ウィリアムソン:ピアノ・ソナタ第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ウィリアムソン:ピアノ・ソナタ第3番 | Sonata No.3 in A | 作曲年: 1958年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第一楽章:Caminhando(Allegretto) | No Data | No Image |
2 | 第ニ楽章:Sonhando (Poco lento) | No Data | No Image |
3 | 第三楽章:Brincando (Mesto) | No Data | No Image |
作品解説
第一楽章:Caminhando(Allegretto)
第ニ楽章:Sonhando (Poco lento)
第三楽章:Brincando (Mesto)
とあるアマチュアのフォルテピアノ愛好者からの委嘱を受け、1958に作曲。ハイドンの様式に着想を得た小さなソナタ。完成後委嘱者は他界。作曲から5年後に1度だけ、ピアノソナタ第4番の第2、第3楽章として同楽曲同楽章を挿入し演奏されるが、ウィリアムソンはこの作品が同時代のグランドピアノには不向きと考え、未発表作品群に埋没させていた。30年後、豪州ヴィクトリア州出身のピアニスト、アントニー・グレイの協力により再び作品は息を吹き返す。ウィリアムソンも1993年メルボルン大学にて全曲初演となる。
当初のピアノフォルテ用という用途が反映されて、彼の第1、第2ソナタとは全く異なる曲想。愛らしく叙情的だが、どこか浮遊感の漂うウィットに飛んだ雰囲気。最終楽章は変奏曲。主題は7音のみの極めて単純な旋律だが、変奏部は軽やかで動きが多い。最終変奏はコラールで、楽曲全体をしっとりと締めくくる。
ピアノ・ソナタ第3番
ジーグマイスター:ピアノ ・ソナタ 第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ジーグマイスター:ピアノ ・ソナタ 第3番 | Piano Sonata No. 3 |
ブラームス:ピアノソナタ 第3番 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブラームス:ピアノソナタ 第3番 ヘ短調 | Sonate für Klavier Nr.3 f-Moll Op.5 | 作曲年: 1853年 出版年: 1854年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro maestoso | 11分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante espressivo | 13分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Scherzo: Allegro energico | 5分00秒 | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Intermezzo (Ruckblick Andante molto) | 4分00秒 | No Image |
5 | 第5楽章 Mov.5 Finale: Allegro moderato, ma rubato | 8分00秒 | No Image |
作品解説
5楽章からなる。その第2楽章と第4楽章は、他楽章よりも前に完成しているが、全体は、1853年秋から冬にかけて、シューマンの住むデュッセルドルフでかきあげられた。しかし、ブラームスは満足せず、その後も改定を加え、なかでも、終楽章には大きな変更を加えた。
作品1と作品2のソナタよりも大きな規模をもっており、ブラームスはこの作品5でピアノ・ソナタの終着駅にたどりついたと考えたようである。全体は、第1楽章を基本的なモットーにして統一されている。
第1楽章:アレグロ・マエストーソ、ヘ短調、四分の三拍子。ソナタ形式。第1主題の最初の進行には、これ以後のブラームス作品でしばしばみられる、ブラームスのモットーのF-A-F(Frei aber froh “自由にしかし喜ばしく”の各語のイニシャルにもとづく)の萌芽がすでにみられる。このモットーはヨアヒムのモットーF-A-E(Frei aber einsam“自由にしかし孤独に”)から思いついたものである。
第2楽章:アンダンテ・エスプレッシーヴォ、三部形式による。変イ長調、四分の二拍子。
ブラームスは、この第2楽章の最初に詩人シュテルナウの「若き恋」という詩の一節を標題として掲げている。大意は次のとおりである。
「黄昏はせまり、月は光り輝く
そこに二つの心が、愛で結ばれて
互いによりそい、抱き合う。」
この楽章は、独立して演奏されることもあった。
アンダンテ・モルトの結尾部のなだらかな旋律は、後にワーグナーが「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のハンス・ザックスの歌に流用したと伝えられている。
第3楽章:アレグロ・エネルジーコ、スケルツォ。ヘ短調。
第2、第4楽章はいろいろな意味で対になっており、また、第1楽章は第5楽章に密接に関連しているので、全曲は、この第3楽章を中心にして、対照形のようになっている。
第4楽章 アンダンテ・モルト、変ロ短調、四分の二拍子。この楽章は、「間奏曲(インテルメッツォ)」と記されている。また、ブラームスは「回顧」という副題をおいている。これはシュテルナウの詩の題名である。この曲にはブラームスがライン地方の旅行のときに会ったある少女に対する想い出がこめられているという説がある。
切れ目なく次の楽章に続く。
第5楽章:アレグロ・モデラート・マ・ルバート、ヘ短調、八分の六拍子。ロンド形式で、A-B-A-C-A-結尾という形をとっている。その主題は、第3楽章のものと密接に関連しており、また、ヘ長調の第1副主題はヨアヒムのモットーにもとづく。最後の結尾は、カノンを用いて壮大な頂点を築きあげる。
ウェーバー:ピアノ・ソナタ 第3番 ニ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ウェーバー:ピアノ・ソナタ 第3番 ニ短調 | Sonate für Klavier Nr.3 Op.49 | 作曲年: 1816年 出版年: 1817年 初版出版地/出版社: Schlesinger |
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 | Sonate für Klavier Nr.3 C-Dur Op.2-3 | 作曲年: 1793-95年 出版年: 1796年 初版出版地/出版社: Artaria |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 1.Satz Allegro con brio | 10分00秒 |
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2 | 第2楽章 2.Satz Adagio | 8分00秒 |
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3 | 第3楽章 3.Satz Scherzo | 3分00秒 |
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4 | 第4楽章 4.Satz Allegro assai | 5分30秒 |
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作品解説
草稿、自筆譜ともに失われているため成立年代の特定は難しいが、おそらくop.2-1および2-2を完成させたのちにヴィーンで完成したと思われる。op.2の3曲は共に師であるハイドンに献呈されているが、この第3番は前2作と比べると、少々間に合わせの感が否めない。しかし中間楽章の調性の選択や、ぎこちないながらも動機操作にこだわったソナタ形式楽章の内容は、後の我々のよく知るベートーヴェンを十分に予感させる。また、第1楽章後半のリピートは省略されている。
(第1楽章)ハ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
[提示部]
3度の重音によるトリル風の音型をもつ主要主題で開始される。主題の後半ではスフォルツァンド(sf)記号によって第2拍目にアクセントが移される。バス声部で主題の確保、分散和音による推移を経て、副次主題がまずト短調であらわれる。続いてト長調でもう1つの副次主題が提示される(注)。この2つの副次主題は、ボン時代に作曲した《ピアノ三重奏曲》WoO.36-3からの転用である。
推移部の楽想や主要主題のトリル風の動機の発展、オクターヴ奏でのシンコペーション動機を経て属調でコデッタは終止する。
[展開部+再現部]
まずトリル風の動機が反復され、次に分散和音の音型が繰り返されてニ長調へ転調する。この分散和音はおそらく推移部の動機を発展させているのであろうが、あまりうまい関連づけとはいえない。主要主題とスフォルツァンドによるシンコペーション動機を組み合わされて展開する。
属和音上にトリル風の動機が繰り返されて再現部を導く。確保に当たる部分は変形されており(第147小節~)、コデッタにおけるシンコペーション動機とスフォルツァンド記号によるシンコペーションの強調は全て提示部における素材に由来しているが、なんともぎこちない。副次主題はともにハ短調/長調で再現されるが、コーダは拡大されている。
[コーダ]
まず変イ長調(同主短調のVI度調)へ、ドミナント和音から偽終止進行で転調すると、これまでの動機とは関連の無い分散和音が繰り返され、ハ長調のドミナント(I度の第2転回形)へ回帰するが、これもカデンツァ風の楽句によって引き伸ばされる。この和音上にこうした楽句が挿入されるのは、再現部の直前やコーダの直前に習慣的に演奏されるカデンツァ、またはアインガングを実際に記譜したものとも考えられよう。
後年ベートーヴェンが自作の協奏曲のカデンツァを全て書き残したことを考えれば、この楽句はこうした文脈でとらえるのが妥当であろう。
このカデンツァ風楽句の後に主要主題がもう1度あらわれ、提示部のコーダと同様に楽章をしめくくっている。
(第2楽章)ホ長調 4分の2拍子
主要楽章のハ長調に対し、アダージョの第2楽章がホ長調で書かれていることは、3度関係で調性を構築する後年のベートーヴェンの様式を先取している。2つのセクションが交互にあわられる5部分形式。形式を図式化すれば[A-B-A-B-A]。
第1部は付点リズムに特徴づけられる動機と和声的な書法による動機からなる主題による。第2部はホ短調で、分散和音を背景として上声部と下声部に楽想が展開される。冒頭の主題が回帰する第3部を挟んで、第4部は第2部の楽想が短縮されてあらわれる。再び冒頭主題が回帰する第5部では、主題が若干発展しながら収束する。
(第3楽章)ハ長調 4分の3拍子 スケルツォ
前作op.2-2と同様、メヌエットにかわってスケルツォが用いられている。1拍半のアウフタクトをもつ動機が主部を支配しており、1小節を3拍を刻む動機と組み合わせられることでリズムの対比がなされている。リズム上の仕組みは、次の八分の六拍子のフィナーレを予感させているのかもしれない。
トリオは分散和音の音型の中に、第3拍目を強調するパターンが組み入れられている。ダ・カーポ後のコーダでは半音が強調されたパッセージが繰り返される。こうした音楽作りは優雅なメヌエットでは成し得ず、ベートーヴェンがメヌエットにかわってスケルツォを導入したのは、彼の音楽的な要求からの必然であったのかもしれない。
(第4楽章)ハ長調 8分の6拍子 ロンド・ソナタ形式
ロンド・ソナタ形式のフィナーレは、急速に上昇する6の和音による主要主題によって開始され、続いて3度順次下降する和声の上に装飾的なパッセージが置かれる。
属調(ト長調)で特徴的なリズムによる分散和音の副次主題提示、主調での主要主題回帰の後に下属調(ヘ長調)で新たな主題が提示される。
この新主題は和音の転回と順次下降する和音によっており、主要主題の反行形と考えられる。これがバス声部などに置かれて展開された後、主要主題、副次主題の再現部を経てコーダに到達する。
コーダは拡大され、長いトリルをともなって主要主題がもう1度展開され、この動機を幾度も反復して楽曲をしめくくる。
第3番のソナタは、動機の関連づけへの傾倒とコーダの拡大など独創的な側面を追及しながらも、ボン時代の作品の主題の転用などもあり、「間に合わせ」のような印象も受けるが、こうした若書きの中にみられる独創的な部分は、どれも後年のベートーヴェンに固有な特徴につながっていることは興味深い。
(注)このような副次主題を複数もつソナタ形式楽章は、モーツァルトにもハイドンにもみられる。研究者によっては、ソナタ形式を論じる際に用いる「第1主題」と「第2主題」という言葉にまどわされて、「どちらが真の第2主題か」などという議論を繰り広げる者もいるが、こうした考え方は19世紀後半になって楽式論上でソナタ形式を簡潔に説明するために生み出されたものである。よって、ベートーヴェンのソナタ形式の主題が2つしか存在できない理由など無く、ここでの同一主音上の長短調による主題は両方ともに「主題」であるといってよい。
コルンゴルト:ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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コルンゴルト:ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 | Sonate für Klavier Nr.3 in C-Dur Op.25 | 作曲年: 1930年 献呈先: Julius Bittner |
チェルニー(ツェルニー):ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調
シューマン:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 | Grande sonate pour le pianoforte Nr. 3 f-Moll Op.14 | 作曲年: 1835-1836年 出版年: 1836年 初版出版地/出版社: Haslinger |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 8分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Scherzo | 6分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Quasi variazioni: Andantino de Clara Wieck | 8分30秒 | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Prestissimo possibile | 7分00秒 | No Image |
作品解説
シューマンのピアノソナタの中では最も大きな規模をもっている。この曲が楽譜として刊行されたときに、出版業者ハスリンガーの希望で「管弦楽のない協奏曲」と命名された。
初版刊行のために準備された銅版は、二つのスケルツォ楽章をもつ五つの楽章によって構成されていたが、これが実際に印刷されたかどうかは明確ではない。
「管弦楽のない協奏曲」と命名、刊行された初版は、二つのスケルツォ楽章が割愛され、三楽章で構成されていた。
第二版では、初版で割愛したスケルツォのうち一つを復活させ、「第三番グランド・ソナタ」と銘打って出版された。これが、今日演奏されているものである。
管弦楽的な多様な色彩感をもった華やかな作品。
作品全体において、第三楽章に重点がおかれている。これは恋人クララの作曲したロマンスを主題に用いた変奏曲で、この冒頭の動機によって曲全体が関連づけられている。
第一楽章:アレグロ
7小節の力強い序奏をもつ。ソナタ楽章。第一主題は、クララの動機に基づく。
第二楽章:スケルツォ
クララの動機に基づく下降形の主楽想で始まる。
第三楽章:変奏曲風に
「クララ・ヴィークのアンダンティーノ」と、その四つの変奏曲。
クララの父親に交際を禁じられていたシューマンの、彼女への熱い想いを感じさせる。
第四楽章:プレスティッシモ・ポッシービレ
めまぐるしい気分の変化をもつフィナーレ。
ルビンシテイン, アントン:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ルビンシテイン, アントン:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ長調 | Piano Sonata No.3 in F major Op.41 | 作曲年: 1855年 初版出版地/出版社: Breitkopf, Hamelle |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 アレグロ・リゾルート・エ・コン・フォーコ Mov.1 Allegro risoluto e con fuoco | No Data | No Image |
2 | 第2楽章 アレグレット・コン・モト Mov.2 Allegretto con moto | No Data | No Image |
3 | 第3楽章 モデラート・アッサイ Mov.3 Moderato assai | No Data | No Image |
4 | 第4楽章 モデラート Mov.4 Moderato | No Data | No Image |
作品解説
ルビンシテイン(1829-1894)はロシアを代表するピアニストである。ポーランド系ユダヤ人とドイツ系ユダヤ人の間に生まれたルビンシテインは、音楽史上、「五人組」とは対極に位置づけらルことが多い。とは言え、ピアニストを中心とした演奏家にとどまることなく、ロシアで最初の音楽の専門教育機関、サンクト・ペテルブルク音楽院の創設やロシア音楽協会の創立に携わるなど、ロシアの音楽事情に幅広く貢献している。
ルビンシテインはピアノ・ソナタを4曲作曲している。この第3番は、遅くともヨーロッパを演奏旅行していた1855年には完成されたと考えられている。恐らく、24-25歳の時(1853-1854)に書かれたと推測されている。尚、後年、ルビンシテイン自身が速度表記を主体とした改訂を行っている。
第1楽章はアレグロ・リゾルート・エ・コン・フォーコのヘ長調で、4分の3拍子で書かれている。そして、ソナタ形式の形をとっている。第1テーマは、付点によるリズムが特長的である。第2テーマはまず、主調と長3度の関係にある変イ長調で提示され、コラール風の音楽を示す。展開部では、主として第1テーマが扱われる。
第2楽章はコン・モートのイ短調で、4分の2拍子で書かれている。そして、3部形式の形をとっている。この楽章の改訂前の速度表記は、アッレグレット・コン・モートであった。スケルツォ楽章の性格を有しており、スタッカートとレガートを対比させる手法が効果的に用いられている。
第3楽章はモデラート・アッサイのハ長調で、4分の3拍子で書かれている。そして、ある種のロンド形式の形をとった緩徐楽章となっている。この楽章の改訂前の速度表記は、アンダンテであった。
第4楽章はモデラートのヘ短調で、2分の2拍子で書かれている。そして、展開部のないソナタ形式の形をとっている。この楽章の改訂前の速度表記は、アレグロ・ヴィヴァーチェであった。タランテラの性格を持つ第1テーマと、和音の連打が特徴的な第2テーマが提示される。第1主題を同主長調にあたるヘ長調で示して晴れやかに曲を閉じる。
カバレフスキー:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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カバレフスキー:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ長調 | Sonata for piano No.3 in F major Op.46 | 作曲年: 1946年 出版年: 1948年 初版出版地/出版社: Muzgiz |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro con moto | 6分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante cantabile | 4分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro giocoso | 4分30秒 | No Image |
作品解説
カバレフスキーは三曲のピアノソナタをのこしている。その中でも《ピアノソナタ第三番ヘ長調》は、技巧的な難易度も高くなく、親しみやすい性格をもっているため、演奏される機会が特に多い。1946年の作品。
第1楽章:アレグロ・コン・モート ヘ長調 4分の2拍子
ソナタ形式。快活な第一主題と、静的な第二主題が巧妙なコントラストを形成している。
第2楽章:アンダンテ・カンタービレ 変ロ長調 4分の3拍子
悲しげな雰囲気が印象的な中間部をもつ。
第3楽章:アレグロ・ジョコーソ ヘ短調―ヘ長調 4分の2拍子
華やかで、爽快な雰囲気をもつフィナーレ。
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第3番 ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューベルト:ピアノ・ソナタ 第3番 ホ長調 | Sonate für Klavier Nr.3 E-Dur D 459 | 作曲年: 1816年 出版年: 1843年 初版出版地/出版社: Klemm, Leipzig |
作品解説
ソナタに分類するには疑問の余地のある作品である。というのも、この作品は全5楽章であり、しかもシューベルトが明らかに「ソナタ」と記して作曲したのは最初の2つの楽章(D 459)だけだからである。1843年に出版されたときには「5つのピアノ小品」とタイトル付けられ、3つの楽章(D 459A)が加えられていた。シューベルトが後半3つの楽章をソナタD 459に付随する楽章として作曲したのかどうか、作曲家自身の意図は定かではないのだが、5つの楽章の様式的統一(冒頭楽章とフィナーレのアレグロに、緩徐楽章と舞曲楽章が挟まれていること)および調性の論理的連続(5つの楽章がそれぞれホ長調、ホ長調、ハ長調、イ長調、ホ長調というように、3度ずつ下行していること)のために、これらはひとつの5楽章制作品とみなされている。
ステンハンマル:ピアノ・ソナタ 第3番 変イ長調
アルベニス:ピアノ・ソナタ 第3番 変イ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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アルベニス:ピアノ・ソナタ 第3番 変イ長調 | Sonata pour piano No.3 Op.68 | 作曲年: 1886-87年 出版年: 1886-87年 初版出版地/出版社: Romero |
フックス:ピアノ・ソナタ 第3番 変ニ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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フックス:ピアノ・ソナタ 第3番 変ニ長調 | Sonate für Klavier Nr.3, Des-dur Op.109 | 出版年: 1923?年 初版出版地/出版社: Vienna |
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 | Sonate für Klavier Nr.3 B-Dur K.281 K6.189f | 作曲年: 1775年 出版年: 1799年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro moderato | 4分30秒 |
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2 | 第2楽章 Mov.2 Andante amoroso | 7分00秒 |
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3 | 第3楽章 Mov.3 Rondeau-Allegro | 4分00秒 |
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作品解説
1775年にミュンヘンで、デュルニッツ男爵のために書かれた6曲のうちのひとつ。装飾音や細かい音符が多用され、即興的な印象を与える作品である。
第1楽章の音階をなぞるようなパッセージや、伴奏部のアルベルティ・バスや和音連打が、軽快な音楽を形作っている。第2楽章はアモローソと指示されている。弦楽器などを含む室内楽のような趣きをもち、非常にやわらかな間奏曲に仕上がっている。第3楽章はロンド形式。主題と4つものエピソードが活き活きと紡がれてゆく。
※ソナタ第一番から第六番までの調性については、第一番の解説を参照のこと
メンデルスゾーン:ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 | Sonate für Klavier Nr.3 B-Dur Op.106 U 64 | 作曲年: 1827年 出版年: 1868年 初版出版地/出版社: Rieter-Biedermann |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro vivace | 6分30秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Scherzo: Allegro non troppo | 3分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Andante quasi Alegretto -Allegro molto | 4分30秒 | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Allegro moderato | 4分30秒 | No Image |
作品解説
1827年、メンデルスゾーンが18歳の時の作品。メンデルスゾーンのソナタの中でも演奏される機会が多く、親しまれている。出版は、彼の死後、1868年に初版が出された。作品番号は、メンデルスゾーンの没後に出版社や、編纂者によってつけられたものであるため、作曲された順番とは関連していない。
メンデルスゾーンは、ベートーヴェンを敬愛していた。ベートーベンが他界した1827年に作曲されたこの作品においても、ベートーヴェンの《ハンマークラヴィア・ソナタ》との多くの類似点が指摘されている。全4楽章からなり、全曲通して演奏される。平均演奏時間は、20分弱。
第1楽章 変ロ長調 アレグロ・ ヴィヴァーチェ:重音の連打で力強くかけあがる華やかな冒頭をもつ。《ハンマークラヴィア・ソナタ》と非常に似た性格を持っている。冒頭のはぎれのよいリズム音型は曲全体を貫いており、統一感をもたらしている。
第2楽章 変ロ短調 スケルツォ:3部形式による。全体を通して16分音符がスタッカートで軽やかに奏されるスケルツォ楽章。全体的にはぎれがよいのでその中でみられる持続音の推移や、スラーで結ばれる短い楽句が印象的に響く。
第3楽章 ホ長調 アンダンテ・クアジ・アレグレット-アレグロ・モルト:3部形式による。8分の6拍子の漂うようなリズム伴奏にのせて、優美な旋律がオクターブで歌われる。中間部は、短く、憂いをおびたような雰囲気をもつ。再びもとの主題が現れた後、短いコーダがあらわれ、アレグロ・モルトに続く。ここは、移行部的な性格をもち、第一楽章のリズム音型が用いられている。興奮を徐々に高めながら、第4楽章に続く。
第4楽章 変ロ長調 アレグロ・モデラート:第3楽章から切れ目なく奏される。3部形式による。左手の3連音符の伴奏に支えられながら、右手で柔らかな旋律が奏される。アレグロ・ノン・トロッポの中間部では、雰囲気が一変し、第2楽章のスケルツォ素材が再び用いられる。そして冒頭の主題が再現されるが、和声的な盛り上がりの後、オクターブで奏される旋律は、非常に甘美で魅力的である。最後は、アルペッジョで柔らかい雰囲気がつくられ、消えるように曲をとじる。
バックス:ピアノ・ソナタ 第3番 嬰ト短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バックス:ピアノ・ソナタ 第3番 嬰ト短調 | Piano Sonata No.3 in G sharp minor | 作曲年: 1926年 出版年: 1929年 初版出版地/出版社: Murdoch |
スクリャービン(スクリアビン):ピアノ・ソナタ 第3番 嬰ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):ピアノ・ソナタ 第3番 嬰ヘ短調 | Sonata for Piano No. 3 Op.23 | 作曲年: 1897-98年 出版年: 1898年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Drammatico | 6分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Allegretto | 2分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Andante | 4分30秒 | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Presto con fuoco | 6分00秒 | No Image |
作品解説
この作品は、スクリャービンにとって2度目の演奏旅行となる旅先のパリで、1897年に作曲が始められた。モスクワ音楽院出身のピアニスト、ヴェーラと婚約した頃であった。しかし、彼の家族や支援者にこの結婚は反対され、スクリャービンの失意が表れている、といわれている。
緩、急、緩、急の4楽章形式。緊張感のある第1楽章の主題は第4楽章の激しい終結部で再度登場する。また、第3楽章は「星が歌う」とも言われた美しい旋律。
スコット, シリル:ピアノ・ソナタ 第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スコット, シリル:ピアノ・ソナタ 第3番 | Piano Sonata No.3 | 作曲年: 1956年 |
アイスラー:ピアノ・ソナタ 第3番
ヴァイン, カール:ピアノ・ソナタ 第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヴァイン, カール:ピアノ・ソナタ 第3番 | Piano Sonata No. 3 | 作曲年: 2007年 出版年: 2007年 初版出版地/出版社: Faber Music |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 | No Data | No Image |
2 | 第2楽章 | No Data | No Image |
3 | 第3楽章 | No Data | No Image |
4 | 第4楽章 | No Data | No Image |
作品解説
間断なく奏される4楽章(ファンタジア-ロンド-ヴァリエーション-プレスト)からなる。
ファンタジアは全楽章にわたって姿を変えて現れるいくつかの曲想を提示する。ロンドではシンプルなリズム動機が現れ、続くヴァリエーションは和声的なテーマが展開する。プレストではそれまでに現れた主題的な要素がエコーのように現れる。
この作品は、オーストラリア・カウンシルの支援のもと、ギルモア国際キーボード・フェスティバルから委嘱され作曲。初演は、2007年5月11日、ロサンゼルスのジッパー・コンサートホールにて、2004年同音楽祭ヤング・アーティスト賞に輝いたエリザベス・シューマンによる演奏。
ヒアネオ:ピアノ・ソナタ 第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヒアネオ:ピアノ・ソナタ 第3番 | Sonata para piano Nr.3 | 作曲年: 1956-57年 |
シマノフスキ:ピアノ・ソナタ 第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シマノフスキ:ピアノ・ソナタ 第3番 | Sonata fortepianowa Nr.3 Op.36 | 作曲年: 1917年 出版年: 1919年 初版出版地/出版社: Universal |
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ 第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブーレーズ:ピアノ・ソナタ 第3番 | Sonate pour piano No.3 | 作曲年: 1957-58年 |
作品解説
アンティフォニー、トロープ、コンステラシオン、ストローフ、ゼクエンツの5つのフォルマン(形成されつつあるもの)からなる。この5つのフォルマンの演奏順序は演奏者に任されているが、全くの無秩序なのではない。必ずコンステラシオンが中心でなければならず、よって8種類の可能性がある。ブーレーズ自身、「興味の中心は1つの作品の2つの顔を比較するなどということではなく、まさに作品が決して決定的に固定された1つの顔を持たないであろう、ということを知ることなのです。」と語っている。しかし、今のところトロープとコンステラシオンしか出版されていない。
トロープ
グレゴリア聖歌に新しい歌詞と装飾的旋法を挿入するという「トロープ」の形式を援用している。テキスト、パランテーズ、グロス、コメンテールの4つの部分からなり、どこから始めても良い。テキストとグロスが確定された構造、パランテーズとコメンテールが「管理された偶然性」を取り入れた不確定な構造になっている。
コンステラシオン
ポワン1、ポワン2、ポワン3、ブロック1、ブロック2からなる。楽譜は二色で印刷されていて、ポワンは緑、ブロックは赤で示される。
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 | Sonate h-Moll Op.58 CT203 | 作曲年: 1844年 出版年: 1845年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel 献呈先: Comtesse Emilie de Perthuis |
作品解説
この『ピアノソナタ第3番』は、前作の『第2番』「葬送ソナタ」よりも有機的な形式や壮大な規模を持ち、ショパンの力強く雄大な一面を十二分に発揮させた傑作である。 作曲はショパン円熟期の1844年夏、出版は翌年の1845年、E・ドゥ・ペルトゥイ伯爵夫人に献呈された。
第1楽章ロ短調はアレグロ・マエストーソのソナタ形式で書かれている。極めて優美な主題の素材が溢れるように次々と登場し、ショパンの作曲家としての巨大な資質がうかがえる楽章。
第2楽章変ホ長調はスケルツォ。ショパンは深刻な内容のスケルツォを何曲か書いたが、このスケルツォは本来の諧謔的な内容を持つ。短い楽章だが、軽快で即興的でピアニスティックな効果が生きている。
第3楽章ロ長調は、ノクターン風の甘美な楽章。中間部に移っても曲想の大きな変化はなく冗長なきらいがあるが、この楽章の長さが曲全体の時間的均衡を絶妙に保っている。
第4楽章ロ短調はロンド形式のフィナーレ。これは、ショパンの『熱情』と称される程に力強い楽章。ヴィルトゥオーゾ的な技巧を要し、華麗で堂々たる表情をしだいに高揚させ、圧倒的な力感溢れるままに曲を閉じる。
ピアノソナタ第3番
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/14 14:37 UTC 版)
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- ピアノソナタ第3番 (シューベルト)
- ピアノソナタ第3番 (シューマン)
- ピアノソナタ第3番 (ショパン)
- ピアノソナタ第3番 (スクリャービン)
- ピアノソナタ第3番 (ブラームス)
- ピアノソナタ第3番 (プロコフィエフ)
- ピアノソナタ第3番 (ベートーヴェン)
- ピアノソナタ第3番 (モーツァルト)
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「ピアノソナタ 第3番」の例文・使い方・用例・文例
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