方とは?

Weblio 辞書 > 品詞の分類 > 修飾語 > 接辞 > 接尾語 > の意味・解説 

けた【方】

[名・形動ナリ《「けだ」とも》四角な形。方形また、かどばったさま。

「—なる形に作りたる円柱の廊」〈鴎外訳・即興詩人


ほう【方】

[音]ホウハウ)(呉)(漢) [訓]かた まさに

学習漢字2年

[一]ホウ

起点から上下左右などに向かう直線向き。「方位方角方向方針方方(ほうぼう)・方面一方下方快方後方左方四方諸方西方前方双方他方当方南方八方両方

中心から四方伸び出た土地。ある範囲地域。「方外方言遠方地方

上下左右直線組み立てた形。四角。「方円方形方丈方眼紙正方形前方後円・直方体

まっすぐできちんとしている。「方正

ちょうどその時点にあたる。まさに。「方今

やり方。「方策方式方便方法

殊な技術調合法や医術。「方士方術医方漢方処方秘方薬局方

[補説] 歴史的仮名遣いを「ハウ」とするが、四角医方の意の場合は「ホウ」とする説も有力である。

[二]〈かた(がた)〉「裏方大方親方上方里方一方味方目方夕方

名のり]あたる・お・しげ・すけ・たか・ただし・たもつ・つね・なみ・のり・ふさ・まさ・まさし・み・みち・やす・より

難読]貴方(あなた)・吉方(えほう)・彼方(かなた)・彼方(あなた)・彼方(あちら)・彼方(あっち)・此方(こなた)・此方(こちら)・此方(こっち)・蘇方(すおう)・其方(そなた)・其方(そちら)・其方(そっち)・
何方(どなた)・何方(どちら)・何方(どっち)・方舟(はこぶね)


かた【方】

【一】[名]

方角方向。むき。「西の方を望む」

物事方向決着始末

時間上の方向。ころ。とき。時節。「来し方を思う」

方角を示すことによって間接的に》人をさす敬った言い方。「女の方」「乗り越しの方」

方法手段。「せん方もない」

対として考えられるものの一方人数を二組に分け場合にいうことが多い。

「—の人、男女居わかれて」〈・一四三

方面箇所。関係する点。

和歌の—にもいみじう染ませ給へり」〈栄花月の宴

そのようなありさま。ようす。

おのづから軽(かろ)き—にぞおぼえ侍るかし」〈源・帚木

【二】接尾

動詞連用形に付いて、方法手段また、ようす・ありさまなどの意を表す。「ひもの結び方」「車の混み方」

動詞連用形動作性の漢語名詞に付いて、…すること、の意を表す。「打ち方やめ」「調査方を依頼される」

他人氏名などに付いて、その人のもとに身を寄せていることを表す。「中村ん方」「田中太郎様方

数を表す語に付いて、人を数えるのに用いる。現在では、「お」を冠して、丁寧な言い方として用いられる。「おひと方」「おふた方」

《「がた」とも》名詞に付く。

二つあるものの一方の側、また、それに属する人を表す。「相手方」「母方

その物事を担当する係であることを表す。「まかない方」「会計方」

《「がた」とも》数量などを表す名詞に付いて、だいたいそのくらいの意を表す。「三割方安い」「八割片付いた」

方向の意を表す。

「いづ—に求め行かむ」〈伊勢二一


がた【方】

接尾

人を表す名詞に付いて、複数人々尊敬していう意を表す。「先生方」「奥様方」

時に関す名詞動詞連用形に付いて、だいたいその時分という意を表す。「暮れ方」「明け方

「かた(方)【二】56」に同じ。

→達(たち)[用法]


ほう〔ハウ〕【方】

方向方角方位。「西の方」「駅の方へ歩く」「声のする方を見る」「九州方に行く」

部門分野漠然と指す語。その方面。また、指し示すものをあいまいにするために使う語。「将来音楽の方へ進みたい」「その方では有名な人だ」「父は防衛省方に勤めています」「近ごろうちの方いかがですか」「効果の方はいかがなものでしょう

二つ以上あるもののうちの一つとりあげてさす語。「黒い方が好きだ」「もっと味を濃くした方がいい」「こちらの方が悪かった」

どちらかといえばこちらだという部類。「性質は臆病な方だ」

物のやり方。しかた。方法また、処方

「あの場合ああでも為(し)なければ—が付かないんだもの」〈漱石・門〉

四角また、正方形一辺長さ・距離を示す語。「方形」「方100里」

「—三間ばかりの狭き法廷」〈木下尚江良人の自白

[補説] 2から派生して、表現をあいまいにするためやぼかすために付ける、意味のない語としても用いる。「お料理のほうをお持ちしました」「お荷物のほう、お預かりします」
1990年代半ばくらいから若者の間にはやりだした。多用する話し方を「ほう弁」という。→とか →的


え〔へ〕【方】

接尾おおよそ位置方向時間などを表す。…のあたり。…のころ。「行(ゆく)方」「古(いに)し方」→へ(方)


べ【辺/方】

接尾⇒へ(辺)【二】


へ【辺/方】

【一】[名]

そのものにごく近い場所、また、それへの方向を示す。近く。ほとり。あたり。

大君の—にこそ死なめ」〈続紀聖武歌謡

多く「沖」と対句になって)海のほとり。うみべ。

「沖見ればとゐ波立ち—見れば白波さわく」〈・二二〇〉

【二】接尾名詞動詞連体形の下に付く。普通「え」と発音され、また濁音化して「べ」ともなる。

その辺り、その方向などの意を表す。「片(かた)—」「行(ゆ)く—」「海—(うみべ)」「—(みずべ)」

その頃の意を表す。「去(い)にし—」「春—(はるべ)」「夕—(ゆうべ)」


さま【様/方】

【一】[名]

物事や人のありさま。ようす。状態。「たなびく—が美しい」「物慣れた—に振る舞う

姿かたちかっこうまた、人の目に恥ずかしくない、それなりの形。→様になる

方法手段

物言ふ—も知らず」〈源・常夏〉

理由事情いきさつ

「なほおぼしとまるべき—にぞ聞え給ふめる」〈源・賢木

おもむき趣向体裁

臨時もてあそび物の…時につけつつ—を変へて」〈源・帚木

【二】接尾

人を表す語(名詞代名詞)または人名役職名団体名などに付いて、尊敬の意を表す。「お嬢—」「お殿—」「あなた—」「田中—」「社長—」「商店御一行—」

名詞形容動詞語幹に「お」「ご(御)」を冠したものに付いて、「…なこと」の意を丁寧に言い表す。ときに「お」「ご」を冠しないこともある。「お疲れ—」「お世話—」「お気の毒—」「ご苦労—」「はばかり—」

後世は「ざま」の形になる)

名詞に付いて、その方向、その方面という意を表す。「が横—に降る」

動詞連用形に付いて、ちょうど…するとき、…する折などの意を表す。「すれちがいひったくる

動詞連用形に付いて、そういう動作のしかたである意を表す。「二階から下へのけ—に落ちる」

【三】[代]《「きみさま」の略という。近世多く遊里語として用いた》

二人称人代名詞あなた。

これこれ大事の物ながら、—になに惜しかるべし」〈浮・一代男・一〉

三人称人代名詞。慕っている第三者をさす。あのかた

「賤(しづ)が思ひ夢ほど—に知らせたや」〈滑・膝栗毛・四〉

[下接語] 有り様如何(いか)様・上(うえ)様・お生憎(あいにく)様・お家様王様お蔭(かげ)様・お気の毒様奥様お子様お嬢様おしら様お世話様お粗末様お互い様お天道(てんと)様・お日様お部屋様お待ち遠様思う様・俺(おれ)様・上(かみ)様・神様貴様午前様ご馳走(ちそう)様・今日(こんにち)様・逆(さか)様・先(さき)様・様様(さまさま)・直(じき)様・十二様・上(じょう)様・直(す)ぐ様・先(せん)様・殿様取り様何様のの様・憚(はばか)り様・人様皆様皆皆様宮様若様(ざま)仰向(あおむ)け様・悪(あ)し様言い様生き様後ろ様・俯(うつむ)き様・永(えい)様・心様様様(さまざま)・為(し)様・死に様縦様次様続け様・外(と)様・寝様・仰(の)け様・美(び)様・平(ひら)様・無(ぶ)様・横様


み‐さかり【真盛り/方】

[名・形動ナリ《「みざかり」とも》ちょうどさかりであること。まっさかり

豊玉姫、—に産(こう)むとき竜になりぬ」〈神代紀・下〉


かた【方】

1 〔名〕

方向を示す。

(イ) (その方向に存在する具体的な物の名などを連体修飾語として伴ってその方向。

古事記(712)中・歌謡「はしけやし 我家(わぎへ)の迦多(カタ)よ 雲居立ち来(く)も」

万葉(8C後)五・八九二「父母の可多(カタ)に 妻子(めこ)どもは 足(あと)の方に 囲(かく)み居て」

(ロ) 方位方位を示す修飾語を伴うことが多いが、陰陽道でいう場合などは、単独用いられる。

古事記(712)中「南の方より廻り幸(い)でましし時」

*竹取(9C末‐10C初)「此の吹く風はよきかたの風なり、あしきかたの風にはあらず」

その場所地点

(イ) (人を表わす連体修飾語伴ってその人のもと。

伊勢物語(10C前)一九「昔、をとこ、宮仕へしける女の方に

俳諧奥の細道(1693‐94頃)黒羽黒羽館代浄坊寺何がし方に音信(おとづ)る」

(ロ) 場所。

土左(935頃)承平五年一月一六日だにも置かぬかたぞと言ふなれど波のなかには降りける」

更級日記(1059頃)「母、尼になりて、同じ家の内なれど、かた異に住み離れてあり」

二つ分かれたものの一方

(イ) 一方の側。人数を二組に分けたりする場合にいうことも多い。組。仲間

万葉(8C後)一三・三二九九(或本歌)「隠口(こもりく)の 初瀬の川の 彼(をち)方に 妹(いも)らは立たし 此の加多(カタ)に 我は立ちて」

源氏100114頃)絵合ひだりみぎとかた分たせ給ふ

(ロ) (その組、仲間の意から) 味方

両足院毛詩抄(1535頃)一六かまいて二心せいで武王のかたをせい」

抽象的に、ある方向をさし、その方に関する事物表わす連体修飾語を伴う。

(イ) その方面。それらに関する点。

(10C終)三三烏帽子物忌つけたるは〈略〉功徳のかたにはさはらずと見えんとにや」

栄花(1028‐92頃)月の宴「和哥のかたにもいみじうしませ給へり」

(ロ) そのような有様様子おもむき

源氏100114頃)帚木「あまりむげにうちゆるべ見放ちたるも、心安くらうたきやうなれど、おのづから軽(かろ)きかたにぞおぼえ侍るかし」

方丈記1212)「様(やう)変りて優(いう)なるかたも侍り

(ハ) そのようなこと、もの。

(10C終)一一九「思ひかはしたる若き人の中の、せくかたありて心にもまかせぬ

(5) 方角を示すことによって間接的に人をさしていう。敬意をもった表現で、方角、場所などを表わす連体修飾語や、その人呼称表わす語を伴ったり、敬意接頭語が付いたりする。

伊勢物語(10C前)二九春宮女御御方花の賀召しあづけられたりけるに」

*虎明本狂言夷大黒室町末‐近世初)「又それにみえさせ給ふはいかやうなる御かたにて候ぞ」

(6) 手段方法やりかた

*竹取(9C末‐10C初)「ある時はいはん方なくむくつけげなる物来て、食ひかからんとしき」

宇津保(970‐999頃)吹上上「ゆく春をとむべきかたもなかりけり今宵ながらに千世は過ぎなむ」

(7)時間的方向の意から) 頃。時節

仏足石歌753頃)「大御足跡を 見に来る人の 去にし加多(カタ) 千代の罪さへ 滅ぶとぞいふ 除くとぞ聞く

徒然草1331頃)四九「忽にこの世を去らんとする時にこそ、はじめて過ぎぬるかたのあやまれる事は知らるなれ」

2接尾

他人氏名などに付けその人のもとに身を寄せていることを表わす

鱧の皮(1914)〈上司小剣〉一「標札出しとくか、何々方としといて貰はんと困るな」

② 人を数えるのに用いる。現在ではきわめてていねいな、改まった表現で、「一(ひと)」「二(ふた)」「三(さん)」に尊敬の意を表わす接頭語「お」をのせた形にだけ付く。「おひとかた」「おふたかた」「おさんかた

源氏100114頃)夕顔いまひとかたは、ぬしつよくなるとも、かはらずうちとけぬべく見えしさまなるを頼みて」

数量などを表わす名詞に付いて、だいたいそのくらいの意を表わす。→方(がた)(二)

内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉八「程なうして印度米は、価格三割方(ガタ)下落せんず」

3語素

方向表わす

伊勢物語(10C前)二一いづかた求め行かむと門に出でて」

名詞や、動詞連用形などに付いて、ある一方の側、またそれに属する人たちを表わす。「売りかた」「買いかた」→方(がた)(一)②。

万葉(8C後)一三・三二九九(或本歌)「初瀬の川の 彼(をち)可多(カタ)に 妹(いも)らは立たし 此のかたに 我は立ちて」

浮世草子好色万金丹(1694)三「あの客はわたくし方の一旦那、大印子(おほいんつう)有にて」

名詞の下に付いて、それをする係であることを表わす主として近世に使われた表現で、敬意含まない。「まかないかた」「会計かた」「衣装かた」など。

上杉家文書明応六年(1497)七月五日大関政憲外三名連署役銭注文銭定可納分〈略〉一 壱貫九百文一之渡 此内二百奉納蔵本蔵人あつかい

動詞連用形に付いて、それをする方法の意を表わす。「書きかた」「作りかた」「教えかた」「買物のしかた」など。

(5) 動詞連用形、また動作性の漢語名詞に付いて、それをする意を表わす。「打ちかたやめ」「事件調査かたを頼む」

近世紀聞187581)〈染崎延房〉七「当春所持蒸気船亜人売払ひ方(カタ)に付家来村田蔵六花押これある証書を遣し」


がた【方】

1語素

① 時を示す名詞や、時間的なことを含む動詞連用形に付いて、だいたいその頃の意を表わす

伊勢物語(10C前)一〇一「詠(よ)みはてがたに、あるじの兄弟(はらから)なる、あるじし給ふ聞きて来たりければ、とらへて詠ませける」

方丈記1212)「六そぢの露、消えがたに及びて」

名詞に付いて、一方の側、また、その方角、所属仲間などであることを表わす。→方(かた)(三)②。

伊勢物語(10C前)六九「女がたよりいだす杯の皿に、歌をかきていだしたり」

平家13C前)二「大方は入道、院がたの奉公おもひきったり」

③ 人を示す名詞に付いて、敬意をもって複数であることを表わす。「皆様がた」「御婦人がた」「殿がた」

俳諧続猿蓑(1698)秋「明月や声かしましき女中方丹楓〉」

2接尾数量を示す名詞に付いて、だいたいそのくらいであることを表わす。→方(かた)(二)③。

*春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣履歴ばなし「婦人一生半分がた他人讒訴にて暮すなり」


けた【方】

〔名〕

① (形動四角な形。四角いさま。方形また、かどばったさま。

大唐西域記十二平安中期点(950頃)「況や方(ケタナル)をりて円なるに為しし世」

② (形動品行方正であること。かたいこと。律義であること。また、そのさま。

古文真宝抄(1525)一「賢者方正と云てけたに正直な者をば、当代は足に縄を付てさかさまに引く如に有天下の体ぞ」


ほう ハウ 【方】

〔名〕

方向方角方位。大体その方向に当たる所。かた。

宇津保(970‐999頃)楼上下「心細うかなしうあはれなるものの音〈略〉東たつみのはうよりきこゆ」

*金刀比羅本保元(1220頃か)中「いささか方(ハウ)を違へべし」〔詩経大雅・皇矣〕

物事をふたつに分けて見た場合に、その人や物、ことがらなどの属する側。

滑稽本浮世床(1813‐23)初「野暮と云はれて金をためた方(ホウ)が利方だの」

③ ある物事属するところ。部門方面。それらをわざとぼかしていうのにも用いる。

*春(1908)〈島崎藤村一一「『此処の払ひは奈何したら可からう』〈略〉『〈略〉吾儕(われわれ)の方で出して置くから』」

どちらかというとその傾向であることをいう語。たぐい。

和解1917)〈志賀直哉〉二「父が不愉快な顔をすれば、それだけ自分も不愉快な顔をする方だった」〔礼記緇衣

(5) たて・よこ長さが同じであること。また、その広さ四方平方

栄花(1028‐92頃)うたがひ「方四丁をこめて、大垣して瓦葺きたり」〔孟子恵王・下〕

(6)形動四角形四角また、そのさま。

今昔1120頃か)七「方なる石を磨て」〔墨子経上

(7) 正しいこと。品行方正。〔易経繋辞上〕

(8) しかた。

(イ) 方法。てだて。また、基準基準となるもの。

古本説話集(1130頃か)五八「すべきはうもなかりけるままに」

(ロ) わざ。術。技術

源氏100114頃)梅枝八条式部卿の御ほうを伝へて」〔史記扁鵲伝〕

(ハ) 調合法。処方

実隆公記明応五年(1496)七月三日昨日良薬可然之由問答、令見方了」〔論衡‐程材〕

[語誌]歴史的仮名遣いでは、「方」は、漢音呉音ともに「ハウ」とされるが、呉音には「ハウ」と「ホウ」の二つの音があった。(6)四角(8)の(ハ)処方医方の意味の場合に、合音ホウ」でよむことが多かったが、中世末より、この区別消失ていった


さ‐ま【様・状・方】

1 〔名〕

① 人の姿や形。また、顔つき身なり

*竹取(9C末‐10C初)「いといたく苦しがりたるさましてゐたまへり」

宇治拾遺(1221頃)九「御さまなども心うく侍れば」

物事やあたりの、ありさま様子。状態。

万葉(8C後)一八・四一〇六「父母を 見れば貴く 妻子(めこ)見れば かなしくめぐし うつせみの 世の理(ことわり)と かく佐末(サマ)に 云ひけるものを」

おもむき趣向体裁

古今(905‐914)仮名序僧正遍昭は、哥のさまはえたれども、まことすくなし

品格。がら。身のほど

*竹取(9C末‐10C初)「此度いかでかいなび申さむ。人さまよき人におはす」

宇治拾遺(1221頃)一二「かかる事な云そ。さまにも似ず、いまいまし

(5) 方法手段

書紀720神代上(水戸本訓)「其の祷(いのる)可(べ)き方(サマ)を計(はからく)」

(6) 理由いきさつ事情

源氏100114頃)空蝉「たびたびの御方違へにことつけ給ひしさまを、いとかういひなし給ふ

2代名〕 (「きみさま君様)」の略とも、また「かたさま方様)」「きさま(貴様)」の略ともいわれる江戸時代多く遊女と客の間で用いられた語。

対称相手に対し親愛気持をもって呼ぶときに用いる語。男女ともに用いた。

評判記吉原用文章(1661‐73)一四「かねのおと、はやかれかしと、ねがひ申たる事に候、とかくさまゆへにて候

他称話し手相手両者から離れ恋する人をさし示す語(遠称)。あのかた。ぬし。

浄瑠璃心中刃は氷の朔日(1709)上「手やきのかなづち煎餠様にしんぜて下さりませ」

3接尾

[一] (後世は「ざま」とも)

体言に付いて、その方向、方面の意を添える。向き。かた。

(10C終)一九七「雨のあしよこさまにさはがしう吹きたるに」

徒然草1331頃)二三八「ある御所さまのふるき女房の」

② 時を表わす体言に付いて、その時分その時になろうとする頃の意を添える。

康福記‐嘉吉二年(1442)七月一〇日「夕方様御隙候者、以面可申也」

動詞に付いて、そうする時、また、ちょうどその時の意を添える。

古今(905‐914)離別三八九「したはれてきにし心の身にしあればかへるさまには道もしられず〈藤原兼茂〉」

保元(1220頃か)中「力なくなをり様(サマ)にはなちたり」

動詞に付いて、そういう動作のしかたを表わす。方(かた)。様(よう)。ぶり。

*竹取(9C末‐10C初)「八島の鼎の上に、のけさまに落ち給へり」

天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「カノ ヒトノ イソポニ atarizamaga(アタリザマガ) ワルウテ」

[二] ((一)から転じたもの)

① 人の居所身分氏名添え敬意表わす語。室町時代から用いられ、「殿(どの)」より丁重表現であった。

義経記室町中か)八「若君さま御館御子と産れさせ給ふも」

多く接頭語「お(御)」「ご(御)」の付いた、体言または準体言添えて、「こと」の意味を表わす丁寧語

浄瑠璃夕霧阿波鳴渡(1712頃)上「久しぶり御無事なお顔お嬉しさまや」

[語誌](三)(二)①について) 「殿」の表わす敬意低下し、それに代わって「様」が使われるようになった。室町期においては「様」が最も高い敬意を表わし、「公」に続く三番目に「殿」が位置していた。江戸期には「様」の使用増加し、「様」から転じた「さん」も江戸後期には多用されるようになる。なお「殿」から転じた「どん」は、奉公人に対してだけ用い呼称という制約もあり、勢力拡大しないまま衰退したが、方言として敬意を示すのに使う地域もある。


み‐さかり【真盛・方】

〔名〕 (形動) (「みざかり」とも) 盛んであること。ちょうどさかりであること。また、そのさま。まさかりまっさかり真最中

書紀720神代下(鴨脚本訓)「豊玉姫、方(ミサカリ)に産(う)むときに、龍(たつ)に化為(な)りぬ」

古道大意(1813)上「その門流多く、今かやうに真盛(ミサカリ)と相成り」


へ【辺・方】

1 〔名〕 (時に濁音化して「べ」の形でも用いられる)

① あたり。ほとり。そば。

古事記(712)中・歌謡「をとめの 床の辨(ベ)に 我が置きし つるぎの太刀 その太刀はや」

海辺岸辺。海などの岸に近いあたりをさしていう。⇔沖。

書紀720神代下・歌謡「沖つ藻は 陛(ヘ)には寄れども さ寝床も 与はぬかもよ 浜つ千鳥よ」

2語素〕 (普通「え」と発音され、濁音化して「べ」ともなる) (名詞、または動詞連体形に付く)

① そのあたり、その方向などの意を表わす。「片(かた)え」「後(しり)え」「行(ゆ)くえ」「海辺」「沖べ」など。

その頃(ころ)の意を表わす。「春べ」「夕べ」「去(い)にしえ」など。

[補注](1)この「へ」は、上代特殊仮名遣では、甲類仮名が使われている。これと非常によく似た意味・用法をもつ、乙類の「へ(上)」があるが、一応、別語見るべきであろう。→「上(へ)」の補注。
(2)この「へ」は、格助詞「へ」の源にもなっている語。


読み方
かた
とくかた
ばん
ぱん
ふおん
ほう
ほん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/27 18:33 UTC 版)

(ほう)は、漢姓の一つ。






「方」の続きの解説一覧

出典:『Wiktionary』 (2021/12/03 14:08 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. かた)むき。側。
  2. かた)みち、てだて。
  3. かた)人を指し示す場合尊敬表現
    • こちらの方
  4. ホウ漠然とした方向指し示す
  5. ホウ対立する一方の側。
  6. ホウ複数あるもののうち特定のもの。
  7. ホウ比較において優勢な側を表す。
    • この服の方がいいと思う。
    • 本はよく読む方です。
    • やめといたほうが…。(「いいのではないか」などが省略されている)
  8. ホウ、古)人を指し示す表現

接尾辞

  1. がた複数の人に対す尊敬表現
  2. 人を丁寧に表現する言葉
  3. 住所などで、同居していることを示す言葉

熟語

手書きの字形について


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