真人類帝国
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「トリニティ・ブラッド」の記事における「真人類帝国」の解説
セス・ナイトロード 声 - 松岡由貴 / 能登麻美子 ナイトロード3兄妹の末子で、アベルの妹。癖のある黒髪に、翡翠色の瞳をした自称“通りすがりの美少女”。“クルースニク03”を宿している。 一人称は僕。ボーイッシュでさばさばとした親しみやすい性格の一方で、非常に純粋かつ極端なまでの理想主義者かつ強かな切れ者。過去の経験からか短生種(旧人類)には完全に失望している。 真人類帝国皇帝アウグスタ・ヴラディカの真の姿。アベル達が帝国に赴いたときに起こった反乱事件のときには、自ら事件解決に一役買っていた。 クルースニクを起動させるとアベル同様、凄まじい戦闘力を発揮する。二本の巨大な音叉を武器とし、この音叉から放つ焦点式の高エネルギー超音波「音の炎」で狙った部位だけを骨まで焼き尽くすことができる。アニメではアベルを殺そうとし、スレイマンやラドゥの心を利用し踏み躙ったディートリッヒが“糸”で操っているラドゥの遺体を容赦なく攻撃し、復讐を宣告した。 900年前にアベルと別れた後、残った同胞達を率いて東邦に帝国を建国し、長生種達の楽土とした。以後、800年もの長きに渡って、己より遥かに寿命が短い同胞や臣民達の生死を見守り続けるという想像を絶する孤独をも味わってきた。 植民団においては国連航空宇宙軍少佐、レッドマーズ計画管理部技術開発部統括責任者として任務に従っていた。アベル共々に嘗ては植民団の同胞(第一世代の長生種)を率いて、数百万単位で地球の残留者(短生種)を虐殺した“世界の敵”。現在は長兄カインと袂を分かち、危険人物として行方を追っているものの彼を内心では恐れている。 『夜の女皇』で900年ぶりに教皇庁の使者として来訪したアベルと再会。“帝国”への居住を薦める等、次兄に対して変わらぬ愛情を抱いている事を覗かせた。 未完に終わった原作では“帝国”内に潜入した長兄カインと制止に加わったアベルと再会し“方舟”再起動を巡り壮絶な戦闘になり、命を落とす予定だった。 アニメでは原作よりもやや幼い外見になっている。髪と瞳の色は同じだが、漫画版の跳ねまくった髪ではなくストレートのショートボブに。 名前はアダムとイヴの三男セスに由来している。漫画版での特徴 白いリスを飼っており、「アベル」と名前をつけて可愛がっている。しかし、ディートリッヒにお仕置きをすべくクルースニク03を起動させたため、りすのアベルには嫌われてしまった。 アスタローシェ・アスラン 声 - 根谷美智子 / 浅川悠 真人類帝国直轄監察官、オデッサ子爵→キエフ侯爵。額にかかる一房は赤く染めている他、象牙色に脱色した長髪と琥珀色の瞳を持つ長身の美女で短気直情型の性格。アベルを「我が相棒(トヴァラシュ)よ」と呼び信頼している。またアベルからは「アスト」という通称で呼ばれている。 大量殺人犯の帝国貴族エンドレを追って外(アウター=人類圏)に赴き、補佐としてAxが派遣したアベルと出会う。犯人が親友の仇であったため暴走し大きな被害を出すもアベルの協力によって逮捕に成功、その後は短命種やアウターに理解を示す様になり彼等への研究に没頭するあまり“短生種好き”とまでいわれるようになった。その後は使者として帝国に赴いて、強硬派の陰謀に巻き込まれたアベル達を助けて獅子奮迅の活躍をした。 直情径行な性格ですぐに癇癪を爆発させるが、基本的には善人で思いやりもある。非常に有能な女性。 武器は高温高密度のプラズマを発生させるプラズマジェット生成システムによって、発生させる炎があらゆる物質を切断する“ゲイ・ボルグの槍”。究極の白兵戦兵器としてキエフ侯爵家に伝わる“遺産”。 キエフ侯爵家は、現在のウクライナ共和国の首都を所領とする帝国でも名門の家柄。先代のキエフ侯爵は彼女の母親で、作中では既に他界している。 アニメ終盤ではイオンとともに教皇庁との和平の使者としてローマに赴く。未完の原作において、皇帝暗殺未遂事件の解決後は枢密副司に昇進している。漫画版での特徴 屋敷の庭にトラを放し飼いにしていたりするなど、全体的にかなり豪快になっている。また、ディートリッヒに操られたラドゥとの戦いで髪が燃えて短くなった。 イオン・フォルトゥナ 声 - 皆川純子 真人類帝国帝剣護持官、モルドヴァ公子メンフィス伯爵。皇帝ヴラディカの勅使としてカテリーナと接触を図るが、副使として同行していた相棒ラドゥの裏切りに遭う。 当初は人間(テラン)を野蛮人と蔑んでいたが、アベルやエステルに助けられたことで考えを改める。また、エステルに対して好意を抱くようになる。 外見年齢は13,4歳程で、中性的な風貌の美少年。赤銅色の瞳に金髪と小柄な体型。また、実年齢も吸血鬼としては若い部類に入ると見られ、またラドゥにも子供扱いされるなど精神的な未熟さもある。両親を早くに亡くして以後、祖母に甘やかされてきた影響からか子供じみた性格で打たれ弱い一面もある。 帝国へ密使のアベルとエステルを伴って帰還するが、祖母尊属殺人と皇帝暗殺を企てる反逆者の濡れ衣を着せられる。一時は絶望するが、エステルやアストの支えを受けて強硬派の陰謀を打ち砕く。 未発表に終わった「R.O.MVII 極光の牙」において再び人類圏に赴き、以降のエステルに変わるアベルの相棒として企画されていた。その名残でアニメ版最終回では外交任務中に出奔し、カインと決着をつけるためAxを離脱したアベルとともに旅立つ。漫画版での特徴 女性陣が全体的にパワフルであるため、作画者らから半ばヒロイン扱いされている。また、幼少期のラドゥとの思い出をたびたび回想したり、彼がディートリッヒに操られていることに気がつくなどラドゥとの友情が強調されている。 ラドゥ・バルフォン 声 - 小西克幸 真人類帝国直轄監察官、ルクソール男爵。実家がモルドヴァ公爵家の遠縁で、イオンの幼馴染にして親友だったが、教皇庁との和平に反対する強硬派の一員で苦渋の末にイオンを謀殺しようとする。 青みがかかった黒髪の美形で、なかなかの長身。発火能力を有する危険な吸血鬼“火炎魔人”。 “薔薇十字騎士団”の構成員でもあり、“炎の剣(フランベルク)”と呼ばれていた。カルタゴで死亡するが遺体を回収され、ディートリッヒが“帝国”内で暗躍するための文字通りの傀儡として利用された。そのため、死しても安息と自由が無いが、その鎖を一時的に断ち切り親友イオンを救おうとして自分自身の意識を表出させた。皇帝=セス自身により遺体が塩の柱と変えられ、漸く自由になったと思われる。 イオンとは吸血鬼としての覚醒時期が異なるので外見年齢に差があるが、彼とは同年代。なお原作ではイオンよりも外の言葉(おそらくローマ公用語)を使い慣れているため、“騎士団”と接触した経緯も含めてアスト同様に過去に国外での任務に従事していたと推察される。漫画版での特徴 巻末のおまけ漫画ではアシスタント(ツッコミ担当)の代理として登場。 ミルカ・フォルトゥナ 声 - 天野由梨 帝国の宰相にあたる真人類帝国首席枢密司を務めるイオンの祖母。モルドヴァ公爵。 皇帝の側近かつ親友であり、彼女の素顔を知る数少ない一人。そのため“スレイマンの乱”の際自身は暗殺されたように装い、事件解決のためお忍びでビザンチウムの街に出ていた皇帝(セス)の影武者を務めていた(アニメ版では「皇帝」としてのみ登場の回もEDクレジットでは「ミルカ・フォルトゥナ」となっていたので完全なネタバレだった)。 外見年齢は10代半ば(アニメ版では20代)程の愛らしい美少女。金髪に赤銅色の瞳と孫のイオンとは非常に似通った容姿で姉弟の様にみえる。 モルドヴァ公爵家は黒海沿岸の北東モルダヴィアからベッサラビアにかけての広大な所領を有する上に、一族の中でも三品官以上の高位に就く名門中の名門の家柄。 ティグリス公スレイマン 声 - 竹若拓磨 真人類帝国の副宰相に当たる次席枢密司。ミルカと違い軍人や行政官として地方での任務が長かった。 短生種にも好意的で教皇庁との全面戦争を危惧していたが、実は教皇庁との共存を唱える皇帝に不信感を抱いて暗殺を目論んだ「スレイマンの乱」の中心人物。 武器は極小の磁場で対象を破壊する「ソロモンの指輪」。名前はスレイマン1世に由来するが、「ソロモン」のトルコ語読みでもある。 ハルツーム男爵バイバルス 声 - 長克巳 真人類帝国の近衛兵「禁軍兵団(イェニチェリ)」の隊長。大柄な黒人。 イオンをミルカ殺害と国家反逆罪で捕らえようとした。そのため強硬派の一味とも思われたが実はセスとミルカの強硬派あぶり出し計画のマッチポンプで動いていた。温厚篤実な人柄で、部下共々、モルドヴァ公爵ミルカに頭が上がらない。 武器は真空の刃を発生させる七支刀「脊髄を砕く者(ズー・アル・フィカール)」。名前はマムルーク朝の第5代スルターンバイバルスに由来。 シェラザード・アル・ラフマン 真人類帝国ティミショアラ都護府副参軍。バビロン伯爵。エステルからは「シェラ」の愛称で呼ばれる。 褐色肌と紫色の瞳を持つ神秘的な女性。両親を早くに亡くし伯父のスレイマンに育てられた。吸血鬼(長生種)のほとんど住んでいないような地方を転々として育ったために人間(短生種)に好意的で、特に自身に仕える士民たちには家族同然の愛情を抱いている。 皇帝暗殺を計画していたスレイマンにそれと知らずに情報を流してしまい、心ならずも反乱に加担したことを悔いて士民数名とともに国外に逃亡したがイシュトバーン市警軍に捕らえられ、帝国との開戦を目論むイシュトバーン大司教ダヌンツィオから「聖女」エステルを暗殺するよう脅される。 ダヌンツィオの計画に沿いイシュトバーン解放記念式典を襲撃するも命令に背きエステルを連れて逃亡、陰謀阻止と人質にされた士民の救出のためともに行動する中で彼女を「我が友(トヴァラシュ)」と呼ぶ間での信頼関係を築く。しかし、最終的にダヌンツィオの陰謀を暴くも人質はすでに殺害され自身も深手を負い、最期はエステルが吸血鬼に協力したことで裁かれるのを防ぐため自分を殺させる。彼女の死によりよりいっそう「聖女」に祭り上げられたエステルは、人類と吸血鬼の対立をとめる決意を新たにする。 武器は圧縮素子により超振動を発生させ攻撃対象を崩壊させる篭手「銀の腕」(アーツケラーヴ)。 エンドレ・クーザ 声 - 千葉進歩 真人類帝国貴族のザグレブ伯爵。外見年齢は十歳程度の美少年(アニメ版では20代程度の青年)だが、実年齢は300歳の老人の域に達している。 性格は残虐かつ冷酷で、短生種の生き血を啜り、その死体でオブジェを造る様な完全な倒錯趣味を持つ。帝国で三百人以上の短生種を殺害し、教皇庁と帝国の間に戦争を起こそうと企てした事から、“帝国最悪の大量殺戮者”として追放されるが、それを逆恨みして、潜伏先のヴェネツィアでケンプファーの協力の下、教皇暗殺から最終戦争の引き金を引こうと企み、アストとアベルの手によって阻止された。その後、帝国への護送中にケンプファーの手で処分された。 帝国に追われる以前、アストと彼女のかつての“相棒”レン・ヤノーシュ伯爵令嬢に捕獲される寸前で、アストを人質にとって、レンを殺害した。彼女の死がアストにエンドレへの復讐に駆り立てる。 フェロン・リン 真人類帝国貴族のダマスカス侯爵にして、皇帝諮問機関の枢密司第三席を占める。腰まで届く黒髪と切れ長な瞳を持つアジア系の美女。穏健派であり、常に冷静かつ慎重な性格。“スレイマンの乱”事件解決後、次席枢密司に昇進した。 レヤード 真人類帝国のマケドニア公爵。六人いる枢密司の中でも最年少で、皇帝爆殺事件後の御前会議中に、枢密司間で決定したはずの方策に異議を唱えたスレイマンに怒りを向ける。 ヴァシュマール 真人類帝国貴族のナヴァリノ侯爵。枢密司の一人で、ミルカ、スレイマンに次ぐ高齢である。叛逆者とされていたアストが宮殿の議場に参入した際、真っ先に彼女を糾弾した。 ナヴァリノ侯爵家は現ギリシャのペロポネソス半島南西部ナヴァリノ湾とその島々を所領としており、武に秀でた家柄で優れた海将を輩出している。 ナズィム 真人類帝国貴族のガザ伯爵。枢密司の一人である巨漢で、“愛児達の島”で発生した爆破事件の後に貴族達にへの状況説明を行った。 ガザ伯爵家はエジプトの北東、パレスチナ地方の地中海沿岸部に位置するオアシス都市ガザ等を所領としている。 アガメムノン 真人類帝国貴族のミケーネ伯爵。帝国海軍の遠洋強襲艦“ネレイアデス”の艦長であり、責任感の強い高潔な人物であったが、イオンの名を語って艦を利用したディートリッヒの姦計により乗員全員と共に落命した。 ミケーネは現在のギリシャ、ペロポネソス半島にある都市で古代ミケーネ文明発祥の地。
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真人類帝国(ツァラ・メトセルート)
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アウグスタ・ヴラディカと呼ばれる指導者に率いられた吸血鬼(長生種)によって東欧、中東に建国された本作中唯一の非人類国家。作中の地図では国土は現在のトルコを中心にギリシャ、ブルガリア、ルーマニア、モルドバ、ウクライナ、キプロス、シリア、レバノン、イスラエルに相当するが、アジア、アフリカ部分に関してはもっと広範囲である模様(作中ではエジプトやメソポタミアも帝国領とされているほか、貴族の爵号には現在のイランやスーダンの地名も見られる。ただし、後者に関してはザグレブやマケドニアなど人類圏の地名も含まれているので「=帝国領」とは言い切れない)。 吸血鬼(長生種)が貴族として平民である人類(短命種)を支配しているが、数は全人口の一割にも満たない。作中の説明によれば、皇帝の絶対的な権威のもと二つの種族が共存する社会ということになっている(帝国臣民の短命種は皇帝に従属しており、その臣下である長生種とは本質的に平等とされる)。基本的には能力主義であり、短命種も本人の能力と努力しだいで「士民」として取り立てているためその点では封建的価値観や金権体質がはびこる人類圏よりも近代的といえる。ただし、絶対的権威である皇帝の存在抜きには成り立たないシステムであり、またあくまで長生種のほうが優れた種であるという前提にたっているため人類圏の標準的価値観からは到底受け入れられないものである。 教皇庁とは不倶戴天の間柄であり(アニメ版では両者の関係を双方とも政治や外交のレベルで捉えているなど冷戦期の米ソのような「敵国」という雰囲気)、約800年前の建国以来たびたび教皇庁の「十字軍」と交戦、これを退けているが、作中年代までの100年ほどは対外的に沈黙を保っている。 本作中で帝政を敷いている唯一の国家であり、作中での「帝国」はこれをさす。また、言語は人類圏とはまったく体系が異なる「帝国語」が用いられている(原型はルーマニア語の古文)。文化や作中での位置づけはオスマン帝国を彷彿とさせる国家だが、社会構造や政治システムは征服王朝のものを下敷きにしている。 ビザンチウム 真人類帝国の首都で、現在のイスタンブール。太陽光中の紫外線を反射、除去するドーム状のフィルター「瑠璃壁」で覆われ日中は常に夕焼けに近い状態であることから「黄昏の都」とも呼ばれる。 ボスポラス海峡をはさんでヨーロッパ側の金角湾南岸部(イスタンブール歴史地域)が星皇宮(サライ)と呼ばれる王宮(宮殿のみならず御前会議場や官庁など国政の主要施設も含む)、北岸部が帝国貴族(ボイエール)=長生種(吸血鬼)、アジア側が短生種(人間)のそれぞれ居住区画となっている。 愛児たちの島 帝国貴族の廟邸(墓)が立ち並ぶビザンチウム近海の島。「帝国」には宗教や魂、死後の世界といった概念が存在しないので、葬儀や追悼は純粋に故人を偲ぶ行為となっている。
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