救難とは? わかりやすく解説

きゅう‐なん〔キウ‐〕【救難】

読み方:きゅうなん

災害にあった人や遭難者を救うこと。「—訓練


捜索救難

(救難 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/24 08:54 UTC 版)

捜索救難を行うカナダ空軍CH-149

捜索救難(そうさくきゅうなん、英語: Search and Rescue:SAR)とは、危機的状況にある人物を捜索して救い出すことである[1]

歴史

世界初の捜索救難は1656年にオランダの商船 Vergulde Draeckオーストラリアで座礁したのに端を発する[2]

捜索救難の種類

山岳救助

救助ロープ訓練

山岳救助は山岳地帯や砂漠や森林に特化した捜索救難運用が行われる。

日本においては、主に消防山岳救助隊警察山岳警備隊、地元山岳会や民間の救助隊が山岳救助の任務を行う。また、これらの救助隊では救出が困難な場合や二重遭難などで、航空機による救助が必要な場合は、航空自衛隊救難隊航空救難団)が災害派遣要請などにより出動する。

都市における捜索救難

災害などが発生した場合、都市部においても捜索救難が行われる。一般的な事態に対しては警察消防組織(日本においては、主に消防特別救助隊特別高度救助隊、いわゆるレスキュー隊)が対処するが、大規模災害が発生した場合は軍隊が投入されることもある(日本の場合、自衛隊災害派遣がこれに相当する)。

戦闘における捜索救難

戦闘捜索救難英語: Combat Search and Rescue: CSAR)は戦時下において、前線もしくは敵の勢力圏内に不時着した航空機の乗員を捜索し救出することである。例えば米空軍の場合はこの任務には通常、医療資格と空挺資格を持ち、更に選抜され特殊部隊隊員と同等の訓練を経て資格を得た専門の戦闘救難員(パラジャンパー、Para Jumper PJ)が充てられる。これは救助に当たっては天候地形昼夜を問わず一刻を争う状況に対応するためである。また状況に応じて特殊部隊員がこの任に充てられたりサポートする場合も少なくない。不時着した乗員に対する敵方の捜索以前に救出することが求められ、作戦には救出を阻止する敵と交戦する状況もある。ただしほとんどの場合は交戦規定により極力戦闘は避け、武力の行使は自衛と救出活動の遂行にやむを得ない場合のみとされる。

戦闘捜索救難任務を行う航空機にはヘリコプターが主に用いられるが、各種固定翼機の支援を受けることが普通である。救難ヘリコプターは全天候かつ昼夜地形を問わず任務を遂行することが要求されるため、夜間暗視装置や赤外線探知装置、地形追従レーダー等が装備されるなど夜間や低空における飛行能力を強化しているほか、空中給油能力を備えるものもある。

日本では航空自衛隊航空救難団救難隊がその役割を担っている。

2019年10月より海上自衛隊でも航空救難隊から選抜で戦闘救難員相当の育成が始まっており、近い将来、救難隊の組織改編が行われる予定である。

戦闘捜索救難に使われている、または使われていた西側の主な航空機は以下のとおりである:

水難救助

夕暮れのSAR艦艇

水難救助、または空海救助(ASR)とは海難事故等に遭遇した水上の人物を救助することである。

日本においては、民間機の航空機救難は、国土交通省東京空港事務所長の要請により主に航空自衛隊航空救難団救難隊が出動している。また、海上部においては海上保安庁、平野部・山岳部・河川部は警察と消防の水難救助隊、沿岸部・港湾部は海上保安庁、警察、消防が担う。これらの機関が対処困難であったり、要請された場合には、災害派遣要請を受けた航空自衛隊や海上自衛隊の捜索救難部隊なども救助活動に加わる。また、緊急を要する場合や都道府県知事の要請があれば、同様に自衛隊の部隊が投入される。

脚注

  1. ^ Canadian Forces (1998年5月). “B--GA--209--001/FP--001 DFO 5449 NATIONAL SAR MANUAL”. 2008年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月12日閲覧。
  2. ^ Major, R. H. (editor) (1859) Early Voyages to Terra Australis, Now Called Australia, The Hakluyt Society, London (2001 facimile edition on Google Books)

関連項目

外部リンク


救難

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 04:08 UTC 版)

第197船団」の記事における「救難」の解説

名瀬残され被害艦船状況はさまざまであった。まず護衛艦状況を見ると、「長寿山丸」は自力での離礁試み9月20日23時35分に離礁成功したが、舵機故障人力操舵に頼らなければならず、護衛任務からは外されて他の被害船の救難作業従事したのち、9月25日名瀬出港して佐世保回航された。「真鶴」は浸水免れたものの、満潮時で3メートル足らない水深しかなく、20日中の離礁作業引出失敗9月26日再度離礁試みて18時に離礁成功するビルジキール損傷したのみで航海支障はなく、10月上旬高雄回航されて台湾航路護衛任務従事ののち、10月10日から25日まで佐世保海軍工廠修理受けたまた、加入船のうち、「武豊丸」は9月29日6時ごろに離礁してビルジキール屈曲したほかは異常はなく、「極洋丸」の便乗者と積荷乗せて古仁屋回航された。「南丸」は船体サンゴ礁に乗っかり、周囲サンゴ礁岩礁爆破しつつ離礁作業進め10月15日6時30分に離礁タンク亀裂が入るなどの被害があったものの致命傷はならず長崎曳航されて修理受けた 残る「極洋丸」、「江蘇丸」および「丹後丸」の被害あまりにも大きかった。「江蘇丸」は船体を右に10度ほど傾け船底部の破損甚だしいことから、早々に救難の見込みがないと判断された。再調査では再生可能性ゼロではないと見込まれたものの、最終的に放棄された。「極洋丸」は「南丸」以上に船体押し上げられており、船底全長わたって大破し機関室なども大破して浸水甚だしかった離礁作業日本海救助見立てでは「相当困難ニシテ且ツ長期間予想」しているが、「船齢若キ優秀船ニシテ損傷比較的軽微ニ付此ノ際救助強行」する予定であったしかしながら、「極洋丸」も最終的に放棄され1944年昭和19年12月15日付で除籍解傭された。「丹後丸」も船底全長わたって大破し水深わずかに2メートル程度しかなかった。積荷の移動一時はままならなかったが、最終的に大部分移動することができた。10月28日最初離礁作業が行われたが、船首動いたのみで失敗以後6度わたって離礁試みられたが成功せずそのうち11月13日になって潜水艦雷撃受けて大破する。魚雷命中により「丹後丸」の浸水度合い増し11月18日になって離礁作業をいったん断念して昭和19年入ってから作業再開されるも、昭和19年5月12日作業打ち切り通告され船体放棄決定した

※この「救難」の解説は、「第197船団」の解説の一部です。
「救難」を含む「第197船団」の記事については、「第197船団」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「救難」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

救難

出典:『Wiktionary』 (2021/08/02 12:35 UTC 版)

名詞

  (きゅうなん)

  1. 災害遭った遭難者救助すること。

翻訳


「救難」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「救難」の関連用語

救難のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



救難のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの捜索救難 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの第197船団 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの救難 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS