく、また、結核だけが寝汗の原因とも言えないため、これで結核を疑うことも難しい。疑わしき症状が出た場合は、総合的に判断する必要がある。
診断方法として、胸部のX線検査や痰の観察、培養、ツベルクリン検査、血液検査などが挙げられる。
一般的な治療として、結核と診断されたらまずは隔離することが重要である。続いて、抗菌薬の投与が行われるが、症状の重症度によって、入院も検討される。結核に使用される抗菌薬は複数あり、通常は多剤併用が基本である。一種類の抗菌薬で治療を行うと、その医薬品に対して耐性を獲得した結核菌が残ってしまう可能性があるため、必ず二種類以上の抗菌薬が使用される。結核の治療には二段階あり、集中して抗菌薬を投与する集中段階と、集中段階の結果に応じて、抗菌薬の数を減らして行う継続段階がある。結核の治療は半年以上行う必要があり、その間は体調が良くなったとしても投薬し続けなくてはならない。仮に、患者の判断で治療を中断してしまった場合、結核が再発してしまうこともある。
結核の予防は予防接種が一般的である。結核に有効なワクチンとして、BCGワクチンがあり、一歳までのタイミングでBCGワクチンを接種することにより、罹患リスクを減少させることができるとされている。感染しないための対策としては、病室の定期的な換気や、患者と接する際には特殊なマスクを着用することによって、リスクを抑えることができる。
「tuberculosis」の語源
「tuberculosis」はラテン語の「tūberculum」に、病気の状態を表す「-osis」を合わせることによってできた語である。肺結核の状態にある肺の内部の結核菌のコロニーが、小さな塊に見えることから名づけられたとされている。「tuberculosis」の発音・読み方
「tuberculosis」は「チュバキュローシス」と読む。発音記号は米国英語で「tubə̀ːrkjəlóusəs」であり、音節は「tu・ber・cu・lo・sis」である。「tuberculosis」の使い方・例文
「tuberculosis」を使った例文として、以下のものが挙げられる・Tuberculosis cannot be transmitted to others if there are no symptoms.
(結核は、症状がなければ他人に感染させることはない)
・Tuberculosis (TB) is commonly treated with multiple antimicrobial agents.
(結核は、複数の抗菌剤による治療が一般的だ)
・Children and people with weakened immune systems are more likely to develop tuberculosis.
(子どもや免疫機能が低下している人は結核を発症しやすいと言われている)
結核
結核菌、Mycobacterium tuberculosis、の感染が原因となって発症する疾患。
結核
【総論】 抗酸菌の一種である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が起こす病気の名前。世界人口の3分の1が感染しており、年間800万人が毎年結核発症し、300万人が死亡し、その3分の2がアジアである。日本ではかつて亡国病と言われたが、今でも人口10万人あたり35.7人の人が病気をもっており、毎年約4,500人が新しく診断される。つまりエイズよりも多く発生し多く死亡している。感染源は喀痰が飛び散る(飛沫)ことで家庭内や集団発生が起こる。抵抗力の落ちた人に起こりやすい。
結核の予防治療
【概要】 HIV感染者が明らかに結核菌に曝露したと思われる場合、ツベルクリン検査を実施する。5mm以上であれば予防治療を開始する。従来はツベルクリン反応が参考とされていたが、近年クォンティフェロンTB-2G値が上昇していなければ予防治療は不要と考えられている。ただしHIV感染症など免疫能が低下した患者の評価は定まっていない。
【詳しく】 (1)イソニアジド300mg+ピリドキシン50mgを9ヶ月間。(2)イソニアジド耐性結核菌→リファンピシン600mg+ピラジナミド20mg/Kgを2ヶ月間。(3)多剤耐性結核菌→専門家に相談。
《参照》 結核とエイズ、 クォンティフェロンTB2G
結核の治療
【治療】 治療は抗結核薬を3種類以上組み合わせて使用する。イソニアジド:300mg/日を1日に1回+エタンブトール+リファンピシン+ピラジナミド20~30mg/Kg分4。免疫能が回復すれば、治療期間は通常の患者と同じ半年から1年が普通である。日本では結核予防法で管理しており治療費の公費負担もある。
【詳しく】 リファンピシンは薬物代謝酵素チトクロームp450を誘導する。これにより抗HIV薬の血中濃度が低下して、十分効果をあげないばかりか、耐性HIVの発生を促す恐れがある。治療の選択やタイミングなどについて専門家と相談すべきである。治療経過中のPCR検査は、治療薬で死滅した菌のDNAも検出するので、治療の成功失敗を判断することはできない。クォンティフェロンTB-2Gの値は、治療成功で低下すると言う。
《参照》 イソニアジド、 リファンピシン、 ピラジナミド、 エタンブトール、 チトクロームP450、 クォンティフェロンTB2G
結核の診断
【診断】 HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合で、肺または肺外に活動性結核を診断したら、エイズ指標疾患となる。 (1) 確定診断:細菌学的培養により診断するが時間がかかる。最近はPCR法で鋭敏かつ早期に診断できる。(2) 臨床的診断:培養により確認できない場合には、X線写真やツベルクリン反応の陽性を参考に診断する。(3) 全血インターフェロンγ応答測定法(クォンティフェロンTB-2G)の応用が有力になった。
【詳しく】 1)ツベルクリン反応は免疫力が落ちていると、陰性の結果となりやすいので参考にならない(HIV感染者の場合は5mm以上を陽性と考える)。 2)検体(痰、胃液、便、血液)から結核菌を証明する場合、菌量が多い場合は塗抹標本を抗酸菌染色をして顕微鏡で判定する。菌の種類を決めることは薬の選択の上でも大切である。菌量が少ない場合は増やす。耐性検査も実施する。従来は培養と生化学的な正常で菌の種類を決定していたが、決定に熟練と4週間以上を要した。クォンティフェロンTB-2Gは感度はツベルクリン反応と同等、特異度はより優れている。
結核
結核
世界人口の3分の1、約2億人が結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に感染(空気感染)し、感染した人(潜在性結核感染症)の10%が一生の間に発病する。特に結核高蔓延地域に住むHIV感染者はさらに結核発病率が高くなる。2005年には880万人の新規結核患者が発生し、158人が死亡したと推計され、その大半はアフリカおよびアジアである。これらの患者の95%以上は途上国に住み、しかも15-45歳の生産年齢層が患者の75%を占め、結核がもたらす社会への負担が大きい。世界的に貧富の差の拡がり、HIV感染の拡大、過去の非効率な結核対策が治療中断者および耐性化による慢性患者が増加する原因であった。途上国における診断方法としては、胸部X線検査よりも喀痰塗抹検査の方が技術的、費用的にも適した方法であり、排菌している患者を村レベルでも確実に発見することができる。一次抗結核薬はヒドラジド、リファンピシン、エタンブトール(ストレプトマイシン)、ピラジナミドであり、6-8ヶ月の標準治療で15-20米ドルの費用で可能である。2005年の目標は「患者の70%以上を治療し、治療成功率を85%以上にすること」であったが、WHO西太平洋地域だけで達成された。ここには中国、フィリピン、ベトナムの高蔓延国が含まれている。WHOは2006年に今後10年(2006-2015)の新しいストップ結核戦略を作成した。それは、特に高蔓延国におけるの拡大、HIV合併結核および多剤耐性結核対策、公的機関だけでなく民間団体も含む対策などに焦点を当てている。(下内 昭)
参考URL:WHO ホームページ http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs104/
結核
結核 [Tuberculosis]
ヒトの結核はほとんどが飛沫や塵(ちり)による気道感染であるが、まれに消化管や皮膚を経た感染もある。感染初期は結核菌がリンパ節に病変をおこし、ツベルクリン反応が陽性になる。そのままリンパ節が石灰化して治ることもるが、通常は病巣の結核菌によって病変が気管や腸管などへ広がる。種々の器管や臓器が冒されるが肺に空洞ができる肺結核が最も多い。早期の診断は胸部X線撮影や喀痰(かくたん)検査による。治療はストレプトマイシンをはじめカナマイシン、リファンピシン、イソニコチン酸ヒドラジド、エタンブトールなどの化学療法剤が効果的である。また、予防にはビーシージー(BCG)が用いられる。これはフランスのパスツール研究所で開発されたもので、ウシ型結核菌から得られた病原性がない菌株で、皮内注射法で免疫効果がある。かつて蔓延した結核は有用な化学療法剤の適用で1950年以降は激減したが、最近、再び感染者が増加する危険性が高まっているので注意が必要である。
結核
(Tuberculosis から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/02 01:27 UTC 版)
結核(けっかく、Tuberculosis)とは、マイコバクテリウム属の細菌、主に結核菌(Mycobacterium tuberculosis)により引き起こされる感染症[2][3]。
- 1 結核とは
- 2 結核の概要
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