エキノコックスとは? わかりやすく解説

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エキノコックス【(ラテン)Echinococcus】

読み方:えきのこっくす

エキノコックス属の条虫総称キツネなどに寄生する多包条虫、羊・牛・などに寄生する単包条虫がある。宿主体内球形中空嚢腫(のうしゅ)を形成し包虫ともいう。人間卵を飲み込むと肝臓などで発育して重い障害起こす。エヒノコッカス。「—症」


エキノコックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/27 04:59 UTC 版)

エキノコックス属
包虫嚢胞から取られたエキノコックス
分類
: 動物界 Animalia
: 扁形動物門 Platyhelminthes
: 条虫綱 Cestoda
亜綱 : 真性条虫亜綱 Eucestoda
: 円葉目 Cyclophyllidea
: テニア科 Taeniidae
: エキノコックス属 Echinococcus
学名
Echinococcus Rudolphi1801
  • 単包条虫 E. granulosus
  • 多包条虫 E. multilocularis
  • ヤマネコ包条虫 E. oligarthra
  • フォーゲル包条虫 E. vogeli

エキノコックスラテン語Echinococcus)は、扁形動物門条虫綱真性条虫亜綱円葉目テニア科エキノコックス属に属する条虫の総称である。食肉目動物(主にイヌ科ネコ科)を終宿主とする寄生虫であり、ヒトに感染した場合にはエキノコックス症を引き起こす。

日本列島では、人間によって持ち込まれたとされる北海道に多く生息している[1]ほか、本州でも野犬などからしばしば検出され、2021年には愛知県知多半島にも定着したとの見解を国立感染症研究所が示している[2]

形態

分類

かつて16種ほどが認識されていたが、20世紀後半になって以下4種に整理された[3]

  • 単包条虫 E. granulosus
  • 多包条虫 E. multilocularis
  • ヤマネコ包条虫 E. oligarthra
  • フォーゲル包条虫 E. vogeli

その後、分子系統解析によって特に単包条虫の多様性が認識されるようになり、2017年で以下の9種が認識されている[3]

E. canadensis
終宿主はイヌ、中間宿主はブタラクダシカなど。
E. equinus
終宿主はイヌ、中間宿主はウマなど。
E. felidis
終宿主はライオンハイエナで、中間宿主は不明。
単包条虫 E. granulosus
終宿主はイヌ、中間宿主はヒツジなどの有蹄類
多包条虫 E. multilocularis
終宿主はキツネ、中間宿主はハタネズミなど。
ヤマネコ包条虫 E. oligarthra
終宿主はネコ科動物、中間宿主はアグーチ
E. ortleppi
終宿主はイヌ、中間宿主はウシ
E. shiquicus
終宿主はチベットスナギツネ、中間宿主はナキウサギ
フォーゲル包条虫 E. vogeli
終宿主はヤブイヌ、中間宿主はパカ

脚注

  1. ^ “キタキツネの寄生虫「エキノコックス」、北海道から3700km離れたアラスカ起源か”. 読売新聞オンライン (読売新聞社). (2023年11月4日). https://www.yomiuri.co.jp/science/20231104-OYT1T50059/ 2023年11月6日閲覧。 
  2. ^ “「愛知にエキノコックス定着 肝障害寄生虫、道外で異例」”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2021年10月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE127IH0S1A011C2000000/ 2024年10月27日閲覧。 
  3. ^ a b Lymbery, A. J. (2017). “Phylogenetic pattern, evolutionary processes and species delimitation in the genus Echinococcus”. Adv. Parasitol. 95: 111-145. doi:10.1016/bs.apar.2016.07.002. 

外部リンク


エキノコックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 04:02 UTC 版)

キタキツネ」の記事における「エキノコックス」の解説

キツネ、特にキタキツネ近代以降アリューシャン列島養殖ギンギツネ経由して北海道へ拡大した寄生虫のエキノコックスの終宿主となることがある。(北海道キタキツネ野ネズミの間で感染維持されるエキノコックス症多包条虫よるものであり、世界的に家畜(牛・羊など)とイヌなどの間で感染みられる単包条虫とは別種である。)キツネ糞便とともに排泄されたエキノコックス卵が人間摂取されると、幼虫寄生しエキノコックス症引き起こす早期発見すれば治療可能だが、発見の遅れや手術難し部位への寄生など、最悪場合死に至る可能性もある。 1999年頃より、駆虫薬野生キタキツネ摂取させることで感染率低下を図る活動が行われている。

※この「エキノコックス」の解説は、「キタキツネ」の解説の一部です。
「エキノコックス」を含む「キタキツネ」の記事については、「キタキツネ」の概要を参照ください。

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