国民栄誉賞
1977年に創設された顕彰制度。顕著な業績を残し、国民的に敬愛されている人物を讃えて授与される。
国民栄誉賞は、国民栄誉賞表彰規程にもとづき、内閣総理大臣により授与される。表彰の対象は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」とされており、年齢や国籍、活躍した分野などは問われない。
国民栄誉賞の最初の受賞者はホームラン世界記録を達成した王貞治である。国民栄誉賞の創設の目的が、王貞治を顕彰するためだったとも言われている。王は学芸の分野には該当しがたいプロ野球選手であり、当時37歳、かつ、外国籍(台湾)であった。
歴代の国民栄誉賞受賞者の例として、美空ひばり、長谷川町子、千代の富士、黒澤明などがある。2011年にはサッカー女子日本代表(なでしこジャパン)が団体として初めて国民栄誉賞を授与された。
2013年4月1日には、元プロ野球選手および監督の長嶋茂雄と、元プロ野球選手・大リーガーの松井秀喜の両名に対して同時に国民栄誉賞が授与されることが決定している。
関連サイト:
国民栄誉賞について - 内閣府
こくみん‐えいよしょう〔‐エイヨシヤウ〕【国民栄誉賞】
読み方:こくみんえいよしょう
広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者または団体の栄誉をたたえるため、内閣総理大臣が授与する賞。昭和52年(1977)創設。第1回受賞者は王貞治。
国民栄誉賞(こくみんえいよしょう)
国民栄誉賞
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国民栄誉賞(こくみんえいよしょう)は、日本の内閣総理大臣表彰のひとつ。賞は1977年(昭和52年)8月に定められた国民栄誉賞表彰規程に基づいて授与され、当時の首相・福田赳夫により創設された。これまでに27人と1団体が受賞している[1]。
注釈
- ^ 1977年時点での内閣総理大臣顕彰受賞者は、国家事業・社会事業関係者がほとんどで、スポーツ分野でもオリンピック競技で連覇した代表選手に限られていた。
- ^ 当時は叙勲被推薦者たるには70歳を超えている事が必要であった。
- ^ この日の贈呈式において当時の内閣総理大臣・安倍晋三は巨人のユニフォームを着用し、審判役で参加している[10][11][12]。
- ^ a b 下山中に行方不明となった植村直己は没後扱いとする。
- ^ 没後受賞を含めると、最年長受賞は森繁久彌の満96歳没後。
- ^ 鳩山由紀夫首相の授与式における説明(“故森繁さんに国民栄誉賞贈呈 首相「国民に愛された」”. 日刊スポーツ. 共同通信 (全国新聞ネット). (2009年12月22日) 2021年11月22日閲覧。)
- ^ 受賞名義は『FIFA女子ワールドカップドイツ2011日本代表チーム』(平成23年11月4日付け『官報』号外第238号、24頁。)
- ^ 国民栄誉賞制定以前にも叙位によって故人の功績を称え追悼する法制度が存在する。大鵬幸喜は逝去後に国民栄誉賞と共に正四位に叙位されたことが公表されている。
- ^ 森光子の受賞は名目は放浪記の2000回公演、羽生善治や井山裕太についても永世七冠や二度目の七冠など記録達成が受賞のきっかけとしている。
- ^ 2013年に長嶋が受賞する方針になった際には、王が「授与されていないこと自体、不思議に思っていた」とコメントした
- ^ 2000年の森喜朗首相による高橋尚子への授与に際して。1つの内閣で2回、3回と授賞した例もある[49]。
- ^ 2011年、サッカー日本女子代表への授賞決定を受けての渡辺喜美発言
- ^ 2018年、安倍晋三による羽生結弦への授与に関して。
出典
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- ^ イチロー氏 4度目の「国民栄誉賞辞退」か 東京スポーツ2019年12月3日
- ^ イチロー「国民栄誉賞」4度目の辞退に安倍首相青ざめる FLASH2019年12月4日
- ^ 「W国民栄誉賞を打診?」 安倍首相がイチローに、菅官房長官はカズに面会で囁かれるウワサ 1/2 2/2 週刊文春2019年12月12日号
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- ^ 国民栄誉賞 基準あいまい 首相の政治判断大きく 毎日新聞2018年3月3日
- ^ “時事ドットコム2011年7月25日[リンク切れ]
- ^ “羽生結弦選手の国民栄誉賞にマツコ・デラックスが「安倍さんのスポーツの政治利用は度を過ぎてる」と批判
- ^ 「受賞者を苦しめる奇妙な賞」国民栄誉賞がイチローからも大谷翔平からも辞退されるワケプレジデント、全4ページ
- 1 国民栄誉賞とは
- 2 国民栄誉賞の概要
- 3 辞退した人物
- 4 授賞に係わる問題点
- 5 脚注
国民栄誉賞(個人史上最年少受賞)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:51 UTC 版)
「羽生結弦」の記事における「国民栄誉賞(個人史上最年少受賞)」の解説
今後は復帰を目指し治療に専念するとして、4月13日に開幕する自身初プロデュースの凱旋アイスショー『Continues ~with Wings~(コンティニューズ・ウィズ・ウィングス)』でも、トークのみで滑る予定はないと発表。しかし公演初日に、安静期間を無事に終えて3月下旬から氷上練習を再開した旨を報告。ジャンプは跳ばないものの、サプライズで45日ぶりに氷上での演技を披露した。4月22日に地元の宮城県仙台市でオリンピック連覇を祝う凱旋祝賀パレードが開催され、前回(2014年)を上回る、約10万8,000人(直近の仙台市の推計人口:108万3,148人(2018年4月1日時点) の約10分の1に相当)の観衆から祝福を受けた。今後は4回転アクセルへの挑戦を目標に掲げるも、次の北京五輪を目指すかとの質問への明言は避けた。来季はなるべく多くの試合に出たいとしている。なお欠場と棄権が続いたことから五輪以外の主要なポイントを獲得できず、2013年より保持し続けた世界ランキング1位の座から、約4年半ぶりに陥落することとなった。シーズン終了時点で3位となる。 6月1日に国民栄誉賞の授与が発表。仙台伝統の絹織物「仙台平」のはかま(人間国宝の甲田綏郎より贈られた)姿で授与式に臨み、7月2日に首相官邸にて安倍晋三より表彰状と盾を授与された。歴代27例のうち、冬季五輪の金メダリスト(冬季競技のアスリート)は史上初、また23歳6か月25日での受賞は個人 最年少となる。受賞者に与えられる規定の記念品は「皆さまを代表しての受賞という気持ちが大きく、僕個人の気持ちはあまり出したくない」という羽生の意向で辞退となった。受賞後は「ここまで切り開いてくださった方々がたくさんいる中で、代表として僕が頂いた」と感謝を述べたのち「この賞と、皆さまの期待とともに、これからも進んでいきたい」と語った。
※この「国民栄誉賞(個人史上最年少受賞)」の解説は、「羽生結弦」の解説の一部です。
「国民栄誉賞(個人史上最年少受賞)」を含む「羽生結弦」の記事については、「羽生結弦」の概要を参照ください。
「国民栄誉賞」の例文・使い方・用例・文例
- この記録のおかげで彼は国民栄誉賞を受賞しました。
- そして彼女達は国民栄誉賞を受賞した。
- 国民栄誉賞という表彰
- シドニー五輪で金メダルを獲得した後,高橋選手は国民栄誉賞を授与された。
- 森光(みつ)子(こ)さん,国民栄誉賞受賞へ
- 政府は森さんに国民栄誉賞を授与する予定だ。
- なでしこジャパン,国民栄誉賞を授与される
- 日本代表チームのなでしこジャパンは8月18日に国民栄誉賞を授与された。
- 政府は大鵬関に国民栄誉賞を贈ることを計画している。
- 長嶋氏と松井氏,国民栄誉賞受賞へ
- 政府は4月1日,長嶋茂(しげ)雄(お)氏(77)と松井秀(ひで)喜(き)氏(38)に国民栄誉賞を授与する予定であると発表した。
国民栄誉賞と同じ種類の言葉
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