アル【二】
ある【×或る】
あ・る【▽散る/▽離る】
あ・る【有る/在る】
読み方:ある
[動ラ五][文]あ・り[ラ変]
1 事物が存在する。「庭には池が—・る」「重大な欠陥が—・る」
2 その場所に存在する。位置する。「本社は東京に—・る」「沖ノ鳥島は日本最南端に—・る」
3 ある事柄がはっきり認められる。また、ある状態に置かれていると認められる。「非は先方に—・る」「土地は高値安定の傾向に—・る」「大国の影響下に—・る」
4 それによって決まる。それ次第である。左右される。「解決の糸口は相手の出かたに—・る」
5 (その存在を客観的、抽象的なものとして捉え)人が存在する。居る。「昔々、おじいさんとおばあさんが—・りました」「異を唱える人も—・る」
7 ある場所に身を置く。また、特定の位置・状態にいる。「現場に—・って指揮に当たる」「長年、会長の職に—・った」「病床に—・る」「逆境に—・ってもくじけない」
8 自分のものや付属として持っている。所持・所有している。「財産が—・る」「投票権が—・る」「バラにはとげが—・る」
9 身に付いたものとして持っている。中に持つ。備わる。含まれる。「教養が—・る」「貫禄が—・る」
10 ある考え・気持ち・感覚などを持っている。「お願いが—・る」「言いたいことが—・る」「かすかな痛みが—・る」
11 時間的、空間的に、その数量であることを表す。「開幕まで一週間—・る」「彼は一八〇センチ—・る」
12 事が起こる。事柄が発生する。出来(しゅったい)する。また、物事が行われる。「昨夜、地震が—・った」「土砂崩れの—・った現場」「これから重大発表が—・る」「一言、謝罪が—・ってもいいだろう」
㋐(引用の「と」を受けた「とある」の形で)…と書いてある。…という。…ということだ。「メモには午後二時に来社すると—・る」「命令と—・ればしかたがない」「死んだと—・ればあきらめもつく」
㋑(「とあって」の形で)状況・結果がそうであるので。…ということなので。「行楽シーズンと—・って道路が相当混む」「合意の上と—・っては反対もできない」
㋒(「だけある」「だけのことはある」の形で)それにふさわしい状態・結果が得られることを表す。「自慢するだけ—・ってよくできている」「さすが特訓しただけのことは—・る」
㋓(「ことがある」の形で)場合によっては…する、…の経験をしている、などの意を表す。「季節によってメニューの一部を変更することが—・ります」「富士には何回も登ったことが—・る」
㋔(「にあって」の形で)その範囲で、…において、の意を表す。「わが党に—・って随一の政策通だ」
(補助動詞)
㋐ある動作や行為などの結果が現在まで引き続いている意を表す。「花が生けて—・る」「ドアが閉めて—・る」
㋑何かに備えてすでに用意がなされていることを表す。「軍隊を待機させて—・る」「彼女には前もって伝えて—・る」
㋒(「…にしてある」の形で)そうなっていないが、そうなったものとみなしていることを表す。「心配をかけないように、元気でいることにして—・る」
2 動詞の連用形に接続助詞「つつ」を添えた形に付いて、動作・作用が継続して現在も行われていることを表す。「梅のつぼみがほころびつつ—・る」「月がのぼりつつ—・る」
3 名詞に助動詞「だ」の連用形「で」を添えた形に付いて、事柄の説明で、そのような性質をもっている、そのような状態・事態である、と判断する意を表す。「人間は考える葦(あし)で—・る」「トマトはナス科植物で—・る」
4 形容詞・形容動詞の連用形、または、その連用形に助詞を添えた形に付いて、そういう性質をもっている、そういう状態であることを言い定める意を表す。「常に美しく—・りたいと願う」「悲しくは—・るが、じっと耐えよう」
5 動詞の連用形や動作性の漢語名詞などに付いて、多く「お…ある」「御(ご)…ある」の形で、その動作をする人に対する尊敬を表す。「おいで—・れ」「御笑覧—・れ」
[補説] (1) 「ある」は、広く、五感などを通して、空間的、時間的に事物・事柄の存在が認められる意がおおもと。古くは「昔、男ありけり」〈伊勢・二〉のように、人に関しても用いたが、現在ではふつう人間・動物以外の事物についていい、人間・動物については「いる」を用いる。しかし、「予想外の参加者があった」「強い味方がある」など、人に関しても「ある」が用いられることがあり、この場合は人が概念化・抽象化した立場でとらえられていたり、所有の意識が認められていたりする。(2) 補助動詞としての「つつある」2は英語などの進行形の直訳的表現。文語の補助動詞「あり」は一部の副詞「かく」「しか」「さ」などや、助動詞の「ず」「べし」の連用形に付いて用いられることがある。「けり」「たり」「なり」「めり」などのラ変型活用の助動詞および形容詞語尾「かり」、形容動詞語尾「たり」「なり」などは、いずれも「あり」が他の要素と結合してできたもの。ふつう、存在する意の場合は「在」を、所有する意の場合は「有」の字を当てるが、かな書きにすることも多い。なお、「ある」の打消しは文語では「あらず」であるが、口語では「あらない」とはいわず、形容詞の「ない」を用いる。
[下接句] 余り物に福がある・上には上がある・腕に覚えがある・裏には裏がある・気がある・二度ある事は三度ある・残り物に福がある・花も実もある・一癖も二癖もある・身に覚えがある・脈がある・一年の計は元旦にあり・遠慮なければ近憂あり・壁に耳あり・烏(からす)に反哺(はんぽ)の孝あり・国破れて山河あり・心ここに在らず・沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり・死生命(めい)あり・信あれば徳あり・捨てる神あれば拾う神あり・生ある者は必ず死あり・積悪の家には必ず余殃(よおう)あり・積善の家には必ず余慶あり・男子家を出(いず)れば七人の敵あり・爪(つめ)に爪なく瓜(うり)に爪あり・敵は本能寺にあり・人間(にんげん)到る所青山あり・初め有るものは必ず終わり有り・鳩(はと)に三枝の礼有り・待てば海路の日和(ひより)あり・待てば甘露の日和あり・身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ・楽あれば苦あり・我思う故(ゆえ)に我在り
あ・る【▽生る】
あ・る【荒る】
畔蒜
姓 | 読み方 |
---|---|
畔蒜 | ある |
存在動詞
( ある から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/27 06:12 UTC 版)
存在動詞(そんざいどうし)とは、基本的には存在を表現する動詞のことをいう。 また言語によって異なるものの、名詞や形容詞などの補語を伴って主語の状態を表現したり(これを繋辞またはコピュラという)、助動詞として進行形や受動態を表したりすることもある。英語に代表させて他の印欧語族の語の同じ性格の動詞を包括的に be 動詞と呼ぶこともある[1][2]。
- 1 存在動詞とは
- 2 存在動詞の概要
究極超人あ〜る
ある
出典:『Wiktionary』 (2021/11/06 03:11 UTC 版)
語源
発音
動詞
- 存在する。(現在では一般的に「在」の字を当てるが、かな書きが多い。具体的な人や動物については いる、おる を用いる。)
- 有されている。(「有」の字を当てるが、かな書きが多い。)
- (「にある」の形で)ある状態・地位に置かれている。(「在」の字を当てるが、かな書きが多い。)
- 現象・動作が起こる。
- 時間がたつ。
- ややあって電話があった。
- そのように書いてある。記されている。読める。
- 可能性が残る。ありうる。(「可能性」を省略した言い方と解釈することもできる。)
- ありふれている。ざらにある。(口語)
- 理由となる。(口語)
- (「ことがある」「場合がある」などの形で)状況により、その事態が起こる意を表す。
- (過去の文脈で「ことがある」「経験がある」などの形で)過去の経験を表す。
- (「とあって」の形で)なので。
- (「とあっては」、「とあれば」の形で)そういうことであれば。なら。
- (「にあって」の形で)おいて。
- (「にある」の形で)によって決まる、帰着するという意を表す。
- (「だけのことはある」「だけあって」の形で)期待されるとおりだ。
- (「つつある」の形で)実現しようとしている、または継続中であるという意を表す。
- (「ともあろう人が」などの形で)そのような立場の人がという意を表す。
活用
用法
- 現代では、「ある」の否定に「*あらない」は使われない。形容詞の「ない」を用いる。ただし否定の強調表現として「ありはしない」「ありはせぬ」を用いることはでき、これは後述の方言とも関連する。文語では「あらず」となる。
- 丁寧な否定は「ありません」または「ないです」、その過去の形は「ありませんでした」または「なかったです」となるが、いずれも後者は口語的。
- 方言においては、近畿方言の「あらへん」のように「ある」を否定の形で使う地域が現代でもある。
関連語
翻訳
- イタリア語: essere (it)
- インターリングア: esser (ia), ser (ia)
- 英語: be (en)
- エスペラント: esti (eo)
- カタルーニャ語: ser (ca), estar (ca)
- 広東語: 係
- ギリシア語: είμαι (el) (eímai)
- グジャラート語: હોવું (gu)
- スウェーデン語: vara (sv)
- スペイン語: ser (es), estar (es)
- タガログ語: mayroon
- チェコ語: být (cs)
- 中国語: 是 (zh)
- 朝鮮語: 있다 (ko) (issda)
- ドイツ語: sein (de)
- ヒンディー語: होना (hi)
- フィンランド語: olla (fi)
- フランス語: être (fr)
- ブルガリア語: съм (bg) (sǎm)
- ブルトン語: bezañ (br)
- ポーランド語: być (pl)
- ポルトガル語: ser (pt), estar (pt)
- ロシア語: быть (ru) (bytʹ)
補助動詞
(V シテある)行為 (V) が行われ、行為前と行為後で何らかの変化が生じ、結果として何らかのもの、または何らかの状態が存在する。
(ここで「変化」とは、移動、生起、消滅その他の状態の変化、処置の完了、効果の獲得、目標の達成などを含む。)
- (N ガ V シテある:N は通常動詞 V のヲ格語となる名詞)行為 (V) の結果として、もの (N) が何らかの状態で存在する。
- (N ハ V シテある)
- (N1 ガ N2 ヲ V シテアル)行為者 (N1) が対象 (N2) に行為 (V) を行った結果の状態が存在する。
関連語
- いる、おく
連体詞
ある【或(る)】
動詞:生る
ある【生る】
活用
ラ行下二段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
あ | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
動詞:荒る
ある【荒る】
- 荒れる。
活用
ラ行下二段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
あ | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
発音
動詞:離る
- 離ればなれになる。
活用
ラ行下二段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
あ | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
動詞:有る
ある【有る】
- 「あり」の連体形。
在
在 |
或
或 |
有
有 |
「 ある」の例文・使い方・用例・文例
- 記憶とは過去から憶えている何かである
- 私には学校でピアノを教える資格がある
- 彼女には何か謎めいたところがある
- 太陽はまだ地平線の上にある
- 彼らのアパートは古道具屋の真上にある
- 彼女は右膝の上にほくろがある
- この橋から上流へ3キロのところに村がある
- 彼の死を巡ってあるうわさが広まっている
- 「happy」という語ではアクセントは第1音節にある
- 不注意で事故が起きることがよくある
- 君は自分自身の行動について責任がある
- その畑は約2エーカーの面積がある
- 道路の向こう側に木がある
- 道の向こう側に郵便局がある
- 彼女の音楽には文化を越えて訴えるものがある
- この川は河口のところで幅500メートルある
- 活気のある場所
- 経済は回復しつつあると私は本当に思っている
- その容疑者は住所不定である
- この眼鏡は調整する必要がある
- あるのページへのリンク