将棋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/03 20:10 UTC 版)
将棋のゲームとしての特質
盤面の状態の総数は1071程度と見積もられる[57]。これは、囲碁の10170程度[58]よりは小さいものの、チェッカーの1020程度[59]、リバーシの1028程度[59]、シャンチー(象棋)の1048程度[57]、チェスの1050程度[59]と比べて大きい値である。
また、ゲーム木の複雑性は、10226と見積もられている[57]。これは、囲碁の10400程度[57]よりは小さいものの、チェッカーの1031程度、リバーシの1058程度[60]、チェスの10123程度[57]、シャンチーの10150程度[57]よりも大きい値である。
なお、チェス、タイのマークルック、朝鮮のチャンギ、中国のシャンチーについて、ルールを理解し、すべて実際に指してみたという将棋棋士の羽生善治は、将棋に近いのは、タイのマークルックであると述べている[61][出典無効][62](ただし、後年には「よく似ているとまでは言えない」とも発言している[62])。羽生は、日本の将棋と他の将棋類とのあいだの大きな相違点として持ち駒(とった駒の再利用)を挙げている。このルールの相違により、他の将棋では序盤が激しく、駒数の減る終盤は静かな戦いになることが多いのに対し、いつまでも駒数の減らない将棋では終盤の攻防がきわめて激しいものとなるというゲームの質の決定的な違いを生んでいることを指摘している[61]。[出典無効][要出典]
以上のように複雑なゲームではあるが、コンピューターゲームとしては1980年代からソフトが発売されている。1989年のゲームボーイ用の将棋ソフトでは、AIのレベルによってはゲームボーイの電池残量との戦いになるほどの長考が行われるものの、初期のゲームボーイソフトのAIで既に弱すぎない出来となっていた[63]。
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- ^ a b “将棋の起源”. 朝日現代用語 知恵蔵2006. 朝日新聞社. (2006年1月1日). pp. 999-1000. ISBN 4-02-390006-0.
- ^ https://www.shogi.or.jp/faq/other/
- ^ 『日本将棋用語事典』 p.77 東京堂出版 2004年
- ^ 『日本将棋用語事典』 p.113 東京堂出版 2004年
- ^ 『日本将棋用語事典』 p.175-176 東京堂出版 2004年
- ^ 『日本将棋用語事典』 p.129 東京堂出版 2004年
- ^ 『日本将棋用語事典』 p.102 東京堂出版 2004年
- ^ a b 『日本将棋用語事典』 p.26-27 東京堂出版 2004年
- ^ a b c d 『日本将棋用語事典』 p.56 東京堂出版 2004年
- ^ “しゃ【車】 の意味”. goo辞書(デジタル大辞泉). 2017年1月25日閲覧。
- ^ 「歩成り」との区別から「ならず」と呼ばれることがほとんどである
- ^ 将棋の通常の対局ではまず発生しないが、自玉に王手がかかっていないが合法な指し手が存在しない(チェスでいうステイルメイト)場合については、合法手がないため負けが確定している。ただしその場合は詰みにならないため、実際に負けとなるのは、投了するか、持ち時間が切れるか、反則行為を行った時である。コンピュータ将棋などでは、ステイルメイトは詰みと同様とすることが多い。
- ^ 対局規定(抄録):日本将棋連盟
- ^ 毎日新聞・将棋「ツィート」『Twitter』、2018年10月20日。2018年10月21日閲覧。オリジナルの2018-10-21時点におけるアーカイブ。
- ^ 角・馬が移動できない位置に移動する、成れない状況で駒を成るなど。
- ^ 棋士・女流棋士・奨励会員。
- ^ “石橋幸緒女流王位がタイトル戦で角による豪快な「反則手」で勝局がふいになる”. 田丸昇公式ブログ と金 横歩き (2009年10月19日). 2013年6月19日閲覧。
- ^ “トップ棋士が「角のワープ」で反則負け 109手目の痛恨ミス(松本博文) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. 2021年1月4日閲覧。
- ^ “伝説の事件 - 第25回朝日オープン将棋選手権本戦第5局”. asahi.com (2007年1月9日). 2013年8月13日閲覧。
- ^ 対局者の「着手が30秒を超えており、考慮時間が消費されるべきである」との抗議で考慮時間が1回分消費されたが、対局時には反則であるという指摘はされなかった。テレビ放送後の視聴者からの抗議を受けて理事会で協議を行い、反則であるとされ次年度の銀河戦への出場停止などの処分が決定した(参考:加藤一二三九段、第14期銀河戦出場停止に(日本将棋連盟からのお知らせ))。
- ^ 日本将棋連盟でも、よくあるご質問にて、同じ指摘を行っている。なお、将棋とは異なり、チェスでは王手(チェック)をかける場合、強制ではないが慣習的に「チェック」と口頭で告げるべきとされている(王手#チェスの「王手」参照)。
- ^ NHKEテレ『将棋フォーカス』2017年10月22日・放送分でも解説されている。
- ^ ASCII.jpで公開されているPonanza電王戦バージョン(2016年)の駒の価値。
- ^ Bonanzaで公開されているBonanza 6.0(2011年)の駒の価値。
- ^ なお、コンピュータのつけた評価値は、内部の計算に用いるために大きな値(飛車1枚で1000点前後になるなど)となっているため、1%程度に縮小して棋士のつけた評価値とスケールを合わせている。
- ^ 羽生善治 『羽生善治の将棋入門』 河出書房新社、2015年。
- ^ 谷川浩司 『谷川浩司の本筋を見極める』 NHK出版、2007年。
- ^ 同じソフト・棋士でも、徐々に改良を重ねているため、本やバージョンによって数値は異なる。例えば、谷川浩司は過去の著書(谷川浩司 『将棋に勝つ考え方』 池田書店、1982年)では、歩兵=1点、香車=5点、桂馬=6点、銀将=8点、金将=9点、角行=13点、飛車=15点、と金=12点、成香=10点、成桂=10点、成銀=9点、龍馬=15点、龍王=17点としていたことがある。
- ^ 玉将(王将)については他のいかなる駒よりも常に価値が高いので、点数は「付けられない」あるいは「∞点」と表現される。ただコンピュータ将棋などでは便宜的に全40枚のうち玉将2枚を除いた38枚(金将以外全て成っている状態)の点数の総計より十分大きい有限の点数が設定されることがある。
- ^ 増川宏一『ものと人間の文化史 将棋』(法政大学出版局、ISBN 4-588-20231-6)では、明治時代初めに書かれた『将棋絹篩』([1])の序文などに見られるが、宋代の『太平御覧』にあるものをそのまま引き写したのだろうとしている(88ページ)。が、増川説に対しては、木村義徳「将棋の日本到着時期をめぐって:増川宏一説に対する批判」(『桃山学院大学総合研究所紀要』30-2)[2] (PDF) で、武帝説の起源は初唐の数種の史料に遡る点等を指摘し、批判している。
- ^ 増川の同書(88 - 89ページ)に、1690年の『人倫訓蒙図彙』、1746年の『本朝俗諺誌』、1755年の『象棋百番奇巧図式序』などに記述があると指摘している。
- ^ 木村義徳『持駒使用の謎』日本将棋連盟、2001年。ISBN 4-8197-0067-7。
- ^ 将棋棋士の大内延介は、著書『将棋の来た道』(めこん(文庫本は小学館)、ISBN 978-4-8396-0032-7)でマークルックを指した経験から、将棋との類似を指摘し、将棋の源流ではないかと主張している。
- ^ 前述の増川宏一らが、東南アジア伝来説を主張している。
- ^ 増川宏一『将棋の駒はなぜ40枚か』(集英社、ISBN 4-08-720019-1)、12 - 15ページ。出土資料そのものについては『木簡研究』16号(1994年)、「奈良・興福寺旧境内」(26ページ)参照。
- ^ 「平安将棋」の呼び名は、関西将棋会館にあった将棋博物館でも採用している(将棋史年表。このページでは木村義徳の説に従っている)。
- ^ 『遊戯史研究』6号(1994年)、清水康二「将棋伝来についての一試論」(12ページ)。これを紹介したサイトが日本中将棋連盟の古典将棋コラム九 日本将棋と仏教観にある。
- ^ 大内延介の『将棋の来た道』(小学館文庫版、ISBN 4-09-416541-X)に、大橋家文書に含まれていた碑文から同様の記述が見つかり、記述の信憑性が高まったと指摘している(35ページ)。
- ^ 村山修一『普通唱導集―翻刻・解説』法藏館、2006年。ISBN 978-4-8318-7558-7。「桂馬を飛ばして銀に替ふ」
- ^ 佐伯真一「「普通唱導集」の将棋関係記事について」『遊戯史研究』第5号、1993年。
- ^ なお、近年の研究によると、将棋所や碁所という役職は幕府公認のものではなく自称である。
- ^ 「国民百科事典4」平凡社 p21 1961年11月15日初版発行
- ^ ただし越智信義著『将棋文化誌』 (Kindle) では、萬朝報の将棋欄創設は1908年(明治41年)に掲載開始した「高段名手勝継将棋」開始時点とされている。
- ^ a b c d e 升田幸三『名人に香車を引いた男』223ページ「GHQ高官の度肝を抜く」より
- ^ http://ameblo.jp/professionalhearts/entry-10001276891.html などを参照
- ^ 「レジャー白書に見るわが国の余暇の現状」
- ^ 増川宏一『チェス』法政大学出版局〈ものと人間の文化史 110〉、2003年、13-14頁。ISBN 4588211013。
- ^ ホッジスをはじめとする西洋人の努力は増川宏一『将棋II』(法政大学出版局1985) pp.305-307 に簡単に紹介されている
- ^ Federation of European Shogi Associations
- ^ Shogi (Japanese Chess), GNU Operating System
- ^ Motif Shogi Pieces, The Chess Variant Pages
- ^ Shogi News: Internationalized shogi pieces - YouTube HIDETCHI(英語) - 他のデザインの国際駒のアイデアも紹介されている。
- ^ 将棋駒 国際駒 - 銘駒図鑑
- ^ Shogi Game Notation, Online Shogi Resources
- ^ Roger Hare (2019). A Brief Introduction to Shogi
- ^ 81Dojoの棋譜など
- ^ a b c d e f Yen, Chen, Yang, Hsu (2004) "Computer Chinese Chess"
- ^ “Combinatorics of Go”. tromp.github.io. John Tromp, Gunnar Farneback. 2018年12月22日閲覧。
- ^ a b c 美添一樹「モンテカルロ木探索-コンピュータ囲碁に革命を起こした新手法」『情報処理』第49巻第6号、2008年6月15日、 686–693。
- ^ Searching for Solutions in Games and Artificial Intelligence
- ^ a b 羽生「将棋の海外普及」(2011)
- ^ a b ガラパゴス的に進化した日本の将棋 羽生善治 将棋棋士|働き方・学び方|NIKKEI STYLE
- ^ 株式会社QBQ編 『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p16
- ^ “飛車角落ち とは”. コトバンク. 2013年5月1日閲覧。(原出典: 大辞林 (3rd ed.), 三省堂, (2006))
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