原子分解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 15:23 UTC 版)
0 < p ≤ 1 のとき、コンパクトな台を持つ有界可測函数 f がハーディ空間 Hp に属するための必要十分条件は、その次数 i1+ ... +in が高々 n(1/p − 1) であるすべてのモーメント ∫ R n f ( x ) x 1 i 1 … x n i n d x {\displaystyle \int _{\mathbf {R} ^{n}}f(x)x_{1}^{i_{1}}\ldots x_{n}^{i_{n}}\,\mathrm {d} x} が消失することである。例えば、f ∈ Hp, 0 < p ≤ 1 であるためには f の積分は消失する必要がある。p> n / (n+1) であるなら、その消失は十分条件となる。 さらに f がある球 B に台を持ち、|B|−1/p によって有界であるなら、f は Hp-原子 と呼ばれる(ここで |B| は Rn における B のユークリッド体積を表す)。任意の Hp-原子の Hp-準ノルムは、p およびシュワルツ函数 Φ にのみ依存する定数によって有界となる。 0 < p ≤ 1 のとき、Hp の任意の元 f には、Hp-原子の収束無限結合である次の原子分解が存在する。 f = ∑ c j a j , ∑ | c j | p < ∞ . {\displaystyle f=\sum c_{j}a_{j},\ \ \ \sum |c_{j}|^{p}<\infty .} ここで aj は Hp-原子であり、cj はスカラーである。 例えば、ディラック超函数の差 f = δ1−δ0 は、1/2 < p < 1 のとき Hp-準ノルムにおいて収束であるようなハール函数の級数として表現できる(単位円上で、対応する表現は 0 < p < 1 に対して有効となるが、実数直線上ではハール函数は p ≤ 1/2 のときには Hp に属さない。これはなぜならば、それらの極大函数は無限大において、ある a ≠ 0 に対する a x–2 と同値となるからである)。
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