はく‐しょ【白書】
白書(はくしょ)
中央省庁が社会の実態や政府の施策について国民に周知させることを目的に編集する政府刊行物のこと。一般に、毎年度発行される。
白書の種類に応じて、法律に基づき国会に提出するもの、閣議で報告または配布されるもの、など公開の手続きが異なる。また、気象白書のように、国会や閣議に提出する義務のない通称白書も存在する。
もとは、イギリス政府の報告書が白い表紙(ホワイトペーパー)を使っていたことから白書と呼ばれるようになった。
1947年に公表された経済実相報告書(経済白書)は、日本で初めて発行された白書にあたる。「もはや戦後ではない」などの有名なフレーズを残すなど大きな影響を与えることになった。
政府は、合わせて43にも上る白書を大幅に減らす方向で検討に入った。来年の通常国会で必要な法改正を目指す。
(2006.07.03掲載)
白書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/19 08:42 UTC 版)
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白書(はくしょ、英: white paper)とは、日本の中央省庁の編集による刊行物のうち、政治社会経済の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするもの。政府の施策についての現状分析と事後報告を中心とした公表資料であり、統計、図表、法令などのデータ集は含まれない。
広義においては前述の刊行物すべてを指すが、狭義においては正式名称・通称に「白書」を含むものを指す。厳密には「白書類」と総称される。
日本において初めて作成された白書は1947年(昭和22年)7月4日公表の「経済実相報告書」(経済白書)である[1]。
由来
イギリス(英国)において、内閣が議会に提出する公式報告書を、その表紙の色からホワイトペーパー(white paper)と通称していたことから日本でもそれに倣って政府が作成する報告書の通称を白書と呼ぶようになった。スペインでは表紙の色の黄書と呼ばれている。
外務省の発行する年次報告に限っては青書(外交青書)と呼ぶが、1957年に「我が外交の近況」として外交青書が創刊された際に、表紙に青が使用され、その後「青書」と称している。元々は、17世紀の英国議会においては、外交官の報告書をブルーブックと呼んで青い表紙を使っていたことから、日本でも外務省が取り入れたものである。ただし本家の英国では現在ブルーブックは存在しない。
なお、英語でWhite Paperといった場合は日本と異なり、議会に対する具体的な「政策提案書」の意味が強い。
定義
中央省庁が編集する印刷物で販売又は頒布するもののうち、内容が政治経済社会の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするものであること。図書の形をとるものに限り個人名で編著されるものも除くので、定期刊行物やパンフレット類、法令解説書や統計調査報告書などは白書に含まれない。
正式書名または通称に「白書」の名称を使用するものについては閣議了解を必要とする。事務次官等会議申し合わせ「政府刊行物(白書類)の取扱いについて」(1963年(昭和38年)10月24日、2001年(平成13年)1月6日改正)によるもの[2]。
なお、正式書名に「白書」の名称を使用しているものは13件(2022年7月時点)[3]。
分類
白書は概ね三種に大別される[4]。
- 法律により政府に義務付けられている、国会への年次報告を白書として刊行したもの。法定白書(英: White Papers Stipulated by Law)と呼ばれることもある。
- 法律に定めのない(国会報告を要しない)政府の白書類のうち、閣議で配布し所管大臣が報告して閣議了解を得ることとされているもの。非法定白書(法定外白書)や閣議配布白書(英: White Papers distributed at Cabinet meetings)と呼ばれることもある。
- これらは各省庁の名において編集し、その旨を前文中に明記するとともに閣議了解を得た後公表するものとしている。
- 上記以外の白書類(英: Other White Papers)。
- 各省庁部局長以上の名において編集し、その旨を前文中に明記するとともに、各省大臣、事務次官又は外局の長の了承を得た後公表するものとしている。
主な白書
| 所管官庁 | 通称 | 種類 | 根拠法 | |
|---|---|---|---|---|
| 内閣官房 | 水循環白書 | 法定白書 | 水循環基本法第12条 | |
| 人事院 | 公務員白書 | 法定白書 | 国家公務員法第24条 | |
| 内閣府 | 本府 | 経済財政白書 | 非法定白書 | |
| 世界経済白書 | 非法定白書 | |||
| 防災白書 | 法定白書 | 災害対策基本法第9条 | ||
| 高齢社会白書 | 法定白書 | 高齢社会対策基本法第8条 | ||
| 障害者白書 | 法定白書 | 障害者基本法第11条 | ||
| 交通安全白書 | 法定白書 | 交通安全対策基本法第13条 | ||
| 男女共同参画白書 | 法定白書 | 男女共同参画社会基本法第12条 | ||
| こども家庭庁 | こども白書 | 法定白書 | こども基本法第8条 | |
| 警察庁 | 警察白書 | 非法定白書 | ||
| 犯罪被害者白書 | 法定白書 | 犯罪被害者等基本法第10条 | ||
| 消費者庁 | 消費者白書 | 法定白書 | 消費者基本法第10条 | |
| 金融庁 | 金融庁の1年 | その他 | ||
| 復興庁 | 東日本大震災からの復興の状況に関する報告 | 法定白書 | 東日本大震災復興基本法第10条の2 | |
| 原子力委員会 | 原子力白書 | 非法定白書 | ||
| 公正取引委員会 | 独占禁止白書 | 法定白書 | 独占禁止法第44条 | |
| 個人情報保護委員会 | 個人情報保護委員会年次報告 | 法定白書 | 個人情報保護法第168条 | |
| 総務省 | 本省 | 地方財政白書 | 法定白書 | 地方財政法第30条 |
| 情報通信白書 | 非法定白書 | |||
| 消防庁 | 消防白書 | 非法定白書 | ||
| 公害等調整委員会 | 公害紛争処理白書 | 法定白書 | 公害等調整委員会設置法第17条 | |
| 法務省 | 本省 | 犯罪白書 | 非法定白書 | |
| 人権教育・啓発白書 | 法定白書 | 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律第8条 | ||
| 再犯防止推進白書 | 法定白書 | 再犯の防止等の推進に関する法律第10条 | ||
| 出入国在留管理庁 | 入管白書 | その他 | ||
| 外務省 | 本省 | 外交青書 | 非法定白書 | |
| 開発協力白書 | 非法定白書 | |||
| 文部科学省 | 本省 | 文部科学白書 | 非法定白書 | |
| 科学技術白書 | 法定白書 | 科学技術基本法第8条 | ||
| 厚生労働省 | 本省 | 厚生労働白書 | 非法定白書 | |
| 労働経済白書 | 非法定白書 | |||
| 自殺対策白書 | 法定白書 | 自殺対策基本法第10条 | ||
| 過労死等防止対策白書 | 法定白書 | 過労死等防止対策推進法第6条 | ||
| 死因究明等推進白書 | 法定白書 | 死因究明等推進基本法第9条 | ||
| 農林水産省 | 本省 | 食料・農業・農村白書 | 法定白書 | 食料・農業・農村基本法第14条 |
| 食育白書 | 法定白書 | 食育基本法第15条 | ||
| 林野庁 | 森林・林業白書 | 法定白書 | 森林・林業基本法第10条 | |
| 水産庁 | 水産白書 | 法定白書 | 水産基本法第10条 | |
| 経済産業省 | 本省 | 通商白書 | 非法定白書 | |
| ものづくり白書 | 法定白書 | ものづくり基盤技術振興基本法第8条 | ||
| 資源エネルギー庁 | エネルギー白書 | 法定白書 | エネルギー政策基本法第11条 | |
| 中小企業庁 | 中小企業白書 | 法定白書 | 中小企業基本法第11条 | |
| 小規模企業白書 | 法定白書 | 小規模企業振興基本法第12条 | ||
| 特許庁 | 特許行政年次報告書 | その他 | ||
| 国土交通省 | 本省 | 国土交通白書 | 非法定白書 | |
| 土地白書 | 法定白書 | 土地基本法第10条 | ||
| 首都圏白書 | 法定白書 | 首都圏整備法第30条 | ||
| 交通政策白書 | 法定白書 | 交通政策基本法第14条 | ||
| 観光庁 | 観光白書 | 法定白書 | 観光立国推進基本法第8条 | |
| 海上保安庁 | 海上保安レポート | その他 | ||
| 運輸安全委員会 | 運輸安全委員会年報 | その他 | ||
| 海難審判所 | レポート海難審判 | その他 | ||
| 環境省 | 本省 | 環境白書 | 法定白書 | 環境基本法第12条 |
| 循環型社会白書 | 法定白書 | 循環型社会形成推進基本法第14条 | ||
| 生物多様性白書 | 法定白書 | 生物多様性基本法第10条 | ||
| 防衛省 | 本省 | 防衛白書 | 非法定白書 | |
過去には発行されていた白書等
- 内閣府
- 青少年白書 → 子ども・若者白書 (子ども・若者育成支援推進法第6条) → 2024年度よりこども白書に一本化(こども基本法8条2項)
- 少子化社会対策白書(少子化社会対策基本法第9条) → 2024年度よりこども白書に一本化(こども基本法8条2項)
- 国民生活白書
- 国土交通省
- 水資源白書→2015年より水循環白書(内閣官房)へ
- 原子力安全委員会
中央官庁以外の「白書」
地方公共団体の部局などが発行するものにも「白書」の名称を使用しているものがある(例:東京都環境白書(東京都環境局)、横浜市民生活白書(横浜市)など)。また民間団体でも「白書」の名称を使用した刊行物がある(例:東京証券取引所の「東証上場会社 コーポレート・ガバナンス白書」など)。
脚注
注釈
- ^ 後継組織の原子力規制委員会では、原子力規制委員会設置法第24条に基づく「年次報告」を国会に行っている。
出典
- ^ 永野豊太郎「いわゆる「白書」について」(PDF)『立法と調査』第340号、参議院事務局企画調整室、2013年5月10日、113頁。
- ^ “白書の調べ方”. リサーチ・ナビ. 国立国会図書館 (2022年6月23日). 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月18日閲覧。
- ^ 小澤隆 (2018年9月14日). “3.具体例 (1)白書” (PDF). 日本の官庁情報の調べ方. 国立国会図書館リサーチ・ナビ. pp. 22-30. オリジナルの2021年4月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ “白書等”. e-gov. デジタル庁. 2025年9月4日閲覧。
- ^ パンフレット、白書等(旧原子力安全委員会)(2015年9月3日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project(2015年9月3日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
関連項目
外部リンク
- 『白書』 - コトバンク
- 白書等 - e-Govポータル
- 政府の白書の発行部数ランキング - 社会実情データ図録
- EUR-Lex - white_paper - EN - EUR-Lex
「白書」の例文・使い方・用例・文例
- 白書
- 興味深いことに、白書は政府の指示の下で出されました。
- リクルートは毎年就職白書と呼ばれる就職情報に関する調査結果を発表する。
- 私はこれらの統計数値を政府の教育白書から借りた。
- 経済白書を読んでから、我が国の財政状態が私に正しく、わかってきた。
- ドイルの研究で提出されている議論は、最初、麻薬に関連する犯罪に関する白書として出版されたものである。
- キングの研究に引用されているデータはユネスコの1970年世界人口白書から取られたものである。
- 彼はこれらの事実を政府刊行の白書から集めた.
- 今年の経済白書は暗いデータの中から無理やり明るさを見つけ出そうとした作為が目立ってならない.
- 国民生活白書には本当に国民が真に関心を持っているものを問題として取り上げていない.
- 建白書
- アルファベット順に、人名がそれらの電話番号と共に記載されているディレクトリ(通常、白書で印刷される)の電話帳かセクション
- 環境白書という,公害に関する年次報告書
- 教育白書という,教育の実情報告書
- 経済白書という,政府の発行する年次報告書
- 白書院という,武家住宅内の建物
- 農業白書という,政府発行の報告書
- 喫煙と健康問題に関する白書
- 脱税に関する白書
- 防衛白書という白書
- >> 「白書」を含む用語の索引
- 白書のページへのリンク
