原子力についてとは? わかりやすく解説

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原子力について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 07:31 UTC 版)

永井隆 (医学博士)」の記事における「原子力について」の解説

1945年8月-10月救護活動をまとめた『原子爆弾救護報告書』の結語で、永井原子力の利用に対して肯定的な考え述べている。 すべては終った祖国敗れた。吾大学消滅し教室烏有帰した。余等亦夫々傷き倒れた。住むべき家は焼け、着る物も失われ家族死傷した今更何を云わんやである。唯願う処はかかる悲劇を再び人類演じたくない。原子爆弾原理利用し、これを動力源として、文化貢献出来如く更に一層の研究進めたい。転禍為福。世界文明形態原子エネルギー利用により一変するきまっている。そうして新し幸福な世界作られるならば、多数犠牲者の霊も亦慰められるであろうまた、聖母騎士1947年2月号には原子力利用される時代を以下のように描いている。 稲の大敵二百十日大風は(中略太平洋真ん中大きな原子爆発起こして気圧変動作り、それによって大風進路変えて日本列島からそらしてしまえばいい そのころには獲るのにも、針で釣ったり網ですくったはしないで、音波超音波、あるいは電波電流原子爆発という物理的漁業盛んになっている 飛行機汽船汽車自動車。そんな交通機関はみんな原子力で動くから、とても速く、型も大きくなり、数も増し世界中物資余った所から足らない所へすぐに廻されるし、人も自由に簡単に旅行出来て地球が、一つの家みたいになる 山林も畑も学校も町もある文化施設整った大船が、太平洋浮かんで原子力好きな所へ移って行く 町や近くの山の中に原子力採取場があって、ここで大量の熱が得られ熱伝導線を通じて工場や各家庭送られる また原子力利用した発電機から得た電気あらゆる部門電化実現し家庭生活能率上がり主婦家事に朝から晩まで立ち働かねばならぬ現在とはすっかり様子が変わる 原子薬品利用難病すみやかに治る 原子力委員会委員長務めた藤家洋一は、2004年講演で『原子爆弾救護報告書』の結びを「祖国敗れた大学灰燼に帰した。しかし原爆理屈核分裂反応)はこれから使わねばいけない。この原子力エネルギー人類文化の発展貢献するようになった時、初め原爆被害者は心の安らぎ覚えであろう」と話し原子力本質見事に捉えていると評価した福島第一原子力発電所事故後福島県放射線健康リスク管理アドバイザー務めた長崎大学福島県立医科大学副学長山下俊一はその著作放射線リスクコミュニケーション』に「原子力問題出たときには昭和20年10月書かれ永井隆原爆救護報告書最後一文述べるようにしています(中略原子力という科学の光、力を利用してより良い世界作って行くべきだ、ということを彼はその当時既に書いているのです」と書き、『原子力文化2012年1月号作家森福都との対談では、それを「わが祖国敗れた。すべてが灰燼に帰した。しかし、この禍を転じてわが国原子力の平和利用によって、亡くなった方々対し罪をあがなわなくてはいけないその結果わが国はきっと復興すると言い換えている。 日本エネルギー会議発起人工学者澤田哲生は「原爆原発ではない。両者区分けするのが人間叡智であり、それを実現するのがエンジニアリングです。そこに永井隆博士願いありました」と語っている。 永井原子力の平和利用期待をかけたが、一方で原子力より先の学問があるという考え持っていた。 このたび戦争で、原子学をはじめ、たくさんの進歩ありましたが、同時に世界中で死者二千二百傷者三千四百四十万財産損害三千三百ドル。全参加国戦費一兆一千六十九億一千四十万三八十ドル、という損害出てます。これだけの人の命と、お金とを平和文化の方へ使ったら、原子力よりもっと先の学問が、すでにわたくしたちの手中に入っていたでしょう

※この「原子力について」の解説は、「永井隆 (医学博士)」の解説の一部です。
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