水泳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/14 09:27 UTC 版)
泳法

水泳を効率よく行うために、さまざまな泳法が存在する。競泳において用いられるものは、クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライの4つの泳法であるが、日本泳法のようにこれらに属さない泳法も存在する[26]。日本泳法をはじめ、世界各地に独自の伝統泳法が存在し、南アメリカの伝統泳法から抜き手が、オーストラリアの伝統泳法からバタ足が導入されたように、伝統泳法から近代泳法への技術導入がなされることもある[27]。また、初心者はしばしば犬掻きを行う[28]。
4泳法のなかで最も古いものは、紀元前3000年頃の古代エジプトですでに近いものが成立していたクロールであるとされるが[29]、近代西欧世界においては平泳ぎが主流の泳法となっており、やがてその派生として横泳ぎも成立した[30]。19世紀に始まった競泳においても、初期は平泳ぎか横泳ぎで行われていた[9]。やがて、1873年にイギリスのアーサー・トラジオンがトラジオン・ストロークを考案し、抜き手の技法が競技泳法に導入された[31][27]。トラジオン・ストロークでは足はまだ挟み足となっていたが、1902年にオーストラリアのディック・カヴィルがこの泳法にバタ足を導入し、クロールと呼ばれる泳法がここで成立した[32]。背泳ぎの成立はヨーロッパで15世紀頃にさかのぼるが、このころは足は平泳ぎと同じ動きだった。やがて手の動きはクロールのようになり、足もバタ足となって、1912年に現在の泳法が成立する[33]。最後に、平泳ぎが進化する形で1933年にバタフライが成立し[34]、1952年に独立した1つの泳法として認められたことで、競技4泳法が出そろった[5]。
注
出典
- ^ 広辞苑【水泳】
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- ^ https://news.yahoo.co.jp/articles/84710a8194d8afda061929168f415aa901e330f1?page=2 「スラップスケートOKで高速水着禁止の過去…ナイキ厚底シューズは“技術ドーピング”なのか、それとも技術革新なのか?」THE PAGE 2020/1/17 2022年3月29日閲覧
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