白書とは? わかりやすく解説

はく‐しょ【白書】

読み方:はくしょ

white paper政府各省庁が、その所管とする行政活動現状対策展望など国民知らせるための報告書日本では昭和22年1947片山内閣発表したのが最初。もと、英国政府報告書が白表紙用いたころからいう。


白書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/31 05:38 UTC 版)

白書(はくしょ、: white paper)とは、日本中央省庁の編集による刊行物のうち、政治社会経済の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするもの。 政府の施策についての現状分析と事後報告を中心とした公表資料であり、統計、図表、法令などのデータ集は含まれない。

広義においては前述の刊行物すべてを指すが、狭義においては正式名称・通称に「白書」を含むものを指す。厳密には「白書類」と総称される。

日本において初めて作成された白書は1947年昭和22年)7月4日公表の「経済実相報告書」(経済白書)である[1]

由来

イギリス(英国)において、内閣議会に提出する公式報告書を、その表紙の色からホワイトペーパーwhite paper)と通称していたことから日本でもそれに倣って政府が作成する報告書の通称を白書と呼ぶようになった。スペインでは表紙の色の黄書と呼ばれている。

外務省の発行する年次報告英語版に限っては青書(外交青書)と呼ぶが、1957年に「我が外交の近況」として外交青書が創刊された際に、表紙に青が使用され、その後「青書」と称している。元々は、17世紀の英国議会においては、外交官の報告書をブルーブックと呼んで青い表紙を使っていたことから、日本でも外務省が取り入れたものである。ただし本家の英国では現在ブルーブックは存在しない。

なお、英語でWhite Paperといった場合は日本と異なり、議会に対する具体的な「政策提案書」の意味が強い。

定義

中央省庁が編集する印刷物で販売又は頒布するもののうち、内容が政治経済社会の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするものであること。 図書の形をとるものに限り個人名で編著されるものも除くので、定期刊行物やパンフレット類、法令解説書や統計調査報告書などは白書に含まれない。

正式書名または通称に「白書」の名称を使用するものについては閣議了解を必要とする。事務次官等会議申し合わせ「政府刊行物(白書類)の取扱いについて」(1963年(昭和38年)10月24日、2001年平成13年)1月6日改正)によるもの[2]

なお、正式書名に「白書」の名称を使用しているものは13件(2022年7月時点)[3]

分類

白書は概ね三種に大別される[4]

  • 法律により政府に義務付けられている、国会への年次報告を白書として刊行したもの。法定白書: White Papers Stipulated by Law)と呼ばれることもある。
    これらは閣議決定を経て国会に提出されるが、例外として人事院が作成する年次報告は内閣国会に同時に提出されるため閣議配布のみ行われる。
  • 法律に定めのない(国会報告を要しない)政府の白書類のうち、閣議で配布し所管大臣が報告して閣議了解を得ることとされているもの。非法定白書(法定外白書)や閣議配布白書: White Papers distributed at Cabinet meetings)と呼ばれることもある。
    これらは各省庁の名において編集し、その旨を前文中に明記するとともに閣議了解を得た後公表するものとしている。
  • 上記以外の白書類(: Other White Papers)。
    各省庁部局長以上の名において編集し、その旨を前文中に明記するとともに、各省大臣、事務次官又は外局の長の了承を得た後公表するものとしている。

主な白書

太字は正式名称、それ以外は通称。#は閣議案件外。カッコ内は法定白書の根拠法令

<主な出典:[3]

廃止・統合された白書

中央官庁以外の「白書」

地方公共団体の部局などが発行するものにも「白書」の名称を使用しているものがある(例:東京都環境白書東京都環境局)、横浜市民生活白書横浜市)など)。また民間団体でも「白書」の名称を使用した刊行物がある(例:東京証券取引所「東証上場会社 コーポレート・ガバナンス白書」など)。

脚注

注釈

  1. ^ a b c 従来の「少子化社会対策白書」及び「子供・若者白書」と、年次報告の「子供の貧困の状況及び子供の貧困対策の実施の状況(子供の貧困)」は、2024年度より、「こども白書」として一本化された[5]
  2. ^ 後継組織の原子力規制委員会では、原子力規制委員会設置法第24条に基づく「年次報告」を国会に行っている。

出典

  1. ^ 永野豊太郎「いわゆる「白書」について」(PDF)『立法と調査』第340号、参議院事務局企画調整室、2013年5月10日、113頁。 
  2. ^ 白書の調べ方”. リサーチ・ナビ. 国立国会図書館 (2022年6月23日更新). 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月18日閲覧。
  3. ^ a b 日本 - 白書・年報”. リサーチ・ナビ. 国立国会図書館 (2022年7月21日更新). 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月18日閲覧。
  4. ^ 小澤隆 (2018年9月14日). “3.具体例 (1)白書” (PDF). 日本の官庁情報の調べ方. 国立国会図書館リサーチ・ナビ. pp. 22-30. オリジナルの2021年4月3日時点におけるアーカイブ。. https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11668867/www.ndl.go.jp/jp/international/news/2018/EAJRS2018.pdf 
  5. ^ こども家庭庁. “白書|こども家庭庁”. www.cfa.go.jp. こども家庭庁. 2025年1月31日閲覧。
  6. ^ パンフレット、白書等(旧原子力安全委員会)(2015年9月3日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project

関連項目

外部リンク


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