コンテナ‐フォーマット【container format】
コンテナフォーマット
コンテナフォーマットとは、ファイル形式(ファイルフォーマット)のうち、音声や映像といった複数種類のデータをまとめて格納することができるファイル形式のことである。
コンテナフォーマットは、複数のデータを保持し、また、音ずれが発生しないように同期しつつ再生することができる、一種の容器として機能する。映像と音声の他にも、字幕やメタデータなどの付加情報を追加できるようになっている場合も多い。
コンテナフォーマットのうち、音声と映像を中心とする動画ファイル向けのファイル形式は、特に「マルチメディアコンテナ」と呼ばれる。マルチメディアコンテナの他にも、音声の圧縮データを格納する「WAV」などの音声コンテナや、静止画像の圧縮データを格納する「WebP」のような「画像コンテナ」がある。
マルチメディアコンテナの代表的な形式として、Flash Video、MPEG、ASF、MOV、3GPPなどを挙げることができる。
コンテナフォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/06 09:03 UTC 版)
デジタル分野におけるコンテナフォーマット (container format)は複数の個別データを単一ファイル(コンテナ)へ格納する規格(フォーマット)である[1]。
データの入れ場所(保管場所)の「ファイル」と、規格を意味する「フォーマット」で「データ格納規格」を意味するファイルフォーマットがデジタルデータの一般的呼び名であるのに対し、そのファイルフォーマットの一部である「動画の入れ物」として映像と音声を収納する規格として用いられたのが「コンテナフォーマット」という名称である。収納できるデジタルデータは、デジタル技術の進歩に合わせて、動画と共に使われる様々なフォーマットのデータが複数収納できるように拡張されてきた。規格をまとめた組織毎にさまざまな規格がある。
コンテナファイルは、さまざまな種類のデータを識別したりまとめたりすることができる。単純なコンテナフォーマットは、異なる種類の音声ファイル形式データを複数含むことができる。先進的なコンテナフォーマットは、さまざまなストリーミングを再生し直すのに必要な同期情報とともに、音声・動画・副題・章(チャプター)・字幕・メタデータ(タグ)などに対応する。
代表的なコンテナ
音声コンテナ
代表的な音声専用のコンテナフォーマット。
- WAV
- RIFFファイルフォーマットを拡張したもの。Microsoft Windows上で広く使われている。また、多くのPCMレコーダーもWAV形式に対応している。リニアPCMのコンテナとしてよく使われる。
- AIFF
- AIFFファイルフォーマット、研究開発等の経緯からMac OS上で広く使われているが、今日ではPSP(PlayStation Potable)等の各種ハード・機種にも対応している。
- Sunオーディオファイル
- 拡張子はauやsnd。UNIX・Linuxなどで使われている。
- Core Audioフォーマット
- 拡張子はCAF。オーディオコンポーネントCore Audio用のコンテナ形式。macOSや、iPhone・iPad・Apple Watch・Apple TV・HomePodで使われている。
マルチメディアコンテナ
ほかの柔軟なコンテナは他メディアと同じように、多くの種類の音声や動画を含むことができる。
代表的なマルチメディアコンテナフォーマットは次の通り。
- Audio Video Interleave (AVI)
- 以前Windows用の標準だったコンテナ、やはりRIFFをもとにしている。なお、近年のものでは一部DivXやXvidといったMPEG-4準拠のコーデックを必要とするものなども存在する。
- QuickTime file format (MOV)
- QuickTimeの標準コンテナ。AppleのMac OSを中心に使われているが、Windows版もある。
- MPEG-2システム
- MPEG-2系フォーマットの一種。現在、以下の2フォーマットが存在。
- 1.MPEG-2 TS
- 世界各国のデジタル放送規格の多くで採用されているコンテナ。
- 2.MPEG-2 PS
- DVD(DVD-Video、DVD-VR)などで採用されているコンテナ。
- MP4
- 主にMPEG-4関連の動画・音声の記録に用いられている標準コンテナ。QuickTime file format(MOV)がベースとなっている。QuickTime PlayerやWindows Media Playerなどで再生可能。
- Ogg
- Xiph.Org Foundationのコーデック(Vorbis、Theoraなど)用の標準コンテナ。
- Ogg Media (OGM)
- Oggを独自に拡張したコンテナ。
- Advanced Systems Format (ASF)
- MicrosoftのWMAやWMV用の標準コンテナ。早くからストリーミング配信用(Windows向け)の主要フォーマットとして広く使われていた。
- RealMedia
- RealVideoやRealAudio用の標準コンテナ。
- Matroska
- オープンなフォーマット。DivX7やWebMで採用されている。
- Material Exchange Format (MXF)
- 主に、放送局、プロダクションなどプロ用途で使われているコンテナ。
- 3GPP
- NTTドコモやソフトバンクモバイルなど主にW-CDMA方式の携帯電話で使われていた。MP4ファイルフォーマットをベースにしている。
- 3GPP2
- auなどCDMA2000方式の携帯電話で使われていた。こちらもMP4ファイルフォーマットをベースにしており、当初からストリーミングでの利用を考慮した形式になっている。
- Flash Video (FLV)
- Adobe Flashで使われていた。FLVではコーデックとしてH.263やVP6、H.264などが使われている。
- DivX Media Format (DivX, DMF)
- AVI形式を一部拡張したコンテナ。DivXコーデック専用。
これ以外にも数々のコンテナフォーマットがある。NUT, MPEG, ratDVD, SVI, VOB 等。
画像コンテナ
代表的な画像(静止画)専用のコンテナフォーマット。
- Tagged Image File Format (TIFF)
- 静止画とそのメタデータを格納するラッパー (wrapper) ファイルフォーマット。非圧縮だけでなくLZWやPackBits、JPEGなど様々な圧縮方式に対応している。
- JPEG XR (HD Photo, Windows Media Photo)
- 静止画や生データとそのメタデータを格納するラッパー (wrapper) ファイルフォーマット。ファイル構造はTIFFと似たような形を取る。
- Flexible Image Transport System
- 静止画や生データとそのメタデータを格納するラッパーファイルフォーマット。
- WebP
- コンテナとしてRIFFを採用したファイルフォーマット。
コンテナの選択
さまざまなファイルフォーマットは、主に5つの部分で違いがある。
- 人気: コンテナがどれだけ広く対応されているか
- オーバーヘッド: 同じ内容をもつ2つの異なるファイルでの、ファイルサイズの違い。2時間映画の場合、AVIではMatroskaのときよりも3MB以上大きくなることがある。
- 先進的なコーデックの機能に対応しているか。AVIのような古いフォーマットでは、Bフレーム、VBRオーディオ、VFR のような新しいコーデック機能に対応していない。「ハックする」ことで対応機能を追加できるかもしれないが、互換性の問題が生じる。
- 章・副題・メタタグ・ユーザーデータなどといった先進の内容へ対応しているか。
- ストリーミングメディアに対応しているか
脚注
- ^ " What is a container? ... It is an envelope for which there can be many audio, video and subtitles streams, allowing the user to store a complete movie or CD in a single file." Matroska.org. What is Matroska?
関連項目
外部リンク
コンテナフォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/04/16 06:04 UTC 版)
「On2VP3」の記事における「コンテナフォーマット」の解説
主にAVIやMOVが使われるが、MKV等に格納することも可能。 (VP3+MP3).avi (VP3+MP3).mov (VP3+Vorbis).mkv
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