こん‐ごう〔‐ガウ〕【根号】
こん‐ごう〔‐ガフ〕【混合】
こん‐ごう〔‐ガウ〕【金剛】
こんごう〔コンガウ〕【金剛】
艦艇(護衛艦「こんごう」型)
【こんごう】(こんごう)
JMSDF Kongo(DDG-173).
海上自衛隊のミサイル護衛艦。
はたかぜ型の後継となる第4世代ミサイル護衛艦にして、日本初のイージス艦である。
その設計はアメリカ海軍のアーレイ・バーク級(フライト1)を基にしており、同艦に似た外見と能力を持つが、同級と比較していくつかの点が異なる。
- 速射砲が米Mk.45から伊OTOメララ社製(日本製鋼所のライセンス生産品)に変更されており、速射能力が向上。一方で重量が増加したため、艦首部分が延長された。
- 艦腹部に、ロールを抑制するためのフィンスタビライザーが追加された。
- 軽量化のため1本にされた錨を、通常の艦と同じく2本とした。
- 群司令の座乗を意識して艦隊指揮能力を強化したため、艦橋が大型化した。
- マストが四角柱型ではなく、従来からあるトラス構造のラティスマスト。このためレーダー反射面積がやや大きい。
また煙突の側面が垂直に近くなっており、レーダー反射面積が増加しているとされる。
(ただしレーダー反射面積は小型漁船と同程度であり、問題ないとする意見もある) - 後部飛行甲板が延長され、上甲板と同じ高さになっている。
- 最大速力が32ktから30ktに低下。
- 専守防衛の立場から、巡航ミサイル・トマホーク(BGM-109)の運用能力が実装されていない。
このため基準排水量は7,250トン、満載排水量に至ってはタイコンデロガ級に匹敵する9,485トンに達しており、本艦の発展型であるあたご型が就役するまでは海上自衛隊の中でも最大級の戦闘艦であった。
1番艦「こんごう」はソ連軍の脅威と日本の対米貿易黒字が懸念された冷戦時代の1988年に発注され、1992年に就役した。冷戦の終わった後はミサイル防衛用途への使用も検討されるようになった。
テポドン事件においては「みょうこう」が出動して監視にあたり、以降もテポドン発射の兆候が見られた際は同型が監視にあたった。
順次弾道ミサイル迎撃能力が付加されることになっており、最初に改修を受けた「こんごう」は、2007年12月には米軍以外で初めてSM-3による弾道ミサイル迎撃実験に成功した。
テロ対策特別措置法に基づき、インド洋へ派遣された補給艦を交代で警護していた護衛艦の中に「きりしま」や「こんごう」が含まれていた。
これは、探知能力の高いイージス艦が護衛任務に適する、指揮能力の高いこんごう型が艦隊の統率に優れ交代での任務に適すること、他の艦よりも居住性に優れており酷暑のインド洋における活動に適する、などの理由による。
だがこれに対し、「探知能力の優れるイージス艦をアメリカ軍とデータリンクする可能性があり、集団的自衛権の行使にあたる」等の批判もあったが、その他の艦船でもデータリンクは可能であり、批判ではなく単なる当て付けに過ぎない。
性能諸元
全長 | 161m |
全幅 | 21m |
吃水 | 6.2m |
深さ | 12m |
排水量 (基準/満載) | 7,250t/9,485t |
機関 | COGAG方式 2軸推進 IHI LM2500ガスタービンエンジン(機関出力100,000ps)×4基 |
発電機 | ガスタービン発電機(出力2500kW)×3基 |
最大速力 | 30ノット以上 |
航続距離 | 4,500海里(巡航速度:20ノット) |
乗員 | 300人 |
兵装 | オート・メラーラ社製 54口径127mm単装速射砲×1門 Mk.41 Mod2 VLS×2基29+61 計90セル(RIM-66・RIM-161・RUM-139を装備) 4連装艦対艦ミサイル用キャニスター×2組(RGM-84を装備) HOS-302 3連装324mm短魚雷(対潜魚雷)発射管×2組 高性能20mm機関砲(CIWS)×2門 |
艦載機 | なし(着艦スペースのみ) |
C4Iシステム | 自衛艦隊指揮支援システム(SFシステム)(後にMOFシステムに変更) AWS Mk.7+OYQ-102 対潜情報処理装置+リンク11/14/16 |
FCS | Mk.99/SPG-62 ミサイルFCS×3基 FCS-2-21 砲FCS |
レーダー | AN/SPY-1D多機能レーダー×4面1基 OPS-28D対水上捜索・低空警戒レーダー×1基 AN/SPG-62 ミサイルFCレーダー×3基(SM-2用) |
ソナー | OQS-102艦首ソナー OQR-2 戦術曳航ソナー |
電子戦・ 対抗手段 | NOLQ-2 統合電子戦システム Mk.36 SRBOC 対抗手段展開システム(Mk.137 チャフ・フレア発射機×4基) |
同型艦
- ベースライン4
艦番号 艦名 主造船所 起工 進水 竣工 所属 DDG-173 こんごう
(JDS Kongō)三菱重工業・長崎 1990.5.8 1991.8.26 1993.3.25 第1護衛隊群第5護衛隊
(佐世保基地)DDG-174 きりしま
(JDS Kirishima)三菱重工業・長崎 1992.4.7 1993.8.19 1995.3.16 第4護衛隊群第8護衛隊
(横須賀基地)DDG-175 みょうこう
(JDS Myōkō)三菱重工業・長崎 1993.4.8 1994.10.5 1996.3.14 第3護衛隊群第7護衛隊
(舞鶴基地) - ベースライン5
【金剛】(こんごう)
明治末期~大正初期(1910年代前半)に日本海軍が導入した超ド級巡洋戦艦。
姉妹艦に「比叡」「榛名」「霧島」がある。
この当時、海軍の主力戦闘艦艇である戦艦は「ドレッドノート」の登場以後、大型化・主砲の大口径化が加速度的に進んでいた。
工業技術で欧米諸国に遅れをとっていた日本は、この時期になってようやく主力艦(戦艦・巡洋艦)の国産化に成功したものの、加速度的に進化する世界の建艦技術には対応しきれない面が出ていた。
そこで、海軍先進国であった英国から大型艦船の建艦技術をもう一度学ぶべく、ビッカース社へ発注されたのが本艦である。
本艦の建造に当たっては、当時、英国海軍の最新鋭巡洋戦艦だった「ライオン」級が参考とされたが、以下のような改良が施されている。
- 主砲の口径アップ
- 「ライオン」の13.5インチ(=34.3cm)砲に変えて14インチ(=36cm)砲を搭載。
- 主砲塔レイアウトの改良
- 「ライオン」では艦尾方向に向けられる主砲は2門しかなかったが、本艦ではレイアウトが改良され、艦首・艦尾方向のどちらにも4門の主砲が向けられるようになった。
これらの技術を取り入れて1913年に就役した本艦を元に、日本国内の各造船所で姉妹艦の建造が始められ、1914~1915年までの間に「比叡」「榛名」「霧島」の3隻が相次いで就役した。
本艦と姉妹艦3隻の就役により、日本海軍は世界最強の戦闘力を誇る巡洋戦艦を手にすることになった。
大戦終結後の1930年に締結されたロンドン海軍軍縮条約では、姉妹艦「比叡」が廃棄される予定であったが、兵装・機関・装甲の一部を削減して「練習艦」となることで解体を免れている。
やがて軍縮条約が失効すると、(現役に戻された「比叡」も含めて)4隻とも機関出力の増強や主砲の改良、対空火器の増強などの改装を受け、「高速戦艦」として再デビューした。
大東亜戦争では、(艦齢30年にも達する、連合艦隊最古参の戦艦でありながらも)最大30ノットという高速力を生かし、3隻の姉妹艦と共に空母機動部隊の護衛をはじめ、さまざまな戦場で活躍したが、1942年~1943年の第三次ソロモン海戦で「比叡」「霧島」が失われ、本艦も1944年11月、台湾海峡で米バラオ級潜水艦「シーライオン(USS Sealion,SS-315)」の魚雷攻撃により基隆北方で撃沈。
また、姉妹艦のうち最後まで生き残っていた「榛名」も1945年7月、呉軍港で米艦載機の空襲により大破着底、行動不能となって終戦を迎えた。
性能諸元
常備排水量 | 金剛:27,500t(新造時) 比叡:27,500t(新造時) 榛名:27,384t(新造時)/31,785t(一次改装後),35,600t(二次改装後) 霧島:27,500t(新造時),30,660t(一次改装後) |
基準排水量 | 金剛:29,330t(一次改装後)/32,200t(二次改装後) 比叡:27,500t(練習戦艦時)/32,165t(二次改装後) 榛名:29,330t(一次改装後)/32,156t(二次改装後) 霧島:29,320t(一次改装後)/31,980t(二次改装後) |
満載排水量 | 榛名:32,306t(新造時) 霧島:39,141t(二次改装後) |
公試排水量 | 金剛:36,314t(二次改装後) 比叡:37,000t(二次改装後) 霧島:36,668t(二次改装後) |
全長 | 214.6m(新造時) 222m(二次改装後) |
全幅 | 28.04m(新造時) 31.02m(二次改装後) 30.9m(霧島,一次改装後)/31.01m(霧島,二次改装後) |
喫水 | 金剛:8.38m(新造時)/8.65m(一次改装後)/9.6m(二次改装後) 比叡:8.38m(常備,新造時)/9.37m(二次改装後) 榛名:8.218m/9.419m(常備/満載,新造時)/8.65m(一次改装後)/9.18m(二次改装後) 霧島:8.38m(常備,新造時)/8.41m(常備,一次改装後)/9.72m(常備,二次改装後) |
主缶 | 金剛:ヤーロー式混焼缶36基(新造時)/ロ号艦本式(専焼缶4基+混焼缶6基、一次改装後)/ ロ号艦本式缶8基(二次改装後) 比叡:イ号艦本式混焼缶36基(新造時)/ロ号艦本式(大型2基+小型3基+混焼缶6基、一次改装後)/ ロ号艦本式缶8基 榛名:ヤーロー式混焼缶36基(新造時)/ロ号艦本式(専焼缶4基+混焼缶10基、一次改装後)/ ロ号艦本式(大型3基+中型6基+小型2基、二次改装後) 霧島:ヤーロー式混焼缶36基(新造時)/ロ号艦本式専焼缶(大型6基+小型4基、一次改装後)/ ロ号艦本式缶8基(二次改装後) |
主機 | 金剛:パーソンズ式直結タービン2基4軸(新造時)/艦本式タービン4基4軸(二次改装後) 比叡:パーソンズ式直結タービン2基4軸(新造時)/艦本式タービン4基4軸(二次改装後) 榛名:ブラウン・カーチス式直結タービン2基4軸(新造時)/艦本式タービン4基4軸(二次改装後) 霧島:パーソンズ式直結タービン2基4軸(新造時)/艦本式タービン4基4軸(二次改装後) |
軸馬力 | 金剛:64,000shp(新造時)/136,000shp(二次改装後) 比叡:64,000shp(新造時)/16,000shp(一次改装後)/136,000shp(二次改装後) 榛名:64,000shp(新造時)/75,600shp(一次改装後)/136,000shp(二次改装後) 霧島:64,000shp(新造時)/75,600shp(一次改装後)/136,000shp(二次改装後) |
速力 | 金剛:27.5kt(新造時)/26kt(一次改装後)/30.3kt(二次改装後) 比叡:27.5kt(新造時)/18kt(一次改装後)/29.7kt(二次改装後) 榛名:27.5kt(新造時)/25kt(一次改装後)/30kt(二次改装後) 霧島:27.5kt(新造時)/25kt(一次改装後)/ 29.8kt(二次改装後) |
航続距離 | 金剛:8,000海里(14kt)(新造時)/9,500海里(14kt)(一次改装後)/10,000海里/(18kt)(二次改装後) 比叡:8,000海里(14kt)(新造時)/9,800海里(18kt)(二次改装後) 榛名:8,000海里(14kt)(新造時)/9,500海里(14kt)(一次改装後)/10,000海里(18kt)(二次改装後) 霧島:8,000海里(14kt)(新造時)/9,500海里(14kt)(一次改装後)/9,850海里(18kt)(二次改装後) |
乗員 | 金剛:1,201名 比叡:1,221名(新造時)/1,222名(二次改装後) 榛名:1,221名(新造時)/1,315名(二次改装後) 霧島:1,221名(新造時)/1,065名(一次改装後)/1,303名(二次改装後) |
主砲 | 金剛:毘式35.6cm連装砲4基 比叡:毘式35.6cm連装砲4基(新造時)/同3基(一次改装後)/同4基(二次改装後) 榛名:四一式35.6cm連装砲4基 霧島:四一式35.6cm連装砲4基 |
副砲 | 金剛:毘式15.2cm単装砲16門(新造時)/同14門(二次改装後)/同8門(最終時) 比叡:四一式15.2cm単装砲16門(新造時)/同14門(二次改装後) 榛名:四一式15.2cm単装砲16門(新造時)/同16門(のちに14門)(二次改装後)/同8門(最終時) 霧島:四一式15.2cm単装砲16門(新造時)/同14門(二次改装後) |
高角砲 | 金剛:短8cm砲7門(一次改装後)/12.7cm連装砲4基(二次改装後)/同6基(最終時) 比叡:八九式12.7cm連装4基(練習戦艦時,後日装備)/12.7cm連装4基(二次改装後) 榛名:8cm単装砲4門(一次改装後)/12.7cm連装砲4基(二次改装後)/同6基(レイテ沖海戦時) 霧島:8cm砲4門(一次改装後)/12.7cm連装砲4基(二次改装後) |
機銃 | 金剛:25mm機銃連装10基(二次改装時) /25mm機銃(3連装18基+連装8基+単装30挺、最終時) 比叡:40mm連装2基,九二式7.7mm機銃3挺(練習戦艦時)/九六式25mm連装10基,13mm4連装2基(二次改装後) 榛名:25mm連装10基(二次改装後,後日装備)/25mm機銃(3連装24基 連装2基 単装23挺、レイテ沖海戦時) 霧島:7.7mm機銃3挺(一次改装後)/25mm連装10基(二次改装後) |
魚雷 | 金剛:53cm水中発射管8本(新造時)/同4本(一次改装後) 比叡:53cm水中発射管8本(新造時,練習戦艦時に撤去) 榛名:53cm水中発射管8本(新造時)/同4本(一次改装後) 霧島:53cm水中発射管8本(新造時)/同4本(一次改装後) |
その他 | 金剛:短8cm砲12門(新造時)/21号電探1基,22号2基,13号2基(最終時) 比叡:8cm砲4門 榛名:短8cm砲4門,朱式6.5mm機銃3挺(新造時)/21号電探1基,22号2基,13号2基(レイテ沖海戦時) 霧島:短8cm砲4門,朱式6.5mm機銃3挺(新造時) |
装甲 | 水線203mm、甲板19mm、主砲:天蓋75mm・前盾250mm、副砲廓152mm |
搭載機 | 金剛:3機(一次改装後) 比叡:水上機3機(二次改装後) 榛名:1機(一次改装後)/3機(二次改装後) 霧島:1機(一次改装後)/水上偵察機3機(二次改装後) |
装備 | 射出機1基(4艦とも二次改装後) |
同型艦
金綱
姓 | 読み方 |
---|---|
金綱 | こんごう |
こんごう (護衛艦)
こんごう | |
---|---|
真珠湾にて | |
基本情報 | |
建造所 | 三菱重工業長崎造船所 |
運用者 | 海上自衛隊 |
艦種 | ミサイル護衛艦(DDG) |
級名 | こんごう型護衛艦 |
建造費 | 1,223億円 |
母港 | 佐世保 |
所属 | 第1護衛隊群第5護衛隊 |
艦歴 | |
発注 | 1988年 |
起工 | 1990年5月8日 |
進水 | 1991年9月26日 |
就役 | 1993年3月25日 |
要目 | |
基準排水量 | 7,250トン |
満載排水量 | 9,485トン |
全長 | 161m |
最大幅 | 21m |
深さ | 12.0m |
吃水 | 6.2m |
機関 | COGAG方式 |
主機 | 石川島播磨-GE LM2500 × 4基 |
出力 | 100,000PS |
推進器 | スクリュープロペラ × 2軸 |
最大速力 | 30ノット以上 |
燃料 | 1,785トン |
航続距離 | 6,000海里(巡航速度:20ノット) |
乗員 | 300名 |
兵装 | 54口径127mm単装速射砲 × 1門 Mk.15 Mod2 高性能20mm機関砲(CIWS) × 2基 ハープーンSSM 4連装発射機 × 2基 Mk.41 mod6 VLS × 90セル 68式3連装短魚雷発射管 × 2基 |
C4ISTAR | イージスシステム ミサイル防衛対応 OYQ-102 対潜情報処理装置 |
レーダー | SPY-1D 多機能型 OPS-28D 対水上 OPS-20 航海用 Mk.99/SPG-62ミサイル誘導用 × 3基 81式射撃指揮装置2型-21G |
ソナー | OQS-102 OQR-2 曳航式 |
電子戦・ 対抗手段 | NOLQ-2 ESM/ECM Mk.137 デコイ発射機 × 4基 |
その他 | AN/SLQ-25 対魚雷デコイ |
こんごう(ローマ字:JS Kongō, DDG-173)は、海上自衛隊の護衛艦(イージス艦)。こんごう型護衛艦の1番艦。艦名は金剛山に因み、旧海軍の金剛型コルベット「金剛」、金剛型戦艦「金剛」に続き日本の艦艇としては3代目。日本初のイージス・システム搭載艦である。艦名候補として当初は「ゆきかぜ」などが検討されていた。
本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはこんごう型護衛艦を参照されたい。
艦歴
「こんごう」は、中期防衛力整備計画に基づく昭和63年度計画7200トン型護衛艦2313号艦[1]として、三菱重工業長崎造船所焼島工場で1990年5月8日に起工され、1991年9月26日に進水、1992年5月26日に公試開始、1993年3月25日に就役し、第2護衛隊群第62護衛隊に編入され佐世保に配備された。建造費は1223億円。
同型艦中、本艦のみ就役時ORQ-1ヘリコプター・データ・リンク装置が未装備であったが後日装備している。また、リンク16のアンテナも就役後装備した。
1993年11月26日から1994年2月21日の間、イージスシステムの装備認定試験(SQT)のためハワイに派遣。
1994年5月31日、護衛艦「くらま」等と共に環太平洋合同演習 (RIMPAC) に参加するため横須賀基地を出港し、6月23日から7月6日までハワイ周辺海域で実施された同演習に参加した。
2000年5月15日、リムパック2000に参加するため、本艦を旗艦として護衛艦「くらま」、「しまかぜ」、「むらさめ」、「はるさめ」、「ゆうだち」、「きりさめ」、「あさぎり」、補給艦「はまな」、潜水艦「なつしお」とともに横須賀基地を出港した。5月26日に真珠湾に寄港し5月30日から7月6日までハワイ周辺海域で演習に参加した。その最中、6月5日午前9時30分に米空軍F-16戦闘機と地上から発射された3発の模擬ミサイルをSM-2対空ミサイルで迎撃に成功した。7月13日から21日にサンディエゴに寄港。7月30日から8月3日まで再び真珠湾に戻り、8月16日に横須賀基地に帰投した。
2003年4月10日、テロ対策特別措置法に基づき、護衛艦「ありあけ」、補給艦「はまな」と共にインド洋に派遣、同年7月まで任務に従事し、8月22日に帰国した。
2004年5月17日、テロ対策特別措置法に基づき、護衛艦「ありあけ」と共にインド洋に派遣、同年8月まで任務に従事し、9月19日に帰国した。
2006年11月、三菱重工業長崎造船所に定期検査とMD(弾道ミサイル防衛)特別改造としてスタンダードSM-3 block1A発射能力付与工事を実施するため、長期入渠する。2007年3月にMD改造工事は完了し、同年8月に定期検査を完了する。同年10月15日にMDシステム試験の目的でハワイ近海に進出し、11月6日に米海軍タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「レイク・エリー」の迎撃試験時に標的2発の追尾に成功。11月15日には弾道ミサイル標的追尾訓練で分離標的の追尾に成功。12月18日、カウアイ島沖でスタンダードSM-3SAM(艦対空ミサイル)により、太平洋ミサイル試射場から発射された模擬弾道弾を高度160㎞の熱圏での撃墜にアメリカ以外では最初に成功する(JFTM1迎撃演習)。
2008年3月26日、護衛隊改編により第1護衛隊群第5護衛隊に編入された。
2012年12月6日、朝鮮民主主義人民共和国が「人工衛星」と自称する弾道ミサイルの発射に備えるため、護衛艦「みょうこう」、「ちょうかい」と共に佐世保から出航し、アメリカ合衆国海軍と連携して迎撃態勢を整える[2]。同月12日、ミサイルは発射されるも領土内に落着する恐れがなくなったため、破壊措置命令の解除を受けて順次撤収に移る[3]。
2013年4月、再び北朝鮮にミサイル発射の徴候が見られたことから、破壊措置命令に基づき、日本海に展開した。2013年6月28日に、破壊措置命令は解除され、こんごうは約3ヶ月の警戒任務を終えて、6月30日に佐世保基地へと帰港した[4]。
2021年1月15日、沖大東島周辺海空域において、護衛艦「あさひ」とともに日米共同訓練を実施した。米海軍からは空母「セオドア・ルーズベルト」、巡洋艦「バンカー・ヒル」、駆逐艦「ジョン・フィン」が参加し、各種戦術訓練を実施した[5]。 同3月29日、東シナ海において、米海軍揚陸指揮艦「ブルーリッジ」と日米共同訓練を実施した[6]。 同年5月11日から17日にかけて、護衛艦「いせ」、「あしがら」、「あさひ」、輸送艦「おおすみ」、ミサイル艇「おおたか」、「しらたか」、哨戒機、潜水艦とともに東シナ海において日米豪仏共同訓練(ARC21)に参加した。米海軍からはドック型輸送揚陸艦「ニューオリンズ」、豪海軍からはフリゲート「パラマッタ」、仏海軍からは強襲揚陸艦「トネール」、フリゲート「シュルクーフ」が参加し、防空訓練、対潜訓練、着上陸訓練を実施した[7]。 同年10月12日から16日にかけて、四国南方から関東南方において米海軍空母「ロナルド・レーガン」、巡洋艦「シャイロー」と日米共同訓練を実施した[8]。
2022年2月4日から7日にかけて、東シナ海及び西太平洋において、日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく、米海軍と共同訓練を実施した。海自からは本艦の他、P-3Cが、米海軍からは空母「エイブラハム・リンカーン」、強襲揚陸艦「アメリカ」・「エセックス」、ドック型輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」・「アシュランド」・「パール・ハーバー」、巡洋艦「モービル・ベイ」、駆逐艦「スプルーアンス」・「デューイ」、掃海艦「ウォーリア」、遠征用海上基地艦「ミゲル・キース」、P‐8が参加し、各種戦術訓練を実施した[9]。
同年4月8日から17日にかけて、護衛艦「いなづま」とともに、日本周辺(東シナ海及び日本海を含む。)において米海軍空母「エイブラハム・リンカーン」空母打撃群(巡洋艦「モービル・ベイ」、駆逐艦「スプルーアンス」、補給艦「ティピカヌー」、貨物弾薬補給艦「リチャード・E・バード」)と共同訓練を実施した[10]。その間、12日には「いなづま」、航空自衛隊のF-2戦闘機と共に日本海において、「エイブラハム・リンカーン」空母打撃群と日米共同訓練を実施し[11]、翌13日及び14日には、「モービル・ベイ」及び「スプルーアンス」と日本海において弾道ミサイル情報共有に係る共同訓練を実施し、日米同盟の抑止力・対処力を強化した[12]。
2024年1月15日から17日にかけて、護衛艦「ひゅうが」とともに、東シナ海において米海軍空母「カール・ヴィンソン」、巡洋艦「プリンストン」、駆逐艦「キッド」、駆逐艦「スタレット」、韓国海軍駆逐艦「セジョン・デワン」及び駆逐艦「ワン・ゴン」と日米韓共同訓練を実施した[13]。引き続き17日から19日まで東シナ海から沖縄南方の訓練海空域において「カール・ヴィンソン」、「プリンストン」、「キッド」、「スタレット」と日米共同訓練を実施した[14]。
同年3月22日から4月6日にかけて、横須賀から沖縄東方に至る海空域において、日米共同訓練(SWATT24)に参加した。米海軍からは強襲揚陸艦「アメリカ」 、駆逐艦「デューイ」・「ヒギンズ」・「ハワード」・「ラルフ・ジョンソン」、給油艦「ユーコン」、潜水艦が参加し、各種戦術訓練(対空戦、対潜戦、対水上戦、電子戦、対空ミサイル射撃)、洋上補給を実施した[15]。
現在は第1護衛隊群第5護衛隊に所属し、定係港は佐世保である。
ミサイル防衛
2007年10月4日から翌年1月4日の間、BMD機能付加に伴う装備認定試験のためハワイに派遣され、12月18日、米軍以外によるものとしては初となるスタンダードSM-3による迎撃演習(JFTM-1)をハワイ・カウアイ島沖で行い、太平洋ミサイル試射場から発射された高度160キロメートルの熱圏を飛行する標的ミサイル1発の迎撃に成功した[16][17]。
歴代艦長
代 | 氏名 | 在任期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 本多宏隆 | 1993.3.25 - 1994.12.20 | 防大14期 | こんごう艤装員長 | 開発指導隊群司令部付 →1995.3.23 誘導武器教育訓練隊司令 | |
2 | 寺地重告 | 1994.12.21 - 1996.12.15 | 海上幕僚監部装備部 装備課装備管理班長 | 誘導武器教育訓練隊司令 | ||
3 | 柴田哲治 | 1996.12.16 - 1998.6.30 | 防大16期 | しまかぜ艦長 | 開発指導隊群司令部首席幕僚 | |
4 | 椋尾康広 | 1998.7.1 - 1999.9.29 | 防大17期 | しまかぜ艦長 | しらね艦長 | |
5 | 堀 正 | 1999.9.30 - 2001.7.12 | 海上幕僚監部防衛部装備体系課 指揮通信体系班長 | 開発指導隊群司令部 | ||
6 | 山縣克幸 | 2001.7.13 - 2003.3.31 | 防大20期 | 呉地方総監部管理部付 | 横須賀地方総監部監察官 | |
7 | 吉田 明 | 2003.4.1 - 2005.3.31 | 防大21期 | 舞鶴地方総監部管理部人事課長 | ときわ艦長 | |
8 | 由岐中一生 | 2005.4.1 - 2006.8.20 | 防大26期 | あしがら艤装員長 | ||
9 | 平田峰男 | 2006.8.21 - 2008.8.19 | 生徒15期 | ちょうかい艦長 | 誘導武器教育訓練隊教育部長 兼 学生隊長 | |
10 | 鍋田智雄 | 2008.8.20 - 2010.12.19 | 防大26期 | あけぼの艦長 | 情報本部電波部電波第4課長 | |
11 | 棚岡充雄 | 2010.12.20 - 2012.7.16 | 中央大学・ 36期幹候 | 大湊海上訓練指導隊副長 兼 指導部長 兼 船務航海科長 | 統合幕僚監部防衛計画部計画課 | |
12 | 森田哲哉 | 2012.7.17 - 2013.12.2 | 防大31期 | 第1護衛隊群司令部首席幕僚 | かしま艦長 | |
13 | 清水博史 | 2013.12.3 - 2015.3.22 | 防大33期 | 佐世保地方総監部防衛部 第3幕僚室長 兼 第5幕僚室長 | 海上自衛隊幹部学校勤務 | |
14 | 齊藤浩司 | 2015.3.23 - 2016.7.25 | 防大34期 | 第2護衛隊群司令部首席幕僚 | 海上幕僚監部防衛部防衛課分析室長 | |
15 | 大島信吾 | 2016.7.26 - 2017.3.8 | 防大37期 | 海上自衛隊第1術科学校主任教官 | 護衛艦隊司令部勤務 | |
16 | 今野 卓 | 2017.3.9 - 2018.3.29 | 東京商船大・ 44期幹候 | 自衛隊指揮通信システム隊 サイバー防衛隊情報班長 兼 統合幕僚監部指揮通信システム部 指揮通信システム企画課 | 海上自衛隊第1術科学校教育第2部長 | |
17 | 廣中敬三 | 2018.3.30 - 2019.7.24 | 防大39期 | 海上自衛隊幹部候補生学校学生隊長 | 統合幕僚学校教育課 | |
18 | 藤﨑 勝 | 2019.7.25 - 2021.6.27 | 防大37期 | 佐世保地方総監部管理部人事課長 | 海上訓練指導隊群司令部首席幕僚 | |
19 | 田代操一朗 | 2021.6.28 - 2023.2.19 | 防大41期 | 海上幕僚監部指揮通信情報部 指揮通信課指揮通信体系班長 | 自衛艦隊司令部勤務 | |
20 | 川合 元 | 2023.2.20 - 2024.6.30 | 防大41期 | 自衛艦隊司令部幕僚 | 佐世保地方総監部防衛部 第3幕僚室長 兼 第5幕僚室長 | |
21 | 三浦宏幸 | 2024.7.1 - | 防大44期 | 佐世保地方総監部防衛部 第3幕僚室長 兼 第5幕僚室長 |
脚注
- ^ DSI 現有艦艇一覧 Archived 2008年12月1日, at the Wayback Machine.
- ^ イージス艦、佐世保を出港=海自、北朝鮮ミサイル対処で―日米で迎撃態勢
- ^ 時事ドットコム 破壊措置命令を解除=展開部隊撤収へ-防衛省 2012年12月12日
- ^ “ミサイル警戒のイージス艦が帰港”. NHK. (2013年6月30日). オリジナルの2013年7月3日時点におけるアーカイブ。 2013年7月2日閲覧。
- ^ 日米共同訓練について (PDF)
- ^ 日米共同訓練について (PDF)
- ^ 日米豪仏共同訓練(ARC21)について
- ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2021年10月17日) (PDF)
- ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2022年2月8日 (PDF)
- ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2022年4月19日) (PDF)
- ^ 防衛省 海上自衛隊 [@JMSDF_PAO] (2022年4月13日). "4月12日、護衛艦「いなづま」「こんごう」は、航空自衛隊のF-2と共に日本海において、「エイブラハム・リンカーン」米空母打撃群と日米共同訓練を実施しました。". X(旧Twitter)より2022年4月15日閲覧。
- ^ 防衛省 海上自衛隊 [@JMSDF_PAO] (2022年4月15日). "4月13日及び14日、護衛艦こんごうは、米海軍巡洋艦モービル・ベイ及び駆逐艦スプルーアンスと日本海において弾道ミサイル情報共有に係る共同訓練を実施し、日米同盟の抑止力・対処力を強化しました。". X(旧Twitter)より2022年4月15日閲覧。
- ^ “日米韓共同訓練(護衛艦「ひゅうが」、「こんごう」)の実施について”. 海上自衛隊 自衛艦隊 オフィシャルサイト (2024年1月17日). 2024年1月17日閲覧。
- ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2024年1月22日)
- ^ 日米共同訓練(SWATT24)について 海上幕僚監部(2024年4月8日) (PDF)
- ^ Japan/U.S. Missile Defense Flight Test Successful Archived 2016年3月3日, at the Wayback Machine. アメリカミサイル防衛局発表
- ^ 護衛艦「こんごう」SM-3発射試験の結果について 防衛省
参考文献
- 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
- 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
外部リンク
こんごう
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 08:20 UTC 版)
「凱歌の号砲 エアランドフォース」の記事における「こんごう」の解説
1-6マスの遠距離対空攻撃が可能。1-6マスの遠距離対艦攻撃が可能。夜間に攻撃力が低下しない。
※この「こんごう」の解説は、「凱歌の号砲 エアランドフォース」の解説の一部です。
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