OPS-28とは? わかりやすく解説

【OPS-28】(おーぴーえすにじゅうはち)

海上自衛隊が制式採用している対水上レーダー。
昭和55(1980)年に開発され、現在では幅広い護衛艦に搭載されている。

OPS-18にかわる新たな水上レーダーとして開発された本レーダーは、パラボリック・シリンダ型のスロットアレイを採用し、内部にはIFFアンテナが組み込まれている。

このレーダーは遠距離での精密捜索能力に優れているといわれ、対艦ミサイルの探知を可能にするため、対クラッター性にも優れているといわれているが定かではない。

派生型には-1型、B型、C型、D型、E型が存在する。
ちなみに、イージス艦であるこんごう型やあたご型にはこのOPS-28が搭載されているのに対して、同じ多機能レーダーを搭載した新型護衛艦「あきづき」に本レーダーが搭載されていない理由は不明である。

主な搭載艦

しらね型護衛艦
はるな型護衛艦(FRAM改修時に装備)
こんごう型護衛艦
あたご型護衛艦
あさぎり型護衛艦
むらさめ型護衛艦
たかなみ型護衛艦
いしかり型護衛艦
ゆうばり型護衛艦
あぶくま型護衛艦
おおすみ型輸送艦
ましゅう型補給艦

諸元


OPS-28

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/21 07:48 UTC 版)

OPS-28
「くらま」搭載のOPS-28
種別 パルス・ドップラー・レーダー
目的 目標捕捉
開発・運用史
開発国 日本
就役年 1980年
送信機
形式 対水上捜索用: 進行波管 (TWT)[注 1]
航海用: マグネトロン
周波数 Cバンド
アンテナ
形式 導波管スロットアレイ
直径・寸法 幅 2 m×高さ 0.75 m
方位角 全周無制限
その他諸元
重量 85 kg(空中線部)
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OPS-28は、日本無線社が開発したパルス・ドップラー・レーダー。主として海上自衛隊の艦艇において、低空警戒/対水上捜索レーダーとして搭載される。昭和50年度計画で建造された護衛艦「しらね」より搭載を開始したが[1]、その後も継続的に改良を受けており、IFFアンテナの取り付け方式などに応じて複数の型式がある[2]。

概要

本レーダーは、単なる対水上捜索用にとどまらず、対艦ミサイル防御(ASMD)も意識して、低空を飛行する対艦ミサイル(シースキマー)などの探知にも使用できるものとして開発されており[3]、アメリカ海軍のTAS Mk.23と同様のものとされている[4]。シースキマーに対する正面からの探知距離は、従来の対水上レーダーではおおむね電波の見通し線 (LOS)  程度であったのに対し、ほぼ倍増している[1]。

動作周波数はCバンド、送受信機においては周波数アジリティやFMパルス圧縮、移動目標表示 (MTI)  といった各種機能を備えていた[3]。OPS-28Bでは、パルス圧縮用の素子として表面弾性波を利用した分散形遅延線を採用したことで、目標の誤検出率低下や信号処理利得の向上などの成果が得られた[3]。58DD「あさぎり」で装備化されたOPS-28Cではシステム感度を10デシベル上げて、探知性能を向上させている[3]。

送信機における出力管としては、ヒューズ社製の水冷式進行波管 (TWT)  をアメリカ合衆国から輸入して使用していたが[注 1]、高価な上に交換に時間がかかったことから、後には通常航海用および予備として、マグネトロンを使用した送信機と切り替えて使用できるようになった[5][注 2]。また、後に新日本無線がTWTの国産化・長寿命化に成功したほか、63DDG「こんごう」で装備化されたOPS-28Dからは空冷化により維持管理の手間も軽減された[3]。また11DD「まきなみ」で装備化されたOPS-28Eでは、パルス圧縮処理のデジタル化、海面処理・降雨反射の影響を低減する信号処理などが導入されている[3]。

導波管スロットアレイを採用したアンテナは動揺修正装置上に設置されており、ロール角15度、ピッチ角7度まで対応できる[1]。「いしかり」(52DE)およびゆうばり型護衛艦(54DE)で搭載されたOPS-28-1では、ビームパターンを変更することで、より本格的な対空警戒能力も付与されている[6]。また同型のみ、敵味方識別装置(IFF)のアンテナが本体アンテナに組み込まれていない[2]。なお上記のOPS-28Eでは、アンテナのレーダー反射断面積(RCS)を低減するように形状が変更されている[3]。

搭載艦艇

「ありあけ」での装備要領

脚注

注釈

  1. 1 2 TWTとともに交差電力増幅管 (CFA)  も併用していたとする資料もある[1]。
  2. ↑ 本機を搭載した艦の多くでは航海用のレーダーが別途に搭載されていたが、これは旧来のレーダー指示器にしか接続しておらず、戦闘指揮所の機能に寄与しなかった[5]。

出典

参考文献

  • 朝雲新聞社 編『自衛隊装備年鑑 2006-2007』朝雲新聞社、2006年。ISBN 4-7509-1027-9。 
  • 香田洋二「国産護衛艦建造の歩み 第22回」『世界の艦船』第805号、海人社、157-165頁、2014年10月。 NAID 40020191677。 
  • 佐藤義明「海自水上艦艇用レーダの開発・導入の軌跡」『第5巻 船務・航海』 第1分冊、水交会〈海上自衛隊 苦心の足跡〉、2014年、226-233頁。 
  • 長井荒人「海上自衛隊の現有艦載レーダー」『世界の艦船』第433号、海人社、84-89頁、1991年3月。 NCID AN00026307。 
  • 保坂俊彦「「しらね」船務科所掌電子機器のぎ装、戦力化の思い出」『第5巻 船務・航海』 第1分冊、水交会〈海上自衛隊 苦心の足跡〉、2014年、127-130頁。 
  • 藤木平八郎「艦載レーダー発達の歴史 (特集 最近の艦載レーダー)」『世界の艦船』第607号、海人社、69-76頁、2003年2月。 NAID 40005630579。 
  • Friedman, Norman (2006), The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems, Naval Institute Press, ISBN 9781557502629 

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