勢力・設定用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/19 16:55 UTC 版)
巨神と機神 世界が誕生して間もない、ただ海が広がるだけだった太古の時代に巨大な二柱の神、巨神と機神が現れた。 巨神と機神はそれぞれ有機生命体と機械生命体を生み出し、巨神界と機神界が築かれた。二つの世界は共に手を取り合い、永遠に平穏は続くと思われた。しかし、モナドを手にした巨神が突如として機神を攻撃したことで、その平和は破られる。「自らの力のみで世界をつくり変えるのは神のみに許された業」とする巨神ザンザが、独自の発展を続けていたマシーナの存在を認めなかったためであった。機神メイナスはマシーナたちを守るため巨神に立ち向かい、二柱の神々は激しい争いを繰り広げた。やがて二柱は相討ちとなり、骸になる。その際ザンザは隙を突かれハイエンターに封じられ、メイナスもまた、ザンザとの戦いで疲弊し、生き残った者達に巨神は未だ滅んでいないことを伝え、長い眠りについた。 以上の経緯が機神兵が巨神界を襲う理由となっているが、マシーナ達が二神戦争のことを深く記憶に刻んでいるのに対し、巨神界では生息する生命の寿命の短さ故か、このことは風化してしまっており、現在ではおぼろげに言い伝えが残っているのみである。 前述の通り、骸となっても二柱は滅んでおらず、幾千年の時を隔て、共に復活を果たす。 巨神界(きょしんかい) 巨神の骸の上に築かれた世界。この世界で発生した生物は有機物の肉体を持ち、「巨神から生まれた者は巨神に還る」という生命観を持つ。人語を解するほどの知能を持つホムス、ノポン、ハイエンターという3種族の他に、人語は解さないが、独自のテリトリーや生活の場を持っている亜人たちも数多く生息している。ホムス 巨神下半身に暮らすヒトの姿をした種族。寿命は80歳程度。数千年前に誕生し、王族・皇族による統治制度を経た後、現在はコロニー監督官を中心としたコロニー制という形で巨神界の各地に散らばっている。 なお、コロニーは10箇所ほど存在していたが、その大半が作中以前に機神兵の攻撃によって壊滅しており、現在はコロニー6、コロニー9の二つしか残っていない。 ホムスにとって機神兵とは、純粋に敵対勢力である。コロニーを破壊し多くの人を虐殺する存在として、憎むべき存在である、というのが大方のホムスの認識である。 ノポン 巨神背部に位置する「マクナ原生林」を拠点とする、丸く愛らしい獣のような外見をもつ商業種族。寿命はホムスと大して変わらないが、その姿形や「〜も」を語尾とするしゃべり方から、他種族のものがノポンの年齢を外見で判断するのは非常に難しい。中には語尾に「〜も」をつけないノポンもいる。また、稀に数千年以上も生きるノポンがいる。 頭部にある羽が発達しており、それを手の代わりとして様々な作業をこなすことができる(普通の手も一応あるが、とても小さく使うことは滅多にない)。エーテルのような技を繰り出すことができるが、ハイエンターとは違い「裏で色々苦労している」とのこと。ノポンの子供は見かけによらず大飯食らいであり、そのせいもあって子供の数は一家族につき1〜2匹程度が普通である(あまり子どもを作るとあっという間に借金まみれになるため)。 性格は基本的に気楽であり、また、神経が太く商魂たくましい。そのバイタリティで各地の遺跡や未開拓の雪山への調査を進めたり、ホムスにとっては伝説と化しているハイエンターとの交流も盛んである。一方、負債を抱えた者を「勇者」と称して村の為に強制労働させるなど、金銭に関してはシビアでブラックな面もある。 ホムスやハイエンターと違いエーテルを工業的エネルギーとせず、花粉を加工した「花粉玉」を用いて生活を営む。 機神兵団はノポン族が多く暮らすマクナ原生林には侵攻している形跡がない。そのため、ノポン族にとっての脅威とはもっぱらマクナに生息する、人語を解さない亜人たちや“大恐竜”(テレシアのこと)である。ホムスやハイエンターのように物語上の明確な役割を持っておらず、彼らと比べ特異なほど外見が違うことや、機神兵やテレシアの直接の標的にされないことなど、その出自・存在には疑問が多い。 ハイエンター 他地域と隔絶された位置にある巨神頭部に広がる「エルト海」に生息しホムスの間では半ば伝説となっている種族。巨神界に遥か昔から棲む原初生命の一つである。皇家の血筋が国を治める君主制により、繁栄を極めている。閉鎖的な種族ではあるが、近年はノポンとの交流が盛ん。また、かつては巨人族やマシーナとも交流していた。 外見はホムスに似ているが銀髪の者しか存在せず、頭部に(飛行も可能な)羽が生えており、エーテルを触媒なしで操ることができる。寿命はホムスの約5倍である。現在は人の姿をしているが、始祖は巨大な鳥のような姿をしていたと伝えられており、皇都の建築物が必要以上に広いのはそのためだとされている。他の生物よりエーテルによる影響を受けやすい。 ホムスやノポンより遙かに高度な文明を築いており、その統治体制は皇家を頂点とした三院制(記録院、探求院、究明院)である。それぞれの役割は作中では詳細には語られないが、それぞれ行政、技術開発、司法を司る機関と考えられる。また、都市全体を浮揚システムで海上に浮かせたり、転移装置で島々を移動できたり、墓所には皇祖の人格を模した疑似コンピュータのようなものが内蔵されているなど、その技術力には他を圧倒するものがある。 ハイエンターという種族は、巨神復活の際に邪魔な生命を狩りとるためにザンザに創り出された種族であり、高濃度のエーテルを浴びることでテレシアに変貌する因子を持っている。しかし、ホムスと交わるとテレシア化しなくなるため、皇家はテレシア化因子を取り除くためにホムスとの混血政策を進めており、皇主には光妃(こうひ・ハイエンターの妃)と影妃(えいひ・ホムスの妃)という二人の妃を娶るしきたりがある。混血児と純血種の間では遺伝子の優劣にもよるが翼が短いことで混血であるかが分かる。保守的なハイエンターの間では、ホムスとの混血は汚らわしいものと捉えられており、巨神教異端審問官といった過激派が出現する要因にもなっている。この巨神教は第47代皇主ルミオン皇の治世下において、過激思想として勅命により解体させられ、教団は崩壊したものと最近まで思われていた。 巨神界を統べる種族であることを意識しているハイエンターにとって、機神兵の侵攻は止めなければならないものであるというのが皇主ソレアンの考えである。巨神界の生物の生き死にはエーテルに影響を与えるが、昨今の機神兵団侵攻がそれを増幅させている。このエーテルの不安定化は巨神界の生物に害を与えるテレシアの活性化を促してしまう。この事態を皇主として看過するわけにはいかないということである。 なお、父ソレアンの補佐を務める皇子カリアンは当初「たとえ相手が機神兵団であってもハイエンターは他民族との争いを好まない」とダンバンに告げており、防衛機構を重視しているハイエンターにとってもこちらの考えの方が一般的だったようである。 本編終盤での出来事によって純血種は事実上絶滅したため、「つながる未来」に登場するのは混血種のみで絶滅した純粋種に対する差別意識を持つ人物も登場する。 巨人族(きょじんぞく) ハイエンターと並ぶ巨神界最古の種族。名前の通り、巨大な体躯を誇る。 儀式などを重んじる種族で、各地に遺跡を造り供物を捧げていた。 原因は判然としないが、現在では滅んでしまっている。 テレシア 巨神界上層に棲み、眠れる巨神を守護するといわれる霊獣。 巨神の細胞の一部であり、巨神界最古の生物と伝えられている。「テレシア」という言葉は「不浄な生命を刈り取る者」という意味があり、巨神(ザンザ)にとって邪魔な生命を排除する役割を担う。 知性と呼べるものはなく、ほとんど本能のみに従って行動する危険な生物である。 エーテルを糧とし、周囲のエーテルを吸収し、枯渇させ、生態系を破壊してしまう。 生命力が強く、触覚によって相手の思考を読む能力を持つ。 巨大な鳥のような姿をしたものや恐竜のような姿をしたものなど様々な個体があるが、いずれも虹色の体と光の羽を持つ。 強さについては個体差が激しいものの、思考読みの力もあり、基本的に並の戦士では太刀打ちすることのできない強大な存在である。ハイエンターの皇都から逃げ出したテレシアは精鋭の衛士たちでも討ち果たすことができなかった。 テレシアが知性を与えられて進化した生物がハイエンターであり、ハイエンターにとってテレシア化することは「元の姿に戻る」ことを意味する。 霧乃獣(きりのけもの) 「つながる未来」のみに登場。その名の通り、黒い霧をまとったモンスターで、波動により周囲の獣を引き寄せてくる。 機神界(きしんかい) 機神の骸の上に築かれた世界。機械と金属で構成された肉体を持つ生物である、機械生命体が生息している。 巨神界をも上回る高い技術力を誇る。現在は断絶しているものの、かつては巨神界と何のわだかまりもなく交流していた。機神界人(マシーナ) 機神より生まれた機械生命。 非常に寿命が長く、身体のパーツを追加・換装すればかなりの長い時間を生きることができる(ただしどんどん身体が大きくなり、致死レベルの損傷を負うと死んでしまう)。また、その長命さ故に、300年を「知り合って間もない」と言うほど時間の感覚が大きくズレている。食物を必要とせず、水と少しのエーテルがあれば生きられる。水の中に長時間居ることはできない。しかし、機械の肉体であるため少しのことで身体に異常をきたしやすいという難点がある。 機械であるが魂魄を持つれっきとした生命体であり、性別も存在して原理は不明だが子を成すこともできる。 かつては機神メイナスを篤く奉じる者たちで構成された独自の社会体制を築き栄えていたが、今では生き残っている者は少ない。 機神兵(きしんへい) 機神から現れ進軍を開始した、機械生命体の軍団。意思を持たず純然たるロボットに近い存在で、機神界盟主エギルの命令によって動く。 その多くはホムスによって「○○式(○○には漢数字が入る)機神兵」と呼ばれているが、機神界では「○○式(○○には漢数字が入る)・△△(△△には英字表記が入る)」と名付けられているものが多い。 二足歩行タイプや四つ足のもの、飛行型までその形態は多種多様である。赤い光を放つ眼のようなものが付いており、これが素早く明滅すると攻撃対象を捉え戦闘モードに入ったことを示す。並の武器では傷一つつけられない強固な装甲に加え、ホムスを凌駕する圧倒的なパワーを持つ。しかし、エーテルにはあまり耐性がなく、物理攻撃であっても体勢を崩し転倒させれば通用するようになる。 機神兵の目的は主にモナドの破壊と、生死を問わずホムスを捕獲し、機神界に回収することである。 ホムスを機神界に連れ去るのは、巨神に還った生き物のエーテルを糧とするザンザのエネルギー補給を妨害するためであり、同時にフェイスの材料にするためという意味合いもある。 巨神界を数千年以上の長きに渡って蹂躙してきたが、作中開始の1年前の大戦でモナドを手にしたダンバンにより殲滅、撤退に追い込こまれた。だが、本作のプロローグにおいて軍団を再構築して侵攻を再開する。フェイス 巨神界の者達に「顔つき」と呼ばれている、特別な機神兵。 いずれも二足歩行タイプであり、飛行のための推進装置を後部に持つ(量産型や黒いフェイスには飛行形態が存在する)。機動力・装甲・パワーのどれをとっても通常の機神兵の能力をはるかに超えた存在である。また、武装はそれぞれコアユニットの戦闘タイプを反映した装備がなされている。 その実態は1年前の戦いでモナドに煮え湯を飲まされたエギルが、人間を斬れないというモナドの弱点をつくために作りだした兵器である。ホムスの脳幹部や代謝に必要な臓器などを組み込み、装甲内に血液を循環させることで「人」と認識させている。その内部には機械の体に改造されたホムスがコアユニットとして組み込まれている。なお、一体のフェイスに対して使われるホムスの臓器は一人分である。フェイスは主にコアユニットが内部から操るのが基本だが、限定的ながら遠隔操作も可能。また、全ての機神兵はエギルの支配下にあるため、仮にコアユニットが逆らおうとしても無理矢理フェイスをコントロールされてしまう。 血液のろ過や諸々の機能が不全な初期型は定期調整を必要とし、中にはホムスを「喰らい」輸血のような形で賄うものもいる。 フェイスのユニットの身体構造は概ねマシーナと似ているが、免疫系等をフェイス本体に依存しているため、長時間フェイスから降りて活動することはできない。また、一部を除いて初期に製造されたフェイスのユニットは実験的な意味合いもあり生身の頃の記憶が残されているが、後半のものは全ての記憶情報を抹消されている。 機神兵(フェイス含む)は機神胸郭にあたる位置にある「中央工廠」にて製造・調整がなされ、機神の大剣の鍔の部分に設営された前線基地「ガラハド要塞」から侵攻してくるとされている。 神剣モナド 機神との戦いの際に巨神が振るっていたとされる光の剣。14年前にヴァラク雪山でディクソンにより発見された。 作中世界を構成する根源元素エーテルに干渉、制御し、それらを断ち切ることもできる力を持つ。柄の部分にある何層にも重なったガラス状のプレートの一枚一枚に漢字のような文字が浮かび上がる仕組みになっており、浮かぶ文字によって異なる力が発現する。 機神兵の強固な装甲をも容易く切り裂くが、ホムスやハイエンターといった巨神界の人族を傷つけることは全くできない。また、ホムスの器官が組み込まれたフェイスに対しても同様に効力を持たない。 物語中盤でザンザによって枷が外され形状が変化し、フェイスすらも斬れるようになるが、後にエギルによって明らかにされた反モナド場(アポクリファ)によってモナドの力が停止させられてしまうことが判明する。 物語開始時点では機神兵に対して有効な唯一の武器であり、ホムスの希望ともいえる存在であるが、その力のため使用者には多大な負荷がかかり、ダンバン以外には制御できないとされていた。しかし、機神兵の再侵攻に際して、傷のためモナドを振れなくなったダンバンに代わり、シュルクが振るう事となる。この際ダンバンには知覚できなかった、わずかに先の未来を見ることが出来る「未来視」が発現している。 モナドには未来視のほかにも、前述のように文字に対応した様々な力を発揮する能力が秘められている。また、使用者の意志を反映させる特性があり、アルヴィースは「モナドは意志の力」と語っている。 かつてはハイエンター皇家に仕える神聖予言官が未来視を見るために触れる、儀式上の道具であった。 最終的にザンザの手に戻った後は、形状がさらに大きく変化し、禍々しい外観の両刃の剣となる。 また、メイナス(が憑依していたフィオルン)も二振りの七支刀に似たモナドを装備していたが、ザンザに敗れた際にザンザに奪われてしまい、その時はその二つを連結した大剣型に変化、ザンザに巨神界だけでなく機神界の因果律にも干渉できる力を与える事となる。 モナド 世界に生きる者一人一人が持っている光。 通常は形もなく、力も無いに等しい。 上記の神剣モナドは狭義のモナドであり、本来モナドとはこちらを指す。具現化しているザンザやメイナスのモナドは創世や未来視といった超常的な力を秘め、他のモナドとは一線を画する。 加えて、モナドは世界の基になっている高次意識体(アルヴィースのこと)でもあり、世界そのものともいえる。 根源元素エーテル 作中世界の万物は、巨神界・機神界を問わずエーテルという根源元素によって構成されている。 巨神界と機神界とではエーテルの流れが異なるため結晶の形が違い、巨神界では「エーテル鉱床」、機神界では「エーテルギア」として存在している。 生物は周囲のエーテルが極端に不足するとエーテル欠乏症を引き起こしてしまう。また、死ぬと体内で蓄えたエーテルを結晶として落とすとされる。 エーテルの性質は状態や属性によって千差万別であり、カルナの回復エーテルのように癒しの力をもつものもあれば、巨神の血液やそこから作られる溶液のように、生物の体を侵すものもある。また、同一のエーテル粒子が大量に集まると、連鎖反応を起こし高熱を発する。 ホムスやハイエンター、機神界の兵器やマシーナの工業的エネルギー源としても重要で、また、ゲームシステム上においては各キャラクターのアーツや装備にさまざまな追加属性を付加する「ジェム」の精製のために必要不可欠な存在である。 エーテル単体は個々の位置や運動量、相互に関係するそれらの未来の振る舞いについて予測可能であり、その集合体である生物の未来も原理的には予測可能だとされる。ここから「この世界を構成する根源元素エーテルに干渉できるモナドの原理」と「エーテルの流れそのものである未来視を見たことでその未来に干渉可能な原理」は同じであると考えることができる、ということが劇中アルヴィースとシュルクの会話で明らかにされる。 未来視(ビジョン) 数秒先、あるいは遥か未来の出来事を映像のように見る力。 未来視は確定された未来ではなく、行動次第で変えることも可能である。もし未来視を見ても何も対処しなかった場合、未来視の内容通りの出来事が起こる。また、どんなに最善を尽くしても変えることのできない不可避の未来も中には存在する。 予知のような力であるが、上記のようにこれはエーテルの流れとその因果律を読み取り、それを基に未来の出来事を映像としてシミュレーションする力である。そのため、因果の流れの外となっている存在を未来視することはできない。 反モナド場(アポクリファ) フェイス同様、エギルがモナド対策として発明したもので、モナドの力をかなり抑えることができる。 その原理は、根源元素エーテルに干渉する波動を放つモナドに対し、相反する波動をぶつけることで無力化するというものである。 中央工廠の最奥部、機神界中枢直下にある「アポクリファ発生器」より生じ、その効力は遠く離れたガラハド要塞や落ちた腕にまで及ぶほど。 ジャンクス 「落ちた腕」にあるマシーナの隠れ里の核を為す飛翔機械。 広い後部甲板と2枚の可動型水平翼と垂直翼を持ち、フェイスの後部に備えていたような推進装置を使って飛行する。 また下部に2門のビーム砲を備えており、機神の中央工廠最上部への侵入の際、威力を発揮した。 中枢には常にミゴールがその巨体を納めており、再加入したフィオルンの生命維持装置を修復したリナーダ、ヴァネア、ジャンクススタッフらとともにシュルクたちの空中輸送をサポートする。
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