水泳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/04 07:04 UTC 版)
衣類・道具類
水泳を行う際、通常は水着を着用する[38]。インナーウェア(下着)として水着インナーを着用する場合もある。プールを使う水泳の場合、学校であれ公営プールであれ、水質悪化を防いだり感染症を防ぐためにスイムキャップやゴーグルの着用が義務付けられていることも多い。水着は19世紀頃の通常の衣服とそれほどの違いのないものから、体に密着して動きやすく、肌の露出が多い方向へと変化してきた。通常の水着のほか、水中での体温低下を抑えるウェットスーツや、イスラム教の戒律の関係で肌の露出を極力抑えた水着であるブルキニなどさまざまな特殊用途の水着が開発され、水泳で使用されている[39]。これに対し水難事故防止の目的で訓練される着衣泳においては、落水時を想定してあえて普段の服を着て泳ぐ[40]。
初心者が水泳技術を習得したり、トレーニングのために使用する用具として、抵抗を増し推進力をつけるためのパドルやフィン、浮力を得るためのビート板やプルブイなどが使われることもある。
競泳では通常、水着を着用しスイムキャップやゴーグルも使用する。タイムを競う競技では水着の抵抗が影響し、素材・裁断・縫製などでタイムが変わるので、スポーツ用品メーカー各社が激しい開発競争を行ってきた。2008年の北京オリンピックの競泳ではSPEEDO社の開発したレーザー・レーサーという競泳用水着が大会を席巻し、世界新記録が相次いで樹立されたものの、特殊な水着を入手できる一部の競技者だけが有利になってしまったことから2009年に規定が大幅に改訂され、素材・形状などに関して細かいルールが設定された[41]。アーティスティックスイミングのルーティン競技ではある演目のためだけに特注デザインの水着を用意することもある。水球では、相手選手に引っ張られたりしにくい特殊な生地の水着を着用する。競技によってはインナーウェアの着用が禁止されている場合がある。
注
出典
- ^ 広辞苑【水泳】
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- ^ https://news.yahoo.co.jp/articles/84710a8194d8afda061929168f415aa901e330f1?page=2 「スラップスケートOKで高速水着禁止の過去…ナイキ厚底シューズは“技術ドーピング”なのか、それとも技術革新なのか?」THE PAGE 2020/1/17 2022年3月29日閲覧
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