山岡夫妻の理解者・支援者
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「美味しんぼの登場人物」の記事における「山岡夫妻の理解者・支援者」の解説
唐山 陶人 演 - 田村高廣(うち内田朝雄、久米明に交代した回あり)(テレビドラマ・金曜エンタテイメント版)、麿赤兒(テレビドラマ・土曜プレミアム版) 声 - 富田耕生(テレビアニメ) 人間国宝の陶芸家。雄山の陶芸の師匠で、北大路魯山人の弟子。海原雄山も頭が上がらない唯一の人物。初登場3巻「和菓子の創意」。5巻「もてなしの心」で喜寿を迎えている。「究極のメニューVS至高のメニュー」の審査員の一人。士郎を実の孫のように可愛がり、士郎が雄山と対立し始めた高校生の頃から、士郎はほとんど彼の家で過ごすようになった。士郎と雄山の反目ぶりに心を痛めており、なんとか仲直りをさせようとしばしば間に入っていた。一度言い出したら聞かない頑固な性格で、人に頭を下げられない。おだてに乗りやすく、雄山にも丸め込まれてしまう(17巻「エイと鮫」)。警察の上層部に顔が利くらしく、スピード違反などの罪に問われたサンダーボルツの面々を釈放させたこともある(5巻「鮮度とスピード」)。最初の妻に死なれた後、孫の年ほど離れた鈴村領子と知り合い結婚。領子からは「陶人くん」と呼ばれている。領子の台詞によると女性にはかなりモテるらしいが、作中では再婚後ということもあってか、具体的な描写はない。唐山陶人一門は弟子が3000人もおり、何人かは作中にも登場したが、気に入った弟子は海原雄山以外一人もいないとの事。 アニメ版では苗字の読みが「とうやま」だったが、ドラマ版では「からやま」だった。 究極のメニュー対至高のメニューでは審査員の幹事を務めている。 前述のように北大路魯山人の弟子だが、88集「器対決」で魯山人について語るシーンでは、弟子という立場で言及することはなかった。 第111巻「福島の真実」の海原夫妻出会いの場の回想シーンにて、現在より若い壮年期の姿が描かれている。 唐山 領子 声 - 藤田淑子 唐山陶人の後妻。初登場5巻「もてなしの心」。旧姓鈴村。美術雑誌の記者として取材に訪れた際に知り合い、本人曰く激しい女の戦いを経て、陶人と結婚した。陶人を「陶人くん」と呼んで人前でも構わずべたべたしている。遠縁にあたる美術商の男が贋作の売買に手を染めたため、一時陶人と雄山の仲が壊れかけたことがあった(48巻「団欒の食卓」)。 ウィンナー入り味噌汁など奇抜な料理を作ったり、鯖寿司を作って陶人に食べさせて食あたりを起こさせて緊急入院させるなど、食に関しては斬新な一面もある反面、トラブルメーカーでもある。 京極 万太郎 演 - 伊東四朗(テレビドラマ・金曜エンタテイメント版/土曜プレミアム版)→北村総一朗(テレビドラマ・土曜プレミアム版)、財津一郎(映画) 声 - 渡部猛(テレビアニメ) 京都の商人で大富豪。初登場1巻「平凡の非凡」。大正8年7月17日生まれ(ドラマ版では大正13年4月1日)。味覚のみで米の品種や産地を当てるほどの食通で「美食倶楽部」会員であり、「究極のメニューVS至高のメニュー」の審査員の一人。東京にも大邸宅を持っている。山岡に「岡星」で故郷高知県の材料を使った料理を振る舞われたのをきっかけに山岡たちと親しくなり、年の離れた友人ともいうべき関係となっている。山岡が海原家を飛び出す前から顔を合わせていたようで、初登場時に雄山の息子ではないかと問い掛けていた。雄山と士郎の確執に心を痛めていた一人で、二人の和解を目指していた。先立った妻との間に二人の娘がいる。 劇中で山岡の正体(海原雄山と親子喧嘩して家出した)をいち早く見抜いた人物である。その上で雄山に士郎が東西新聞で働いていることを知らせており、雄山が東西新聞社を訪れたことで社員全員が士郎の正体を知ることになる。ただし士郎の幼少期の顔しか知らず、大人になった今の顔と雄山の妻であるとし子の旧姓(山岡)を知らなかったせいで、すぐには士郎の正体を見抜けずにいた。 高知県の中村から四万十川沿いの上流に七里ほどのぼった「三つ又村」にある貧乏な家の出身。幼少期から米問屋に丁稚奉公し、戦前の米相場での儲けを元に現在の地位を築いた(17巻「海のマツタケご飯」)。しかし故郷には長年帰っていなかったため、海原雄山が出した四万十川の鮎で子供時代を思い出し、感涙していた(8巻「鮎のふるさと」)。87巻の「日本全県味巡り 高知編」では山岡たちを案内した。 人情家であり、金を貸していた相手が借金を苦に夜逃げしたにもかかわらず、京極が肩代わりをして戻って来るよう説得したり(27巻「日本料理の理」)、気に入った人間には無担保無利息無期限で資金を出したりと、心から信用出来る人間には損得なしの付き合いを申し出るほどである。また美術品の収集家でもあり、ルノワールなどの名作を所有している。東南アジア諸国との晩餐を美食倶楽部で開催するよう総理に斡旋したり、金上の美術品詐欺の際に裏の世界を通じて情報を集め東西新聞へ協力する(51巻「疑わしい日」)など、フィクサーとしての一面をもつ。 日本画家の清谷吟香とは幼馴染にして大親友であり、芸術のみならず料理でも張り合う仲。京極は吟香を丹波の山林に招待してマツタケご飯を振舞うが、海にもこれに劣らぬ物があると反発し、初夏に「海のマツタケご飯」を食わせると宣言。しかしその矢先に脳出血を発症し、記憶喪失に陥ってしまう。 「海のマツタケ」の正体を暴くべく、山岡は吟香と親交があるという葉山の漁師のもとを訪れ、そこで正体がトコブシである事を知る。その後、吟香は海のマツタケご飯を食べたことで記憶を取り戻し、京極に勝利宣言をした。 辰さん 声 - 野本礼三 銀座界隈に住む浮浪者(ホームレス)。初登場1巻「平凡の非凡」。「辰さん」は通称で、本名は花見小路辰之丈(66巻「出産のお祝い」)。温和で気さくな人物だが、人間関係のこじれからホームレスになった漂泊者タイプ。残飯の引き受けを通して銀座界隈の飲食業界には詳しい。以前から山岡とは知り合いで、山岡に「岡星」を紹介した。街の清掃活動をするなど近隣には迷惑をかけないようにしており、一般人が知りえないような店の裏側のことも知っていて、住民や警察からも好意的な扱いを受けている。行きつけの飲食店もあり、親しい人にお祝いの品を贈ったり、冬には避寒のため飛行機で沖縄に出掛かけるなど、困窮した生活を送っているわけではない。一度ホームレス狩りに遭って入院し、自分の存在を否定するほど落ち込んだこともあったが、山岡や岡星らの料理を通じての励ましにより回復(66巻「出産のお祝い」)。「人生は遊びよ」という持論に山岡は影響され、娘に「遊美」と命名した。 「接待の妙」では、東西新聞が大手石油会社の社長にしてドケチと評判の成沢平吉にアフリカ飢餓救済資金への寄付を依頼するが、料亭で豪勢な接待をしたことが無駄金と揶揄され断られてしまう。後日、山岡が辰さんの案内により、徒歩でデパートの無料試食のみのオードブルを饗応。成沢は大喜びで巨額の寄付をした。 板山 秀司 声 - 辻村真人 日本有数の流通企業である「栄商流通グループ」総帥。初登場1巻「野菜の鮮度」。60歳。グループの総力を挙げて開店した銀座にある百貨店「ニュー・ギンザ・デパート」の社長を兼任し、傘下には多くの関連企業がある。裸一貫から現在の地位を築き上げた自負から、登場当初はデパートの野菜の品揃えなどを批判した山岡に対して、東西新聞社からの広告全面引き揚げという圧力を掛けたが、野菜の本当の鮮度を山岡に教えられてからは山岡たちと親しい間柄になる。山岡たちの知恵を借りたり、勝負の場所提供などに協力したりと相互扶助の関係になったが、山岡にはいつもからかわれたり皮肉られている。教養が無いことにコンプレックスを持っている(7巻「茶人といちご」)。栃木県佐野市の貧しい家の出で、小学4年生の頃から大人に混ざって働いてきた(25巻「画伯とブリ」)が、エジプト政府から展示品として世界三大秘宝の一つ「ツタンカーメンの黄金のマスク」像を出展してもらえるまでに出世した(12巻「黄金の意味」)。 板山の妻 初登場31巻「死出の料理」。名前不詳。貧乏な頃から板山を支えてきた。北関東弁から東北弁のような訛りがきついが、初登場時は江戸っ子のような話し方であった。豪快であり秀司は頭が上がらないが、「とうちゃん」「かあちゃん」と呼びあっていつものろけている。西洋骨董商の深川かや子からマイセンのティーポットを譲り受けてからは、紅茶の研究にのめり込んでおり、その努力で培った才能は山岡を感心させるほどに成長している。 おマチ婆っちゃん 声 - 遠藤晴 初登場1巻「舌の記憶」。山岡にとっては祖母のような存在で、かつて海原家で働いていたため山岡についてよく知っている。夫は仙台の出だったが先立たれ、現在は農村で自給自足の暮らしをしている。有機農法の野菜や自然養鶏の鶏肉を持参してたびたび山岡たちの元を訪れるが、「驚かせる楽しみが無い」とアポなしで訪れるため、山岡たちを困らせている。栗田たま代の症状を回復させるきっかけとなった鶏肉は彼女が育てたもの。この後も度々彼女が手がけた野菜などが山岡の料理の食材となり、彼と絡む人々の問題解決の道具となる。現在は孫のように年の離れた三谷典子の甥の兼田了介と一緒に野菜などを作っている(90巻「大地に立つ」)。 大不二 清兵衛 声 - 岸野一彦 東京日本橋箱崎町に実在した割烹「鯛ふじ」の店主。初登場2巻「包丁の基本」。75歳。以前から山岡とは知り合いで、和食対決の際山岡は清兵衛の知恵を借りることがある。山岡の紹介で、日本料理店の花板との刺身の切り身勝負に挑むジェフに包丁さばきの技術を伝授。その後ジェフを弟子に迎え入れ、「鯛ふじ」で修業させている。なお、モデルとなった人物は既に故人で、実際の「鯛ふじ」も2017年をもって閉業している。 周 懐徳 演 - 仲谷昇(テレビドラマ・金曜エンタテイメント版) 声 - 小林修(テレビアニメ) 祖父の代から続く華僑の貿易商。初登場2巻「手間の価値」。横浜華僑協会会長兼「広東同郷協会会長。横浜中華街の指導者的人物であり、畏敬の念を以て「周大人(しゅうたいじん)(「大人(たいじん)」は中国語では「ターレン」と読み、英語における「ミスター」と同様の尊敬語にあたる)」と呼ばれる。優れた料理人でもあり、大富豪。山岡たちとは自身がオーナーの「宝華飯店」の料理長と山岡が出された東坡肉で揉めていたのをきっかけに知り合い、親しい間柄となった。 妻は宗芳蘭、一人娘の香玉がいる。香玉とお抱え料理人の王士秀の交際に猛反対するも、山岡たちの仲立ちもあって結婚を許可(4巻「直火の威力」)、娘婿の王に3000万円を開店資金として融資している。大女優北原幸代の熱烈なファンであり、妻の芳蘭にファンだということを内緒にして自宅にて幸代の接待をしたこともある(第10巻「乾物の滋味」参照)。 周富徳がモデルという説があったが(作者も出演した「美味しんぼ」アニメ化時の特番でも、富徳がモデルというナレーションが入っていた)、作者は否定している。作中、周懐徳が親しい料理人を叱るという設定で、タレント化した料理人を批判したことがあった(49巻「タケノコ山作戦」)。 「飲茶」では美食倶楽部で食事がしたいという中国・陳副主席の要求で、大原社主の後輩である星村外相から話を持ち掛けられた山岡の相談を受ける。かつて陳が横浜の隣近所に住んでおり、幼馴染であったという周は美食倶楽部を訪れ、自身が主催する在日華僑の食事会に、知り合いで美食倶楽部会員である馬場社長に頼んで美食倶楽部に行き、雄山を誘い出す事に成功する。 陳副主席のことを「陳ところのはなたれ(坊主または小僧)」と呼べる存在であり、在日華僑による陳副主席歓迎会の幹事であった。 食事会の場で、陳自身が料理人として腕を振るっていた事実を明かし、中国高官は面子を重んじて料理などしないところを型破りで陳は趣味にしていると説明。 当初、政治家を嫌う海原雄山は美食倶楽部での接待を断固として拒否していたが、一流料理人並みの腕前を持つ陳の料理を味わったことで、陳副主席自身が料理人だった事実に驚きつつも感銘を受け、美食倶楽部に招待した。 宗 芳蘭 声 - 坪井章子 周懐徳の妻。初登場2巻「手間の価値」で夫の周大人と共に審判役である。娘の香玉が当時お抱えコックだった士秀と交際したため、懐徳と共に猛反対。そのために二人が駆け落ちしてしまい、反対したことを後悔。その後夫に内緒で興信所などに依頼して二人を探し当て、山岡たちに協力を依頼して懐徳との和解に成功させる。料理の判定の実力は夫の周大人と共に高く、中華街のトラブルで士郎と中華街レストランで堕落した中国人コックとどちらが旨いトンポーローを作れるか勝負で、日本人で料理関係の新聞記者とはいえ本職料理人ではない士郎が「本物のトンポーロー」で勝ち、中国人で本職の中華料理人が「ただの豚バラ肉炒め」(絹江と典子も作りかけと称している)で蒸す手間を省いて堕落して負けるという失態を憂いている。 曲垣 声 - 吉田理保子 高校教諭で、ゆう子の高校時代の恩師。初登場2巻「中華そばの命」。趣味は競馬。福島競馬でパーフェクト予想を達成するなど的中率は驚異的で、新築の家を建てたりするほどの実力者(本来は「福島競馬は相性が悪い」とのこと)。教え子たちは卒業後も曲垣を慕い、相談事を打ち明ける。 角丸 豊介 声 - 島香裕 民自党幹事長、後に副総理。初登場3巻「昼メシの効果」。雄山が美食倶楽部に招く数少ない政治家の一人。党総裁選びを左右するほどの実力者で、民自党総裁選びの渦中に郷土料理をご馳走された折の山岡の態度に感服、特ダネをリークした。また捕鯨や米輸入自由化問題については国内と海外の板挟みに遭うが、山岡たちをアメリカとの交渉の場に同席させるなど、共に悩み解決策を模索する(13巻「激闘鯨合戦」、36巻「日米コメ戦争」)。士郎とゆう子の披露宴にも出席した。学生時代は柔道に熱を入れていた(16巻「飯の友」)。政界入りする前は大蔵省に勤務していた。 尾沢 平助 山岡夫妻のアパートの大家。初登場46巻「究極の新居」。東京都中央区月島周辺に多くの不動産を持っている。 典型的な江戸っ子気質な頑固者で、山岡からは事ある毎に「因業大家」と揶揄されては「家賃◯倍」と反論するという子供じみた痴話喧嘩を繰り広げているが、根は優しく、山岡とゆう子の良き相談相手の一人となっている。 新居探しに訪れた山岡たちに当初は不遜な態度を取った事で対立するが、幼馴染の春野はるとの仲を山岡たちが微妙に進展させたことから、自分のアパートの一室を彼らの新居として格安で提供した。 前妻は亡くなり子供はいなかったが、後にはると再婚。義理の娘・季子の結婚問題に際して韓国人に対する偏見を露わにするが、山岡達の説得や、同じく韓国人に偏見を抱いていた金上の暴言を目の当たりにした事でその過ちに気付き、季子たちの結婚を認める(55巻「韓国と日本」)。 尾沢 はる 尾沢平助の妻。初登場46巻「究極の新居」。旧姓春野。結婚した士郎とゆう子が住む月島のアパートの1階で、小料理屋「はる」を営んでいる。以前別の男性と結婚して大阪に渡り娘の季子を授かるも、夫と死別して故郷の月島に帰り、小料理店を開業。和食を中心に、ジャンルに囚われない惣菜料理を作る。この点が東西テレビのプロデューサーの目に止まり、料理番組「はるさんの台所」に出演することとなる。後に平助と再婚した。士郎とゆう子の良き相談相手の一人。岡星同様うつ病になってしまったが、「究極のメニュー西音松・西健一郎の料理 夏編」を食べたことにより完治した。
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