【ノーター】(のーたー)
- シングルローター式ヘリコプターにおいて、ローターのトルクを打ち消す方法の一種。
マクダネル・ダグラスのヘリコプター部門(現MDヘリコプターズ)が開発した。
比較的低圧の圧縮空気をテイルブームに付けられたスリットから噴射し、メインローターのダウンウォッシュと組み合わせて、コアンダ効果によるアンチトルクを発生させる。
テイルローターを用いるよりも危険が少なく、振動や騒音も小さく、運動性や安定性も高いうえ、機構も簡単なので信頼性も高く、製造コストや整備コストは安い。
ただしホバリング時の推力効率がダクテッドファン以上に悪いうえ、巡航時には効果がなくなるためヨー操縦を方向舵に頼る必要があり抗力も大きく、全般的に燃費が悪くなる。
また特許をMDヘリコプターズが持っていることもあり、普及はほとんど進んでいない。
これまでの実用機はMD520N / MD600N / MD900 / MD902のみである。
- マクダネル・ダグラスが1.を取り入れた初の実用機、MD520Nの愛称。
MD500Eをベースに設計された。
参考リンク:http://www.mdhelicopters.com/v2/md_520n.php
ノーター
ノーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/19 22:22 UTC 版)
ノーター( NOTAR , NO TAil Rotor の頭字語 )とは、他の多くの「単一の主回転翼」〔メインローター〕型式のヘリコプターが備えるテールローターに相当する飛行装置の一形式の名称。
- ^ ノーターシステム解説(日本語)
- ^ http://www.kulikovair.com/Notar.htm
- ^ a b Frawley, Gerard: The International Directory of Civil Aircraft, 2003-2004, page 155. Aerospace Publications Pty Ltd, 2003. ISBN 1-875671-58-7
- ^ 鈴木英夫著 「図解ヘリコプター」 BLUEBACKS 講談社 2001年10月20日発行第1刷 ISBN 4-06-257346-6
- 1 ノーターとは
- 2 ノーターの概要
- 3 ノーター採用機種
ノーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:16 UTC 版)
ノーター ではテールブーム基部のファンにより低圧縮高ボリュームの空気をテールブーム内に送り込む。この空気の一部を(メインローターが反時計回りの場合)テールブーム右側からテールブームに沿って下方向に噴出させ、テールブームの周りにコアンダ効果を利用した気流の循環を作り、メインローターから吹き下ろされるテールブーム左右の空気流に速度差が生じ、擬似翼型を成型することにより空力的揚力(エアロダイナミクスリフト)を発生させ、反トルクを得る。 テールブーム後端にはヨーコントロールペダルによりコントロールされるダイレクトジェット噴出口があり、横方向のコントロールに使用される。 ホバリング中のエアロダイナミクスリフトと、ダイレクトジェットによる反トルク効果は50%程度であるが、前進飛行速度が40-95km/mぐらいでは、吹き降ろす風が斜めになるためにブーム側面のサーキュレーション・ジェットは効果を失い、後端からのダイレクト・ジェットだけが有効となる。ただ、このくらいの速度からは後端の垂直安定板が風を受けることでトルクを打ち消す効果が生じるため、エンジン駆動のファンを弱くして燃費向上に寄与することが出来る。また、騒音や振動が少なくなるという利点もある。
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