抗酸性菌[Acid-fast bacilli]
グラム陽性で、芽胞、莢膜、鞭毛を持たない細長い細菌で、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)に属する細菌をいう。 大体1.0~10×0.2~0.6μmの大きさで、やや湾曲、あるいは真っ直ぐの細胞内寄生性桿菌である。細胞壁に多量のワックス成分を含んでいるので通常の色素に染まりにくく、特別に加温しながら染色するチール・ネルゼン染色を行うが、一旦染色されると酸性やアルカリの脱色液等でも脱色されにくいので、抗酸性菌(Acid-fast bacillus)と呼ばれる。抗酸菌の中では結核菌が代表的な菌種で、それ以外にも非結核性抗酸菌、ハンセン病の病原体であるらい菌もこのグループに属する。らい菌以外は人工培地での培養が可能である。 抗酸性菌は、人工培地上での増殖の速度により、結核菌と同様に発育の遅い遅発育菌と、発育の早い速発育菌に大別されるが、一般には遅発育菌の方がヒトへの病原性は強い傾向がある。
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