マッチムーブとは? わかりやすく解説

マッチムーブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/16 07:22 UTC 版)

マッチムーブ(Match Move)は、映像の合成における技術のひとつ。「動きを合わせる」という意味のデジタル合成用語。映像をトラッキングすることによってマッチムーブを行う。

古くから、映像の合成において、カメラが動くことは極めて難しい問題であった。たとえば、Aという映像がカメラが動いて撮影されているとする。そこにBという素材を合成するとなると、BもAと同じカメラの動きをしなければ不自然になる。これを解決する手段・技術のひとつがマッチムーブである。

2Dでのマッチムーブ

一般的なデジタル合成ソフト(NukeBlackmagic Fusion英語版Adobe After Effectsなど)は、2D上でのトラッキング、すなわち画像内での物体の移動を追跡・分析する。これによって、合成する素材にも同じ動きをさせ、また、同じモーションブラー(動く物体のぼけ)を表現することで自然な合成映像の作成が可能である。

3Dでのマッチムーブ

基本的には2Dでの処理と同じだが、3次元の動作に対応する為により高度な処理が必要になる。 各フレームの中で動いているポイントを記録し、解析が終わった後直線でつながれ、カメラの動きとして取り込まれる。 そのようなカメラの動きを記録し、アニメーション出力機能のある3DCGソフト(Maya3ds Maxなど)から読み込んで、レンダリングをし、合成する。 また、ブルーバックで撮影する場合、移動情報が極端に少なくなる場合も多く、正確に読み取れない場合がある。そのような場合のためにあらかじめブルースクリーン上に点が付いており、ソフトが解析しやすいよう工夫がなされている。 実写映像からカメラの動作を検出することをカメラトラッキングといい[要出典]、実写内の移動オブジェクトの動作を検出することをオブジェクトトラッキングという[要出典]。 代表的なマッチムーブソフトウェアとして英国2d3社の boujou が挙げられるが、廉価版でも60万円と、まだまだ個人が手を出すには厳しい値段である。 5万以下の比較的安価なマッチムーブソフトとしては、SynthEyes、VooCAT等がある。 またフリーウェアではvoodoo camera tracker(maya、3dsMAX、Blender等に出力可能)がある。

カメラ動作の記録

最初からCG合成を前提とした撮影では、撮影中にカメラの動作を記録しておく事でマッチムーブの手間を省く事がある。また逆に、アニマティックにおいて設定したカメラの動きをモーション・コントロール・カメラに入力して再現させる、いわばCGカメラに合わせて実写のカメラを動かす手法も行われている。

関連項目

外部リンク


マッチムーブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 22:55 UTC 版)

3DCGソフトウェア」の記事における「マッチムーブ」の解説

3Dトラッキングは、動画から特徴的な部分トラッキングして、カメラオブジェクト位置動作算出でき、マッチムーブやデジタルメイクアップなどに必要となる。3Dトラッキング対応するコンポジットソフトウェア (NUKE X/NUKE STUDIOAutodesk Flame/Smoke、After Effect CCHitFilm Pro (mocha搭載)、DaVinci Resolve 12など)も多い。3Dトラッキング対応する統合ソフトウェアもある (Maya 2010以前Maya LiveBlenderCinema4Dなど)。 3Dトラッキングには点トラッキング、面トラッキング、ジオメトリートラッキングがある。LIDARスキャンしたデータ対応しているものもある(PFTrack 2012.3以降など)。また、影の表示物理演算などに必要なマットオブジェクトの作成や、ジオメトリートラッキングやデジタルメイクアップなどを簡単にするために、動画複数写真からジオメトリテクスチャ抽出するイメージベースモデリングに対応しているソフトウェアもある。 遮蔽物によるトラッキングミスを防ぐために、遮蔽物マスクを切ることができるロトスコープ(ロトマスク)に対応しているソフトウェアが多い。ロトスコープ自体トラッキング連動して動かせるため、トラッキングソフトウェアではロトスコープ効率的に作ることができる。 撮影時特徴点足りなくて追加したトラッキングマーカーを除去するにはコンポジットソフトウェアが使われることが多いが、マーカー除去対応しているマッチムーブソフトウェアも存在するまた、同様の手法によってワイヤーアクション使ったワイヤーなどの不要な要素削除することができる。 カメラ情報正しく入力することが好ましいが、写真exif含まれているカメラ情報読んだり、自動推定サポートしているものも存在するまた、光学式モーションキャプチャーとして使えるソフトウェア存在する変形するものはトラッキングしにくいため、反射材(パッシブマーカー)やLED(アクティブマーカー)などを装着した全身タイツを身に着け撮影することが多い。マーカー不要なマーカーレスモーションキャプチャもあるが、それに対応しているトラッキングソフトウェアは少ない。

※この「マッチムーブ」の解説は、「3DCGソフトウェア」の解説の一部です。
「マッチムーブ」を含む「3DCGソフトウェア」の記事については、「3DCGソフトウェア」の概要を参照ください。

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