【シングルローター】(しんぐるろーたー)
回転翼機において、メインローターを一組のみ装備する形式。
ローターが多いと重量が増加し、抗力増大の原因にもなるため、回転翼機のほとんどはこの方式である。
ヘリコプターの場合はメインローターの発生する反作用トルクを相殺する必要があるため、テイルローターと呼ばれる小さなローターと組み合わせて用いるのが一般的である。
この方法はシコルスキー社の設立者であるイゴール・シコルスキーによって発明され、これによってヘリコプターの設計自由度は大幅に向上した。
(ノーターと呼ばれる、テイルローターを用いない方式も存在する)
シングルローターの実用化において画期的だったのは、回転面の左右におけるローターピッチの制御である。
機体の速度を上げると、ローターは左右のブレードで対気速度に差が出てくるため、揚力が偏ってしまう。
従来の機体はローターを偶数面持ち、互いの回転方向を逆にすることで釣り合いを取っていた。
シコルスキーは機体の速度が上がるにつれ、対気速度の速くなる側のピッチを浅くし、遅くなる側のピッチを深くすることで、揚力の偏りを改善した。
これにより、ツインローターでなくとも揚力の偏りでロールしてしまう現象を防げるようになった。
関連:タンデムローター
シングルローター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:16 UTC 版)
最も一般的な形式。大型機種や特殊なヘリを除けば、ほとんどがメインローターが1つのシングルローター機である。構造が簡単で部品数が減り、重量も軽くできるなどの利点があるが、トルク相殺用のテールローターが不可欠で、それにも馬力を振り分ける必要がある(前進飛行時に約3 - 4%;ホバリング時に約10%)。テールローターが地上で人員や障害物と接触する危険がある(ヘリコプターの事故は、アメリカ陸軍の統計によると26%がテールローターが原因とされる[要出典])、重心移動の範囲が狭い、大型ヘリコプターではメインローターの寸法が大きくなる、などの不利な点もある。テールローターの安全性の改善にはノーターやフェネストロンもある。
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シングルローターと同じ種類の言葉
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