救難員課程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 22:20 UTC 版)
救難員は、航空自衛隊員の中からの志願者で、部隊長推薦を受けて選抜試験に挑戦・合格したものである。試験を受験するための資格要件は、28歳以下の空曹または空士長であり、特技職の中級(5レベル)以上の特技を付与されていて、長期勤務の意思が強固で、かつ、勤務成績が優良な者とされている。選抜試験では面接試験と適性検査、航空身体検査および水泳実技が行われる。募集回数は年1回、1回あたりの募集定員は4-5名程度といずれも少なく、試験の倍率は少なくとも5倍という狭き門である。 この結果に基づいて、まず救難降下訓練生の要員が選抜され、小牧基地の救難教育隊において救難員(衛生)課程に入校する。自衛隊病院での応急手当訓練のほか、降下課程を控えていることもあり、特に小牧基地での導入訓練では降下のための体力練成が重視される。衛生課程を修了すると救難降下訓練生として正式に指定され、陸上自衛隊での委託課程である基本降下課程を経て、約24週の救難員課程を履修する。ここでは、救難員業務や航空機取り扱いについての座学のほか、航空士として航空機の搭乗や点検について学習する。 海上行動に備えた訓練として、プールでの基本泳法や水上安全法、スキンダイビング、スクーバダイビングを学び、仕上げに海での総合実習を行う。このうち、特にスキンダイビングの訓練については、スクーバダイビングの基礎となる部分であり、意図的に一番負荷がかかるようにされていることもあり、救難員課程のなかでも最も過酷な部分とも評される。そして陸上行動に備えた訓練として、登攀や懸垂下降、救助技術を学んだのち、夏季山岳と積雪地でそれぞれ総合実習を行って、卒業となる。
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