VFXの製作過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 09:36 UTC 版)
T-1000の特徴的な変形は、3DCGと特殊メイクを駆使して製作されている。キャメロン監督のSF映画『アビス』で登場した、人間の顔に変形する海水のシーンで使用されたCG技術を発展させ、T-1000の液体金属の3DCGが作られた。1990年代の当時としては発展途上段階であったデジタルモーフィングの技術や、カメラのブレとCGキャラクターの動きを同調させるマッチムーブ技術等もふんだんに活用され、当時における極めて高い品質で表現することに成功した。巧妙に作られた粘土をつけた特殊メイクも併用されており、銃撃による一時的な弾痕、腕の一部が刃物に変形しているシーンなどで見ることができる。また、銀色の薄いスーツを着用しているシーンが一瞬あり、ローテクも効果的に使用されていることがわかる。なお、金属体時の動きを3DCGで作成するため、演者のロバートは体中に測定用の線を書かれたうえ、パンツだけの姿で街中を歩かなければならず、撮影現場のすぐそばを通っていた一般人から奇異な目で見られていた。このことについて、ロバートは「街行く人たちの自分を見る視線が非常に痛かった」とコメントしている[要出典]。 なお、ラストの溶鉱炉の溶鉄はCGの合成ではなく、下から強い光を当てたシロップのプールである[要出典]。また、それによって溶解していく際に上げる奇声は、監督のジェームズ・キャメロンがスタッフの制作した音に納得できず、自分の声を使ったという。 T-1000のキャラクター構想は、T-800と正反対のイメージで作られた。キャメロン曰く「T-800シリーズは頑丈なだけの装甲車で、T-1000シリーズは柔軟性がある高性能のポルシェ」。この構想は当初『T1』の設定であり、「細身の人型アンドロイドが実は強い」という設定を『T2』でようやく実現できた形となった。 本作を観た20世紀フォックスの重役はキャメロンに対し、「『アビス』は実験だったのか?」と怒ったという。
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