結核とエイズ
【概要】 結核がエイズの免疫不全の患者で発生すると、病状が重く、早く進行し、致命的になりやすい。肺では空洞(肺が脱落してホラアナになること)を作りにくく、粟粒結核やリンパ節結核になりやすい。肺から肺以外の全身に速やかに広がりやすい。菌血症も起こす。結核菌はマクロファージ系の貪食細胞の中で増え、貪食細胞などの機能が低下しているためと考えられる。免疫が低下した患者にBCGワクチンを使っても免疫力がつくという証明はない。むしろBCGが生着して感染症を起こす危険性もある。
【疫学的な特徴】 日本ではエイズ指標疾患の4番目が結核であるが、外国人に限ると2番目である。ニューヨークでの集団発生では、多剤耐性菌が多く、進行が速くて診断から死亡までの期間が4~16週であった。まるでエイズの結核は全員が耐性結核のように誤解されて恐れられた。

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