接触者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 15:13 UTC 版)
「ゼノギアスの登場人物」の記事における「接触者」の解説
フェイと深い関わりのある者たち。 イド (Id) 声:緑川光 搭乗ギア : ヴェルトール・イド → ヴェルトール2(1度だけ) → ゼノギアス・イド 唐突に現れ、敵味方なく破壊の限りをつくす、髪の色も服もギアも真紅な謎の男。3年前までは「暗殺者イド」としてグラーフと共に行動していた。エルル国を粛清していたラムサスの前に現われ、ギアを使わず生身でソラリスとエルルの両勢力を滅ぼした。このことによりラムサスからは異常なほど敵視されている。 その正体は解離性同一性障害によって分かれたフェイの(上位)人格のうちのひとつ。3年前の戦いによりイドの記憶は父カーンに封印され、そこに上書きされた新たな記憶と人格が「フェイ」である(「主人公フェイ」はグラーフより教え込まれたイドと同じ技が使える)。順番で言えばイドは第二人格に当たる人物であり、自らを「イド」と名乗る。 この人格が表出するとゾハルの力によって服装や外見が変化する(元は同じフェイのため正面から見ると、顔貌はフェイと似ている。なおこの姿は接触者ラカンと同じもの)。幼い頃、「フェイ」はミァンとなった母カレンから肉体的苦痛を伴う人体実験を受け続けたが、これにはまだ耐えることが出来た。しかし、父親に助けを求めるも信じてもらえず、ついには接触者としての力を無理矢理に覚醒させるためアニマの器との同調率が高い者たちと精神を同調させる実験が行われるようになった。自分の意思とは関係なく接触者の力を流し込まれた人々がバラバラに弾けて死んでいく精神的苦痛に耐えられなくなったフェイの本来の人格は、苦痛を肩代わりさせるために代替人格を作り出した。それが第二人格イドであった。そして本来の「フェイ」の心も壊れてしまい、完全にイドと解離してしまう。後にカーンがカレンの異常にようやく気がついたときには、すでに症状は手遅れの状態まで進行していた。 その後グラーフが呼ばれ、フェイを守らんとする父カーンが追い詰められ、フェイは感情にまかせて接触者としての強大な力を暴走させカレンを殺してしまった。その際に、イドは無理矢理フェイ本来の人格(臆病者)にその結果のみを押し付けられ、それまでの精神的苦痛と、母からの愛情の記憶を本来の人格に独り占めされて一切受けられなかったネガティブトラウマによって、破壊衝動の権化ともいえる人格を形成してしまった。3年前までグラーフと共に行動していたが、グラーフとイドは父カーンに敗れ、イドは人格を封印される。そして入れ替わるようにフェイが形成された。イドを嫌う臆病者による抑制もあって、フェイが現実逃避して意思を弱めたときにのみ表出する。 このことからカーンのことを「俺と母さんを守ってくれなかった」と憎悪しており、父親を責める発言を何度もしている。ただしグラーフから守ろうとする父親の必死な姿勢は認めるような発言もしている(血反吐を吐きながら惨めに戦っても手も足も出なかった、など)。 フェイが記憶を夢や幻覚として視るのは、イドが表出しやすいように過去や前世の辛い記憶を見せているためである。また、フェイが意識下で視るイドの姿はカレンが死んだ時の姿(束ねた髪が解けた幼少期)で現れている。グラーフ同様に、滅尽滅相を為してミァンが生まれることがないようにしようとしている。 また序盤のグラーフ初登場の際、フェイの見た回想の中にも登場している。「臆病者」「(母を殺したのは)お前だよ」と言葉を残している。 そしてストーリー終盤にて、ついにイドはフェイの人格さえも押さえつけ、接触者としての力を完全なものにするべく原初の地カドモニへ向かう。第三次接触によってヴェルトール2は更なる機体へと変異進化を起こし、そこへ現れたパーティー一行とカーンを苦しめた。 そして意識の中でイドはフェイと接触する。更に深層に引きこもり続ける「臆病者」と三つの人格が出会う。臆病者はイドが母さんを殺したと責め続け、イドもまた殺したのはお前じゃないかと言い返す。見咎めたフェイは臆病者を叱咤し、独り占めにし続けた「母の真実」をイドにも見せるように言う。「暴走した力が母を殺した」という結果のみを押し付けられていたイドだが、実際は「暴走した力に自分が巻き込まれそうになった時、ミャンの呪縛を断ち切り母が身代わりになった」というのが真実だった。自分の力では誰も救えず、破壊するしかできないと思い込んでいたイド。だから破壊によってしか人との一体感を得られず、だから全てを破壊するしかなかった。しかし真実を知り、フェイから「つらい現実ばかりじゃないんだよ」と諭され、己の過ちを認め、フェイに全ての記憶を渡した。こうしてイドと臆病者、そしてフェイは一つの人格となって「結合」「覚醒」へと至り、デウスを滅ぼしうる機体ゼノギアスが誕生した。ワイズマンがカーンであることは見抜いていたが、グラーフに憑依されていることは知らなかった(カーンに記憶を封じられた後で憑依が起こったため)。 もう一人のフェイであるため、前述の理由から攻撃のモーションは非常に似通っている。ただし機体に搭乗した際のモーションは異なる。 イドの名前は、「自我」「超自我」と共に人の精神を構造する下位存在「欲動」の同一語であり、「人の精神エネルギーの源泉」という意味がある。 グラーフ 声:麦人 搭乗ギア : OR(オリジナル)・ヴェルトール → 真ヴェルトール(レプリカであるヴェルトール2が消えたことで真となった) アニマの器「ナフタリ」 力の求道者。一人称は「我」(終盤では「私」)。自らの拳から発する不可思議な力を与え、スレイブジェネレーターやエーテル能力を上昇させることができる。この力でヴァンダーカムやストーン司教、シャーカーンの「堕ちたる種子」を開花させ、フェイたちと戦わせた。この力をグラーフは「滅びの母の力」と話している。 生身でギアですら飛行できない超高度を飛行し、空中戦艦ゴリアテやギアと互角以上に渡り合い、ゴリアテの砲撃によってギアごと撃沈したように思えたがまったくダメージを受けた様子がなかった。500年前から生きており、当時にアニマの器「ナフタリ」を継承している。 作中の序盤から終盤まで登場する重要な人物であり、まるで試練を与えるかのようにたびたびフェイたちの前に現れる。 フェイがラハン村を発つ元凶となった人物で、彼の謀略によってヴェルトールが村に落下。ラハンは戦場となり、フェイは二人の親友であるアルルとティモシーを失ってしまい、イドの力が奔出してヴェルトールを暴走させてしまう。 グラーフの正体は500年前のフェイの前世(死したラカン)の残留思念であり、目的は滅尽滅相。ミァンが生まれることがないように人類を滅ぼして、ヒトの呪われた運命を解放しようと考えている(「母なる神を滅ぼす」と表現している)。デウスの本体はエレハイムとミァンであると語っている。故にフェイの肉体を奪い、本来の力と肉体を取り戻した後、ゼノギアスによって世界を滅ぼすつもりであった。 500年前、ラカンは完全な再接触の条件を満たさず不安定な精神状態でゾハルと接触して怒りによって行動するようになり、崩壊の日にディアボロス軍団を操ったが、ロニ・ファティマのE・アンドヴァリやその他ギア・バーラー数体によって倒された。その後、変異してしまった自分の姿を仲間たちに恐れられ、黒衣で身を隠しながら放浪し、悲しみの中でラカンは死亡。だが、肉体は滅びてもゾハルと接触して得た力で思念だけが生き永らえている。常に他者の肉体に憑依することで活動してきた。14年前、ミァン(カレン)に呼ばれたグラーフはフェイ(イド)を連れ去り、自らの器にするため11年間鍛え上げた。3年前、イドと一体になろうとしている所をウォン・カーンによって邪魔され敗北した。イドを目覚めさせた上で、融合を果たそうとしている。エリィの身は守る(序盤で助けられたエリィはグラーフに護られたことに疑問を抱いていた)。 グラーフ自身もギアも絶大と言っても過言ではないクラスの力量を誇っており、終盤のイベント戦闘ではフェイたちを寄せ付けぬ圧倒的な実力を見せた。それは経験でもギアの力でもなく、「思いの力」という差であった。 それから「イド」は「フェイ」を抑えつけ、原初の地へと向かいゾハルの力を完全なものにしようと行動する。阻止するべく仲間たちと父カーンもまた原初の地へ飛んだ。イドとの激戦の末、仲間たちの声に立ち直ったフェイは逆にイドを説得し、3つの人格を統合することで「覚醒」。ヴェルトール2から神を殺しうる機体「ゼノギアス」へと変異進化させる。その直後、フェイの父「ウォン・カーン」はグラーフへと変身しフェイに襲い掛かってきた。 グラーフは3年前の真実を語る。フェイの父ウォン・カーンとの戦いに敗れるも彼に憑依。すでにグラーフの肉体は限界に達しており、カーンに憑依するしかなかった。しかしカーンの思念は根強く残り、グラーフの支配が弱まった時に「ワイズマン」となってフェイを守り導いていた。グラーフとワイズマン。二人は人格こそ違うも同一人物であった。 全てを語った後グラーフはフェイの肉体を乗っ取ろうとするが、ゼノギアスにより妨害される。決着を求めるグラーフだが、フェイはグラーフは敵ではなく父親でも有り、自分と同じ存在でもあり、目的は同じはずだと拒否。戦う意思を見せないフェイに対し、グラーフは仲間を殺すと脅すことで無理やり戦いの場に引き込んだ。 互いに死力を振り絞った一騎討ちを演じ、ゼノギアスの力とこれまで培ったフェイの力によってグラーフが駆る真ヴェルトールは撃破された。しかしフェイは止めを刺そうとはせず、「最初からわかっていたよ。あんたはグラーフじゃない、俺の父さんだ」だと告げる。自分たちの目的は同じ、それは一つになったのと同じことだと。 和解の手を差し伸べるフェイだが、その時ゾハルが最期の欠片であるフェイを求め吸収しようとする。そこへカーンが身代わりとなり、自分が取り込まれることで一時的に時間を稼ぎ、その間にデウスを倒すように告げる。そしてソフィアを、カレンを、エリィを救って欲しいと本心を告げ機体ごと吸収された。消滅の寸前、フェイから「グラーフ」でも「ラカン」でもなく「父さん」と呼ばれ、息子に全てを託して「フェイの父」として死んでいった。 ラカンの怒りや妄執だけではなく、後世の接触者であるフェイを鍛え導きゾハルが接触者を求めたならば身代わりとなって未来を託すというラカンの想いも背負っており、さらにウォン・カーンの息子を鍛え導くという想いまでも含んでいて、背負う物は互いに矛盾しながらも行動は一貫していた。そのためフェイの肉体を奪い世界を滅ぼそうとするグラーフの怒りと、息子を教え導き救おうとするカーンの思いも背負っていた(そのためフェイとの決着では一人称が「私」になっており、口調も優しいものになっていた)。 フェイ(イド)の師とも言うべきであって、彼と非常に酷似した技や指弾の数段上の破壊力を持つ「超指弾」を用いる。ギア登場時には両脚による連撃蹴りで攻撃を仕掛けてくる(超指弾はギア搭乗時でも使用可能)。 物語終盤で戦うOR(オリジナル).ヴェルトールは本作最強の敵である。ただしゼノギアス覚醒直後のイベント戦闘では、今度は逆に勝ちバトルのためまず負けることはない。 なお、グラーフはドイツ語で「伯爵」を意味する。
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