実在する物体の3D回転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 19:26 UTC 版)
現実世界に実在する物体を3次元的に回転して見せる場合には、異なる角度から撮影された写真を複数枚連続的に切り替える手法がしばしば用いられる。このような手法を用いた例には、Appleの「QuickTime VRオブジェクト」などがある。この手法は制作に比較的コストがかからない長所がある一方で、撮影されていない角度からは観賞できない短所がある。また、この手法は計算量の節約のために、リアルタイムに3DCG処理を行わずに、あらかじめ複数の角度からレンダリングされた画像を用いて3次元形状を回転して見せる場合にも用いられる。 物体の表面座標を3次元レーザースキャナで計測し、3次元データ化する手法もある。この手法は高精度な3次元データを得られる長所があるが、比較的高価な専用の機材を用いる必要がある。また、X線CTやMRIなどで撮影した断層画像をボクセル(3次元格子状の離散データ)化し、立体的に可視化する技術も存在する。ボクセルによる手法では、回転や拡大のほかに、任意の断面を切って見せる事も可能である。このようなボクセルを用いた例にはAntoine Rossetによる『OsiriX』やオッティモの『Emon』などがある。また、異なる角度から撮影された写真を解析して、3次元形状を生成する技術も存在する。このような写真解析を用いた例にはストラタの『FOTO 3D』などがある。 また、映像を解析してカメラの3次元的な動きを解析する「マッチムーブ」と呼ばれる技術が存在する。この手法は実写映像と3DCGの合成にしばしば用いられる。また、人物や物体の動きを光学マーカーや磁気マーカー、機械式のセンサーにより計測し、3次元空間上での動きを再現する「モーションキャプチャ」と呼ばれる手法がある。モーションキャプチャは3DCGでのキャラクタなどを実際の人物のように動作させる際にしばしば用いられる。
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