Internet_Engineering_Task_Forceとは? わかりやすく解説

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アイ‐イー‐ティー‐エフ【IETF】

読み方:あいいーてぃーえふ

《Internet Engineering Task Force》インターネット利用される各種技術標準化進めている国際組織策定され仕様RFCとよばれ、広く公開されるIPTCPPOP3SMTPなどの仕様策定された。


IETF

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Internet Engineering Task Force

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/17 05:16 UTC 版)

インターネット技術特別調査委員会
Internet Engineering Task Force
略称 IETF[1]
設立 1986年1月14日 (38年前) (1986-01-14)[2]
種類
登録番号  
目的 インターネットの使い心地と相互運用性の維持と改善を目指す標準化。
Chairperson ラース・エッガート(2021年)–現職2021年9月時点
重要人物
 上部組織 インターネットソサエティ
ウェブサイト ietf.org
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The Internet Engineering Task Force頭字語IETFインターネット技術特別調査委員会[3][4])は、インターネット、わけてもインターネット・プロトコル・スイート(TCP/IP)の技術面に関するNPO標準化団体である。

アメリカ合衆国連邦政府の支援のもと活動を開始した。1993年以降は国際的な会員制の非営利組織であるインターネットソサエティの支援のもと、その標準化開発部門として活動している[5]ボランティアで運営を担う要員の経費は、一般にそれぞれの職業上の雇用主もしくは助成団体など後援者から受けている。

団体の構成

この団体はそれぞれ固有の主題ごとに、多数のワーキンググループ(作業部会(英語))と同好の士が集まるくだけた雰囲気の協議グループで構成される。どのタスクに取り組むか、主にそれらのグループからボトムアップで提言する方式を用いて活動する[2]。グループ単位で座長ないし数名の共同座長を置き、グループの活動の趣旨ならびに期待される成果と達成時期を憲章にまとめている。

会員に参加要件や資格審査、年会費などはなく、メーリングリストに登録するか、団体主催の会議に出席して活動に参加する。会議参加費は2014年7月時点で1名650ドル[6]、2018年半ばに全日程参加は一般875ドル(早期割引で700ドル)、1日券375ドル、学生150ドルであった。

会議では、最終的に何か決定を下さなければならない場合にハミングによる表決(ラフコンセンサス)を取るという特徴があり、票決は行わない。またほとんどの作業はメーリングリストを介して実施され、会議への出席は任意である。メーリングリストを介した作業も具体的な目標単位で組まれるため、達成するとワーキンググループを解散するか、憲章を更新して新しいタスクへ移行する[2]

取り組む主題はそれぞれのグループ内で協議し、主題を「エリア」と呼び互選の管理者(AD=area director)を置く体制で、ほとんどのグループは共同管理者2名で進行している。ADはそのグループの代表を推薦し、ADとIETFチェアが構成する「インターネット開発運営グループ IESG(英語)」が団体全体の運営に責任を負う。2014年時点に扱った主題は、アプリケーション、全般(General)、インターネット、オペレーションと管理、リアルタイム・アプリケーションとその基盤、ルーティング、セキュリティ、トランスポートにわたった[7]

外部機関ならびにRFC編集者とIETFの交渉はインターネットアーキテクチャ委員会(IAB)が監督し[8]、インターネット開発の長期的な技術の方向性を決める。またIETFにロジスティクス他のサポートを提供する部門を「IETF経営サポート活動」(IETF Administrative Support Activity=IASA(英語)といい、IABと「IETFオーバーサイト委員会」(IETF Administrative Oversight Committee=IAOC)はその監督を担う。IABはさらにIETFがさまざまな企画で連携するプロジェクト特化型のInternet Research Task Force(IRTF)運営にも参画する。

ここに列挙したIESG、IAB、IAOCは、その役職の任命と再任、罷免#推薦委員会(NomCom)に委任し、同委員会は、IETF会員10名と委員長1名で成り立つ。同委員はIETF会議の常連のボランティアから選ぶ[9]。これまでNomCom裁定の罷免は発生していないものの、辞任に伴う再選は何度かあった。

IETFが政府管掌を離れた1993年以降[5]、その活動の予算ならびに法律上の枠組みはインターネットソサエティから供与を受け、IETFとその姉妹組織のIAB、IRTFは存続してきた。IETFの活動資金には同ソサエティがIETF企業会員として参加費を支弁し、会議参加費と会議のスポンサー収入を組み入れるほか、公益団体としてen:Public Interest Registry(インターネットソサエティの傘下)から補助金を受給している[10]

2005年12月に設立したIETF評議会は、当団体が著作権を保有する著作物の管理を担当する[11]

運営委員会

インターネット開発運営グループ(IESG)を構成するIETFのエリア管理者とチェアパーソンは、インターネット標準の技術査定の最終判断を下し、IETFの日常管理の責任を負う。ワーキンググループから提言される決議要請を諮り、解説文書を標準のトラック(英語)に加筆するかどうか裁定する[12]

IESG委員長はIETFチェアパーソンを兼務し、前述のエリアのうち「全般」に属する。次のエリアはADを2名ずつ、この委員会に送り出す[13]

  • アプリケーション(app)
  • インターネット(int)
  • オペレーション & ネットワーク管理(ops)
  • ルーティング(rtg)
  • リアルタイム・アプリと基盤(rai)
  • セキュリティ(sec)
  • トランスポートとサービス(tsv)– 「トランスポート」という略称が通例。

姉妹組織との窓口となる連絡員(リエゾン)と、兼務者として次の役割を設ける。

歴代の要職

チェアパーソンは推薦委員会によって選ばれ、任期2年で再選を認める[14]。1993年に政府管掌を離れるまでは代表はIABが指名していた[15]

以下の人々が代表を務めている。

主な出版物

機関誌

脚註

出典

  1. ^ Jacobsen, Lynch 1991, "doi:10.17487/RFC1208".
  2. ^ a b c Bradner 1991, "Internet Engineering Task Force".
  3. ^ 網野 2012, p. 64.
  4. ^ 船渡、He、Fu、Moo 2004, p. 24.
  5. ^ a b Cerf, Vint (18 July 1995). “IETF and the Internet Society”. Internet Society. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。21 July 2014閲覧。
  6. ^ Register for the Next IETF Meeting”. IETF. 21 July 2014閲覧。
  7. ^ Active IETF Working Groups”. IETF. 21 July 2014閲覧。
  8. ^ "Charter of the Internet Architecture Board(IAB)", 規約番号RFC 2850, B. Carpenter, May 2000.
  9. ^ Groups > Nominating Committee” (英語). IETF. 2021年10月28日閲覧。
  10. ^ Internet Engineering Task Force(IETF)”. .ORG (2021年5月27日). 2021年10月28日閲覧。
  11. ^ 2.5. Intellectual Property Rights(IPR)” (英語). IETF. The IETF process: an informal guide. 2021年10月28日閲覧。
  12. ^ About > Roles > IESG” (英語). IETF. 2021年6月3日閲覧。
  13. ^ About > Groups” (英語). IETF. 2021年6月3日閲覧。
  14. ^ "IAB and IESG Selection, Confirmation, and Recall Process: Operation of the Nominating and Recall Committees", 規約番号RFC 3777, J. Galvin(Ed.), June 2004.
  15. ^ Past IESG Members and IETF Chairs”. IETF. 21 July 2014閲覧。(歴代のIESG加盟者および当組織の代表)
  16. ^ IETF Profile: Alissa Cooper”. IETF. 30 May 2017閲覧。

参考文献

本文の典拠、主な執筆者名順。

欧文資料

関連項目

団体

関連資料

本文の典拠以外の資料。発行順。

  • Internet governance, including : history of the internet, ICANN, Internet Engineering Task Force, top-level domain, Internet Assigned Numbers Authority, InterNIC, domain name registry, information society, internet engineering steering group, Nominet UK. Hephaestus Books, 20--. ISBN 9781243199409NCID BB14880162
  • 新藤 忠、青山 進、勝又 武敏「神奈川県企業技術情報データベース(K-ITEF)」『神奈川県工業試験所研究報告』第60巻、神奈川県工業試験所、1989年、9-14頁。ISSN 0451-3169NAID 40000508563
  • Recorded Resources Corporation. NN '91. メインランド州クロフトン : Recorded Resources Corp., 1991.(カセットテープ)
  • Deering, Steven Edward ; Mudge, Craig; University Video Commucations. IPv6, the new internet protocol. カリフォルニア州スタンフォード : University Video Communications, ©1996。協賛企業:Xerox PARC。シリーズ名〈Faculty of Social Sciences distinguished lecture series., 14. : Leaders in computer science and electrical engineering.〉(VHSテープ 視覚資料)OCLC 38944084。1996年11月1日録画。
  • Information systems security : Electronic commerce, internet engineering task force, internet legal issues, viruses. ニューヨーク州NY : Auerbach, 1997-, ISSN 1065-898X, OCLC 649604464(ジャーナル)
  • Oram, Andrew ; Viega, John. "15 1.3.6 The Internet Engineering Task Force(IETF)". Beautiful security. O'Reilly(Theory in practice), 2009. ISBN 9780596527488, NCID BB10071505.
  • "Recht en computer(Recht en Praktijk nr. ICT4)", 1.7.2. Internet Engineering Task Force(IETF).(デンマーク語) Deventer : Kluwer, 2014-01-06.OCLC 5529916244
  • Penttinen, Jyrki T. J. Wireless communications security : solutions for the internet of things. Wiley, 2017. ISBN 9781119084396, NCID BB25648741.
  • Tsiatsis, Vlasios. Internet of things : technologies and applications for a new age of intelligence. 2nd ed, Academic Press, an imprint of Elsevier, 2019. ISBN 9780128144350, NCID BB27829463.

外部リンク


Internet Engineering Task Force

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 02:22 UTC 版)

インターネットの歴史」の記事における「Internet Engineering Task Force」の解説

詳細は「Internet Engineering Task Force」を参照 Internet Engineering Task Force (IETF) は、インターネット技術設計進化貢献しているボランティアによる、緩やかかつ自律的に組織されグループである。インターネット新し規格仕様開発する主要な団体である。作業部会ワーキンググループ)でほとんどの作業行っている。色々な間違った捉え方をされているが「インターネット運営」しているわけではないIETFインターネット利用者がよく採用している規格策定しているが、インターネット制御したり、ましてや監視したりしているわけではないIETF1986年1月アメリカ政府資金提供している研究者らの四半期ごとの会議として始まった1986年10月第四回会議で、政府とは無関係代表者招かれるようになった1987年2月第五回会議で、作業部会概念導入された。1987年7月第七会議には、初め100名以上が参加している。1992年専門家会員制団体インターネット協会創設されIETFはその下で独立国標準化団体として運営されるようになったIETF会議アメリカ合衆国以外最初に開催されたのは1993年7月オランダアムステルダムでのことである。2012年現在IETFは年に3回会議開催しており、1,300名以上が参加することが多いが、多くても2,000名以下である。一般に3回1回ヨーロッパアジア会議開催している。アメリカ合衆国以外参加者がおよそ50%であり、アメリカ合衆国内開催される場合でもその比率変わらないIETF出来事集合体として存在しているという点で普通ではなく企業でもないし、取締役会持たないし、会員制でもないし、会費徴収していない。IETF参加する近道は、IETFまたは作業部会メーリングリスト参加することである。IETFボランティアは、世界中から、そしてインターネットコミュニティ様々な部分から集まっている。IETFInternet Engineering Steering Group (IESG) と インターネットアーキテクチャ委員会 (IAB) と密接な関連があり、それらの監督下にあるとも言えるInternet Research Task Force (IRTF) と Internet Research Steering Group (IRSG) はIETFIESGと共にIAB監督下にあり、長期的な研究課題扱っている。

※この「Internet Engineering Task Force」の解説は、「インターネットの歴史」の解説の一部です。
「Internet Engineering Task Force」を含む「インターネットの歴史」の記事については、「インターネットの歴史」の概要を参照ください。

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