ガラパゴス‐か〔‐クワ〕【ガラパゴス化】
ガラパゴス化
別名:ガラパゴス現象,ガラパゴス化現象,ガラパゴス症候群,ガラパゴスシンドローム
【英】Galapagos Effect, Galapagos Syndrome
ガラパゴス化とは、市場が外界から隔絶された環境下で独自の発展を遂げ、その結果として世界標準の流れからかけ離れていく状態を揶揄する表現である。
ガラパゴス化という表現は、2008年のはじめに、日本の携帯電話市場を形容するものとして登場した。日本の携帯電話は、通信方式においても、端末においても、独自に開発された先進的技術が採用されている。世界の携帯電話市場から見ると、日本の携帯電話は、技術的に傑出している。しかし、世界のデファクトスタンダードとなりつつある技術とはほぼ無縁の状態となっており、逆に世界市場における競争力が持てない状況を招いている。
2008年現在、日本では既に第3世代携帯電話が主流となっているが、世界の大半が採用している携帯電話の標準的な通話方式は、第2世代携帯電話のGSMである。また、世界シェア上位の端末製造メーカーとしては、Nokia、サムスン電子、Motorolaなど連なるが、日本のメーカーの端末の製造・販売台数を全て足しても、これらのメーカーと並ぶことはできない状況にある。
ガラパゴス化、という表現の土台となっているのは、南米大陸から1000km離れた赤道直下の孤島、ガラパゴス諸島の生物である。長い間、孤島には外敵が侵入してこない状態が続いたため、多くの生物種が淘汰されずに独自の進化を遂げ、固有種となっていることが知られている。
ガラパゴス諸島の固有種は生存競争力に乏しく、19世紀になって人間とともに外来種が侵入し始めて以降、種の存続が危ぶまれている。ガラパゴス化という言葉には、日本の携帯電話も、世界的競争力を失うだけでなく、将来的には国内の市場も世界標準に取って代わられるのではないか、という含みを持っている。
携帯電話だけでなく、非接触式ICカードや地上デジタル放送なども、世界標準と日本標準との間に乖離が存在しており、ガラパゴス化していると指摘されている。
参照リンク
未来ナビ「ガラパゴス化」する日本 - (野村総合研究所)
避けたい「ガラパゴス化現象」 - (静岡経済研究所)
ガラパゴス化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/21 03:27 UTC 版)
ガラパゴス化(ガラパゴスか)とは、日本のビジネス用語のひとつで、孤立した環境(日本市場)で製品やサービスの最適化が著しく進行すると、外部(外国)の製品との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い製品や技術が外部から導入されると、最終的に淘汰される危険に陥るという、進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞらえた警句である[要出典]。ガラパゴス現象、ガラパゴス症候群ともいう。国内向け製品・サービスに特化した進化[1]を遂げた産業分野[2]だけでなく政治分野にも使用される事が有る[3]。
- ^ なお当初から国際規格(または欧州など有力なブロック内規格)として制定、運用される場合にはデジュリスタンダードと言う。この文脈で表現する場合には以下、「」付きの『「デファクト」』として記述する。
- ^ スズキ・ダイハツの軽自動車は輸出や現地ブランド(デーヴ国民車(現:韓国GM)、マルチ(以上スズキ)、プロドゥア、アジア(キアに吸収)(以上ダイハツ)、プロトン(三菱)など)による排気量拡大版の海外生産の実績がある。また、2019年からは660ccのスズキ・アルトが660ccのままパキスタンでの現地生産も始まったほか、それ以前にもダイハツ・ミラの現地生産版であるプロドゥア・カンチル及びビバにも660cc車が存在した。
- ^ Apple社は世界での総数は発表しているが国別の出荷数は発表していない。日本のJAITAの統計は海外メーカーの出荷数を含んでいない。
- ^ 2023年現在の例として、パキスタンで現地生産されているHA36型スズキ・アルトが該当。
- ^ ボディサイズはほぼ5ナンバー枠に収まっているが、その排気量の大きさのため実際には3ナンバーである。
- ^ 1970年代の死亡事故増加、所謂第二次交通戦争に対処するため、道路交通法を所管する警察庁交通局がとった措置による。
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