動画とは? わかりやすく解説

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どう‐が〔‐グワ〕【動画】


動画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 09:51 UTC 版)

動画(どうが・: moving image)とは、(近年の、特に(200X年以降の)用法)コンピュータなどの画像の中でも、特に動きのあるもの[1]。英語のビデオ(Video)の日本語訳として使われる。静止画wikidataと対極の語であり、狭い定義では「動く画像」[2]、広い定義では時間軸に同期させた音声・音楽と共に提供されるメディアパッケージを指す場合もある。選択した静止画を順次切り替える「スライドショー」「紙芝居」とは異なり、連続して変化する静止画像を高速に切り替え続けると人間の視覚の錯覚として静止画が動いているように見えるベータ運動英語版を利用した表現様式(メディア)である。あくまで、2000年代以降になって使われるようになった意味。

アニメーション

  • (歴史の長い用法)アニメーション[3]。動画はもともと、あくまでアニメーションwikt:animation)の日本語訳である[4]。日本語の「動画」は、アニメーター・映像作家の政岡憲三(1898年-1988年)が英語の「animation アニメーション」の訳語として考案・提唱したものが最初とされ、東映動画など「〜動画」という社名のアニメ会社も複数設立されるなど、あくまでアニメーションという意味だけで長らく使われてきた。

歴史

映画やその他のメディアの詳細な歴史については各項を参照。

動画の祖

19世紀から末にかけて、フェナキストスコープ(1831年ごろ)、ゾエトロープ(1834年ごろ)、プラキシノスコープ(1877年ごろ)など、残像現象を利用した「動く絵」を見せるための道具は既に存在していた。それぞれの構造は若干異なるが、基本的には紙の上に連続的に描かれた絵をスリットを通じて覗く事で絵が動いているように見えると言うものであった。

簡素な構造ではあったが、現代の動画と同じく残像を利用して人間の視覚を利用して「動き」を再現していると言う点で、動画の祖と呼べるものである。

映画の発明

動画像が(メディアとして)扱えるようになったのは1890年代とされる。

1891年、アメリカの有名な発明家、トーマス・エジソンによるキネトスコープkinestoscope)の特許取得。これは、一定速度でフィルム英語版を送り出す機構とそのフィルムの絵を投影するための光源で構成されており、現在の映写機によく似た機械であったが、現在の映画のようにスクリーンに投影する能力は無かった。

ほぼ時を同じくし、1895年、フランスの発明家オーギュストとルイのリュミエール兄弟シネマトグラフの特許を取得。これは、キネストスコープとは異なり、スクリーンへ映像の投影が可能であった。

キネストスコープ、そしてシネマトグラフの開発によって、それまで静止画像によってしか撮影出来なかった風景や人物を動画像として撮影出来るようになり、時間の流れや人物の仕草の変化などを、連続的かつ容易に、そしてより自然な形で記録・再生することが出来るようになった。

ただし、当時の撮影機はあくまで視覚情報のみを記録するものであり、また現像技術の制限から、撮影・再生される映像はモノクロであった。現在のように色付きの映像を扱ったり、音声や音楽を付随させることが出来るようになるのはもう少し後の時代になってからである。

音声・音楽との融合

テレビの普及

1900年代初頭にテレビが発明され、一般家庭に普及すると、動画像は人間にとってより身近なものとなる。

普及に伴う技術の進歩によって、当初はモノクロでしか表現出来なかったものが自然色で表現出来るようになり、また、秒間辺りのコマ数(フレームレート、またはfps)を向上させることで、動きを滑らかに表現出来るようになるなど、動画像はより高密度・高精度化して行く。

コンピュータの動画

動画圧縮

コンピュータで動画像を扱う際に、編集により再生時間を減じる事無く、必要な記憶容量を減じる事を圧縮と言う。

圧縮には、元のデータに完全に復元できる可逆圧縮(Losslessとも呼ばれる)と、圧縮の段階で元のデータには復元できない処理を施す代わりに高い圧縮を行う非可逆圧縮(Lossyとも呼ばれる)がある。その中でも、特に動画に対しては動画(あるいはそれを視聴する人間)の持つさまざまな性質・特性を踏まえた特別なアルゴリズムによる圧縮が行われる場合が多い。その際に用いられる圧縮・展開(エンコード/デコード)を行うアルゴリズムプログラムのことを、特にコーデックと呼ぶ。

動画は多くの枚数の画像を連続的に扱わなければならず、ほとんどの動画は静止画と比べ、処理しなければならない情報量が圧倒的に大きい。また同時に、再生時においては多数の情報を(その本来の時間軸を損なう事なく)高速かつ連続的に処理を行うことも要求される。そのため、動画の圧縮アルゴリズムの多くは静止画のそれとは異なる圧縮技術、あるいは既存の圧縮技術にさらに他の圧縮技術を組み合わせた形で構成されている。

一般に静止画の圧縮は空間方向のみを考慮すれば良いが、動画圧縮の場合はそこに加え時間方向の情報も考慮した圧縮が行なわれる場合が多い(MPEGなど)。但し、これらのアルゴリズムはラスタ画像を扱うことを前提としており、Flashムービー(.SWF)などで用いられるベクタ画像などには当てはまらない。

ファイルフォーマット

動画を格納するファイルフォーマットとしては以下のものがある(括弧内は、Windowsにおけるファイル拡張子)。

デジタル化

ビデオグラフィ

ビデオグラフィ英語: videography)は、デジタルビデオカメラで、動画を撮影コンピュータ映像編集し、1つの動画像(映像作品)をつくる技術画法wikidata学問、表現方法、表現手段、表現形式のことである。

映画テレビドラマの撮影において、撮影開始を「クランクイン」、撮影終了を「クランクアップ」と呼ぶ。これは、カメラが手回し式だった頃の、手回しハンドル(クランク)に由来するとされる。

スタジオ内の撮影を「スタジオ撮影」「セット撮影」などと呼び、撮影所の外の屋外での撮影は「ロケーション撮影」または「オープン撮影」と呼ぶ。また、VFXを用いる映画ではブルーバック撮影(緑色を使う場合はグリーンバックと呼ばれる)などがある。

映画やビデオカメラの撮影においてはスチル写真にはない動きを伴うカメラワークパンマッチムーブカメラドリーズーム (映画製作)英語版ピント送りwikidataなど)による表現が可能になり、また、多くの場合、音声録音も必要とされてくる。また、撮影が終わった後で映像や音声の編集が必要である。編集にあたってはモンタージュの技法や、ナレーションの付加により、映像に一定の意味が与えられる。

関連項目

出典

  1. ^ 精選版 日本国語大辞典 【動画】
  2. ^ 動画とは”. 朝日新聞社. 2018年1月9日閲覧。
  3. ^ 精選版 日本国語大辞典 【動画】
  4. ^ 三省堂ウェブディクショナリー国語・和英「動画」

動画(実時間処理:リアルタイム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:19 UTC 版)

3次元コンピュータグラフィックス」の記事における「動画(実時間処理リアルタイム)」の解説

ユーザー操作時間経過など、何らかのパラメータ観測および情報入力対応して即座に映像動的生成する処理を指す。 代表的な実時間処理による動画生成用途コンピュータゲームである。PC据え置き型ゲーム機家庭用ゲーム機ゲームセンター使われる業務用アーケードゲーム機)、携帯ゲーム機携帯電話スマートフォンおよび一部フィーチャーフォン)でのゲームにまで3DCG用いた動画像利用されている。 工業用途では製品設計段階CAD/CAMによって部品同士接続製品完成図を描いたり、建築でのパース描画したりする目的利用されている(建築パース作成では設計図面さえあれば建築イメージ確認できるため、古代遺跡復元モデルなどをフォトリアリスティック描画する用途などにも用いられている。立体地図場合地形起伏大縮尺の場合建物形状いろいろな視点から眺められるように用いる)。また、現実世界での運動周囲状況コンピュータ・シミュレーション再現することで効果的な訓練が行える、ドライブシミュレータフライトシミュレータなども実時間処理での3DCG技術利用例である。X線CTMRIのように、多数断層画像から3次元データ再構築した後、任意断面観察をする際にもリアルタイム3DCG技術使用される。 動画生成における実時間処理は、そうでないものに比べて画像精度よりも実時間内に如何にそれらしい画像生み出すかが求められるため、簡易的局所照明モデル採用したり、ローポリゴンモデルにテクスチャマップ質感表現したりするなど、できる限り事象近似または演算処理を簡略化したり事前計算したりして、時間的空間的コスト低減する工夫なされている。PC用3DCG動画を並列計算により高速生成するための専用ICとしてGPU登場している。プログラマブルシェーダー登場以後リアルタイムレイトレーシング大域照明グローバルイルミネーション)を実行する技術ハードウェア開発されているが、いまだ発展途上領域である。 ゲーム内ユーザー操作対話インタラクション)を必要としないムービーシーン(デモシーン)の再生には、事前にプロダクションレンダリングソフトウェアおよび高精細モデル使って生成され高品質な動画が使用されることもあるが、ゲーム内使われるアセット素材)をそのまま利用したリアルタイムレンダリングなされることもある。

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動画(非実時間処理:プリレンダー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:19 UTC 版)

3次元コンピュータグラフィックス」の記事における「動画(非実時間処理:プリレンダー)」の解説

3DCGによる映画制作代表的な実時間処理ではない」動画生成用途である。多く映画では、写実的フォトリアル)な画像制作する目的や、反対にマンガ的なアニメーションのように非現実的な画像制作する目的利用され実写との合成映像含めれば大半商業用映画何らかの形で3DCG技術用いられている。VFX多用するSF映画アニメ映画などでは長時間3DCG画像が必要とされることがあり、そのような場合には、3DCG演算専用多数コンピュータから構成される「レンダリング・ファーム」と呼ばれるサーバー施設数ヶ月単位動画像生成が行われる。 広告宣伝用途での3DCG動画像広告製作会社内やメーカー自身内部で、映画同じよう環境製作されている(自動車産業3DCG動画による広告の代表であるが、他の産業でも設計過程コンピュータ・シミュレーションを必要とする航空宇宙軍事船舶といった分野企業物理現象シミュレーションと共に画像表示のための3DCG技術利用している)。

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動画

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 01:00 UTC 版)

名詞

どうが

  1. スクリーンモニターなどの光学機器または電子機器静止画連続して映し出すことにより、動いているように見え

用法

「動画」も「アニメーション」も作動原理同じだが、「動画」は実写含めた総称として使われる

類義語

対義語

上位語

翻訳


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