さいこう‐かんせんしょう〔‐カンセンシヤウ〕【再興感染症】
再興感染症
【概要】 昔からあった感染症で制圧されたと思われていたが、最近再び問題になってきたもの。薬剤耐性菌も含まれる。
【詳しく】 代表的な再興感染症としては、ペスト、ジフテリア、コレラ劇症型A型連鎖球菌感染症、百日咳、サルモネラ症、炭疽病、結核、デング熱、黄熱病、狂犬病、耐性菌感染症(メチシリン耐性ブドウ球菌、多剤耐性肺炎球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、基質拡張型βラクタマーゼ産生グラム陰性桿菌、多剤耐性結核菌、真菌、マラリア)などがある。
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再興感染症
WHO(世界保健機関)はWorld Health Report 1996で、再興感染症に対処する能力の強化と、その監視・対策のための国内・国際間協力体制の支援を表明している。再興感染症とは、「その感染性病原微生物は既に知られていて、それによる疾病の発生数は減少し、公衆衛生上ほとんど問題とならない感染症と認識されていたが、近年再び増加してきたもの、あるいは将来的に問題となる可能性がある感染症」と定義できる。デング熱やコレラ、黄熱病などのように、限られた地域にのみ流行していた感染症が、世界的に拡散・伝播する現象が典型例である。また、A群レンサ球菌による劇症型溶連菌症のように、古典的な微生物が新たな病態を呈して出現し、社会的におおきなインパクトを与えた例もある。さらに、薬剤耐性結核や薬剤耐性マラリアのような、一定の遺伝子変異を伴った原因微生物による疾病の拡散も世界的な大問題となっている。一旦は制圧に成功したと考えられていた感染症が再興する原因として、自然災害や戦争などに伴う人口移動、都市開発や森林伐採などによる地球の温暖化や生態系の変化、さらには大型ジェット機をはじめとする世界的な交通手段の発達による病原体の急速な拡散など、社会・経済学的な要因もきわめて重要である。(狩野繁之)
参考資料:平成16年版 厚生労働白書、第1部、第2章:現代生活に伴う健康問題の解決に向けて http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/04/dl/1-2....
再興感染症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/11 02:25 UTC 版)
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再興感染症(さいこうかんせんしょう、英語: re-emerging infectious disease)とは、その発症が一時期は減少していたが、再び注目されるようになった感染症に対する総称である。抗生物質などの発達により一時期は制圧できたものの、何らかの原因で再度公衆衛生上問題となった疾患を指す。
現在再興感染症に挙げられるものとして、結核、マラリア、デング熱、狂犬病、黄色ブドウ球菌感染症などがある。
一旦制圧した感染症が再度増加する原因として以下のものが考えられる。
WHOの定義によると、再興感染症は「かつて存在した感染症で公衆衛生上ほとんど問題とならないようになっていたが、近年再び増加してきたもの、あるいは将来的に再び問題となる可能性がある感染症」とされている。この定義は1990年に初めて発表された。
なお、類似した概念として新興感染症がある。
主な再興感染症
- ウイルス:インフルエンザ、麻疹、デング熱、黄熱、日本脳炎、狂犬病など
- 細菌:サルモネラ感染症、腸チフス、赤痢、コレラ、黄色ブドウ球菌感染症、化膿レンサ球菌感染症、結核、ジフテリア、梅毒、ペストなど
- 寄生虫:マラリア、アメーバ赤痢、エキノコックス症など
関連項目
再興感染症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 03:11 UTC 版)
社会情勢の変化により、近年まで抑えられていた発症数が再び増加傾向を示すもの。
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