カウアイ島とは? わかりやすく解説

カウアイ‐とう〔‐タウ〕【カウアイ島】

読み方:かうあいとう

Kauai米国ハワイ州ハワイ諸島北西部の島。カワイキニ山とワイアレアレ山がそびえる火山性の島で、浸食受けて形成され断崖渓谷がみられ、雄大な自然景観知られるかつてはサトウキビ、現在はコーヒー生産が盛ん。主な都市東部リフエ


カウアイ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/28 14:00 UTC 版)

カウアイ島
Kauai
愛称: (ガーデン・アイランド)
カウアイ島の航空写真
地理
場所 北緯22度05分 西経159度30分 / 北緯22.083度 西経159.500度 / 22.083; -159.500
面積 562.3 sq mi (1,456 km2)
面積順位 ハワイ諸島で4番目の大きさ
最高峰 カワイキニ山
行政
人口統計
人口 63,689(2008[1]年時点)
人口密度 106 /sq mi (40.9 /km2)
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カウアイ島Kauai Island)はハワイ諸島中最北端の

概要

ナ・パリ海岸
ハワイを代表する鳥、ベニハワイミツスイ(イーウィ)

ハワイ諸島の最北端に位置。ほぼ円形の島で直径約50km。面積は1430.4km2[2]

火山活動によって形成された島であり、その形成時期はハワイ4島の中ではもっとも古いとされ[3]、約500万から600万年前に海面に姿を現した。一時期はニイハウ島と地続きになっていたと考えられている[3]。最高峰のカワイキニ山英語版に次ぐ高さのワイアレアレ山英語版が中央に聳えていて、その影響により太平洋上からの貿易風が遮られるため、島東部と島西部で極端に気象状況が変化する。西側のケカハ英語版では年間降雨量は300mmに満たないのに対し、リフエの年間降雨量は1755mmである。

また、山頂付近では高度と気温の関係から年間12000mmもの降雨量を記録する。豊富な降水などによる侵食作用が、ワイメア渓谷英語版ナ・パリ・コースト英語版といった独特の景観を形成した。

山林地帯はきわめて植生豊かで、特にアラカイ湿地帯英語版ではハワイミツスイ類などの貴重な鳥や、この島独自の2500種もの植物が生息している。

島東部にあるニニニ岬には、高さ約26mのニニニ灯台があり、ナウィリウィリ湾を見渡すことができる[4]

現地島民(アメリカ人)は「カワイ」と発音している[5]

歴史

200年600年の間にポリネシア人が入植した事が、発掘によって分かっている[6]。 この最初の住民はマルキーズ諸島(現在のフランス領ポリネシア北部)出身で、5世紀後にタヒチから入植の第二波がカヌーで来るまで唯一の住民だった[7][8]。 多くのハワイ人の伝統や信仰はこの時破壊され、タヒチ人のそれと置き換わった[7]

1778年ヨーロッパ人として初めてハワイに到達したイギリスジェームズ・クック船長が、ワイメア湾に上陸した。 彼はハワイ諸島を、出資者のGeorge Montagu, 6th Earl of Sandwichに因んで「サンドウィッチ諸島」と名付けた[9]

カウアイ島とニイハウ島を統治するカウムアリイ王英語版は、最初は嵐、2度目は疫病によって、2度に渡ってカメハメハ1世の侵略を退けた。 しかし、1810年には更なる侵略による流血を恐れてカメハメハ1世の部下となった。

1815年露米会社の船がカウアイ島に座礁した。

1816年、カウムアリイ王はロシア人に島の南西部にエリザベス要塞の建設を許可した。 これはカメハメハ1世に対抗するために、ロシアの協力を期待したためだった。

1817年に建設が始まったが、7月にハワイ先住民アメリカ人商人の抵抗が強まり、ロシア人は追放された。 カウアイ島は太平洋におけるロシア帝国の拠点になると考えられていた

1824年にカウムアリイ王が亡くなると、両島はハワイ王国に併合された[9]

1835年コロアに砂糖工場が建てられた[9]。(コロアの製糖工場跡)

1857年ノルウェーの植民地開拓者のヴァルデマール・クヌードセン英語版が上陸した。 クヌードセンは最初は、カウアイ島南部のコロアで農業をしていたが、後により暖かいマナやケカハ英語版サトウキビを栽培して成功した。 クヌードセンはニイハウ島との海峡に近いワイアワに住んだ[10]。 息子のエリック・アルフレッド・クヌードセン英語版もそこで産まれた。 クヌードセンはカメハメハ4世から400 km2の領土を治めるよう任じられ、王に次ぐ位のコノヒキになった[11]。 クヌードセンはハワイ語を流暢に話せた事も有り、ハワイの有力な政治家となった。 ハーウプとカヒリを結ぶ峠は「クヌードセン・ギャップ」と呼ばれ、主要な交差点はクヌードセン家のサトウキビ畑の中に有った[12][13]

1906年1934年にJohn Mahiʻai Kāneakuaはクラーク郡議会で、1893年アメリカ合衆国に併合されて以降王位を失っていたリリウオカラニ女王の復権を目指した[14]

経済

ハワイ王国下では白檀19世紀サトウキビの生産と製糖が主要産業であり、カウアイ島でもコロアの地に大規模な製糖工場が建設されたが、20世紀に入り次第にコーヒー産業への農地転換が行われ、作付け面積、収穫高の両面においてハワイ州最大を誇る[15]。また、タロイモも盛んに作られている。かつて、オアフ島マウイ島に次ぐ観光客数を記録していたが、1992年のハリケーン・イニキの影響により、ハワイ島にその数を抜かれている。

電力供給

テスラ社は2017年3月8日水曜日、ソーラーパネルと大規模な蓄電装置を使いハワイのカウアイ島に電力を供給すると発表した。 13メガワットの発電能力を有する5万4978枚のソーラーパネルで構成され、年間約160万ガロン(約6000キロリットル)もの化石燃料の節約が見込めると試算している。 [16]

脚注

  1. ^ [1]
  2. ^ ハワイ州要覧 在ホノルル総領事館、2019年2月1日閲覧。
  3. ^ a b 地球p.218
  4. ^ ニニニ岬”. KAUAI100%. 2018年4月14日閲覧。
  5. ^ 原田
  6. ^ Ka Moolelo o Kauai- The Story of Kauai”. Kaua'i Historical Society. 2021年6月10日閲覧。
  7. ^ a b Kauai's History”. Kauai.com. 2021年6月10日閲覧。
  8. ^ Kauai in History: Hawaii's Oldest Paradise”. Makana Charters and Tours. Makana Charters. 2021年6月10日閲覧。
  9. ^ a b c Kauai History”. Hawaiian Tourism Authority. 2012年6月16日閲覧。
  10. ^ Joesting, Edward (1988). Kauai: The Separate Kingdom. University of Hawaii Press. Pages 198–199. ISBN 9780824811624.
  11. ^ Lund, Fredrik Larsen (2017). Norske utposter. Vega forlag. Pages 301–302. ISBN 978-82-8211-537-7.
  12. ^ Lougheed, Vivien (2007). Adventure Guide: Mazatalan and Vicinity. Hunter Publishing, Inc. Page 250. ISBN 9781588435910.
  13. ^ Ward, Greg (2002). Hawaii. Rough Guides. Page 472. ISBN 9781858287386.
  14. ^ Soboleski, Hank (2013年8月10日). “John Mahiai Kaneakua”. The Garden Island. オリジナルの2014年1月23日時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20140123125119/http://thegardenisland.com/lifestyles/island_history/john-mahiai-kaneakua/article_9422b456-a4c9-11e2-bdaf-0019bb2963f4.html 2014年1月15日閲覧。 
  15. ^ 地球p.52
  16. ^ テスラ、ハワイのカウアイ島にソーラー電力供給へ

参考文献

書籍
地球の歩き方編集室『302.カウアイ島』ダイヤモンド社、2005年。 ISBN 4-478-03811-2 

関連項目

外部リンク

ウィキトラベルには、カウアイ島に関する旅行ガイドがあります。


カウアイ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 17:17 UTC 版)

ハワイの正教会」の記事における「カウアイ島」の解説

カウアイ島には19世紀露米会社建設したエリザベス要塞18171862年)があって、そこに正教会があったが現在はない。

※この「カウアイ島」の解説は、「ハワイの正教会」の解説の一部です。
「カウアイ島」を含む「ハワイの正教会」の記事については、「ハワイの正教会」の概要を参照ください。

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