フリック‐にゅうりょく〔‐ニフリヨク〕【フリック入力】
フリック入力
フリック入力とは、フリックと呼ばれるタッチパネル操作を利用して、日本語の入力を行う方式のことである。
一般的な携帯電話やスマートフォンでは、各行の「い」の段~「お」の段を入力するためにキーを複数回連打する必要がある。フリック入力の場合は、「あ」の段の周囲4方向にフリックすることで、各方向に割り当てられた「い」の段~「お」の段を入力することができる。
フリック入力は、AppleのiPod touchやiPhoneなどで主に採用されている。ソニー・エリクソンが製造したAndroidケータイであるXperiaも、ソフトウェアアップデートにより「POBox Touch」でのフリック入力が標準対応となっている。
フリック入力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/07 01:49 UTC 版)
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フリック入力(フリックにゅうりょく、flick input)とは、タッチスクリーン上で指を素早く動かしたり弾いたりして行う操作全般のこと。「フリック」(flick)とは、「素早く動かす、弾く」という意味であり、この場合、指のスライド(弾き)のことを表しており、タッチスクリーン操作全般に用いられる表現である。タブレットやタッチパネル式の液晶ディスプレイでのスライド操作のことを、単にフリックとも呼ぶ。
日本においては主にスマートフォンやタブレットのタッチパネルで採用されている、フリックにより行う日本語入力方式を指すが、日本以外ではほぼ利用されていない(詳細は後述)。
概要
日本語入力方式としてのフリック入力は、テンキー風に配置された各行のあ段(あかさたなはまやらわ)に対し、その周囲に十字型や扇形に他のい段・う段・え段・お段の4段を潜在的に配置し、あ段のキーを押してから指を目的の文字の方向に指をスライドさせて任意の文字を入力する方式である。フィーチャーフォンで一般的だった「あ段→い段→う段→え段→お段」と繰り返して押すトグル入力に比べて高速に入力できるため、スマートフォンの普及し始めた2010年頃から広く利用されるようになった[1]。
この方式の草分けとしては、1998年にNewton OS用に開発された日本語入力システム「Hanabi」[2][3]が挙げられる。その後、2008年にiPhoneが日本語入力にフリック方式を採用したことで、急速に一般化した。
OSの操作に使用されるフリック入力は、2007年1月発売のWindows VistaのHome Basicを除くエディションでペン フリックの名称で採用されている[4]。デフォルトでは上下左右の十字操作で、縦方向がスクロール、横方向がWindows Explorerやブラウザの戻る・進むの動作に割り当てられており、さらに詳細設定で斜め4方向も認識させることが出来、これらにコピー、ペースト、印刷などを割り当てることができる[5]。続く2009年10月発売のWindows 7では名称がWindows タッチ[6]へと変わり、フリックを含む操作も2本指に対応したタッチ ジェスチャと呼ばれ、ズームや回転なども扱えるマルチタッチに進化している[7]。また、スマートフォン向けの組み込みOSでは、Windows Phone 7から対応している。
フリック入力が可能な日本語入力システム
- iOS
- Android向けインプッドメソッドアプリケーション
- Google 日本語入力
- Gboard - Google日本語入力の後継システム
- POBox Touch
- OpenWnn(iWnn)系 - Simeji、OpenWnnフリック入力対応版、OpenWnn plusなど。
- Windows Phone 7.5以降
- ATOK(ATOK for iOS・ATOK for Android)
諸言語でのフリック入力
日本語入力ではフィーチャーフォン時代のトグル入力に代わり、スマートフォンの普及に伴いフリック入力が一般化して広く利用されているが、対して日本以外ではほとんど利用されておらず、実質的に日本語独自の入力方式となっている(いわゆるガラパゴス化)[8][9][10]。
英語をはじめとしたラテン文字圏では、QWERTY配列などのソフトウェアキーボード入力が一般的で[8]、さらに「スワイプ入力」(グライド入力・なぞり入力・ひと筆書き入力・ジェスチャー入力)と呼ばれる指を画面から離さないまま文字をなぞる入力方式が、素早い入力が可能なことから広く用いられている[8][9]。また、中国語圏ではQWERTY配列のソフトウェアキーボードによる拼音の入力(拼音入力方法)が[9]、韓国語圏でもハングルを構成する部品である字母をレイアウトしたソフトウェアキーボードによる入力方法(2ボル式)が一般的で[8]、いずれもスワイプ入力にも対応している[10]。
その結果、日本語以外の主要言語では一般的となったスワイプ入力による入力方式が、日本語入力システムでは提供されない状況を生んでいるとも指摘されている[10]。
また、日本以外で主流のQWERTY配列などのソフトウェアキーボードではスマートフォンなど小型端末では入力操作が難しくなる。これに対して日本語入力ではフリック方式が主流となったことから小型のスマートフォン端末が求められるなど、端末の選好性にも影響を及ぼしたという誤った見解があった[8]が、日本でも大型のスマートフォンが主流である[11][12]。
日本でフリック入力が一般化した要因としては、日本語の基本的な音素を整理した五十音図の「子音10行」×「母音5段」の構成と、フリック入力の「テンキーの10文字」×「上下左右・移動せずの5種類の動き」の折り合いが良いため普及したと考えられている[8][9]。
フリック入力に関連する特許
- 特許5210471 「文字入力システム」[13]
- 特許4694579 「文字入力システム」[14]
- 特許4907612 「文字入力システム」[15]
- 特許4979100 「文字入力システム」[16]
- 特許4969710 「文字入力システム」[17]
脚注
- ^ 若者のキーボード離れ加速 レポート・卒論でフリック入力も
- ^ “Hanabi (特許申請済:特許平10-285333)”. Newton工房. 2023年11月16日閲覧。
- ^ “フリック入力、元祖はスマホ登場前に 日本でガラパゴスに進化”. 日本経済新聞 (2025年6月30日). 2025年6月30日閲覧。
- ^ ペン フリックとは
- ^ ペン フリックをカスタマイズする
- ^ Windows タッチ
- ^ タッチ ジェスチャを使用する
- ^ a b c d e f 西田宗千佳 (2023年5月1日). “スマホの「フリック入力」から日本が見えてくる”. Impress Watch. 2025年1月4日閲覧。
- ^ a b c d オトナライフ (2024年8月22日). “フリック入力が主流なのは日本だけなの? 英語入力に適した「なぞり入力」とは”. Yahoo!JAPANニュース. 2024年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月4日閲覧。
- ^ a b c 遠藤諭 (2017年12月19日). “スマホの入力でも日本はガラパゴス、世界は《ひと筆書き》入力が主流だ”. プログラミング+. 2025年1月4日閲覧。
- ^ Inc, Nikkei (2021年9月16日). “スマホ大画面が主流、平均6インチ iPhoneは初代の2倍”. 日本経済新聞. 2025年8月26日閲覧。
- ^ “「ファブレット」がスマホ市場から消えたワケ 時代を彩った名機とともに考える”. ITmedia Mobile. 2025年8月26日閲覧。
- ^ “特許5210471 「文字入力システム」”. J-PlatPat 特許情報プラットフォーム. 文献固定アドレス用結果一覧. 2023年11月27日閲覧。
- ^ “特許4694579 「文字入力システム」”. J-PlatPat 特許情報プラットフォーム. 文献固定アドレス用結果一覧. 2023年11月27日閲覧。
- ^ “特許4907612 「文字入力システム」”. J-PlatPat 特許情報プラットフォーム. 文献固定アドレス用結果一覧. 2023年11月27日閲覧。
- ^ “特許4979100 「文字入力システム」”. J-PlatPat 特許情報プラットフォーム. 文献固定アドレス用結果一覧. 2023年11月27日閲覧。
- ^ “特許4969710 「文字入力システム」”. J-PlatPat 特許情報プラットフォーム. 文献固定アドレス用結果一覧. 2023年11月27日閲覧。
関連項目
固有名詞の分類
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