クライムバスターズとは? わかりやすく解説

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クライムバスターズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 03:26 UTC 版)

ウォッチメン」の記事における「クライムバスターズ」の解説

ロールシャッハ/ウォルター・ジョゼフ・コバックス(Rorschach/Walter Joseph Kovacs) 本作狂言回し違法に活動続けている唯一のヒーロー超能力こそ持たないものの、かつて体操競技アマチュア・ボクシング才能見せた身体能力武器とする。また、己の正義感異常なまでに忠実であり、その在り方ニーチェの提唱した精神的超人」に近い。その行動暴力的であり、少なくとも2件の殺人容疑掛けられており、正当防衛殺人が5件はある。1977年キーン条例制定された時は、連続強姦魔の死体に「断る!」というメッセージ添えて警察署前に放置したフェドーラ帽子灰色スカーフ茶色トレンチコート同様の色の革手袋紫色ストライプ、全く磨かれていないエレベーターシューズ、そしてロールシャッハ・テスト思わせる意匠マスクコスチュームとしている。マスク白色生地挟まれた黒い液体圧力や熱に反応して流動して模様が変わる「インクブロットマスク」。その他、ガス圧でフック発射するワイヤーガン日記携帯しており、捜査状況自警活動の内容記録している。 正体身長167cm、体重64kgの赤毛無表情な男性として示される無職であり、普段は「The End is Nigh終末は近い)」と書かれた看板持って街中徘徊している。彼は自身醜い顔代わりに覆面を「本当の顔」だとしている。風呂入らず洗濯もせず、部屋掃除しないため、非常に不潔(本人は全く改善する気はない。)。また、激し右翼主義者であり、幼少期経験から女性性行為嫌悪感抱いている。 幼少期貧し母子家庭育ち売春生計立てていた母親からは虐待受けていた。その後自身起こした暴力沙汰きっかけ児童養護施設引き取られることとなり、そこで様々な分野才能見せとともに社会性回復認められ出所後は縫製工場勤務する1964年3月、かつて顧客であった女性キティ・ジェノヴィーズ)が殺害されたこと、大声助け求める彼女を誰も助けようとしなかったことを知ったことで人間の本性は無関心破廉恥なクズだと悟りキティドレス残骸マスク作成ヒーローとして活動開始する活動開始当初理性保った模範的なヒーローであり、1975年以前犯罪者重傷を負わせた記録無く殺さず拘束した犯人とともにロールシャッハテスト模様書いたカード残し警察引き渡すというスタイルであったまた、1960年代二代目ナイトオウルとチーム組んでギャング戦っていた。しかし、1975年発生したブレア・ロッシュ少女誘拐事件きっかけに彼は変貌する。容疑者の男を追跡した先の小屋で男が少女殺して死体に喰わせた証拠見つけたコバックスは、衝動的にの頭を包丁叩き割り帰ってきた男に死体を窓から投げつけ、手錠をかけてストーブ灯油撒き火を放った人間社会に対して抱いていたわずかな希望打ち砕かれコバックスは「生まれ変わり無意味な白紙世界自分の考え記そう決意」、世の中を自らの価値観極端なまでに善と悪二分し、悪と見做したものを徹底的に断ずるロールシャッハとなったモデルは、スティーブ・ディッコ創造したミスターA(Mr. A)」。鋼鉄マスク背広フェドーラ帽身に付けミスターAは自分倫理観過酷なまでに忠実なクライムファイターであり、彼が現場残していく「善」の白と「悪」の黒に二分されたカードいかなる倫理的に灰色の領域許さないというその信念象徴している。「このスティーブ・ディッコ典型的なキャラクター変な名前を持ち「K」で始まる名字持ち奇妙なデザインマスク被っている―を再現しよう」と試みたムーア語っている。また、同じくディッコによって創造された「クエスチョンQuestion)」も、ロールシャッハモデルとして使用されている。 コミック研究家ブラッドフォード・W・ライトは、ロールシャッハ世界観とは「彼の名の由来となったインク染み用いた心理学テスト様に黒と白様々な形取っても、決し灰色交じり合う事がない」物だと述べている。ロールシャッハにとって世界偶然に支配された場所であり、ライトによればこの世界観がロールシャッハに「『モラル欠落した世界』へ思うがままに『自らデザインした模様書き殴らせて』いる」理由だという。 Dr.マンハッタン/ジョナサン・“ジョン”・オスターマンDoctor Manhattan/Jonathan "Jon" Osterman) イントリンジック・フィールドの実験室起きた事故により超人的能力得た本作における唯一の超人あらゆる原子を思うがままに操作できる能力を持つ。また、時間超越しているため自分体験した過去・現在・未来事象全て同時に認識している。その一方で超人的な能力影響受けて徐々に人間性喪失しているが、その事周り人間理解されていないため、以前恋人ともすれ違いの後に別れ現在の恋人であるローリー二代目シルクスペクター)との仲も悪化しつつあり孤立深めている。 全身水色で、体毛一切ない。額に水素原子モチーフにしたマーク描いている。デビュー当初は黒いボディスーツ着用していたが、年月を経るにつれて面積減少しレオタード状、パンツビキニパンツとなり、最終的に全裸となる。 キーン条例制定後ベトナム戦争勝利導いた功績加えソビエト対す抑止力国防の要として活動許可された。その技術によってアメリカ文明大きく発展しており、現代凌ぐほどの数々新技術存在する。これは他のスーパーヒーロー装備品にも影響及ぼしている。 モデルは「キャプテン・アトム(Captain Atom)」である。キャプテン・アトムはロケット爆発事故原子分解された事からスーパーパワー手に入れたヒーローで、自分の持つ核エネルギー周囲の人間警告する原子マークコスチューム着用している。ムーア原案上では、キャプテン・アトムは核戦争恐怖体現するキャラクターであったが、ムーアDr.マンハッタンに対しては、彼がキャプテン・アトムで考えていた時以上の量子力学的スーパーヒーロー」の要素付け加えている。 また、当時スーパーヒーローが彼らのオリジンに対して科学考証欠いていたのに対しムーアDr.マンハッタン構築当たって原子核物理学量子力学に関する考証試みたムーアは、量子力学的宇宙生きる人物遠近法的な視点時間知覚せず、それは彼の人間関係の受け取り方に影響を及ぼすであろう考えたが、『スタートレック』スポックの様な無感情キャラクター創造するのは避けたい望みDr.マンハッタンある程度の「人間的な習慣」を残すことで、そこからストーリーが進むにつれ徐々に人間性失っていく様を描いたギボンズムーア対し、かつて自身創造した全身青色キャラクター「ローグ・トルーパー(Rogue Trooper)」を基に、Dr.マンハッタン皮膚の色調にはそのモチーフ再利用しようと提案ムーアはその提案採用した。それにより、ギボンズコミック色彩設計の中でDr.マンハッタン取り分けユニークなキャラクターになった語っている。一方ムーアは、DC全裸登場人物許可するかどうか確信持てずDr.マンハッタン描写には苦心した事を回想している。ギボンズマンハッタン全裸上品に作画する事を試み正面を描くタイミング慎重に選択し読者がすぐにはそれと気付かないような、ギリシャ彫刻風の、「慎み深い男性器彼に与えたとしている。 1989年にサム・ハムが執筆した採用映画脚本では、ヴェイトの最終目的を「過去オスターマン殺害しDr.マンハッタン出現を防ぐこと」としており、Dr.マンハッタンがヴェイトを殺害した時に歴史変更されオスターマンDr.マンハッタン変貌しない事になる、というストーリーであったコメディアン/エドワード・モーガン・ブレイク(The Comedian/Edward Morgan Blakeキーン条約制定後活動している政府公認ヒーロー。「ミニッツメン」の発足当時からヒーローとして活動しており、当初ギャング戦っていたが、太平洋戦争ベトナム戦争従軍して政府コネ作りイランアメリカ大使館人質事件解決するなど工作員として活動していた。また、ウォーターゲート事件追跡していた記者殺害しジョン・F・ケネディ暗殺した張本人であることが示唆されている。失踪したフーデッド・ジャスティス行方を追う任務にもついており、公式には失敗した記録されているが、発見し殺害した上で成果偽ったとも推察されている。 自らの暴力衝動満たす為にヒーローとなるような過激粗暴な人物だが、それ故に「20世紀という時代パロディ」となることを選んだ。かつてサリーレイプようとした事があり、ホリス・メイソン(初代ナイトオウル)の自伝でそれが暴露された。そのためローリーから敵視されているが、その事件後合意の元で性行為行っており、その際にできた子供が後のローリーであることが明かされるミニッツメン時代コスチュームは顔をドミノマスクで隠した薄い布の黄色コスチュームだった。任務中に負傷した後、革製のフルフェイスマスクと星条旗アレンジした革製のボディアーマー変更している。また、スマイリーフェイスマークのバッジ愛用しており、コメディアンの血に汚れたバッジ本作シンボルである。 死亡する1週間前、任務からの帰還途中地図上に記載されていない島を発見し反政府組織拠点であると疑い島に降り立つも、そこで進められるオジマンディアス計画全貌目撃してしまう。オジマンディアスによる「史上最大悪質なジョーク」を目の当たりにしたコメディアン精神バランス崩しモーロックのもとを訪れ怒り涙する。そして、その一部始終監視していたオジマンディアス殺害されてしまう。 コメディアン原型となっているのは、チャールトン・コミックに登場する平和の為なら暴力厭わないという主義を持つスーパーヒーローピースメーカーPeacemaker)」であり、更にマーベル・コミックCIA諜報員ヒーローニック・フューリーNick Fury)」の要素加えられている。ムーアとギボンズは、コメディアンを「巨体怪力与えられジョージ・ゴードン・リディ的なキャラクター」と考えていた。 二代目ナイトオウル/ダニエル・“ダン”・ドライバーグNite Owl II/Daniel "Dan" Dreiberg) フクロウモチーフにしたコスチューム身に纏うヒーローかつてはロールシャッハ相棒として活躍していたが、キーン条例の制定と共に引退していた。引退後鳥類に関する論文科学誌寄稿している。また、先代のホリス・メイソンやロールシャッハとの間には友人関係が続いている。 子供の頃から騎士物語ヒーロー憧れており、銀行家であった父の遺産装備整えメイソン引退する許可取り名前を襲名しデビューしたステルス機能加えて火炎放射器ミサイル機関砲搭載した飛行船オウルシップ・アーチー、小型レーザーホバーバイク各種防護服暗視ゴーグル使用するまた、ベルトには様々な装備品収納されポーチ備わっており、リモコン使ってアーチー遠隔操作することなども可能。 自ら引退の道を選んだものの、未だ情熱抱き押さえ込んでいたためインポテンツであったが、ローリーとの再会などを経てヒーロー活動再開するにつれてかつての輝き取り戻す。 モデルは「二代目ブルービートル/テッド・コード(Blue Beetle II/Ted Kord)」。コード先代であるダン・ギャレット(Dan Garrett)の遺志受け継ぎ二代目ブルービートルとして、昆虫型飛行船乗り回し、自ら発明した武器を手に戦うヒーローだった。正体新人警官である先代ギャレットは、初代ナイトオウルであるホリス・メイソンのモデルにもなっている。リチャード・レイノルズは自著Super Heroes: A Modern Mythology』において、ナイトオウルの行動様式にはDCの「バットマン」とより大きな共通点見られる述べている。ジェフ・クロックによれば、ドライバーグの普段の姿は「中年達した性的不能クラーク・ケント連想させる」。ギボンズはドライバーグを「自分趣味過度に没頭する漫画マニア少年」だと考えていた。 オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイト(Ozymandias/Adrian Veidt) 卓越した頭脳持ち世界で最も賢い男と呼ばれる優れたアスリートでもあり、その身体能力至近距離発射され銃弾素手受け止められるほど高い。金色ヘッドバンドマント胸飾りのついたチュニックというコスチューム着用現役時代はドミノマスクで顔を隠していたが、引退後コスチュームを着る際には素顔のままである。 かつてはアレキサンダー大王憧れてユーラシア大陸放浪したが、彼が失敗した事を悟ると今度ラムセス2世学んだ。名前の「オジマンディアス」は、ラムセス2世ギリシャ語にちなんだものであるキーン条約制定以前人気保ったまま引退したため市民から賞賛されている人物でもあり、その知名度活かしてヴェイト社を世界的企業にまで成長させた。 南極巨大な秘密基地カルナック」を保有しており、Dr.マンハッタン発明品実用化して様々な研究へと投資することでアメリカ発展させている。この成果でもある遺伝子操作生み出され科の動物ブバスティス伴っており、これは現役時代には存在していなかったが、オジマンディアスアニメなどでは共に活躍しているなど、彼のトレードマークとして認識されている。 その頭脳により世界滅亡させかねない核戦争勃発間近に迫っているという結論導き出したオジマンディアスは、これを阻止するため「人類にとっての共通の敵」を作る事で敵対する国家同士結びつけるということ画策する。まず、ヒーローとしての絶頂期に自ら引退することでその後事業優位に進め莫大な富と名声築き最先端技術を手にした。さらに計画進めるための拠点として島を買い上げ、そこへ世界中優れた科学者芸術家超能力者などを結集させ、超能力者脳髄から培養し膨大な量の情報組み込んだ強大な脳を移植した巨大なエイリアン創造しそれをニューヨークへ転送テレポートされた生物転送中に死ぬか転送先で爆発するという問題点活かしてニューヨーク襲い爆発によって死ななかった者をその爆発によって発生した精神波動衝撃波によって死に至らせ、衝撃波でも死ななかった者には奇怪な幻覚により精神異常を起こさせる。そしてそれを「エイリアンの侵略によりニューヨーク市民の半分殺された」と偽装するという計画であったモデルは「サンダーボルトThunderbolt)」。ヒマラヤラマ僧院で育てられ古代賢者秘術授けられキャラクターであり、ムーアは「脳の全領域使用することで肉体精神を完全に活用できるようになった」という設定感銘受けていた。ギボンズは「ヴェイトの最悪の罪の一つは、ある意味残り人類見下し嘲笑していることなんだ」と述べている。2008年にヴェイトは『フォーブス』誌が選ぶ「架空大富豪ベスト15」の第10位にランクインした。 二代目シルクスペクター/ローレル・ジェーン・“ローリー”・ジュスペクツィクSilk Spectre II/Laurel Jane "Laurie" Juspeczyk) 初代シルクスペクターことサリーの娘であり、彼女によってスーパーヒーローとしての英才教育施され成長するとシルクスペクターの名を継いだ。しかし、ローリーは「親に押し付けられた」と反発している。また、母親ブレイク憎んでいない事に対して怒り抱き続けている。現在は引退してDr.マンハッタン恋人として同棲しているが、彼の価値観受け入れる事ができず、関係は悪化している。 黒色ボンデージのようなコスチュームに、透き通った黄色の上着、ハイヒール着用する映画版においてはコスチューム大きく異なり黄色と黒のボンデージスーツに、長手袋ロングブーツ現役時代は、髪型ポニーテール変えている。 彼女とDr.マンハッタンの関係は、キャプテン・アトムとその恋人ナイトシェイド(Nightshade)」の関係に似ているが、他の主要人物とは異なり、シルクスペクターはチャールトン特定のモデルキャラクター持っていない。登場人物中に女性ヒーロー必要性感じたムーアは、「ブラックキャナリーBlack Canary)」や「ファントムレディPhantom Lady)」の様なアメコミヒロインから着想得てシルクスペクターを描いたIGN紹介されている2003年書かれたデビッド・ヘイターによる映画『ウォッチメン』草稿では、ローリーの姓はジュピターであり、コードネームスリングショットであった

※この「クライムバスターズ」の解説は、「ウォッチメン」の解説の一部です。
「クライムバスターズ」を含む「ウォッチメン」の記事については、「ウォッチメン」の概要を参照ください。

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