捜索救難
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捜索救難(そうさくきゅうなん、英語: Search and Rescue:SAR)とは、危機的状況にある人物を捜索して救い出すことである[1]。
歴史
世界初の捜索救難は1656年にオランダの商船 Vergulde Draeck がオーストラリアで座礁したのに端を発する[2]。
捜索救難の種類
山岳救助
山岳救助は山岳地帯や砂漠や森林に特化した捜索救難運用が行われる。
日本においては、主に消防の山岳救助隊や警察の山岳警備隊、地元山岳会や民間の救助隊が山岳救助の任務を行う。また、これらの救助隊では救出が困難な場合や二重遭難などで、航空機による救助が必要な場合は、航空自衛隊の救難隊(航空救難団)が災害派遣要請などにより出動する。
御在所岳で滑落した山岳遭難者を救出する三重県の消防防災ヘリコプター
都市における捜索救難
災害などが発生した場合、都市部においても捜索救難が行われる。一般的な事態に対しては警察や消防組織(日本においては、主に消防の特別救助隊や特別高度救助隊、いわゆるレスキュー隊)が対処するが、大規模災害が発生した場合は軍隊が投入されることもある(日本の場合、自衛隊の災害派遣がこれに相当する)。
東日本大震災被災地で活動する緊急消防援助隊愛媛県隊
アメリカ同時多発テロ事件
世界貿易センタービル(WTC)で活動する消防隊員
戦闘における捜索救難
戦闘捜索救難(英語: Combat Search and Rescue: CSAR)は戦時下において、前線もしくは敵の勢力圏内に不時着した航空機の乗員を捜索し救出することである。例えば米空軍の場合はこの任務には通常、医療資格と空挺資格を持ち、更に選抜され特殊部隊隊員と同等の訓練を経て資格を得た専門の戦闘救難員(パラジャンパー、Para Jumper PJ)が充てられる。これは救助に当たっては天候地形昼夜を問わず一刻を争う状況に対応するためである。また状況に応じて特殊部隊員がこの任に充てられたりサポートする場合も少なくない。不時着した乗員に対する敵方の捜索以前に救出することが求められ、作戦には救出を阻止する敵と交戦する状況もある。ただしほとんどの場合は交戦規定により極力戦闘は避け、武力の行使は自衛と救出活動の遂行にやむを得ない場合のみとされる。
戦闘捜索救難任務を行う航空機にはヘリコプターが主に用いられるが、各種固定翼機の支援を受けることが普通である。救難ヘリコプターは全天候かつ昼夜地形を問わず任務を遂行することが要求されるため、夜間暗視装置や赤外線探知装置、地形追従レーダー等が装備されるなど夜間や低空における飛行能力を強化しているほか、空中給油能力を備えるものもある。
日本では航空自衛隊の航空救難団救難隊がその役割を担っている。
2019年10月より海上自衛隊でも航空救難隊から選抜で戦闘救難員相当の育成が始まっており、近い将来、救難隊の組織改編が行われる予定である。
戦闘捜索救難に使われている、または使われていた西側の主な航空機は以下のとおりである:
- HH-3E ジョリー・グリーン・ジャイアント
- HH-53B/C スーパー・ジョリー・グリーン
- HH-60 ペイブ・ホーク
- CH-47 チヌーク
- ユーロコプター AS 532
- UH-60J ブラックホーク(航空自衛隊仕様)
水難救助
水難救助、または空海救助(ASR)とは海難事故等に遭遇した水上の人物を救助することである。
日本においては、民間機の航空機救難は、国土交通省東京空港事務所長の要請により主に航空自衛隊航空救難団救難隊が出動している。また、海上部においては海上保安庁、平野部・山岳部・河川部は警察と消防の水難救助隊、沿岸部・港湾部は海上保安庁、警察、消防が担う。これらの機関が対処困難であったり、要請された場合には、災害派遣要請を受けた航空自衛隊や海上自衛隊の捜索救難部隊なども救助活動に加わる。また、緊急を要する場合や都道府県知事の要請があれば、同様に自衛隊の部隊が投入される。
US-1飛行艇を用いた海難救助訓練
脚注
- ^ Canadian Forces (1998年5月). “B--GA--209--001/FP--001 DFO 5449 NATIONAL SAR MANUAL”. 2008年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月12日閲覧。
- ^ Major, R. H. (editor) (1859) Early Voyages to Terra Australis, Now Called Australia, The Hakluyt Society, London (2001 facimile edition on Google Books)
関連項目
外部リンク
- 捜索救難 - Curlie(英語)
- Rotary rescue Extract from Jane's Defence Weekly article(3 August 2006)
- InternetSAR.org Volunteer Project
- NASAR.org National Association for Search and Rescue(U.S.)
- South African Search and Rescue Organization
- New York Search And Rescue
- National Association of Volunteer Search And Rescue Teams - ウェイバックマシン(2009年5月1日アーカイブ分)
- Wilderness Search and Rescue (Cape Town South Africa) - ウェイバックマシン(2004年1月27日アーカイブ分)
- Royal National Lifeboat Institution (United Kingdom and Ireland - Waterborne SAR)
救難
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 04:08 UTC 版)
名瀬に残された被害艦船の状況はさまざまであった。まず護衛艦の状況を見ると、「長寿山丸」は自力での離礁を試み、9月20日23時35分に離礁に成功したが、舵機故障で人力操舵に頼らなければならず、護衛任務からは外されて他の被害船の救難作業に従事したのち、9月25日に名瀬を出港して佐世保に回航された。「真鶴」は浸水を免れたものの、満潮時で3メートルに足らない水深しかなく、20日中の離礁作業は引出に失敗。9月26日に再度離礁を試みて、18時に離礁に成功する。ビルジキールが損傷したのみで航海に支障はなく、10月上旬に高雄に回航されて台湾航路の護衛任務に従事ののち、10月10日から25日まで佐世保海軍工廠で修理を受けた。また、加入船のうち、「武豊丸」は9月29日6時ごろに離礁してビルジキールが屈曲したほかは異常はなく、「極洋丸」の便乗者と積荷を乗せて古仁屋に回航された。「鵬南丸」は船体がサンゴ礁に乗っかり、周囲のサンゴ礁と岩礁を爆破しつつ離礁作業を進め、10月15日6時30分に離礁。タンクに亀裂が入るなどの被害があったものの致命傷とはならず、長崎に曳航されて修理を受けた 残る「極洋丸」、「江蘇丸」および「丹後丸」の被害はあまりにも大きかった。「江蘇丸」は船体を右に10度ほど傾け、船底部の破損も甚だしいことから、早々に救難の見込みがないと判断された。再調査では再生の可能性もゼロではないと見込まれたものの、最終的に放棄された。「極洋丸」は「鵬南丸」以上に船体を押し上げられており、船底は全長にわたって大破し、機関室なども大破して浸水が甚だしかった。離礁作業は日本海難救助の見立てでは「相当困難ニシテ且ツ長期間ヲ予想」しているが、「船齢若キ優秀船ニシテ損傷ハ比較的軽微ニ付此ノ際救助ヲ強行」する予定であった、しかしながら、「極洋丸」も最終的には放棄され、1944年(昭和19年)12月15日付で除籍・解傭された。「丹後丸」も船底が全長にわたって大破し、水深はわずかに2メートル程度しかなかった。積荷の移動も一時はままならなかったが、最終的には大部分を移動することができた。10月28日に最初の離礁作業が行われたが、船首が動いたのみで失敗。以後、6度にわたって離礁が試みられたが成功せず、そのうちに11月13日朝になって潜水艦の雷撃を受けて大破する。魚雷命中により「丹後丸」の浸水の度合いは増し、11月18日になって離礁作業をいったん断念して昭和19年に入ってから作業が再開されるも、昭和19年5月12日に作業打ち切りが通告されて船体放棄が決定した。
※この「救難」の解説は、「第197船団」の解説の一部です。
「救難」を含む「第197船団」の記事については、「第197船団」の概要を参照ください。
「救難」の例文・使い方・用例・文例
- 救難作業
- 船客たちは救難船に乗り移った.
- 救難用具
- 救難浮子
- 救難帯
- 警備と救難のため巡視に当たる船
- 捜索し救難すること
- 災害の際に救難や復旧活動を指揮する船舶
- 災害救助船という,災害の際に救難や復旧活動を指揮する船舶
- 不時着時には,衛星を使った救難信号発信装置で専用機を捜し出すことができる。
- ベン・ランドール(ケビン・コスナー)はアメリカ沿岸警備隊の伝説の救難士だ。
- ここでは最高のスイマーしか入学を許されず,そのうちのほんのわずかな者だけが実際に救難士になれるのだ。
- ベンはジェイクを救難士にするために全力をつくす。
- 彼らは特殊救難隊の隊員である。
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