大嘗祭
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大嘗祭(だいじょうさい、おおにえまつり、おおなめまつり)は、日本の天皇が皇位継承に際して行う宮中祭祀であり、皇室行事。
注釈
- ^ 新嘗祭もまた、この翌年から例年斎行されるようになる。
- ^ 旧暦のままでは新年の1月になる場合があり、新嘗祭に支障があるため。新嘗祭は、明治6年の新暦11月の卯の日であった11月23日に固定された。
- ^ a b c ただし、令和の大嘗祭では、経費削減のため正殿の屋根は板葺きにされた。
- ^ ただし、天武天皇(悠紀:播磨国・主基:丹波国)、持統天皇(悠紀:播磨国・主基:因幡国)、文武天皇(悠紀:尾張国・主基:美濃国)、聖武天皇(悠紀:備前国・主基:播磨国)の時は東西の原則は当てはまっていない。(加茂正典『日本古代即位儀礼史の研究』(思文閣出版、1999年) ISBN 978-4-7842-0995-8 第1篇第2章及び第5篇第1章)
- ^ この斎田の選定を行う都合上、践祚が8月(旧暦)以降になる場合、大嘗祭は翌年に行われていた[43]。
- ^ なお、粟については一部の県が供納できず、平成の大嘗祭では35都府県、令和の大嘗祭では25都道府県にとどまった。(神社新報、令和元年10月21日付 p.5)
- ^ 令和の大嘗祭における庭積の机代物の一覧については大嘗祭の儀関連資料-7.庭積の机代物(特産品の都道府県別品目) (PDF) を参照
- ^ 宮内庁によると、厚生労働省と協議の上で安全に食べられると判断した精米や大豆、干しシイタケなど29品目を週内にも国立障害者リハビリテーションセンターに提供するものの、生鮮食品など、傷む可能性があるものは従来通り埋納するという。
- ^ 白平絹で巾子(こじ)に纓(えい)を結びつけたもの。
- ^ 湯の花のようなもので、これを手に付けて流すことにより手水としたと思われる。
- ^ 悠紀国/主基国の地名を入れて詠まれた短歌に、それぞれの地域の謡を参考に作曲したもの。
- ^ a b 悠紀殿の儀に際しては悠紀国、主基殿の儀に際しては主基国のものをそれぞれ行う。
- ^ 犬の遠吠えの声。今日の能におけるシテの登場の際の掛け声に名残が残されている。
- ^ この件に関して後円融天皇の大嘗祭の記録である『永和大嘗会記』には「金銀の立派な器」を用いないのは「神代の風俗倹約」を理由に挙げているが、安江和宣は『大嘗祭神饌御供進儀の研究』のp.6で『古事記』の応神天皇の条に「天皇豊の明り聞し看す日、髪長比売に大御酒の柏を握らしめて、其の太子に賜ひき」とあることから、倹約ではなく我が国の太古からの風俗と反論し、その古い姿が今も厳然と行われていることを挙げ、大嘗祭は「わが国が世界に誇る貴重なしかも尊い最高の伝統文化なのである」と結論づけている。
- ^ 2019年4月30日に放送されたNHKスペシャル『日本人と天皇』では悠紀殿での儀式の様子が再現されている。それによると、天皇は神饌を柏の葉で作られた32の皿に1時間半ほどかけて盛り付ける「親供」を行っているという。
- ^ これらの撤下神饌は、埋納される。
- ^ 忌部氏の祖の太玉命は天孫降臨に随行した神とされ、その孫の天富命は神武天皇の即位の折に鏡剣を捧持して正殿に奉安したとされている。
- ^ 「タメ」は「田部」で、両国の田部の生産にかかる物の意であるとされる。
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出典
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- ^ 斎忌(悠紀国)と次(主基国)とその卜定について史上初めて言及されるのは『日本書紀』巻第29の天武天皇5年の相嘗祭と新嘗祭に関してであるが、即位後最初の大嘗祭は天武天皇2年に既に行われている。
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- ^ 「大嘗祭」 儀式の内容から歴史までを詳しくNHK
- ^ 今夜から「大嘗宮の儀」 終了はあす午前3時NHK
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2019年7月26日). “大嘗宮建設中に東御苑公開 大嘗祭へ理解促す 警備に工夫も” (日本語). 産経ニュース. 2019年9月1日閲覧。
- ^ 大嘗宮の一般公開始まる 開門と同時に1400人 朝日新聞 2019年11月24日
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